本会議

2025-01-28 参議院 全10発言

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会議録情報#0
令和七年一月二十八日(火曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第二号
  令和七年一月二十八日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
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○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
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関口昌一#1
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る二十四日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。水岡俊一君。
   〔水岡俊一君登壇、拍手〕
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水岡俊一#2
○水岡俊一君 立憲民主・社民・無所属の水岡俊一です。
 会派を代表して、石破総理に質問いたします。
 石破総理は、施政方針演説でも石橋湛山元首相の言葉を引いて、国会運営の正常化、政界及び官界の綱紀粛正、雇用の拡大と生産の増加、福祉国家の建設、世界平和の確立という五つの誓いを紹介されました。さらに、責任ある立場で熟議し、国民の納得と共感を得られるよう努めることが必要ですと述べられたこと、ゆめゆめお忘れにならぬよう、強く申しておきます。
 まずは、そのあかしとして、我ら野党の質問に納得と共感が得られるような御答弁をお聞かせください。
 まず、石破内閣の政治姿勢からお伺いします。
 石破総理はかつて、私なんかが首相になるときというのは自民党がどうにもならないときとおっしゃっていたと聞きました。まさに自民党がどうにもならないときに総理となられたことは宿命だったのでしょうか。
 NHKによる毎月の内閣支持率調査では、就任された直後の四四%から徐々に落ちていきながらも、今年になって一%戻りました。各種の調査を見ると、石破政権を支持する理由として、三人から五人に一人は人柄が信頼できるからと回答しているようです。昨年十月の衆議院選挙で敗北したことにより、少数与党での政権運営を余儀なくされていて、これ以上信頼感を失うと政権が立ち行かなくなる、つまり総理の信頼感が命綱と言えます。同時に、その信頼感は、自民党の政治と金問題を解決できるかに懸かっていると私は考えます。
 しかし、石破総理の施政方針を聞く限り、全くその意気込みが見えてきません。総理は特に政治と金を取り上げることもなく、政治改革の段落で、政治資金にしても、選挙活動にしてもと並べて軽く扱うだけで、政治に対する信頼を取り戻そうという決意が私には感じられません。
 そこで、第一の質問です。昨年の衆院選で示された国民の政治と金の問題に対する不信と怒りに率直に向き合い、本気の政治改革として法改正に臨む気持ちはありますか。あるならば、具体的に何をどう取り組まれるのか、お示しください。
 続いて、質問二。選挙後に再開された政倫審においては、説明責任が十分に果たされているとお考えですか。真相究明にはどのように取り組むつもりですか。
 阪神・淡路大震災から三十年が経過しました。この間も、東日本大震災や昨年の能登半島地震など大きな災害が幾度も起きました。今年の一・一七ひょうご安全の日宣言では、震災の教訓は全ての災害につながる知恵との言葉がありました。
 防災庁の設置を表明している石破総理ですから、これまでになく積極的に防災対応を考える姿勢に期待をしています。しかし、三十年の節目に行われた現地の追悼式に出席されなかった総理にがっかりしたのも正直なところです。災害対応や被災者支援の基本は、被災者の気持ちに寄り添うことです。これまでの災害対策や復興事業推進における政府の姿勢については、単なる言葉だけにすぎないのではないかと疑ってしまいます。
 さて、能登半島地震から一年を前に政府は、自治体向けの指針とガイドラインを改定し、避難所には二十人に一基のトイレ、一人三・五平方メートルの居住スペースなどのスフィア基準を踏まえた環境が必要であることを示しました。
 そこで、質問三です。スフィア基準を満たす環境を提供するため、政府は具体的にどのような対応を行うのか、そのメニューと実施時期について説明してください。
 質問四。また、その対応として、避難所に指定されている学校設備において、具体的にどのような環境整備を計画しているのかについても併せてお示しください。
 文科省の発表によると、不登校児童生徒数は十一年連続増加し、二〇二三年度は過去最多の三十四万六千四百八十二人となりました。もはやどの学級にも一人か二人は不登校児童生徒がいるのが現状です。子供の学びをどう保障するか、学びの選択肢を増やす取組が始まっています。学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校の設置が全国で徐々に進み、多様な学びを国や自治体が強く支援することが求められているところです。
 大分県玖珠町に学びの多様化学校として昨年開校した、くす若草小中学校を先日見学させていただきました。そこで私が見たのは、とてもリラックスした自然な笑顔の子供たちであり、ゆったりとした時間が流れる教室でした。学びの多様化学校は柔軟な教育課程を編成することができることから、朝の苦手な子供たちに合わせて登校時間を九時半にしたり、教科として対話、野遊び、探究の三つを新設したりするなど、夢と工夫にあふれた学校となっていました。みんなが主役の学校をコンセプトとし、懸命に開校にこぎ着けた玖珠町の皆さんと教職員の熱意に感動するひとときでした。
 そこで、総理に質問五です。日本の学校制度や、学力とは何かという教育論そのものが根本的に問われる時代に入ったと思われませんか。学びの多様化学校に見られるような、子供が安心して自分らしく学べる学校の必要性を感じませんか。
 二〇二三年の国連による教職に関するハイレベルパネル勧告では、公教育への資金はGDPの少なくとも六%、政府支出総額の二〇%が保障されるべきとされています。過去十年の文教関係の政府当初予算を見ると、二〇一五年度の四兆七百五十六億円から二〇二四年度は四兆六百二十四億円と横ばいです。一般会計歳出に占める割合は四・二三%から三・六一%と低下しています。物価高騰もある中、教育予算が低く抑えられていることは、将来の社会を担う子供の教育を軽視していると考えざるを得ません。
 少子化が進む一方、子供の自死やいじめ認知件数、児童虐待は増加傾向を示していること、また、教職員不足等によって子供の学びが脅かされている危機的状況を踏まえれば、教育予算を増額し、全ての子供がゆとりある公教育を受けられる環境が必要だと考えますが、いかがですか。
 文科省の調査によると、二〇二三年度における教員の月平均残業時間は、四十五時間超えが四二・五%、過労死ラインの八十時間超えは八・一%となっています。地方公務員災害補償基金の発表によると、同年度、教員の過労死は十六名でした。この過労死の人数は氷山の一角ではないかと言われており、相当数の過労死や過労自殺が陰に隠れています。この勤務実態が世に伝わり、教員志望者は減る一方となっていて、学校現場に教員が足りない状況となっています。
 過労死や過労死ライン超えが依然として少なくないのは、定額働かせ放題を招く給特法が根本的な原因となっています。給特法は、教員の時間外勤務に対して手当を支給しないと定めてはいますが、そもそも災害時など特別の場合を除いて時間外勤務を命ずることはできないとしている法律です。つまり、教員に対して時間外勤務を命令できない制度にもかかわらず、過労死ラインをも超えるような超過勤務をさせる、ゆゆしき状態が半世紀にわたって続いているのです。
 質問七。二〇一九年当時の文部科学大臣は、給特法が労基法ともずれがあるとして根本的に見直す旨の答弁をしています。石破内閣として給特法改正案を提出する際には、大臣の約束どおり、法制度的に根本から見直すべきだと考えますが、いかがですか。
 質問八。昨年も、四月の新学期当初に担任不在の学級があるなど、全国的に教職員が不足をしていることが報道などで明らかになりました。岸田前総理は欠員状況について文科省として実数による把握は行っていないとの驚きの答弁でしたが、この厳しい状況を改善しようとするのであれば、決して学校現場に負担を掛けない方法で全国的に調査を行うべきではありませんか。
 一九一八年の第一次世界大戦終結後、日本政府は、国際連盟設立に向け、人種差別撤廃条項を連盟規約に挿入することを企図していました。国際連盟委員会に、人種や国籍を問わず、法律上あるいは事実上何ら差別を設けず、全ての面で均等公平の待遇を与えることを規約に明記すべきだと提案しています。五大国のうち有色人種の代表による提案として反響は小さくなかったようですが、最終会合の表決では全会一致が必要として、日本の提案は否決されました。
 時がたち、第二次世界大戦終結後の一九四八年、国連総会は世界人権宣言を採択しました。その第一条には人間の尊厳と平等、第二条には差別の禁止などとあり、日本がかつて提起したことが形を変えて国際社会に登場したのです。国連はその後、宣言内容の具体化を目指して各種の人権条約を採択してきましたが、その第一号が人種差別撤廃条約で、一九六五年の国連総会で採択され、日本は一九九五年に加入しました。
 そのような経過をたどっている我が国ですが、残念なことに、二〇一四年の人種差別撤廃委員会の総括所見では、朝鮮学校が就学支援制度の恩恵を受けることができることを始め、朝鮮学校が差別されないことを締約国が確保せよと再度表明しています。
 質問九。日本政府が、かつて米国内の日本移民を守るため国際舞台で人種差別撤廃を訴えておきながら、日本国内において都合が悪くなると完全に無視するという行動を取ることを石破内閣は肯定するのですか。
 質問十。朝鮮学校に学ぶ子供が今叫んでいます。朝鮮人って日本にいちゃいけないの、朝鮮学校って行っちゃいけないの。これに対し、石破総理はどう答えますか。
 質問十一。日本国憲法は条約を誠実に遵守することを定めており、日本が批准した八つの国際人権文書は国内でも法的拘束力を持つとされていますが、政府は度々勧告に対し法的拘束力を持たないと無視するのはなぜですか。
 冤罪の防止と取調べの抜本的改革について伺います。
 袴田巖さんが死刑確定後に再審無罪となった冤罪事件が昨年大きな節目を迎えました。事件の発生から五十八年後、死刑囚の汚名を着せられていた袴田さんに、ついに無罪が言い渡されたのです。判決で、最大の証拠とされた五点の衣類などが捜査当局の捏造とされ、それが冤罪を生む重大な要因だったことが明らかになりました。
 冤罪を生む別の大きな原因の一つとなっている虚偽の自白を防ぐためには、捜査官による違法、不当な取調べをなくさなければなりません。袴田巖さんはその人生のほとんどの時間を奪われ、家族も同様、国に苦しめられました。
 そして、六十一年も無罪を訴え続けている狭山事件の石川一雄さんも同じく冤罪の可能性が極めて高く、いまだ再審を待っています。
 違法、不当な取調べによる冤罪事件の反省を踏まえ、二〇一六年の刑事訴訟法改正で一部の事件には取調べ全過程の録画が義務付けられましたが、対象は全事件の三%未満であり、逮捕されていない被疑者や参考人の取調べも録画義務付けの対象外です。
 また、取調べの弁護人立会いを禁止する条文はないにもかかわらず、ほぼ全ての取調べで弁護人の立会いは認められていません。さらに、自白しないと長期間拘束するという人質司法は、虚偽の自白を生み出す危険があり、国際社会からの非難がますます強くなっています。
 質問十二。国家による最大の人権侵害の一つである冤罪を防ぐためにも、取調べの録音・録画対象の全事件、全過程への拡大、取調べに弁護人を立ち会わせる権利の規定の創設、人質司法の是正を始めとした取調べの抜本的改革に取り組むべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 婚姻の平等について伺います。
 同性婚を認めていない民法及び戸籍法の規定は違憲であるという訴訟に関し、五つの地裁判決と三つの高裁判決が違憲又は違憲状態という判断を相次いで下しました。各裁判所は、憲法十四条一項の法の下の平等や二十四条二項の個人の尊厳と両性の本質的平等に反するとしたほか、札幌高裁では、二十四条一項の婚姻の自由は同性カップルにも保障されると判断し、福岡高裁では、幸福追求の願望や婚姻について法的な保護を受ける権利は男女、同性のカップルのいずれも等しく有するとして、十三条の幸福追求権にも反すると判断しました。
 現在、同性婚が認められているのは三十八の国又は地域で、タイでは今月から同性婚が認められるようになりました。G7では同性カップルに法的保障がない国は既に日本だけです。国連は、日本に対して同性婚を認めるよう複数回勧告を出しています。
 二〇二三年に日本経済新聞社が行った世論調査では、同性婚を法的に認めることへの賛否について、賛成が六五%に上りました。自民党支持層の回答でも、賛成が五八%と過半数を占めています。
 地方自治体ではパートナーシップ制度の導入が進んでいますが、その法的拘束力は不十分です。婚姻という選択肢がないことによって、医療福祉、相続、親権などの様々な面において法的な効果を受けられないのです。
 質問十三。立憲民主党は、同性婚を法制化するための婚姻平等法案を二〇二三年三月に国会へ提出していますが、いまだに審議されていません。石破総理は、昨年十二月の参議院予算委員会で、同性婚を認めることが日本全体の幸福度にとって肯定的なプラスの影響を与えるものだと考えているとおっしゃいました。プラスの影響を考えるのであれば、実現を急ぐべきではありませんか。総理の見解を伺います。
 二〇二一年にスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが名古屋入管の収容所施設内で亡くなった事件では、検察審査会の不起訴不当を受け、名古屋地検が再捜査しましたが、二三年九月に再び不起訴処分としました。徹底した真相究明が求められていましたが、極めて残念な結果となっています。同時に、国際的な水準に沿った難民認定制度を創設して、今こそ多文化共生の取組を進める必要があります。
 立憲民主党は、過去三回、政府から独立した第三者機関である難民等保護委員会の創設等を柱とする難民等保護法案を野党共同で国会に提出しました。国際的な水準からは程遠い改正入管法については再考を求めます。
 小泉法務大臣は、日本で生まれ育った在留資格のない外国人の子供について、全体の八割を超える二百十二人に滞在を認める在留特別許可を与えました。齋藤法務大臣に続き、小泉大臣も今回限りとしています。
 質問十四。鈴木法務大臣にこの方針は引き継がせるのでしょうか。石破総理に伺います。
 質問十五。また、在留特別許可の対象は日本で生まれた子供と狭く、日本で一定期間生活をしていても、海外で生まれたり学校を卒業したりした子供は対象になりません。対象者を広げ、日本でしか生活したことがない人全体を対象とすべきではないでしょうか。
 昨年十月に日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。ノルウェーのオスロで行われた授賞式には、被爆者だけでなく、若い世代の立場から核兵器の廃絶を世界に訴える活動を行う高校生平和大使も一緒に出席していました。
 唯一の戦争被爆国である日本には、核兵器の非人道性や恐ろしさを語り継いでいくことが求められています。高校生平和大使たちは、被爆者の話が聞ける最後の世代であることを自覚し、責任を感じながら活動していると言います。長崎の高校生、大原悠佳さんは、今回のオスロ派遣で、世の中の核に対する意識の高まり、若い世代の核廃絶への活動に対する期待の高まりを感じたそうです。
 被団協の田中熙巳代表委員は、原爆で亡くなった死者に対する償いは日本政府は全くしていないという事実をお知りいただきたいと、被爆者への国家賠償の必要性を訴えました。
 質問十六。若い世代の平和への切なる思いに石破総理はどう向き合いますか。
 質問十七。戦後八十年の節目に、被爆者への国家賠償など停滞している戦後補償を進める覚悟はありませんか。
 現在、国会議員は私も含めて中高年男性が圧倒的多数を占めています。私たち立憲民主・社民・無所属会派は四十二名中女性が十九名で女性比率は四五%ですが、国会全体でいえば僅か一九%にすぎません。このように国会では性別や年齢の偏りが大きく、女性や若者がまだまだ少ない状況です。立法府で属性の偏りが大きいことは、一般社会との隔たりを生み、国民が求める政策が実現しにくくなる可能性があります。
 立憲民主党は男女半々のパリテ議会を目指して女性候補の発掘、擁立を進めていますが、同様の取組を各党にも期待します。二〇一八年に候補者男女均等法が成立し、政党に対して数値目標の設定などの自主的な取組を求めていますが、政権与党である自民党の女性議員比率はいまだ著しく低いままです。
 質問十八。国会議員の属性に著しく偏りがあることについて、石破総理自身はどうお考えですか。
 候補者や議席の一定数を女性に割り当てるクオータ制の導入は検討されませんか。
 アメリカのロサンゼルス近郊で今月、大きな山火事が起きました。火事の発生から二週間以上がたちますが、いまだ鎮火していません。現地では、昨年の大雨で草木が成長し、逆にこの冬は雨がほとんど降らないなどの異常気象が重なったことが被害拡大の要因の一つと考えられています。
 世界気象機関は、二〇二四年の世界の平均気温が観測史上最高となり、産業革命前より一・五五度上昇したと公表しました。その結果、世界各地で大規模な山火事や水害などの極端な気象現象が頻発しています。国連のグテーレス事務総長は声明で、人類は地球に火を付け、その代償を支払っていると述べ、気候変動対策の遅れに危機感を示しました。
 質問二十です。アメリカのパリ協定離脱で、日本の果たすべき役割は増えると考えます。未来を生きる子供たちのためにも、温室効果ガス削減目標の更なる引上げと排出削減策を最大限講じることが必要だとは思いませんか。総理のお考えをお聞かせください。
 質問二十一。環境政策において将来世代の若者が意思決定に参加することが重要と考えますが、総理は将来世代の声を実際にお聞きになりましたか。
 最後に一言申し上げます。
 石破総理誕生の直前に出版された著書で、保守政治家石破茂氏は次のようにお書きになっています。要は、どんなに努力しても総理にはなれないということがあり得る、ただ、天命が下ったときには能力が足りないという言い訳は許されない。そのとおりであります。誰かが用意した原稿をただ読むだけで、その場しのぎをするようなことは決して許されません。総理、国民の皆様の納得と共感が得られる御答弁を切に切に求めて、質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#3
○内閣総理大臣(石破茂君) 水岡俊一議員の御質問にお答えを申し上げます。
 政治改革についてでございます。
 一連の政治資金の問題を受け、私自身、政治は国民のものとの原点に立ち返り、私なりに謙虚に、真摯に、誠実に政治改革に取り組んでまいりました。
 自由民主党総裁として申し上げれば、昨年十二月の臨時会では、我が党から積極的に提案を行い、各党各会派との真摯な議論を経て、政策活動費の廃止、調査研究広報滞在費の使途公開と残金返納、政治資金に関する第三者機関の設置、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築等につきまして、必要な法制上の措置を実現してまいったところでございます。
 これら昨年の立法を受け、今後、第三者機関であります政治資金監視委員会を国会に設置するための法律や、所属国会議員が起訴された場合等における政党交付金の交付停止等に関する法律が必要とされております。この実現に向け、各党各会派と議論を進めてまいります。
 いわゆる企業・団体献金禁止法案につきましては、衆議院の政治改革特別委員会において令和六年度末までに結論を得ることとされており、我が党として各党各会派と真摯な議論を続けてまいります。
 他方、企業・団体献金につきましては、政治資金規正法の目的及びその基本理念を踏まえ、禁止より公開という考え方の下、その透明性を更に向上させるための法案を党において検討しておるところでございます。
 さらに、政治に対する国民の信頼を確保するため、政党等の規律と担保方策、そのための法制度等の在り方につきましても議論を深めてまいりたいと存じます。
 政治倫理審査会の審査に関する所感等についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 政治倫理審査会における審査は現在もまだ継続中であると承知をいたしておりますが、審査会の場における各議員の弁明に対する評価は、同審査会と審査結果の報告を受ける各議院、ハウスの方ですが、各議院、さらには国民の皆様方が行われるものであり、総理大臣の立場で所感を述べることは差し控えます。
 その上で、収支報告書の不記載をめぐりましては、第三者である検察により厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき刑事事件として取り上げるものは立件されてきたと認識をいたしております。
 自由民主党におきましても、可能な限りの調査を行い、その結果を国民の皆様方に説明をいたしてまいりました。大切なことは、二度と同様の事案を繰り返さないということであり、改正されました政治資金規正法を遵守いたしますとともに、引き続き、党として政治改革の議論を率先して行ってまいります。
 避難所環境の整備についてでございます。
 被災者の方々が避難所において発災直後から尊厳ある生活を営める環境を整備することは、国家の重要な責務でございます。
 昨年十二月には、内閣府におきまして、避難生活に関する自治体向けのガイドライン等を改定し、スフィア基準に沿った避難所運営を促したところでございます。また、先般成立いたしました補正予算におきましては、避難所の生活環境の改善に資する自治体の先進的な取組を新地方創生交付金により支援するとともに、全国のトイレカーやキッチンカーを登録するデータベースの整備も進めることといたしております。
 このほか、公立学校施設につきましては、災害時には避難所となりますことから、天井材や外壁等の耐震対策、バリアフリー化、体育館の空調設備の設置など、防災機能の強化のための国庫補助等を行っております。
 引き続き、良好な避難所環境の整備に向けた取組を進めてまいります。
 学校制度についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 学校は、教師や仲間と共に学び、社会で自立的に生きていくために必要な資質、能力を身に付ける重要な場であると、このように考えております。他方で、必ずしも画一的なものである必要はないとも考えておりまして、御指摘のような柔軟な教育課程の編成が可能な多様な学校の確保にも努めてまいりたいと考えております。
 教育予算についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 令和七年度予算案には、御指摘のような教師を取り巻く環境整備のため、学校における働き方改革の推進や教職員の処遇改善等の施策も盛り込んでおります。
 大切なことは、これらの施策を効果的に活用することであります。官民が連携した人づくりや公教育の再生、改革などにより、一人一人が持つ可能性を最大限に引き出してまいります。
 給特法と教員調査についてのお尋ねでございますが、給特法につきましては様々な御議論があることは承知をいたしております。教職調整額の率を引き上げるための給特法改正案を今国会に提出いたしますとともに、時間外在校等時間が月二十時間程度に達するまでに幅広い観点から諸課題の整理を行うことといたしております。
 教師不足の状況につきましては、令和三年度に各学校への実数調査を行いました。令和四年度以降は、学校現場の負担を考慮し、各教育委員会に対するアンケートでの調査を行っております。引き続き、適切な把握に努めてまいります。
 朝鮮学校についてのお尋ねをいただきました。
 高等学校等就学支援金制度につきましては、法令上支給対象となっている学校に通う生徒が日本国内に在住していれば国籍を問わずに支援対象といたしており、朝鮮学校は、法令に基づいて定められた審査基準に適合すると認めるに至らなかったため、就学支援金制度の対象に指定されていないものでございます。
 人権諸条約の委員会による勧告についてお尋ねがありました。
 人権諸条約の委員会による勧告が加盟国に対し法的拘束力を持ちませんことは、当該条約の規定ぶりからも明らかでございます。我が国としては、関係省庁において勧告の内容を十分に検討することといたしており、無視をしているということは全くございません。
 人権擁護は全ての国の基本的な責務であり、我が国としては、今後とも、締結している国際人権諸条約を誠実に遵守してまいります。
 取調べの録音、録画や、弁護人の立会い、被疑者、被告人の身柄拘束の在り方につきましてのお尋ねでございます。
 現行の録音・録画制度を超える取調べに関する規制につきましては、取調べの適正確保の観点のほか、捜査への影響なども考慮しつつ、慎重かつ丁寧に検討すべき課題であると考えております。
 被疑者、被告人の身柄拘束につきましては、法律上厳格な要件及び手続が定められている上、一般論として、不必要な身柄拘束がなされないよう適切に運用されているものと承知をいたしておりまして、人質司法との御指摘は当たらないものと認識をいたしております。
 その上で、お尋ねの点について様々な議論があることは承知をいたしております。法務省におきまして、現在開催中の改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会での議論等も踏まえ、適切に対応するものと、このように考えておる次第でございます。
 同性婚制度についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 御党の所属議員から提出された法案につきましては、国会において御議論いただくべきものと考えており、政府として発言することは差し控えます。
 同性婚が認められないことにより御負担を感じておられる方々のお声は、十分に承知をいたしております。
 他方で、同性婚制度は、国民生活の基本に関わるものであり、国民一人一人の家族観とも密接に関わるものでありますため、政府といたしましては、国民各層の御意見や、国会における議論の状況、同性婚に関する訴訟の状況などにつきましても注視していく必要があると、このように考えております。
 外国人の子供に対する在留特別許可についてであります。
 令和五年に改正された入管法により、送還すべき外国人はより迅速に送還することが可能となりました結果、在留資格がないまま在留が長期化する子供の増加を抑止することが可能となりました。
 御指摘の措置は、改正前の入管法の下で迅速な送還を実現することができなかった子供のうち、本邦で出生し、小学校、中学校又は高校で教育を受けていて、引き続き本邦で、日本での生活を希望する者につきまして、一回限りの特別な措置として、家族とともに在留特別許可を行ったものであり、今後繰り返し行うことはないものと承知をいたしております。
 なお、この在留特別許可の対象は、適正な出入国在留管理行政を維持しつつ、できる限り子供の保護を図るというバランスを踏まえまして検討されたと、このように承知をいたしております。
 その対象から外れた子供さんであったとしても、一切在留特別許可を行わないというものではなく、個別の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案をし、真に必要があると認められる場合には在留特別許可をする場合もあり得ると、このように承知をいたしておるところでございます。
 若い世代の平和への思い及び被爆者への国家賠償についてお尋ねがありました。
 世界に被爆の実相をしっかりと伝えていくことは、核軍縮に向けたあらゆる取組の原点であります。その中でも、未来を担う若い世代が被爆の実相を伝えるために国際的な活動を行っていることは大変重要なことであると認識をいたしております。私もそういう方々に接することは重要なことだと考え、努力をいたしてまいりたいと思います。
 政府といたしましては、本年が被爆八十年に当たることも踏まえ、唯一の戦争被爆国として、被爆者や若い世代の方々と協働し、被爆の実相の正確な理解を世代と国境を越えて一層促進してまいるとともに、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を維持強化してまいります。
 また、原爆被爆者につきましては、原子爆弾の投下の結果生じた放射能に起因する健康被害がほかの戦争被害とは異なる特殊な被害でありますことに鑑み、原爆被爆者援護法に基づき、国の責任において、高齢化の進行している被爆者の方々に対する保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護対策を講じております。
 具体的には、被爆者の皆様に対して、健康診断の実施、医療費の助成、被爆者の状況に応じた各種手当の支給などの援護対策を実施しており、こうした対策を着実に実施いたしてまいります。
 国会のジェンダー平等及びクオータ制の導入についてお尋ねをいただきました。
 政治分野における男女共同参画の推進は、政治に民意をより一層反映させる観点から極めて重要であると考えております。
 女性議員を増やすためには、なぜ女性が政治に参加していただけないかという理由を調査、分析することも重要です。女性の政治参画への障壁等に関する調査を実施しつつ、政治分野における男女共同参画の取組を後押しいたしてまいります。
 議席の一定数や女性候補者の比率に関する義務付けを行うクオータ制の導入につきましては、憲法上の基本原則との関係などの課題も指摘されており、選挙制度の根幹に関わることであることから、関わることでありますことから、各党各会派において更なる御議論を賜りたい、このように考えております。
 温室効果ガス削減目標と排出削減策及び将来世代の声の重要性についてお尋ねがありました。
 次期温室効果ガス削減目標につきましては、昨年末、政府の地球温暖化対策推進本部におきまして、二〇五〇年ネットゼロに向けて、二〇三五年度六〇%、二〇四〇年度七三%削減を目指す案を取りまとめました。この目標は、パリ協定の一・五度目標と整合する野心的なものとなっております。
 目標の検討に当たりましては、環境省と経済産業省の合同審議会におきまして、若い世代からのヒアリングも行いつつ、一・五度目標との整合性を含め、議論をいただいたところでございます。
 次期削減目標を含む地球温暖化対策計画の本年度内の閣議決定に向け、パブリックコメントなどの手続を丁寧に進めてまいることといたしております。
 以上でございます。拍手
    ─────────────
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関口昌一#4
○議長(関口昌一君) 武見敬三君。
   〔武見敬三君登壇、拍手〕
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武見敬三#5
○武見敬三君 自由民主党、武見敬三でございます。
 私は、会派を代表し、石破総理大臣の施政方針演説を始めとする政府四演説について質問いたします。
 現在、国内外において地政学的な対立が激化する中、自由、民主主義という普遍的な価値の揺らぎ、貧富の差の拡大、左右の分断、国民に広がる現状への不満といった様々な不透明感、不安感が急速に高まっています。そのような中、我が国の直面する最も深刻な危機は人口動態の変化であります。
 我が国の総人口は、二〇二〇年の約一億二千六百十五万人から二〇六五年には九千百五十九万人にまで減少します。十五歳から六十四歳人口、いわゆる生産年齢人口は、二〇二〇年代の十年間では四百三十三万人が、さらには二〇三〇年から四〇年までにはその倍の八百六十万人強の減少、つまり、その頃の東京都の生産年齢人口に匹敵する人口が消滅することとなります。
 昨年の出生数は六十八万人台、ピークであった一九四九年の二百七十万人弱と比較すれば、実に四分の一。人口減少は不可逆です。
 昨年、団塊の世代が全て後期高齢者になりましたが、平均寿命の延伸により、十年後にはかなりの方々が八十五歳以上となります。独居老人も増加し続け、その七、八割を女性が占めます。認知症の患者も増える超超高齢社会が到来します。
 東京など都市部では高齢者人口は増え続け、地方では減少し続けます。人手不足はますます深刻化します。超高齢化社会が進展し担い手が減れば、稼ぐ人も減り、消費する人も減ります。その間、貧富の格差が拡大するとともに、SNSの投票行動に与えるインパクトも増大をし、国民世論は左右両極に分化、中道勢力が縮小していくことで、政治の不安定化が構造化することが予見されます。
 二〇三〇年代の危機は、機能不全となりがちな民主主義と相まって、極めて深刻なものになることが危惧されます。これを放置すると、我が国は衰退するのみであります。
 私は、昨年の秋まで一年一か月、厚生労働大臣を務めさせていただきました。また、我が国の保健、医療、介護の価値と可能性を誰よりも信じ、ライフワークとして取り組んでまいりました。そして、デジタル化とデータサイエンスに基づく未来思考を旨としてまいりました。
 その立場から、死中に活を見出すのはまさに今であり、過去の延長線にある政策だけでは日本の未来はない、創造的な未来こそ求めなければ活路は見付からないということを申し上げたいと思います。
 二〇三〇年前後から深刻化するこうした事態を解決する未来志向のビジョンと、それを実現する体制をつくり上げること、これこそが今必要なものであります。本日は、こうした問題意識の下で質問をさせていただきます。
 人口が減れば国内需要が減る。そうすれば経済規模は縮小し、国力は衰退する。デフレスパイラルから抜け出せなくなります。
 まずは、すぐにでも、グローバルな視点から、他国と比較優位性がある分野、特に保健、医療、介護のように国内需要のみを対象としてきた分野では、医学、医療の進歩を吸収し、持続可能性を高めるため、国内で制度改革を実践する際には、新たに産業政策を導入して国内外に新たな市場を開拓していかなければなりません。
 そして、国民皆保険制度として築き上げてきたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、つまり、全ての人々が経済的困難を伴わずに適切な予防や治療、リハビリなどの保健医療サービスを受けられる環境は、明らかに我が国の強みであります。
 我が国は、UHCについて、国連の持続可能な開発目標への位置付け、G7伊勢志摩サミット、G20大阪サミットでの安倍元総理、G7広島サミットでの岸田前総理のほか、国連総会、WHO等、様々な国際的なフォーラムでその重要性を訴えるなど、リーダーシップを取ってまいりました。
 そして、近未来において急速に高齢化が進み、日本に遅れて我が国が直面している課題に対応を迫られることになるアジア・インド太平洋地域に、日本のソフトパワーの一つとしてUHCにより解決策を提示していくことは、有望な産業政策となります。
 そこで、アジア・インド太平洋地域における医療水準の向上や健康格差の是正に貢献するとともに、インバウンド、アウトバウンド等において我が国の産業政策を推進していく上で重要な人材となることが期待される外国医療人材の育成事業として、我が国の医学部への海外留学生のための奨学金制度の導入など、医学部定員数の削減と併せて海外留学生の受入れ体制を整備していくことはどうかと考えます。この点について総理の御所見をお聞かせください。
 あわせて、途上国における保健財政の拡大とその適正な配分により持続可能性の高いUHCを達成するためには、保健財政担当者のための人材育成を行うことが重要です。
 そのため、我が国はWHO及び世界銀行と協力をして人材育成の世界的な拠点となるUHCノーレッジハブの日本設置を進めていますが、UHCノーレッジハブ等の外交的貢献を進めつつ、保健・医療・介護分野を産業政策の対象としてUHCをどのように我が国の成長戦略に位置付けていくのか、総理の御見解を伺います。
 我が国では、欧米で承認されているが日本では承認されていない未承認薬は百四十品目ほどあり、こうしたコストの掛かる医学、医療の進歩の果実が国民に届かないという実情があります。このうち六割程度は、そもそも日本での開発に着手されておらず、ドラッグラグ、ドラッグロスが発生しており、我が国の医療が先進国としての水準を保てなくなる兆候も出始めています。
 医学、医療の進歩を我が国の医療保険制度にどのようにして取り込むのか。その解決策の一つが、保健・医療・介護分野の産業政策として我が国への医療インバウンド戦略を積極的に進めることであります。
 医療滞在ビザの発給件数は、二〇二二年千八百四件、二〇二三年二千二百九十五件と増加傾向にあります。短期滞在ビザ等で我が国の医療を目的として訪日されている方々も含めれば、医療のインバウンドは推計で二万人から三万人ほどです。訪日外国人には我が国の健康保険が適用されず、各医療機関が自由診療として任意に価格を設定することになります。医療インバウンドの拡大は、我が国の有力な成長戦略分野、日本の稼ぐ力として極めて有望であります。
 同時に、自由診療が広がり、コストが下がれば、保険診療の適用となり、国民全てが医学、医療の進歩の恩恵を受けることが可能となるとともに、現在の国民皆保険制度を維持するための新たな医療財源を確保することも見込めるようになります。
 そこで、医療インバウンドの拡大、そして国民皆保険制度を維持し、補填し、医学、医療の進歩の果実を国内に導入する入口とするためにも自由診療の在り方を検討すべきと考えますが、総理の御認識を伺います。
 また、医療滞在ビザ以外で訪日されている医療インバウンドの実態把握のために医療機関への詳細な調査等を行うとともに、国民皆保険制度を損なうことがないよう、現在の病床規制の別枠として、医療インバウンドの入院治療のための自由診療における病床の在り方について検討すべきと考えますが、厚生労働大臣の御所見を伺います。
 もう一つの成長の鍵は創薬力です。
 日本はかつて低分子医薬の分野で世界市場の一割弱を占めていましたが、現在の主流であるバイオ医薬品開発に出遅れ、医薬品の貿易収支も二〇〇〇年代になると赤字額が急増し、一昨年は日本の貿易赤字の三分の一強を占めています。
 一方で、ライフサイエンス分野におけるアカデミア、研究領域での日本の比較優位はいまだに高いものがあります。研究分野での日本の存在感が保たれている今こそ、我が国の創薬分野におけるイノベーションを加速させなければなりません。
 私は、厚生労働大臣として、多様なイノベーションや最新技術を医療現場で活用するとともに、産業政策の観点も踏まえたスタートアップ支援の観点からも創薬力の強化を進めてまいりました。
 また、政策を実行する体制として、グローバルな創薬に携わっている海外の人材を国内に直接活用するスキームがなかったことから、創薬に関わる主要先進国の研究者と結び付け、創薬の基盤を強化し支援する仕組み、つまりグローバルな創薬エコシステムと連結する研究開発の創薬基盤の再構築と、そこから起業家と結び付けるスタートアップ支援を間断なく行う組織の立ち上げも打ち出しました。海外で創薬に携わる極めてレベルの高い専門家と我が国の創薬研究者が組むことで、研究開発能力はダイナミックに高まっていくことが期待できます。
 そこで、海外の研究者とのネットワークとつながるグローバルな創薬エコシステムと結び付いた我が国の創薬研究開発基盤の再構築について、総理に御見解を伺います。
 政策を遂行するに当たっては、ガバナンス抜きで考えることはできません。ポストコロナの政策を考えるに当たっても、いま一度、組織及び人材に係る教訓を考え起こす必要があります。
 我が国には健康情報を一元管理するデジタルシステムがなく、感染者数や検査数の情報収集も滞り、感染者情報をリアルタイムで把握できず、対応が後手に回った経験があります。
 昨年八月、厚生労働省が取りまとめた近未来健康活躍社会戦略には、電子カルテ情報共有サービスの構築、普及、次の感染症に備えた情報の一元的集約、診療報酬改定DXといった全国医療情報プラットフォームの構築、医療等情報の一次利用及び二次利用の推進など、医療現場の生産性向上と健康活躍社会の構築という二兎を得るための医療DXの推進方針を盛り込んであります。これを受けて、政府は現在、社会保険診療報酬支払基金を改組し、医療情報プラットフォームの実行主体として位置付ける予定であります。しかし、関係するシステムを統合する際に、単に組織を足し算するだけでは一体的に機能できるとは限りません。また、組織自体のガバナンスが保たれるわけでもありません。
 医療DXの更なる推進による患者自身の治療、そして公的医療保険財政への貢献、あわせて、医療DX活用の前提となるマイナ保険証の一層の利用促進をどのように進めていかれるのでしょうか。さらに、医療DX推進のために新たに改組される組織のガバナンス強化の方針をどのようにお考えでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
 我が国の近未来を考えるには、都市と地方の高齢化の過去、現在、未来を踏まえることが不可欠です。過去における高齢化は地方が中心でありましたが、地域社会の支え合いの機能があり、家族のサポートも期待できた時代の問題でした。近未来では地方の高齢者人口も減少します。
 片や、これから都市部では異次元の高齢化が進展します。七十五歳以上、それから八十五歳以上の超高齢化社会が出現をし、二〇四〇年まで増加し続けます。都市部における超高齢化は、地域社会の支え合いや家族のサポートが希薄化していく中で進展します。高齢者の孤立が深刻化し、人道問題となりかねません。
 都市部と地方で高齢人口の増減が著しく異なることから、二〇四〇年を目標とした地域医療構想や地域医療計画の策定の仕方も随分と異なるものとなります。都市と地方で保健、医療、介護の需要と供給のバランスの違いを全体として捉え、医療資源の開発と配分を考えなければなりません。ただし、中長期的に今まで以上に医療にお金が掛かるようになることだけは明白であります。
 現状では、コロナ禍が終わっても患者が戻らず、物価高騰で医療機関の経営が病院を中心に著しく悪化しており、地域医療の持続可能性が低下していくことが危惧されています。都市と地方で保健、医療、介護の需要と供給のバランスの違いを全体として捉えたグランドデザインを示しつつ、医療資源の開発と配分を考えなければなりません。
 そこで、当面の問題と近未来の課題を一体的に考えて、地方創生とも連動した近未来の保健、医療、介護のグランドデザインをいかに設計したらよいのか。同時に、物価高及び経済成長等による税収の増加部分から新しい医療財源を確保する仕組みをつくることが重要と考えますが、総理の御所見を伺います。
 外交・安全保障に目を転じます。
 政治目的を達成するために軍事力を行使する非民主的な権威主義体制が、その軍事力に裏打ちされた勢力範囲の拡大を着実に実行しようとする危険な国際情勢となり始めています。特に、我が国の周辺には、冷戦の残滓とも言える分断国家が朝鮮半島及び台湾海峡に存在し、紛争が起きる軍事的リスクは年々増大をしています。
 この増大する軍事的リスクに対応して、我が国の自由と民主主義を基本的価値とする独立した主権国家としての立場を堅持するために、平和主義に基づき近隣諸国と協調し、共存する外交的努力に努めつつも、同時に、我が国の安全保障三文書に基づく戦略的能力の強化は必須であります。
 しかし、戦略的能力の強化を語るにおいても、地政学的な対立が深まる中、従来のような戦争か平和かとの二分論は余りにも非現実的であり、現実的な国家戦略を語れません。何が戦略的意志で、何が戦略的能力なのかを明確に意識して国家戦略を構築していくことが極めて重要となります。
 我が国の戦略的意志とは何か。それは、戦後貫かれてきた平和主義であります。我が国の戦略的能力とは何か。それは、我が国の防衛力と日米同盟を基軸とした同志国を含めた戦略的連携に裏打ちされた抑止力であります。この戦略的意志と戦略的能力をいかにそれぞれ具体化していくのか。これが我が国の国家戦略となります。
 戦略的意志と戦略的能力、それぞれの具体化は極めて現実的な対応として必要です。
 戦略的意志である平和主義を国民の意識の中でしっかりと定着させるためには、人間の安全保障といった未来志向で更に具体的な政策概念により、人類社会と地球とを共存させることを前提に、人道上の課題や、保健、医療、介護といった国境を越えた共通課題に平素から常に積極的に貢献する積極的平和主義が何よりも重要であると考えます。
 その際、我が国は保健、医療、介護の分野において国際社会で顕著な比較優位性があることを踏まえ、例えば、休戦が一時的に成立しているとはいえ人道上の課題に直面しているガザ地区の人々の健康回復のため、メディカルエバキュエーションを含めた保健医療の支援を積極的に実施していくことが考えられます。
 このように変化する安全保障環境の中で、平和主義が単なるお題目に終わるのではなく、人道的問題など、平素から国際社会の共通課題の解決に貢献していくことで平和主義に対する確信と自信を持つことにより、我が国においても将来に政治的目的のために戦略的能力を行使する意思を持つことがないよう、より確実に抑止することになると考えますが、総理の御見解をお伺いをいたします。
 戦略的能力も、我が国の安全保障への脅威に対して、防衛力を整備し日米同盟を強化しつつも抑止力を完結するためには、自らの身を自ら守るという覚悟が必要と考えます。世界の主要民主主義諸国がいずれも内向化し不安定化する中、自らの身を自ら守るという覚悟なくして抑止力は完結せず、自国の安全を守ることはできません。
 その上で、国民の多くが自衛隊員に対してその感謝の気持ちを持ち、その名誉を守ろうとすることなくして、将来も永続して隊員の募集を行うことは困難になるものと考えます。
 また、自らの意思で、国家国民のために身をもって責務の完遂に務め、国民の負託に応える覚悟を持つ人材の育成も極めて大切です。そのために何をしたらよいのか、総理の御所見をお伺いします。
 そして、その際、現在の日本国憲法についても考える必要があります。
 戦略的意志と戦略的能力という観点から見ると、憲法第九条は、戦略的意志としての平和主義を第一項に、戦略的能力については第二項に示しています。
 あらゆる脅威から我が国の主権を守り、国民の生命を守るため真に必要な防衛力を確保するが、抑止力としていかなる防衛力を保有しても、紛争を解決する手段として武力の行使をすることはないという平和主義に基づく現実主義は徹底的に貫かれるべきです。同時に、自衛隊、自衛官が違憲論にさらされることに終止符を打つべきであります。
 そこで、現行の九条一項、二項は変えず、九条の二を加えるといった我が党の条文イメージを含め、憲法改正について今こそ議論を前に進めるべきと考えますが、総理の御所見をお聞かせください。
 今月二十日に就任したトランプ米国大統領は、第一次政権時より、大統領個人の影響力を圧倒的に強化しています。就任演説で、常識の革命を始めるとして、領土の拡大という言葉も予測不可能であります。基本的には現実主義者であり、ディールを重んじる大統領とも言われています。
 今回の就任式に出席した岩屋外務大臣は、ルビオ国務長官と会談し、日米同盟の更なる強化に向けて緊密に連携していく方針で一致したほか、日米とオーストラリア、インドの四か国の枠組み、クアッドの外相会合では、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、重層的な連携を行うことを確認しました。
 これら戦略の共有を首脳同士でしっかりと確認することが極めて重要となります。日米の首脳同士の信頼関係が、この抑止力の維持強化に今まで以上に重要になったと考えます。
 そこで、日米両国が、自由で開かれたインド太平洋、そしてクアッドを戦略的に共有していることを早急に首脳会談にて米大統領と確認した上で、日米同盟に基づく更なる抑止力の強化を図ることが最重要と考えますが、石破総理の御所見をお伺いいたします。
 今月二十日に就任したトランプ米国大統領は、就任早々、温室効果ガス削減を定めたパリ協定や、WHO、世界保健機関等の国際的枠組みからの離脱に関する大統領令に署名しました。米国は国際社会共通の課題の解決から距離を置こうとしており、第一次トランプ政権時のWHO離脱で見られたマルチ外交での孤立主義と、それによる外交的な真空地帯が再び発生しようとしております。
 一方、我が国は、本年十一月に世界銀行及びWHOと連携して立ち上げる保健財政の研修プログラムを中心としたUHCノーレッジハブのような、医療・介護分野など日本が得意とする分野での貢献により、米国の撤退により生み出されるマルチ外交における真空地帯を埋め合わせ、その分野での課題解決につながる保健外交を実施することで、平和主義に基づくマルチ外交における我が国の影響力の基盤を強化することができます。
 米国の国際的な枠組みからの離脱と、それにより生まれるマルチ外交の真空地帯を埋め合わせるために、我が国の平和主義に基づくマルチ外交をこの際積極的に展開することで、日本の貢献を通じて我が国国民が平和主義に確信と自信を深めることにつながると考えますが、総理の御所見をお聞かせください。
 私は、厚生労働大臣当時に北京を訪問し、国家衛生健康委員会主任、中国共産党中央政治局委員、北京市委員会書記らと面会をし、日中韓三国保健大臣会合への参加の打診を含む意見交換を行ってまいりました。改めて、中国との関係では、特に個人的な人間関係が占める影響の大きさを痛感をしております。また、保健分野における中国との共通課題についての認識も相互に深めることができたと感じております。
 日中間に様々な課題が横たわっている中でありますから、我が国は中国との関係においていたずらに対立構図をつくり上げるのではなく、力による現状変更は中国にとって得策ではないというメッセージを同盟国、同志国と連携しながら常に継続して発信し続けること、高齢化、社会格差、環境、保健分野などでの共通課題解決に向けては、国境を越えて積極的に連携していくことが求められると考えます。
 そこで、先々週、六年三か月ぶりとなる中国共産党と政党間交流、日中与党交流協議会等に臨むための与党幹事長の訪中、また昨年十二月の外務大臣の訪中といった、政府や党などによる重層的な交流や対話は極めて有意義であったと考えます。
 その上で、やはり首脳同士の信頼関係の構築が極めて重要であります。中国との間に共通利害を見出し、共に解決していく前向きな外交関係の構築に向けた重層的な外交の重要性への認識をお尋ねした上で、日中首脳会談の早期開催への決意について総理にお伺いをいたします。
 最新の自殺対策白書によりますと、令和五年の自殺者数は前年からやや減少しましたが、小中高生の自殺は増加しつつ、過去最多だった前年と同水準で推移をしております。自殺や不登校などにつながるいじめの件数も過去最多となっております。
 現在、政府は、自殺やいじめの要因の分析や自殺予防のためのチームの設置などに取り組んでおりますが、厚生労働省、文科省、こども家庭庁等の関連する府省庁がしっかりと連携をして多方面から対策を講ずる体制をつくり上げることが大切です。
 昨年末、超党派の議連で石破総理に自殺防止対策の強化を申し入れましたが、子供の自殺防止に向けた取組について御所見を伺います。
 最後となりましたが、政治資金に関わる不記載により政治への信頼と期待を大きく損ねることになったことを深く反省し、我が党の信頼回復につながる、分かりやすく、そして誰もが納得のできる政治改革を必ずや成し遂げてまいりたいと存じます。
 その上で、昨年を振り返れば、我が国を始め民主主義国家の政権与党には、インフレなどを背景に政権への不満が噴出し、国民世論が左右両極に分裂し、中道勢力が後退し、政治の不安定化が構造化する厳しい結果となりました。
 また、世界における議会制民主主義の在り方が問われた一年でもありました。ポピュリズムの台頭に加えて、SNSによる偽情報の拡散や外部からの選挙介入等もあり、民主主義の機能を損ない、混乱を深めています。
 余波は我が国にも及びつつあります。兵庫県知事の出直し選挙やその前後の混乱等の間に、SNSによる誹謗中傷やデマが広がりました。また、尊い命が失われる事態ともなりました。
 昨今のSNSの政治に及ぼすインパクトに鑑みれば、人権を侵害したり民主主義をゆがめたりすることがないよう、法律的にも厳しくこれを規制していくことの必要性について議論すべきときが来ていると考えますが、総理の御認識を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#6
○内閣総理大臣(石破茂君) 武見敬三自由民主党参議院議員会長の御質問にお答えを申し上げます。
 外国医療人材の育成についてのお尋ねがございました。
 日本の大学医学部への外国人留学生受入れにつきましては、今後、外国医療人材の育成に向けたモデル構築のための実証事業を行うことといたしておりますが、こうした取組は、武見議員御指摘のとおり、我が国の産業政策の観点からも重要であると考えております。
 二〇二六年度の医学部定員の上限につきましては二〇二四年度の医学部定員を超えない範囲で設定することとされておりますが、外国人留学生も含めた我が国の医療人材の育成につきましては、本実証事業の結果も踏まえつつ、引き続き関係省庁で検討をいたしてまいります。
 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジについてのお尋ねでございます。
 政府といたしましては、これまでも、国際保健や医療・介護産業の成長について政府の成長戦略等の方針の中に位置付け、関連する取組を進めてまいりました。
 御指摘のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、UHCにつきましては、その達成を我が国のグローバルヘルス戦略の中心に位置付けており、国際社会においてUHCを主導してきた日本の強みを生かしつつ、対応いたしてきております。
 こうした位置付けを踏まえながら、UHCナレッジハブを日本に設置することなどを始め、必要な取組を着実に進めてまいります。
 自由診療の在り方についてでございますが、自由診療となる訪日外国人患者に対して高度な医療を提供するいわゆる医療インバウンドにつきましては、国内における医療技術の向上や知見の集積など広く国民への還元にもつながりますため、実態の把握、課題の分析等を行いながら進めてまいります。
 同時に、こうした取組も含め、医療技術の進歩と患者ニーズの高度化、多様化に応えるために、国民皆保険を堅持しつつ、保険診療と保険外のものとを併用する保険外併用療養費制度の見直しについて、民間保険の活用も含め、引き続き検討を進めてまいります。
 創薬基盤の再構築についてでございます。
 我が国の創薬力を強化していく上で、大学や製薬企業などが相互に協力して創薬に取り組む、いわゆる創薬エコシステムを官民を挙げて構築する必要があります。さらに、これを海外の研究者や投資家ともつなげ、国際的なものとしていく必要があると認識をいたしております。
 そうした戦略の一環として、来年度、外資系の製薬企業なども参加する官民協議会を設置いたします。この官民協議会におきまして、海外の企業や資金を我が国に呼び込めるよう、創薬エコシステムを育成するための方針などについて議論いたしてまいります。このような取組を通じて、我が国の創薬基盤の再構築を図ってまいりたいと考えております。
 保健、医療、介護のグランドデザイン並びに財源確保についてお尋ねをいただきました。
 二〇四〇年頃を見据え、医療と介護の複合ニーズを抱える八十五歳以上の高齢者が増加することや、人口減少に対応し、地域の実情に応じた持続可能な医療提供体制を構築していく必要がございます。このため、医療DXを推進しつつ、入院だけでなく、外来・在宅医療や介護との連携を含む新しい地域医療構想を策定した上で、医療機関の役割分担や連携を更に推進するための法案を提出してまいります。
 税収増につきましては、現下の厳しい財政事情等を踏まえて議論していく必要があると、このように考えておりますが、医療を含めた社会保障予算につきましては、令和七年度予算案において、骨太方針二〇二四を踏まえ、これまでの歳出改革努力を継続することとし、具体的には、日本経済が新たなステージに入りつつある中で、経済・物価動向などに配慮しながら、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加分に収めるとの方針に沿った姿を実現しているところでございます。
 引き続き、こうした枠組みの下で、国民の皆様に安心いただける医療制度の構築に向け、議論を深めてまいります。
 平和主義と我が国の外交についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩み、インド太平洋地域や国際社会の平和と安定、繁栄に取り組み、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化に取り組んでまいりました。
 また、御指摘の国際社会の共通課題や各地の人道状況への対応につきましても、我が国は、議員がかねてから提唱しておられます人間の安全保障の理念を掲げつつ、これに正面から取り組んでまいりました。また、ガザの傷病者の皆様方への医療支援、いわゆるメディカルエバキュエーションでございますが、これを早期に実現すべく、関係国との調整を進めておるところでございます。
 政府といたしましては、引き続き、こうした平和主義や人間の安全保障に基づく取組を国内及び国際社会全体で強力に推進をいたしてまいります。
 自衛官の名誉の確保、人材育成についてでございます。
 我が国の防衛体制を強化していく中で、人材の確保、育成とともに、全ての自衛官が国防という国家にとって極めて枢要な任務に誇りと名誉、高い使命感を持って専念できる体制を整えることは不可欠であり、国家の義務であると考えております。
 昨年、関係閣僚会議で取りまとめました基本方針では、質の高い人材を確保しつつ、隊員が高い使命感と倫理観を持って任務に当たるための施策とともに、自衛官に対する叙勲の在り方など、自衛官としての誇りと名誉、国民からの尊敬を得る中で重要な施策についても実施することといたしております。
 引き続き、関係閣僚会議の議論を踏まえ、各施策を着実に実現いたしてまいります。
 憲法改正と自衛隊についてのお尋ねでございます。
 我が国の独立と平和を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛するという重要な任務を有する自衛隊につきましていまだに違憲論があると、これは大変に残念なことでございます。
 内閣総理大臣の立場からは、憲法改正についての議論の進め方、内容などについて直接申し上げることは差し控えますが、党総裁としてあえて申し上げれば、我が党では、いわゆる自衛隊違憲論を解消するため、憲法における自衛隊の明記について活発な議論を行ってきたところであり、昨年九月には条文案の起草に向けて論点整理が行われたところであります。これまでの議論の積み重ねを引き継ぎ、後戻りさせていくことなく前に進めてまいりたいと考えております。
 日米首脳会談及び同盟の抑止力強化についてでございます。
 来るべき日米首脳会談におきましては、トランプ米国大統領との間で、安全保障や経済などの諸課題につき認識の共有を図り、一層の協力を確認し、日米同盟を更なる高みに引き上げてまいりたいと考えております。
 御指摘の日米豪印を含め、地域における安全保障の重層的なネットワークを構築し、自由で開かれたインド太平洋を実現する上では日米のリーダーシップが不可欠である、このことも確認したいと考えております。
 日米同盟の抑止力、対処力を一層強化するための取組につきましても、新政権との間で議論を深め、着実に実施してまいりたいと思います。
 平和主義に基づくマルチ外交についてお尋ねがございました。
 我が国は、これまでも、マルチ外交も通じまして、国際保健を始め様々な分野で国際協力を推進いたしてまいりました。こうした外交姿勢により、国際社会における我が国への信頼を育むのみならず、国民の皆様から平和国家としての我が国の外交の在り方に御理解と御支持を得ることができたものと考えております。
 政府といたしましては、引き続き、マルチ外交も通じて、国際社会の諸課題への対応につき指導力を発揮してまいりたいと思っております。
 日中関係についてでございます。
 日中両国間には、様々な可能性とともに、御指摘のように数多くの課題や懸案がございます。両国は、地域と国際社会の平和と繁栄にとりまして共に重大な責務を有していると考えておるところでございます。
 価値を共有する同盟国、同志国との連携を前提としつつ、中国との間におきましては、習近平国家主席とも確認をいたしました戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力によって進めていくというのが日本政府の方針でございます。
 昨年秋の習近平主席、李強首相との会談を受けた次の日中首脳会談の時期につきましては、現時点では何ら決まっておりませんが、中国との間では、この大きな方向性の下で、首脳レベルを含め、先般自公の幹事長も訪中をいたしたところでございますが、中国との間では、この大きな方向性の下で、首脳レベルを含めあらゆるレベルで、幅広い分野におきまして意思疎通をより一層強化をし、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくべく共に取り組んでいく考えでございます。
 子供の自殺防止についてでございます。
 小中高生の自殺者数につきましては、深刻な状況が続いており、重く受け止めておるところでございます。
 子供の自殺対策につきましては、自殺総合対策大綱及びこどもの自殺対策緊急強化プランを踏まえ、SNSを活用した相談事業の拡充、学校における一人一台端末などによる自殺リスクを把握するシステムの活用の推進、子供の自殺危機に対応していくチームの構築などの取組を関係省庁が連携して進めておるところでございます。
 先日、私も自殺防止相談の現場を視察をいたしてまいりました。子供、若者への対応を念頭に置いたSNS、AIを活用した新しい相談対応などの在り方や一人一台端末を活用した取組について学び、多くの教えを受けたところであり、気付きを受けたところでございます。
 生きづらさを抱える子供たちが居場所を見付けられ、周囲の人や必要なときには支援サービスとつながることができる地域共生社会を実現することが必要であると、思いを新たにいたしました。会長のいろんな御示唆に心から感謝を申し上げるところでございます。
 引き続き、関係省庁が一丸となりまして、子供の自殺対策、これを強力に進めてまいります。
 SNS上の偽情報等に対する取組につきましてお尋ねをいただきました。
 SNS上の偽情報、誤情報、偽りの情報、誤りの情報でございますが、偽・誤情報は、短時間で広範に流通、拡散をし、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であると認識をいたしております。
 多様な関係者の皆様方と連携、協力を行いながら、ネット上の情報には偽・誤情報も含まれ得ることなどの認識を幅広い世代に広めていきますとともに、大規模なプラットフォーム事業者に対しまして、情報の削除を求められた場合に迅速に対応すること、こうした取組の状況の透明化を進めることなどを求める法改正に取り組むなどの対策を講じてきておるところでございます。
 引き続き、表現の自由には十分に配慮をしながら、どのような情報を流通させることが違法かを明確化したガイドラインを早期に策定するなど、制度的対応も含めた総合的な対策を進めてまいります。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。
 以上でございます。拍手
   〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕
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福岡資麿#7
○国務大臣(福岡資麿君) 武見敬三議員の御質問にお答えいたします。
 いわゆる医療インバウンドの実態把握や、自由診療における病床の在り方についてお尋ねがございました。
 訪日外国人患者に対しまして高度な医療を提供するいわゆる医療インバウンドにつきましては、令和六年度補正予算におきまして国内外における医療インバウンドの取組等を調査、分析する事業を盛り込んでおり、こうした事業等を活用し、その実態把握に努めてまいります。
 その上で、調査等により把握した訪日外国人の医療ニーズや病床の活用状況などを踏まえ、病床を含む医療インバウンドの受入れ体制の取扱いの整理などを行ってまいります。
 医療DXの推進についてお尋ねがありました。
 保健、医療、介護の情報を医療機関等の関係者で共有する全国医療情報プラットフォームの構築を進め、患者の医療情報等を踏まえた良質かつ適切な医療の提供や、重複投薬や不要な検査の回避等による医療保険財政の効率化を図ってまいります。
 あわせて、こうした医療DXの基盤となるマイナ保険証について、引き続き、丁寧に周知を行うほか、スマートフォンへの搭載などの利用促進を図ってまいります。
 また、社会保険診療報酬支払基金を医療DXの運営に係る母体として改組し、国が総合的な方針を示すとともに、医療DX業務を担当する理事を新たに設けるなど、ガバナンスの強化を図ります。拍手
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関口昌一#8
○議長(関口昌一君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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関口昌一#9
○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十八分散会
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