石破茂の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(石破茂君) 水岡俊一議員の御質問にお答えを申し上げます。
政治改革についてでございます。
一連の政治資金の問題を受け、私自身、政治は国民のものとの原点に立ち返り、私なりに謙虚に、真摯に、誠実に政治改革に取り組んでまいりました。
自由民主党総裁として申し上げれば、昨年十二月の臨時会では、我が党から積極的に提案を行い、各党各会派との真摯な議論を経て、政策活動費の廃止、調査研究広報滞在費の使途公開と残金返納、政治資金に関する第三者機関の設置、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築等につきまして、必要な法制上の措置を実現してまいったところでございます。
これら昨年の立法を受け、今後、第三者機関であります政治資金監視委員会を国会に設置するための法律や、所属国会議員が起訴された場合等における政党交付金の交付停止等に関する法律が必要とされております。この実現に向け、各党各会派と議論を進めてまいります。
いわゆる企業・団体献金禁止法案につきましては、衆議院の政治改革特別委員会において令和六年度末までに結論を得ることとされており、我が党として各党各会派と真摯な議論を続けてまいります。
他方、企業・団体献金につきましては、政治資金規正法の目的及びその基本理念を踏まえ、禁止より公開という考え方の下、その透明性を更に向上させるための法案を党において検討しておるところでございます。
さらに、政治に対する国民の信頼を確保するため、政党等の規律と担保方策、そのための法制度等の在り方につきましても議論を深めてまいりたいと存じます。
政治倫理審査会の審査に関する所感等についてのお尋ねを頂戴いたしました。
政治倫理審査会における審査は現在もまだ継続中であると承知をいたしておりますが、審査会の場における各議員の弁明に対する評価は、同審査会と審査結果の報告を受ける各議院、ハウスの方ですが、各議院、さらには国民の皆様方が行われるものであり、総理大臣の立場で所感を述べることは差し控えます。
その上で、収支報告書の不記載をめぐりましては、第三者である検察により厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき刑事事件として取り上げるものは立件されてきたと認識をいたしております。
自由民主党におきましても、可能な限りの調査を行い、その結果を国民の皆様方に説明をいたしてまいりました。大切なことは、二度と同様の事案を繰り返さないということであり、改正されました政治資金規正法を遵守いたしますとともに、引き続き、党として政治改革の議論を率先して行ってまいります。
避難所環境の整備についてでございます。
被災者の方々が避難所において発災直後から尊厳ある生活を営める環境を整備することは、国家の重要な責務でございます。
昨年十二月には、内閣府におきまして、避難生活に関する自治体向けのガイドライン等を改定し、スフィア基準に沿った避難所運営を促したところでございます。また、先般成立いたしました補正予算におきましては、避難所の生活環境の改善に資する自治体の先進的な取組を新地方創生交付金により支援するとともに、全国のトイレカーやキッチンカーを登録するデータベースの整備も進めることといたしております。
このほか、公立学校施設につきましては、災害時には避難所となりますことから、天井材や外壁等の耐震対策、バリアフリー化、体育館の空調設備の設置など、防災機能の強化のための国庫補助等を行っております。
引き続き、良好な避難所環境の整備に向けた取組を進めてまいります。
学校制度についてのお尋ねを頂戴いたしました。
学校は、教師や仲間と共に学び、社会で自立的に生きていくために必要な資質、能力を身に付ける重要な場であると、このように考えております。他方で、必ずしも画一的なものである必要はないとも考えておりまして、御指摘のような柔軟な教育課程の編成が可能な多様な学校の確保にも努めてまいりたいと考えております。
教育予算についてお尋ねを頂戴をいたしました。
令和七年度予算案には、御指摘のような教師を取り巻く環境整備のため、学校における働き方改革の推進や教職員の処遇改善等の施策も盛り込んでおります。
大切なことは、これらの施策を効果的に活用することであります。官民が連携した人づくりや公教育の再生、改革などにより、一人一人が持つ可能性を最大限に引き出してまいります。
給特法と教員調査についてのお尋ねでございますが、給特法につきましては様々な御議論があることは承知をいたしております。教職調整額の率を引き上げるための給特法改正案を今国会に提出いたしますとともに、時間外在校等時間が月二十時間程度に達するまでに幅広い観点から諸課題の整理を行うことといたしております。
教師不足の状況につきましては、令和三年度に各学校への実数調査を行いました。令和四年度以降は、学校現場の負担を考慮し、各教育委員会に対するアンケートでの調査を行っております。引き続き、適切な把握に努めてまいります。
朝鮮学校についてのお尋ねをいただきました。
高等学校等就学支援金制度につきましては、法令上支給対象となっている学校に通う生徒が日本国内に在住していれば国籍を問わずに支援対象といたしており、朝鮮学校は、法令に基づいて定められた審査基準に適合すると認めるに至らなかったため、就学支援金制度の対象に指定されていないものでございます。
人権諸条約の委員会による勧告についてお尋ねがありました。
人権諸条約の委員会による勧告が加盟国に対し法的拘束力を持ちませんことは、当該条約の規定ぶりからも明らかでございます。我が国としては、関係省庁において勧告の内容を十分に検討することといたしており、無視をしているということは全くございません。
人権擁護は全ての国の基本的な責務であり、我が国としては、今後とも、締結している国際人権諸条約を誠実に遵守してまいります。
取調べの録音、録画や、弁護人の立会い、被疑者、被告人の身柄拘束の在り方につきましてのお尋ねでございます。
現行の録音・録画制度を超える取調べに関する規制につきましては、取調べの適正確保の観点のほか、捜査への影響なども考慮しつつ、慎重かつ丁寧に検討すべき課題であると考えております。
被疑者、被告人の身柄拘束につきましては、法律上厳格な要件及び手続が定められている上、一般論として、不必要な身柄拘束がなされないよう適切に運用されているものと承知をいたしておりまして、人質司法との御指摘は当たらないものと認識をいたしております。
その上で、お尋ねの点について様々な議論があることは承知をいたしております。法務省におきまして、現在開催中の改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会での議論等も踏まえ、適切に対応するものと、このように考えておる次第でございます。
同性婚制度についてお尋ねを頂戴をいたしました。
御党の所属議員から提出された法案につきましては、国会において御議論いただくべきものと考えており、政府として発言することは差し控えます。
同性婚が認められないことにより御負担を感じておられる方々のお声は、十分に承知をいたしております。
他方で、同性婚制度は、国民生活の基本に関わるものであり、国民一人一人の家族観とも密接に関わるものでありますため、政府といたしましては、国民各層の御意見や、国会における議論の状況、同性婚に関する訴訟の状況などにつきましても注視していく必要があると、このように考えております。
外国人の子供に対する在留特別許可についてであります。
令和五年に改正された入管法により、送還すべき外国人はより迅速に送還することが可能となりました結果、在留資格がないまま在留が長期化する子供の増加を抑止することが可能となりました。
御指摘の措置は、改正前の入管法の下で迅速な送還を実現することができなかった子供のうち、本邦で出生し、小学校、中学校又は高校で教育を受けていて、引き続き本邦で、日本での生活を希望する者につきまして、一回限りの特別な措置として、家族とともに在留特別許可を行ったものであり、今後繰り返し行うことはないものと承知をいたしております。
なお、この在留特別許可の対象は、適正な出入国在留管理行政を維持しつつ、できる限り子供の保護を図るというバランスを踏まえまして検討されたと、このように承知をいたしております。
その対象から外れた子供さんであったとしても、一切在留特別許可を行わないというものではなく、個別の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案をし、真に必要があると認められる場合には在留特別許可をする場合もあり得ると、このように承知をいたしておるところでございます。
若い世代の平和への思い及び被爆者への国家賠償についてお尋ねがありました。
世界に被爆の実相をしっかりと伝えていくことは、核軍縮に向けたあらゆる取組の原点であります。その中でも、未来を担う若い世代が被爆の実相を伝えるために国際的な活動を行っていることは大変重要なことであると認識をいたしております。私もそういう方々に接することは重要なことだと考え、努力をいたしてまいりたいと思います。
政府といたしましては、本年が被爆八十年に当たることも踏まえ、唯一の戦争被爆国として、被爆者や若い世代の方々と協働し、被爆の実相の正確な理解を世代と国境を越えて一層促進してまいるとともに、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を維持強化してまいります。
また、原爆被爆者につきましては、原子爆弾の投下の結果生じた放射能に起因する健康被害がほかの戦争被害とは異なる特殊な被害でありますことに鑑み、原爆被爆者援護法に基づき、国の責任において、高齢化の進行している被爆者の方々に対する保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護対策を講じております。
具体的には、被爆者の皆様に対して、健康診断の実施、医療費の助成、被爆者の状況に応じた各種手当の支給などの援護対策を実施しており、こうした対策を着実に実施いたしてまいります。
国会のジェンダー平等及びクオータ制の導入についてお尋ねをいただきました。
政治分野における男女共同参画の推進は、政治に民意をより一層反映させる観点から極めて重要であると考えております。
女性議員を増やすためには、なぜ女性が政治に参加していただけないかという理由を調査、分析することも重要です。女性の政治参画への障壁等に関する調査を実施しつつ、政治分野における男女共同参画の取組を後押しいたしてまいります。
議席の一定数や女性候補者の比率に関する義務付けを行うクオータ制の導入につきましては、憲法上の基本原則との関係などの課題も指摘されており、選挙制度の根幹に関わることであることから、関わることでありますことから、各党各会派において更なる御議論を賜りたい、このように考えております。
温室効果ガス削減目標と排出削減策及び将来世代の声の重要性についてお尋ねがありました。
次期温室効果ガス削減目標につきましては、昨年末、政府の地球温暖化対策推進本部におきまして、二〇五〇年ネットゼロに向けて、二〇三五年度六〇%、二〇四〇年度七三%削減を目指す案を取りまとめました。この目標は、パリ協定の一・五度目標と整合する野心的なものとなっております。
目標の検討に当たりましては、環境省と経済産業省の合同審議会におきまして、若い世代からのヒアリングも行いつつ、一・五度目標との整合性を含め、議論をいただいたところでございます。
次期削減目標を含む地球温暖化対策計画の本年度内の閣議決定に向け、パブリックコメントなどの手続を丁寧に進めてまいることといたしております。
以上でございます。(拍手)
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