石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 礒崎哲史議員の御質問にお答え申し上げます。
 首脳会談でどれだけの認識の一致が図れたかとのお尋ねを頂戴をいたしました。
 外交上のやり取りの結果につき、定量的に何割くらいとお答えすることは実に困難なのでありますが、今回の日米首脳会談において、安全保障や経済の諸課題、現下の国際情勢などについて率直な意見交換を行い、幅広く認識の一致は図れたと、このように考えております。
 もちろん、日米両国、そして国際社会が直面する課題は極めて多いのでありまして、今回の首脳会談でそれを全て取り上げるということは困難であったことは御理解をいただきたいと思っております。自由で開かれたインド太平洋を堅持し、暴力の続く混乱した社会に平和と繁栄をもたらすとの首脳間の共通認識を踏まえ、今後、両政府間でより一層話し合ってまいりたいと考えております。
 相互関税についてでありますが、発言は承知をいたしております。今般の会談の時点では、御指摘の相互関税については正式に発表されておりませんでしたので、当然のことながら、会談で議論はございませんでしたが、いずれにいたしましても、我が国といたしましては、まずは今後明らかになる措置の具体的な内容及び我が国への影響を十分精査をいたしました上で、適切に対応いたしてまいります。
 過去の教訓、現状についてのお尋ねがございました。
 一九二九年の大恐慌を背景といたしまして、御指摘のスムート・ホーリー法によりアメリカが関税を引き上げたことが、世界経済のブロック化につながっていく様々な要因の一つとなったと、そういうような御指摘があることは承知をいたしております。久しぶりに勉強させていただきました。ありがとうございます。
 我が国としては、現在の関税措置をめぐる動向を引き続き高い関心を持って注視してまいりますとともに、その影響を十分に精査し、適切に対応いたしてまいります。
 米国による関税措置についての日本政府の認識及び影響を受ける中小企業への支援策についてでございます。
 御指摘の関税措置をめぐる動向は承知をいたしております。米国によるメキシコに対する関税措置は一旦見送られましたが、政府といたしましては、今後とも、米国が講じる関税措置を注視し、グローバルにサプライチェーンを構築している日本企業に与える影響を踏まえて適切に対応いたしてまいります。
 経産省では、ジェトロに相談窓口を二月二日に設置をいたしました。中小企業を始めとする日本企業への情報提供や助言などの支援を行っておるところでございます。今後とも、日本企業に寄り添った支援を丁寧、懇切に進めてまいりたいと思っております。
 米国からのLNG輸入についてでございますが、今般の首脳会談におきましては、相互に利益のある形で、日本へのLNG輸出増加を含め、両国間でエネルギー安全保障の強化に向けて協力していくことを確認をいたしました。既にアメリカからは年間五百万トンを超えますLNGを輸入しておりますが、更なる購入につきましては、経済性や供給開始時期、供給量などを踏まえまして、官民で検討していくことを想定をいたしております。
 貿易赤字及び経済安全保障協力に関するやり取りについてでございます。
 御指摘の貿易赤字をめぐりましては、今般の会談において、大統領の問題意識を踏まえ、双方に利益のある形で貿易を推進することにつきまして意見交換を行いました。
 会談後に発出されました共同声明におきまして、経済安全保障を含む経済協力が同盟協力の不可欠な一部を成すことを確認をいたしますとともに、重要鉱物のサプライチェーンの多角化に関する協力の取組を歓迎する旨、明記をいたしたところでございます。
 日米の緊密な経済パートナーシップを更に高い次元に引き上げていくべく、新政権、トランプ新政権との間で引き続き取り組んでまいります。
 日本製鉄によりますUSスチールの投資計画についてのお尋ねでございます。
 今回の首脳会談では、本件は、どちらかが利益を得るというような単なる買収ではなく、日本の技術と資金を活用し、米国に大胆な投資を行うことで、米国や世界が求める優れた製品を共に生み出し、日米がウィン・ウィンになるものにしようとの認識を共有したところでございます。具体的な計画につきましては、民間の関係者において検討・調整が進められていくものと、このように承知をいたしております。
 地球温暖化に向けた日本の取組への影響についてでございますが、気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、全ての国の取組が重要であることに変わりはございません。世界の気候変動対策へのアメリカの関与は引き続き重要でございます。
 我が国といたしましては、州政府や産業界も含め、米国と協力していく方法を探求しつつ、欧州やアジア諸国と連携し、気候変動問題には積極的に取り組んでまいります。
 国際的なルール形成に関する政府の立場及び米国政府との関係についてでございます。
 グローバルに産業構造が変化する中、国際標準化などの国際的なルール作りは国際競争に勝ち抜くために不可欠であり、日本経済の成長戦略として極めて重要でございます。
 米国が国際社会において果たし得る役割は引き続き重要であり、我が国といたしましては、御指摘いただきましたような国際的なルール作り、国際社会が直面する諸課題への対応において米国との緊密な連携を確保すべく、引き続き様々なレベルで意思疎通を重ねてまいります。
 拉致問題についてでございます。
 今般の日米首脳会談では、私から、いまだに肉親と再会することができない被害者御家族の苦しみ、切実な思い、これらを大統領に直接伝達いたしました上で、一日も早くこの問題を解決したいという決意を伝え、大統領に対し、米朝間の交渉の可能性も念頭に、改めて理解と協力を求めたところでございます。これに対しまして、大統領から拉致問題の解決に向けた全面的な支持を得たことは大きな成果であり、このことは拉致問題の解決に向けた我が国の主体的な取組に寄与するものであったと考えております。
 日米の強固な信頼・協力関係の下、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸課題を解決するため、私自身の強い決意の下、政府として総力を挙げて最も有効な手だてを講じるものといたしております。
 外国訪問前の与野党の皆様からの意見を承ることにつきましてのお尋ねであります。
 外交を進めるに当たりまして、国民の皆様及びその代表者であります国会の御理解、御支援をいただくことは極めて重要でございます。
 国会での質疑の在り方につきましては国会で議論をいただくものでございますが、委員の、議員の御指摘は、事前にそのような機会を持ってはどうかという御提案だというふうに承知をいたしております。御提案、誠にありがとうございました。
 今後も、各議員、政党との御議論も踏まえながら外交政策を進めてまいりますので、どうぞ建設的な御提案、御提言を賜りますようお願いを申し上げます。
 以上でございます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-02-12

院: 参議院

会議名: 本会議