石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 勝部賢志議員の御質問にお答えを申し上げます。
 高額療養費制度の見直しについてでございます。
 高額療養費制度につきましては、丁寧なプロセスを積み重ねることで、持続可能なものとして次の世代に引き継いでいくことが必要であると考えております。このため、今般、見直し全体について実施を見合わせ、本年秋までに改めて方針を検討し、決定することといたしております。
 今後の具体的な検討内容について、現時点で方向性に関し予断を持って申し上げる段階にはございませんが、保険料負担の抑制や制度の持続可能性の確保とともに、患者の方々の経済的な御負担が過度なものとならないようにすることが重要であります。検討に当たりましては、保険料を負担する被保険者の御意見も拝聴しつつ、患者の方々のお話を十分に伺い、その御理解をいただくべく最善を尽くしてまいります。
 今後の必要な手続につきましては、昨日、与党より、令和七年度予算の再修正という方針が示されたと承知をいたしており、政府といたしましては、与党での検討を踏まえて適切に対応いたしてまいります。
 楽しい日本についてでございますが、楽しい日本とは、全ての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦をし、今日より明日は良くなると実感できる、多様な価値観を持つ一人一人が互いに尊重し合い、自己実現を図っていける、そうした活力ある国家であると考えております。
 議員が言及されました相互承認、社会承認などが満たされた状態が楽しいという点は、まさに御指摘のとおりであり、私として全面的に同意をするところであります。
 これを実現するための政策の核心が地方創生二・〇であり、令和の日本列島改造として強力に進めていくことが政治のなすべきことであると、このように考えております。
 例えば、公教育の再生、改革により、一人一人が持つ可能性を最大限に引き出すことを含め、若者や女性にも選ばれる地方をつくり出すことを第一の柱として取組を進めてまいります。
 世界情勢の認識と格差是正についてのお尋ねをいただきました。
 過去十年程度の主要先進国の所得格差には大きな変動は見られないものの、長い目で見れば、一九八〇年代から二〇〇〇年代の間、所得格差が拡大傾向にあったと認識をいたしております。
 政府といたしましては、格差が固定化されず、人々の許容の範囲を超えたものとならないことが重要であり、賃上げこそが成長戦略の要との認識の下、物価上昇に負けない賃上げを起点として、国民の皆様の所得と経済全体の生産性の向上を図っていくことが基本であると、このように考えておる次第でございます。
 貧困等により厳しい生活を送られている方々に対しましては、きめ細かく対応するため、引き続き、生活困窮者自立支援制度における相談支援、最低賃金の持続的な引上げ、非正規雇用労働者の正社員への転換の促進といった総合的な対策を講じてまいります。
 森友学園事案に関する文書の開示についてのお尋ねをいただきました。
 私から加藤財務大臣に対しましては、文書の開示、不開示の判断に当たっては、法令にのっとりつつ、国民に対する説明責任の観点から、丁寧に検討するよう指示をいたしております。
 これを踏まえ、先般、加藤財務大臣から大まかな開示の方針が示されたところであります。具体的には、検察とのやり取りを示す文書や検察からの依頼に基づき取りまとめた文書を除き、それ以外の文書について、個人の権利を害するおそれのある部分などに最低限の不開示処理を行った上で開示をするものと承知をいたしております。
 二月二十七日に行われました参考人聴取における清和政策研究会の元会計責任者の発言等についてのお尋ねであります。
 御指摘の元会計責任者の発言や政倫審における清和政策研究会元幹部の弁明につきましては、それぞれの方々が自らの記憶、認識に基づき発言等を行っているものと認識をいたしております。還付の再開の経緯につきましては、事実関係を確定し得る客観的な材料はこれまでのところ得られていないものと承知をしており、臆測で何か申し上げることは差し控えます。
 この件につきましては、我が党といたしましても、できる限りの調査とその結果に基づく処分、政倫審や参考人聴取への可能な限りの協力を行ってまいりました。今後、国会において事実確認のための更なる取組が行われる場合には、引き続き国会の御判断を尊重し、全面的な協力を行ってまいります。
 租税特別措置の適用企業名の公表と企業・団体献金についてのお尋ねをいただきました。
 一般論として申し上げれば、国による租税特別措置の適用状況の開示につきましては、企業がどのような分野でどの程度の規模の設備投資を行っているかといった経営戦略上の情報が明らかになり、価格交渉への影響といった競争上の不利益を生じさせるおそれがあることから、そうしたデメリットを上回る公益上の必要性があるかどうかを考える必要があると、このように考えております。
 なお、租税特別措置は、法律等に規定された明確かつ形式的な要件に基づき、これを満たす納税者がひとしく適用を受けることが可能となっているものです。企業・団体献金の有無や多寡に応じて恣意的にその適用を決めることができるわけではなく、租税特別措置が政治が金によってゆがめられる温床であるとの御指摘は当たりません。
 企業・団体献金の規制の強化につきましては、憲法と最高裁判例で保障された企業等の政治活動の自由にも関わる問題であり、その必要性や相当性について、より丁寧に御議論いただくことを期待をいたしております。
 今般の所得税見直しについてのお尋ねをいただきました。
 税制における公平、中立、簡素の三原則の適切なバランスを確保することが必要である中において、今般の所得税の基礎控除に係る与党修正については、高所得者優遇とならないよう、税負担軽減効果の平準化の観点でまとめられたものと承知をしており、政府といたしましては、公平性の確保等に資するものであると認識をいたしております。
 政府といたしましては、今後、与党修正についての国会での御議論を踏まえ、国民の皆様方への説明も含め適切に対応いたしてまいります。
 税制による格差是正についてであります。
 格差の固定化防止に向けては、平成二十五年度税制改正において、所得税や相続税の最高税率の引上げなどの見直しを行ったほか、いわゆる一億円の壁への対応の観点から、令和五年度税制改正において極めて高い水準の所得を対象として追加的に負担を求める措置を導入するなど、累次の改正により税制の再分配機能の強化を図ってきたところであります。
 引き続き、中長期的視点に立ち、持続可能な経済財政運営を行う観点から、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図るなど、あるべき税制の具体化に向けて取り組んでまいります。
 高校教育無償化についてのお尋ねをいただきました。
 自民党、公明党、維新の会の三党間の合意において、いわゆる高校無償化の論点として、公立高校などへの支援の拡充を含む教育の質の確保が記載され、十分な検討を行うとされており、その先行措置として、令和七年度分について、産業教育のための実験実習施設整備の支援の拡充を図っております。
 今後、教育の質の確保、多様な人材の育成の実現、公立と私立の関係などの論点と併せて十分な検討を行い、安定財源の確保と併せて高校教育全体にとって意義あるものとなるように取り組んでまいります。
 いわゆるガソリンの暫定税率についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 いわゆるガソリンの暫定税率の廃止につきましては、受益者負担、原因者負担の考え方を踏まえたインフラ整備、維持管理等の負担の在り方、国、地方を合わせて約一・五兆円の恒久的な税収減に対応するための安定的な財源の確保、現在の税収を前提に来年度の予算編成や議会審議を行っている各自治体への影響などの諸課題を解決する必要がございます。
 御提案のように、本年四月一日に暫定税率を廃止する場合、関係者と丁寧な調整を行った上で結論を得ることは現実的かということも考える必要がございます。引き続き、昨年十二月の三党の幹事長間合意に基づき、諸課題の解決策や具体的な実施方法等について政党間で協議が続けられるものと、このように承知をいたしております。
 外交における基本姿勢等についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
 国際秩序に大きな挑戦がもたらされ、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、外交を通じ、分断と対立が進む世界を平和と協調に導くことが必要であります。
 そのために、まず、日米同盟を基軸に、友好国、同志国の輪を広げ、抑止力、対処力を維持強化しつつ、外交力、防衛力の両輪で我が国にとって望ましい安全保障環境をつくり出してまいります。
 同時に、各国との対話を重ね、信頼醸成を図るとともに、御指摘の気候変動やAI規制を含め、国際社会の諸課題の解決に資する努力を積極的に行うことで、国際社会における指導力を発揮をいたしてまいります。
 次期参議院議員通常選挙における杉田水脈元衆議院議員の公認についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
 お尋ねの公認につきましては、本人の申請に基づき、自民党の選挙対策委員会による所要の審査を経て、党の選挙対策本部において決定したものであります。個別具体の公認者に関する審査、決定の経緯につきましては、党の内部運営に関わることであり、お答えは差し控えます。
 公認の撤回についてのお尋ねをいただきましたが、公認の評価については、最終的には選挙において有権者の皆様に御判断をいただくべき事柄であると、このように考えております。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121715254X00620250312_005

発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-03-12

院: 参議院

会議名: 本会議