仁比聡平の発言 (法務委員会)

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○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、刑事デジタルプライバシー侵害法案というべき刑事訴訟法等改定案に反対の討論を行います。
 法案が新設する電磁的記録提供命令は、今日際限なく蓄積される巨大サーバーやクラウド上のデジタル個人情報自体を押収対象とするもので、被疑事実と全く関係のない個人情報、開発、営業など、事業に関する情報が根こそぎ収集される深刻な危険があります。
 法務省は、何を提供すればよいか、通信事業者などが判断できる程度に令状で特定すると言いますが、形のないデジタル個人情報を犯罪関連情報とそうでない情報に明確に区別し、特定することは本来的に不可能です。
 電気通信事業者は罰則で提供を強制されるとともに、法案が新設する秘密保持命令が発せられた場合、個人情報本来の、本来の持ち主は、自らの個人情報が捜査機関に丸裸にされたことを全く知らないまま、不服申立て権を事実上奪われることになります。
 政府は、そうした強制処分を必要とする立法事実について十分な説明をしていません。法文は具体的要件を定めない広範なものです。個人情報主体への通知を求める日本弁護士連合会の修正要求にさえ背を向けた法案は、憲法三十五条が保障するプライバシー権の不当な侵害であり、包括的押収を許容することになりかねません。
 個人情報を一たび押収すれば、捜査機関は、たとえ提供命令が後に取り消されても消去することなく、データベースを構築するなどして手元に蓄積し続け、令状のない他事件や不当な住民監視など、人権侵害を繰り返してきた公安警察活動にも利用することを当然視していますが、そこには大川原化工機冤罪事件、岐阜県警大垣署事件を始め、取り返しの付かない人権侵害を引き起こしてきたことへの何の反省もありません。
 本法案は、デジタル技術の劇的発展の下で捜査機関に強力な武器を与える一方、もう一方の訴訟主体である被疑者、被告人には、オンライン接見も電子データの授受もその権利性も認めず、防御権へのデジタル技術の利用を極めて制約するものにほかなりません。
 無罪証拠、被疑者、被告人に有利な証拠を、証拠ではなく資料などとして隠蔽し、捜査機関が描いた絵に沿うよう根こそぎ集めた、事件とは全く無関係の個人情報を取調べで持ち出して自白を強要してきたような自白偏重、人質司法こそ根本から改革すべきです。
 再審法の抜本改正、証拠の全面開示、全事件全過程の取調べの可視化、盗聴法の廃止など、抜本的改革こそ必要であることを強調し、反対討論といたします。

発言情報

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発言者: 仁比聡平

speaker_id: 18362

日付: 2025-05-15

院: 参議院

会議名: 法務委員会