浅田均の発言 (本会議)

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○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 私は、会派を代表し、石破総理の施政方針演説等に関し、総理に質問いたします。
 初めに、企業・団体献金について質問します。
 総理は、企業・団体献金は悪ではないと繰り返し発言されています。企業・団体献金について善悪の観点から発言されておりますが、私たちが問うているのは、企業・団体献金の是非です。今回のパーティー裏金事案に鑑み、自民党のリーダーとして、企業・団体献金は非であるという決断をすべきではないですか。お答えください。
 総理は、所信表明の中で政治改革について触れ、政党、政治団体としての規律の在り方をどのように考え、また、その規律をどのように担保していくのか、そのための法制度の在り方も含めて議論を深めていきたいと発言されていますが、政党法を念頭に置いての御発言なら、憲法二十一条で保障される結社の自由、表現の自由という規定とどう整合させ、どのように議論を深めることができるとお考えですか。お答えください。
 現在、我が党と与党の間で協議中の教育無償化について質問いたします。
 我が党は、所得制限のない完全教育無償化を憲法上の原則として定め、経済的理由によって学校選択が妨げられることのないよう、教育の全課程における無償化を掲げ、進めてきました。
 現在の国の高等学校等就学支援金制度は、平成二十六年に所得制限制に変更されました。その後十年間で子育て世帯の平均年収は百万円近く上がり、約八百十三万円、中央値は七百三十一万円、厚生労働省調査、となりました。決して子育て世帯が裕福になったのではないのに、支援金の給付対象から外れる子供の割合が高くなったことで、子供たちが私立を含めて本当に行きたい高校にチャレンジできなくなっているのが現状です。
 子供が家計状況に左右されることなく高校を自由に選択できる、そのような社会をつくるのは大人の責務ではないですか。所得制限を撤廃し、高校教育の無償化を早急に実現すべきではないですか。お答えください。
 教育無償化によって教育の質が向上することが大前提です。維新の考える質とは、この激変する社会情勢の中で、自らの頭で正解を考え、臨機応変に行動できるような、自己決定、自己選択ができる能力を持った自立した個人を育成することです。
 我が党は、個人が教育分野なら自由に使い道を決めることができる教育クーポンによって、学校単位で補助する形から個人を補助する形への切替えを提唱しています。自ら使い道を、使い方を選び、学ぶものを選ぶことで、自ら学ぶ意思を養うとともに、自らの将来に責任を持つことにつながります。選ばれる側も、選ばれるために魅力を高める努力をせざるを得ません。切磋琢磨という市場原理の良い側面が供給側に働きますが、政府として教育クーポンの導入を検討する考えはありますか。答弁を求めます。
 次に、財政再建について質問します。
 令和七年度の一般会計予算の歳出は百十五・五兆円です。しかし、この中には地方交付税交付金、利払い費、債務償還費等が含まれるので、一般歳出は六十八・二兆円に減ります。政策金利が〇・五%に上がり、これからの利払い費が減ることはないでしょう。政策的経費が圧迫されないようにするには歳出改革は待ったなしです。無駄を見直し、徹底的な歳出改革を実施することが必要だと考えますが、総理の認識を伺います。
 次に、所得税と社会保険料について基本的なことを三点質問します。
 一、我が国の所得税収総額は他の先進国と比べ非常に少ないと言われていますが、総理はどのようにお考えですか。二、大多数の人にとって手取りを大きく減らしているのは税ではなく社会保険料だと考えますが、総理はどのように捉えられていますか。三、我が国の社会保険料は逆進的だと考えますが、総理はどう認識されていますか。お答えください。
 次に、社会保障制度の問題点について質問します。
 本来は豊かな社会をつくるはずの社会保障制度が、一部の国民にとって過度な負担となり、国の活力をそいでいます。所得に対する社会保険料と税金を合わせた負担割合を表す国民負担率は実に四五%を超え、給与の半分を召し上げられている状態です。
 特に現役世代が過重な負担を負っており、これが若い世代が結婚、子育ての将来展望を描けない要因になっているのは明らかではないでしょうか。このような制度では、たとえ制度が持続できたとしても、我が国の国力を先食いしていることになりませんか。
 次世代のための政党である日本維新の会は、社会保険料を下げる改革のエンジンになります。
 所得税の支払のボーダーラインとなる百三万円の壁の引上げが、国民生活のみならず、労働供給の面から重要であることは言をまちません。
 しかしながら、この壁を乗り越えたとしても、その先には崖ともいうべき社会保険料の壁が待ち構えています。そのうちのいわゆる百六万円の壁に関して現在政府が打ち出している施策は、どれも事業者側への給付を行うものです。マイナンバーが普及した今、壁を埋めるための給付を労働者側に直接行う選択肢もあるのに、なぜ事業者側へ給付することにしたのですか。
 百六万円の壁のように、社会保険料の負担増大により手取り収入が減少するケースがあることを念頭に置くと、今後の給付では、いわゆる岸田減税のように所得税や住民税の納税額を物差しにするだけではなく、社会保険料の負担額も考慮に入れるべきではないですか。答弁を求めます。
 現在、政府が、給付金等の事業のうち、個人の社会保険料負担額を考慮して給付額を決めているものは何事業ありますか。諸外国の給付付き税額控除の在り方を参考とし、マイナンバーを活用するなどして、各個人の社会保険料の負担額を考慮して補助金が支給できるデジタル基盤を整えるべきではないですか。お答えください。
 これまで政府・与党が実施してきた事業者に対する補助金は、補助金支給型の経済対策は、GDPを押し上げる効果を発揮しません。そもそもGDPの性質上、事業者への補助金は、上がる売上原価を元に戻すだけで、付加価値を生み出す効果はありませんと考えられますが、どのような理由で事業者に補助金を与えるだけでGDPを押し上げると考えたのか、そのメカニズムを説明してください。
 設備投資に関しては、日本は欧米に比べその投資回収スパンが長いといった特徴がありますが、産業の主戦場がGAFAに代表されるウェブサービスやアプリ等、開発期間の短いものに移ることで、投資回収スパンの短さも重要となっています。
 設備投資回収に関し、一定期間より早く回収できた企業には減税するなどのインセンティブを与えることを検討すべきではないですか。見解を伺います。
 次に、賃上げについて質問します。
 昨年の春闘での賃上げは三十三年ぶりの高水準となりましたが、七割を占める中小企業には波及しませんでした。中小企業は、価格転嫁が難しく、賃金を上げにくい構造下にあり、物価上昇を上回る賃上げを実現するには相応の施策が必要です。中小企業にまで賃上げを行き渡らせるために、最低賃金の引上げ以外のどのような施策をお考えですか。
 持続的な賃上げには労働生産性を上げる企業努力も不可欠ですが、政府もこれを後押しする施策を練るべきではないですか。
 昨年四月、中小企業が多い物流分野に改善基準告示が導入されました。具体的に実収入は増えたかどうか、お答えください。
 地方創生について伺います。
 政府は、平成二十六年以降、地方創生に取り組み続けていますが、これまでの施策のどこに問題があり、何が足りなかったのか、分析されたのですか。その上で新しい政策を示すべきではないですか。旧態依然とした補助金による地方への支援では、真に地域の多様な力を引き出すことはできないのではないですか。必要なのは、自由な自治体運営を可能とする税源移譲と規制緩和だと考えます。併せて見解を伺います。
 これまで、課室の設置にとどまらず、地方移転したと言えるのは文化庁のみで、その文化庁ですら半分近くの課が東京に残っています。この反省がなければ地方移転の進展はままなりません。
 これまで失敗してきた中央省庁の地方移転を焼き直す必要があるのですか。これまでの問題点は何で、どのように解決するのか、併せてお答えください。
 規制改革について質問します。
 日本経済を力強く成長させるためには、既存産業への参入障壁撤廃など、既得権にとらわれない大胆な規制改革で経済を成長させることが不可欠です。
 我が党が強く訴えてきたライドシェアについて、政府は去年四月、日本版ライドシェアなる制度をスタートさせましたが、タクシー事業者にしか認められず、運行できる地域や時間帯、それに台数に制限を設け、ドライバーには雇用契約が義務付けられています。政府が昨年末、万博期間中は日本版ライドシェアの運行エリアを大阪全域に広げ、運行時間も全ての曜日で二十四時間可能にするのを決めたことは一定の評価をしますが、少なくとも同じような内容は全国展開できるのではありませんか。
 岸田前政権は昨年夏、ライドシェア全面解禁について検討を続けることとしました。政府はいつまでに結論を出すお考えですか。我が党は、真のライドシェア導入への推進法案を近く国会に提出する予定です。是非、各会派の賛同をお願いしたいと存じますが、総理も賛同していただけますか。
 次に、外交・安全保障について質問します。
 アメリカで第二次トランプ政権がスタートしました。米国第一主義を掲げるトランプ氏の再登板により、世界では国際協調と自由貿易という戦後秩序の二大原則が揺らいでいます。トランプ大統領は就任演説で、日本や欧州諸国などとの同盟について一切言及がありませんでした。既に領土や関税をめぐり、同盟国への恫喝もいとわない姿勢が見られます。
 同盟国日本には、民主主義陣営の分断を招かぬよう、米国を国際協調の輪につなぎ止めておく役割があり、米国を中心とした同盟網の結束及び世界秩序の堅持に資するべく、能動的な関与が求められると思いますが、認識を伺います。また、具体的にいかに対応していくお考えですか。
 バイデン前大統領が退任間際に日本製鉄の米鉄鋼大手USスチール買収計画に禁止命令を出した問題は、日米同盟の試金石です。阻止命令の無効を求めて提訴した日本製鉄が司法の場で買収計画の正当性を主張するのは当然です。日本政府は、買収阻止とそれによって生じる感情的しこりが日米関係をきしませ、同盟関係を揺るがす事態を招いてはなりません。
 そもそもUSスチール買収計画をめぐっては、去年の米大統領選のさなかにトランプ、ハリス両候補が共に反対姿勢を示して政治問題化していました。現下の混乱に至ったのは、米政権側に積極的な働きかけを怠ってきた日本政府の対米外交の姿勢だと断じざるを得ませんが、否定できますか。この案件をどのように軟着陸させるのですか。お答えください。
 戦後の世界経済は、自由貿易体制の下で人、物、金、サービスが自由に行き交うことで発展してきました。保護主義を掲げ、同盟国にも関税政策を振りかざすトランプ大統領の再登場は、経済の国際ルールに対する重大な挑戦になりかねません。
 国際社会が結束し、繁栄を支えてきた自由貿易体制を崩壊させてはなりません。そのためにも、米国の離脱後、世界のGDPの一五%を占める経済圏に成長させたTPP推進の旗を振ってきた日本が果たすべき役割は大きいと思料しますが、総理のお考えをお示しください。
 トランプ政権が中国に対して追加関税を実行すれば、日本でも中国経済への下押し圧力が強まります。日米分断を狙う中国は、得意のほほ笑み外交で日本への接近を図っていますが、力ずくで相手を屈服させようとする横暴な手法は捨てていません。
 例えば、中国が望む日中韓のFTA交渉を再開するなど、米国の頭越しで対中接近に前のめりになれば中国の思うつぼだと考えますが、政府として中国にどのように向き合っていく方針ですか。
 トランプ大統領は、パリ協定からの再離脱を指示する大統領令に署名しました。再生エネルギーへの政府支援を大幅に縮小する一方、自国内の化石燃料を掘って掘って掘りまくると宣言しました。米国の政策転換で世界の脱炭素の動きが後退してはなりません。日本は責任の重大さを自覚し、トランプ政権に翻意を迫るとともに、脱炭素機運の維持に向けて欧州やアジア諸国などとの連携も進めていくべきだと考えますが、いかに対応していきますか。
 パリ協定に基づき、世界各国は二月までに、次期NDC、温室効果ガスの排出削減目標を国連に提出しますが、トランプ政権の方針が我が国の削減目標と目標達成の戦略に与える影響はいかなるものでしょうか。お答えください。
 トランプ大統領は電気自動車普及策の撤回を表明していますが、自動車産業の地位を考えれば経済面への影響は大です。政府の対応をお尋ねいたします。
 ロシアはウクライナ侵略で、音速の五倍を超えるスピードで飛び、現時点では迎撃困難とされる極超音速中距離ミサイルを使用しました。また、北朝鮮が今月六日、日本海に向けて発射実験を行ったミサイルも、軌道変更可能な新型極超音速中距離ミサイルだと報じられました。既に同様のミサイルを配備している中国は去年九月、四十四年ぶりに米国本土を射程に収める新型のICBM、大陸間弾道ミサイルを試射し、ICBM能力も飛躍的に高めています。いずれも隣接する核保有国であり、重大なる脅威です。
 防衛省は、令和九年度までに航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に組織改編する方針ですが、現状では迎撃困難な中ロ、北朝鮮の核兵器に、新兵器に、具体的にどのように対処していく計画ですか。
 何でもありの侵略者に対し不条理な制約下で自衛隊が防衛戦を強いられる専守防衛に拘泥していては対抗不可能であることを、お認めになりませんか。
 トランプ政権で対中強硬派とされるコルビー国防次官は、中国に対する拒否戦略、ストラテジー・オブ・ディナイアルを説き、近著「アジア・ファースト」、エイジア・ファーストで日本の防衛費はGDP比三%必要だと訴えています。日本の防衛力強化の要求が強まると想定されますが、どのように対応するお考えですか。見解を伺います。
 米国は、バイデン前政権下の二〇一八年、政府、軍当局による台湾との直接協議に道を開く台湾旅行法、一昨年末には台湾への軍事支援を強化する台湾政策法を成立させ、台湾有事を見据えた動きを加速させています。
 現に米軍基地内で合同軍事演習も実施されていますが、これら米台の動向に中国はどのように反応したと把握されていますか。お答えください。
 翻って、日本の政府、自衛隊関係者は、いまだに台湾側と公式に接触、協議すらできていません。これでいかに対中抑止力を高められるのですか。日本が台湾海峡の安定と平和を守る責任と負担を米国に過重に委ねていて、トランプ大統領は納得するとお考えですか。答弁を求めます。
 米国に倣い、少なくとも台湾との関係を規定した台湾関係法を制定し、交流協会における現職自衛官の駐在や駐日台湾公館の公的化等を速やかに実現し、日米台の防衛協力を目に見える形で具現化することが不可欠ではないですか。
 次に、自衛官の待遇について質問します。
 自衛官は防衛力の中核ですが、自衛官の定員およそ二十四万七千人のうち、近年は約二万人の欠員が生じています。
 こうした中、政府は昨年末、自衛官の処遇を改善する基本方針をまとめました。一歩前進と評価しますが、基本方針の内容は、手当の新設や金額の引上げ、勤務環境の改善、退職後の再就職支援など、隔靴掻痒の感が拭えません。自衛官の給与体系を自衛隊の任務、リスクを正しく評価したものにするなど、待遇を抜本的に改善すべきです。
 急速な人口減少と自衛隊の任務拡大が進む中、有為な人材を安定的に確保するには、付け焼き刃でない給料体系の抜本改革、更なる定年延長、恩給制導入などが不可欠であると考えますが、いかがですか。政府の基本方針では、最もキーになる自衛官の俸給表の改定が令和十年に先延ばしされていますが、なぜですか。お答えください。
 次に、憲法改正についてです。
 本院における憲法論議は一向に停滞したままです。元々、衆議院に比べて周回遅れと指摘され続けておりますが、昨年末の臨時国会でも、憲法審査会で実質審議が行われる機会は皆無でした。
 立法府、事本院に問われているのは、憲法論議に正面から向き合う姿勢です。審査会の開催機会を増やすには、現行の毎週水曜の定例日を、比較的日程に余裕がある金曜ないし月曜に変更するなど、国会のあしき慣例に拘泥しない対応が不可欠だと考えます。
 長らく衆議院憲法審査会の委員を務めておられた自民党総裁たる総理に伺います。参議院での憲法をめぐる審議状況をどのように受け止めていますか。立法府の役割、責任を果たしていると胸を張れるとお考えですか。
 国会での議論に期待するなどと他人事にせず、今年十一月、結党七十周年を迎える自民党の総裁として、参議院での審査会の開催定例日の変更や、衆議院で導入の検討が具体的に始まっているNHK中継の参議院での実現を始め、党是の憲法改正実現に向け、参議院での審議促進に指導力を発揮すると約束していただけませんか。
 さて、四月十三日の大阪・関西万博開幕まで三か月を切りました。平成十七年の愛・地球博に続き、二十年ぶりに日本で開催される国際博覧会で、政府、地元自治体及び経済界などオールジャパンの体制で成功に万全を期すべきであります。
 昭和四十五年、一九七〇年に、日本、そしてアジアで最初に開催された大阪万博は、日本の高度経済成長を象徴する一大イベントになりました。
 今回の万博は、長らく低迷する日本経済を再びダイナミックな成長軌道に乗せる絶好の機会となりますが、成功への総理の決意をお示しください。また、成功に向けての対外的な発信の強化を含め、政府の今後の具体的な取組について説明をお願いいたします。
 これで私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 浅田均

speaker_id: 29554

日付: 2025-01-29

院: 参議院

会議名: 本会議