石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 武見敬三自由民主党参議院議員会長の御質問にお答えを申し上げます。
 外国医療人材の育成についてのお尋ねがございました。
 日本の大学医学部への外国人留学生受入れにつきましては、今後、外国医療人材の育成に向けたモデル構築のための実証事業を行うことといたしておりますが、こうした取組は、武見議員御指摘のとおり、我が国の産業政策の観点からも重要であると考えております。
 二〇二六年度の医学部定員の上限につきましては二〇二四年度の医学部定員を超えない範囲で設定することとされておりますが、外国人留学生も含めた我が国の医療人材の育成につきましては、本実証事業の結果も踏まえつつ、引き続き関係省庁で検討をいたしてまいります。
 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジについてのお尋ねでございます。
 政府といたしましては、これまでも、国際保健や医療・介護産業の成長について政府の成長戦略等の方針の中に位置付け、関連する取組を進めてまいりました。
 御指摘のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、UHCにつきましては、その達成を我が国のグローバルヘルス戦略の中心に位置付けており、国際社会においてUHCを主導してきた日本の強みを生かしつつ、対応いたしてきております。
 こうした位置付けを踏まえながら、UHCナレッジハブを日本に設置することなどを始め、必要な取組を着実に進めてまいります。
 自由診療の在り方についてでございますが、自由診療となる訪日外国人患者に対して高度な医療を提供するいわゆる医療インバウンドにつきましては、国内における医療技術の向上や知見の集積など広く国民への還元にもつながりますため、実態の把握、課題の分析等を行いながら進めてまいります。
 同時に、こうした取組も含め、医療技術の進歩と患者ニーズの高度化、多様化に応えるために、国民皆保険を堅持しつつ、保険診療と保険外のものとを併用する保険外併用療養費制度の見直しについて、民間保険の活用も含め、引き続き検討を進めてまいります。
 創薬基盤の再構築についてでございます。
 我が国の創薬力を強化していく上で、大学や製薬企業などが相互に協力して創薬に取り組む、いわゆる創薬エコシステムを官民を挙げて構築する必要があります。さらに、これを海外の研究者や投資家ともつなげ、国際的なものとしていく必要があると認識をいたしております。
 そうした戦略の一環として、来年度、外資系の製薬企業なども参加する官民協議会を設置いたします。この官民協議会におきまして、海外の企業や資金を我が国に呼び込めるよう、創薬エコシステムを育成するための方針などについて議論いたしてまいります。このような取組を通じて、我が国の創薬基盤の再構築を図ってまいりたいと考えております。
 保健、医療、介護のグランドデザイン並びに財源確保についてお尋ねをいただきました。
 二〇四〇年頃を見据え、医療と介護の複合ニーズを抱える八十五歳以上の高齢者が増加することや、人口減少に対応し、地域の実情に応じた持続可能な医療提供体制を構築していく必要がございます。このため、医療DXを推進しつつ、入院だけでなく、外来・在宅医療や介護との連携を含む新しい地域医療構想を策定した上で、医療機関の役割分担や連携を更に推進するための法案を提出してまいります。
 税収増につきましては、現下の厳しい財政事情等を踏まえて議論していく必要があると、このように考えておりますが、医療を含めた社会保障予算につきましては、令和七年度予算案において、骨太方針二〇二四を踏まえ、これまでの歳出改革努力を継続することとし、具体的には、日本経済が新たなステージに入りつつある中で、経済・物価動向などに配慮しながら、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加分に収めるとの方針に沿った姿を実現しているところでございます。
 引き続き、こうした枠組みの下で、国民の皆様に安心いただける医療制度の構築に向け、議論を深めてまいります。
 平和主義と我が国の外交についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩み、インド太平洋地域や国際社会の平和と安定、繁栄に取り組み、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化に取り組んでまいりました。
 また、御指摘の国際社会の共通課題や各地の人道状況への対応につきましても、我が国は、議員がかねてから提唱しておられます人間の安全保障の理念を掲げつつ、これに正面から取り組んでまいりました。また、ガザの傷病者の皆様方への医療支援、いわゆるメディカルエバキュエーションでございますが、これを早期に実現すべく、関係国との調整を進めておるところでございます。
 政府といたしましては、引き続き、こうした平和主義や人間の安全保障に基づく取組を国内及び国際社会全体で強力に推進をいたしてまいります。
 自衛官の名誉の確保、人材育成についてでございます。
 我が国の防衛体制を強化していく中で、人材の確保、育成とともに、全ての自衛官が国防という国家にとって極めて枢要な任務に誇りと名誉、高い使命感を持って専念できる体制を整えることは不可欠であり、国家の義務であると考えております。
 昨年、関係閣僚会議で取りまとめました基本方針では、質の高い人材を確保しつつ、隊員が高い使命感と倫理観を持って任務に当たるための施策とともに、自衛官に対する叙勲の在り方など、自衛官としての誇りと名誉、国民からの尊敬を得る中で重要な施策についても実施することといたしております。
 引き続き、関係閣僚会議の議論を踏まえ、各施策を着実に実現いたしてまいります。
 憲法改正と自衛隊についてのお尋ねでございます。
 我が国の独立と平和を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛するという重要な任務を有する自衛隊につきましていまだに違憲論があると、これは大変に残念なことでございます。
 内閣総理大臣の立場からは、憲法改正についての議論の進め方、内容などについて直接申し上げることは差し控えますが、党総裁としてあえて申し上げれば、我が党では、いわゆる自衛隊違憲論を解消するため、憲法における自衛隊の明記について活発な議論を行ってきたところであり、昨年九月には条文案の起草に向けて論点整理が行われたところであります。これまでの議論の積み重ねを引き継ぎ、後戻りさせていくことなく前に進めてまいりたいと考えております。
 日米首脳会談及び同盟の抑止力強化についてでございます。
 来るべき日米首脳会談におきましては、トランプ米国大統領との間で、安全保障や経済などの諸課題につき認識の共有を図り、一層の協力を確認し、日米同盟を更なる高みに引き上げてまいりたいと考えております。
 御指摘の日米豪印を含め、地域における安全保障の重層的なネットワークを構築し、自由で開かれたインド太平洋を実現する上では日米のリーダーシップが不可欠である、このことも確認したいと考えております。
 日米同盟の抑止力、対処力を一層強化するための取組につきましても、新政権との間で議論を深め、着実に実施してまいりたいと思います。
 平和主義に基づくマルチ外交についてお尋ねがございました。
 我が国は、これまでも、マルチ外交も通じまして、国際保健を始め様々な分野で国際協力を推進いたしてまいりました。こうした外交姿勢により、国際社会における我が国への信頼を育むのみならず、国民の皆様から平和国家としての我が国の外交の在り方に御理解と御支持を得ることができたものと考えております。
 政府といたしましては、引き続き、マルチ外交も通じて、国際社会の諸課題への対応につき指導力を発揮してまいりたいと思っております。
 日中関係についてでございます。
 日中両国間には、様々な可能性とともに、御指摘のように数多くの課題や懸案がございます。両国は、地域と国際社会の平和と繁栄にとりまして共に重大な責務を有していると考えておるところでございます。
 価値を共有する同盟国、同志国との連携を前提としつつ、中国との間におきましては、習近平国家主席とも確認をいたしました戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力によって進めていくというのが日本政府の方針でございます。
 昨年秋の習近平主席、李強首相との会談を受けた次の日中首脳会談の時期につきましては、現時点では何ら決まっておりませんが、中国との間では、この大きな方向性の下で、首脳レベルを含め、先般自公の幹事長も訪中をいたしたところでございますが、中国との間では、この大きな方向性の下で、首脳レベルを含めあらゆるレベルで、幅広い分野におきまして意思疎通をより一層強化をし、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくべく共に取り組んでいく考えでございます。
 子供の自殺防止についてでございます。
 小中高生の自殺者数につきましては、深刻な状況が続いており、重く受け止めておるところでございます。
 子供の自殺対策につきましては、自殺総合対策大綱及びこどもの自殺対策緊急強化プランを踏まえ、SNSを活用した相談事業の拡充、学校における一人一台端末などによる自殺リスクを把握するシステムの活用の推進、子供の自殺危機に対応していくチームの構築などの取組を関係省庁が連携して進めておるところでございます。
 先日、私も自殺防止相談の現場を視察をいたしてまいりました。子供、若者への対応を念頭に置いたSNS、AIを活用した新しい相談対応などの在り方や一人一台端末を活用した取組について学び、多くの教えを受けたところであり、気付きを受けたところでございます。
 生きづらさを抱える子供たちが居場所を見付けられ、周囲の人や必要なときには支援サービスとつながることができる地域共生社会を実現することが必要であると、思いを新たにいたしました。会長のいろんな御示唆に心から感謝を申し上げるところでございます。
 引き続き、関係省庁が一丸となりまして、子供の自殺対策、これを強力に進めてまいります。
 SNS上の偽情報等に対する取組につきましてお尋ねをいただきました。
 SNS上の偽情報、誤情報、偽りの情報、誤りの情報でございますが、偽・誤情報は、短時間で広範に流通、拡散をし、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であると認識をいたしております。
 多様な関係者の皆様方と連携、協力を行いながら、ネット上の情報には偽・誤情報も含まれ得ることなどの認識を幅広い世代に広めていきますとともに、大規模なプラットフォーム事業者に対しまして、情報の削除を求められた場合に迅速に対応すること、こうした取組の状況の透明化を進めることなどを求める法改正に取り組むなどの対策を講じてきておるところでございます。
 引き続き、表現の自由には十分に配慮をしながら、どのような情報を流通させることが違法かを明確化したガイドラインを早期に策定するなど、制度的対応も含めた総合的な対策を進めてまいります。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-01-28

院: 参議院

会議名: 本会議