石破茂の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(石破茂君) 竹谷とし子公明党代表代行の御質問にお答え申し上げます。
能登の復興加速と防災庁設置に向けた災害対応力、地域防災力の強化についてお尋ねを頂戴をいたしました。
能登半島の復旧復興を可能な限り早く成し遂げることこそが犠牲となられた方々の御霊に報いる道でございます。被災前の活気ある町並みと人々の笑顔を取り戻すため、生活となりわいの再建、被災地の創造的復興に政府一丸となって取り組んでまいります。
議員御指摘の災害の教訓を生かした事前防災を推進するため、令和八年度中に平時、発災時の司令塔として防災庁を設置するべく、準備を加速いたしてまいります。
防災庁は、専任の大臣を置き、十分な数のエキスパートをそろえた組織であり、災害対応を通じて得られる経験や教訓を着実に蓄積しながら、事前防災の徹底により被害の最小化を図るとともに、発災直後から被災者の方々が避難所において尊厳ある生活を営める環境を整備いたしてまいります。
また、良好な避難環境を早期に整備するため、議員御指摘のとおり、避難所運営等を担う地域のボランティア人材の育成研修やボランティア団体などの登録制度の創設などの取組を進めているところであり、引き続き地域防災力の向上に努めてまいります。
避難所の生活環境の改善についてでございますが、昨年の臨時会で成立いたしました補正予算では、自治体が避難所の生活環境の改善に資する先進的な取組としてトイレカー、キッチンカー、簡易ベッド等を整備する際に新地方創生交付金により支援を行うこととするとともに、発災時に利用可能なキッチンカー、トイレトレーラーなどをあらかじめ登録するデータベースを構築し、迅速な支援に資することといたしました。
公立小中学校の体育館への空調設備に係る臨時特例交付金につきましては、議員御指摘のとおり、申請期限の経過後も整備の検討を進めている自治体があると伺っております。今後、追加募集を行ってまいります。
また、令和七年度から、内閣府防災担当に、都道府県ごとの担当者として地域防災力強化担当職員を新たに配置することを予定いたしております。これらの職員を通じて、全国の有効な取組の紹介、自治体からの相談への対応や助言などを行い、自治体の取組を後押しいたしてまいります。
東日本大震災からの復興についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
福島県内で発生した除去土壌等につきましては、中間貯蔵開始後三十年以内の県外最終処分の実現に向けて、昨年十二月に閣僚級の会議を設置したところであり、再生利用の推進や全国民的な理解の醸成など、政府一体となって取組を進めてまいります。
福島イノベーション・コースト構想を更に発展させ、創造的復興の中核拠点となる福島国際研究教育機構、F―REIでは、国内外の優秀な研究者などを確保しつつ、研究成果を生かした産業化や人材育成を進めており、引き続き取組を支援をいたしてまいります。
第二期復興・創生期間の次の五年間は、復興に向けた課題を解決していく極めて重要な期間でございます。福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしという決意の下、被災地に更に寄り添い、復興に全力を尽くしてまいります。
官公需の価格転嫁を含む中小企業の賃上げ支援についてでございます。
多くの中小企業が賃上げができますよう利益を上げていただくためには、省庁の枠を超えてきめ細かく対応する必要がございます。そのため、先日、私から関係大臣に対しまして、価格転嫁を阻害する商慣習の一掃に向けて取り組むよう指示したところでございます。
具体的には、下請法の改正法案の今国会の提出に加えまして、下請法違反がないか業界ごとに自主点検を行い、違反があった場合には不利益の補償が行われる方策を考えていかなければなりません。サプライチェーンの頂点となります企業や業界には、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるような価格決定や、それが隅々まで伝わる情報発信を行ってもらわなければなりません。労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の遵守が徹底されることも極めて必要なことでございます。これらにつきまして、官庁の枠を超えて関係省庁一丸となって取り組んでまいります。
御指摘の官公需につきましても、価格転嫁が行われることが重要でございます。コストが上がった場合に適切に価格交渉、価格転嫁に応じるよう、私から各省庁に指示をいたしました。
今後、御指摘を踏まえまして、省庁の枠を超え、省力化投資促進プランを策定し、もう一段きめ細かく賃上げを支援する取組を抜本的に強化をいたしてまいります。
女性の活躍による所得向上と地域活性化のための環境整備についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
女性の活躍が広がることは、国全体の創造性や活力を高める上で極めて重要なことであると考えております。地方創生二・〇を進めます上でも、若者や女性にも選ばれる地方をつくることが第一に求められております。
こうした考えの下、女性の活躍による所得向上を広く進めていく観点から、デジタル技術の習得などリスキリングの支援、テレワークなど多様な働き方の環境整備、女性起業家のためのネットワークの充実などに取り組んでまいります。
女性の活躍による地域活性化のための環境整備に向けて、若者や女性にとって魅力ある働き方、職場づくりを進める観点から、地域間、男女間の賃金格差の是正、女性のL字カーブの解消、男性の育児休業の取得促進、無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスの解消などに取り組んでまいります。
こうした取組を後押しするため、地域の支援体制を強化するための法案を今国会に提出をし、女性の活躍による所得向上、地域活性化に向けた取組を強力に進めてまいります。
男性は職があれば戻ってくるが、女性は必ずしもそうではないという竹谷議員の御指摘は、まさしくそういう面があろうかというふうに思っております。私の地元においてもそういう面がございます。御指摘を踏まえ、更に精力的に取り組んでまいりたいと存じます。
自動車関係諸税についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
令和七年度与党税制改正大綱におきまして、日本の自動車戦略、インフラ整備の長期展望、カーボンニュートラル目標実現等の観点を踏まえまして、国、地方を通じた安定的な財源確保を前提に、中長期的な視点から、公平、中立、簡素な課税の在り方を検討するとの基本的な考え方が示されております。
この大綱では、いわゆるガソリンの暫定税率の廃止につきましては、昨年十二月の自民、公明、国民民主の三党幹事長間の合意を踏まえ、具体的な実施方法等につきまして引き続き真摯に協議を行っていく、車体課税については、国、地方の税収中立の下で、取得時の負担軽減や保有時の税負担の在り方等について検討するとされておるところでございます。政府といたしましては、これらの検討を踏まえて適切に対応いたしてまいります。
扶養控除についてお尋ねを頂戴をいたしております。
高校生年代の扶養控除は、令和七年度与党税制改正大綱にも記載されているとおり、児童手当を始めとする子育て関連施策との関係、所得税の所得再分配機能等の観点や令和六年度税制改正大綱で示した考え方等を踏まえつつ、各種控除の在り方の一環として引き続き検討を行い、令和八年度以降の税制改正において、各種控除の在り方の一環として結論を得るものと考えております。
十六歳未満を対象としたいわゆる年少扶養控除につきましては、所得控除から手当へという考え方の下、子ども手当の創設に伴い、平成二十二年度税制改正において廃止をされた経緯があり、こうした経緯も踏まえる必要があるものと考えておるところでございます。
年金制度改正についてのお尋ねがございました。
基礎年金のマクロ経済スライドが早期に終了することは、将来の基礎年金水準の確保につながるものであり、今後の経済が好調に推移しない場合の備えとして検討を進めております。引き続き、年金法改正案の取りまとめに向け、成案を得るべく努力をいたしてまいります。
多様な人生設計、ライフコースと申しますが、多様な人生設計に応じて将来の年金額の具体的なイメージを持っていただけますよう、今回の財政検証において個人単位の年金額の推計を初めて行ったところでございます。加えて、個々人の年金受給見込額を試算できるよう、試みの計算でございます、試算できるよう、公的年金シミュレーターを運用いたしており、その利用促進など、分かりやすく丁寧な広報に一層取り組んでまいりたいと思っております。
ハラスメント対策及び高齢者の労働災害の防止についてでございます。
今や我が国は、人口希少社会、まれに少ないという字を書きますが、人材希少社会に入っており、希少な人材、働く方を大事にする社会を築いていくことが必要であります。
カスタマーハラスメントや求職者などに対するセクシュアルハラスメントを防止するため、事業主に対し相談体制の整備などの雇用管理上の措置を義務化するなどの内容を盛り込んだ労働施策総合推進法等の改正法案を今国会に提出することといたしており、ハラスメント対策の強化に取り組んでまいります。
また、高年齢労働者の方々の特性に配慮し、作業環境の改善や作業管理などを行うことを事業主の努力義務とするなどの内容を盛り込んだ労働安全衛生法等の改正法案を今国会に提出することといたしており、高年齢労働者の方々の労働災害の防止に取り組んでまいります。
教育の無償化と質の向上についてでございますが、教育費の負担軽減の検討に当たりましては、こども・子育て加速化プランに基づき家計支援のための様々な施策が講じられていることや、教育の質の向上、基盤としての国の制度と地域の実情を踏まえて地方自治体が独自に実施する支援とのバランス、安定的な財源の確保といった論点も総合的に考える必要がございます。
公明党と自民党、維新の会との間で実務者による協議を行っておるものと承知をいたしておるところでございますが、そのような論点も含めて政党間で協議が進められているものと、かように考えておるところでございます。
教員の処遇改善と働き方改革についてでございます。
御指摘いただきましたように、働き方改革を確実に進めることが求められております。業務の仕分を行った学校・教師が担う業務に係る三分類に基づく業務の更なる厳選、見直しや、標準を大きく上回る授業時数の見直し、校務DXの加速化を進めるとともに、学校の指導、運営体制の充実により、教師の時間外在校等の時間を削減をいたしてまいります。こうした教師の働き方改革や給与面を含む処遇改善等を進めてまいります。
マレーシア、インドネシア訪問についてお尋ねを頂戴をいたしました。
日本外交にとり、東南アジア諸国との関係は最優先事項の一つであります。竹谷議員御指摘のとおり、世界の成長センター、インド太平洋地域の要の存在であります東南アジアとの連携強化は、今まで以上に重要な課題であると認識をいたしております。
こうした問題意識から、総理就任後初の二国間訪問としてマレーシア、インドネシア両国を訪問し、幅広い分野で具体的な成果を得ることができました。
安全保障面では、OSAや海洋安全保障協力につき、具体的協力の進展で一致をいたしました。
経済面におきましては、LNGの安定供給に向けた協力、脱炭素化に向けたアジア・ゼロエミッション共同体、AZECと申しますが、これを通じました連携を確認いたしました。
地域・国際情勢につきましても、東シナ海、南シナ海などについて率直なやり取りを行ったところでございます。
今回の訪問で構築をした両国首脳との信頼関係も踏まえ、東南アジア諸国との関係を更に発展させてまいります。
日中関係についてでございます。
日中両国間には様々な可能性とともに数多くの課題、懸案がございますが、両国は、地域と国際社会の平和と繁栄にとって共に重大な責任を有しております。
価値を共有する同盟国、同志国との連携を前提としつつ、中国との間では、習近平国家主席とも確認をいたしました戦略的互恵関係を包括的に推進いたしますとともに、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていく、これが日本政府の方針でございます。
中国との間では、まさに竹谷議員からの御指摘のとおり、この大きな方向性の下で、首脳レベルや、先般の森山幹事長及び御党の西田幹事長の訪中を始めとした政党間のものも含めまして、あらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通をより一層強化し、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくべく共に取り組んでいく考えでございます。
政治改革の決意についてお尋ねを頂戴をいたしました。
さきの臨時会で様々な政治改革関連の法律が成立をいたしましたが、御指摘のとおり、引き続き取り組むべき課題がございます。
昨年の立法を受け、今後、国会議員関係政治団体の収支報告書の監視などを行う政治資金監視委員会を国会に設置するための法律、所属国会議員が起訴された場合などにおける政党交付金の交付停止などに関する法律が必要とされております。それらの実現に向け、我が党は各党各会派と議論を進めてまいるところでございます。
また、昨年十一月、御党との間で結ばせていただきました自公連立政権合意の中に、当選無効となった議員の歳費返納等を義務付ける法改正の実現を図ると明記させていただきました。公明党とも緊密に連携しながら、可能な限り早期の実現に向け、議論を加速させてまいります。
我が党では、禁止より公開という考え方に基づき、政党などの収支報告書の内容を簡単に検索できるデータベースを公表するための政治資金規正法の改正を行うなど、企業・団体献金も含めた政治資金の透明性の確保に取り組んでまいりました。現在も、透明性を更に向上させるための法案につき、党内で議論を進めておるところでございます。
政治に対する国民の信頼を確保するため、引き続き、政治は国民のものとの原点に立ち、謙虚、真摯、誠実に政治改革に取り組んでまいります。
循環経済の構築による地方創生についてお尋ねをいただきました。
循環経済への移行は、廃棄物などを資源として最大限に活用しながら、付加価値を生み出し、新たな成長につなげる国家戦略として推し進めるべき重要な取組でございます。
例えば、北海道上士幌町では、畜産ふん尿を活用したバイオガス発電の電力を畜産農家などに供給するとともに、残渣である消化液を飼料の生産に利用しております。昨年末に取りまとめました循環経済への移行加速化パッケージを踏まえ、こうした日本全体のモデルとなる地域の意欲的な取組を支援し、新たな付加価値を生み出す地方創生につなげてまいりたいと考えております。
新たなモビリティーの交通ルールの周知、安全対策についてお尋ねを頂戴をいたしました。
近年、様々な種類のモビリティーが登場し、道路交通の主体が多様化いたしており、全ての方々にとって安全で快適な通行環境を確保するための取組が重要となっております。
電動キックボードや公道、公の道でございます、公道を走行するカートについては、これらを貸し出す事業者から利用者に対して交通ルールを教示することが重要でありますことから、効果的な方法により交通安全教育を推進するため、これらの事業者と警察との緊密な連携を図ってまいります。
モペットと呼ばれますペダル付き電動バイクにつきましては、自転車とは異なり、運転するためには免許が必要であり、歩道の通行も常に禁止をされております。昨年の道路交通法の改正により、原動機を使わずにペダルだけを用いて走行する場合でも、原動機付自転車などのルールが適用されることは明確化されました。こうしたルールにつきまして、広報啓発をより強化をいたしてまいります。
これらのモビリティーによる悪質、危険な違反行為に対しましては厳格な取締りを行うとともに、電動車椅子を含む歩行者の安全確保を徹底をいたしてまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣中野洋昌君登壇、拍手〕