本会議
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会
会議録情報#0
令和七年三月十二日(水曜日)
午前十時一分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第六号
─────────────
令和七年三月十二日
午前十時 本会議
─────────────
第一 所得税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
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○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
─────・─────
この発言だけを見る →午前十時一分開議
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○議事日程 第六号
─────────────
令和七年三月十二日
午前十時 本会議
─────────────
第一 所得税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
─────・─────
関
関口昌一#1
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
日程第一 所得税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
本案について提出者の趣旨説明を求めます。加藤勝信財務大臣。
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →日程第一 所得税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
本案について提出者の趣旨説明を求めます。加藤勝信財務大臣。
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
加
加藤勝信#2
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
本法律案は、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策、地域経済の好循環の実現、国際環境の変化への対応等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策の観点から、所得税の基礎控除の控除額及び給与所得控除の最低保障額の引上げ並びに特定親族特別控除の創設を行うこととしております。
第二に、成長意欲の高い中小企業の設備投資を促進し地域経済に好循環を生み出すため、中小企業経営強化税制の拡充を行うこととしております。
第三に、国際環境の変化等に対応するため、防衛特別法人税の創設等及び外国人旅行者向け免税制度の見直しを行うこととしております。
このほか、相続に係る所有権の移転登記等に対する登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うこととしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして一部修正が行われております。
第一に、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得税の基礎控除の特例を創設することとしております。
第二に、政府は、物価上昇局面における税負担の調整を含め、所得税の抜本的な改革について検討を加え、その結果に基づき、必要な法制上の措置を講ずるものとしております。
第三に、政府は、令和七年度末までに、所得税の基礎控除の特例の実施に要する財源の確保について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとしております。
以上、この法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。拍手
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この発言だけを見る →本法律案は、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策、地域経済の好循環の実現、国際環境の変化への対応等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策の観点から、所得税の基礎控除の控除額及び給与所得控除の最低保障額の引上げ並びに特定親族特別控除の創設を行うこととしております。
第二に、成長意欲の高い中小企業の設備投資を促進し地域経済に好循環を生み出すため、中小企業経営強化税制の拡充を行うこととしております。
第三に、国際環境の変化等に対応するため、防衛特別法人税の創設等及び外国人旅行者向け免税制度の見直しを行うこととしております。
このほか、相続に係る所有権の移転登記等に対する登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うこととしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして一部修正が行われております。
第一に、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得税の基礎控除の特例を創設することとしております。
第二に、政府は、物価上昇局面における税負担の調整を含め、所得税の抜本的な改革について検討を加え、その結果に基づき、必要な法制上の措置を講ずるものとしております。
第三に、政府は、令和七年度末までに、所得税の基礎控除の特例の実施に要する財源の確保について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとしております。
以上、この法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。拍手
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関
勝
勝部賢志#4
○勝部賢志君 おはようございます。立憲民主・社民・無所属の勝部賢志です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに財務大臣に質問をしてまいります。
まずは、質問に先立ちまして、岩手県大船渡市の大規模山林火災で被害を受けられた皆様方に衷心よりお見舞い申し上げますとともに、消火活動に当たられた方々の御労苦に心より感謝申し上げます。大船渡市も能登と同様に二重三重の被災となり、被災者の皆さんのお気持ちを考えると胸が潰れる思いです。政府におかれましては、激甚災害の指定を含め、迅速かつ適切に対応していただくよう強く求めます。
さて、昨年秋の衆議院選挙を経て、大きく様変わりをした少数与党の衆議院では、熟議と公開を私たちは求め、その結果、二十九年ぶりに予算案が修正され、熟議の国会は主戦場を参議院に移しました。
元来、良識の府、再考の府、熟議の府である参議院では、修正も含めた深い議論が求められます。その意味で、私たち参議院でも覚悟を持って熟議に臨みたいと思います。
そこで、まず初めに、高額療養費負担上限引上げ凍結について伺います。
総理は先週の金曜日、凍結を表明されました。これは、三月五日に行われた参議院予算委員会で、我が会派の田名部匡代委員が質疑の中で、当事者である患者団体の方々の声を聞いてもらい、患者団体との面会を総理に約束をさせたことが大きなきっかけとなり、頑として動かなかった総理に凍結の決断をさせることができたものです。
ひとまず、患者団体を始め、反対を表明されていた多くの方々の思いに応えることができたことは何よりです。
しかし、参院選後の秋までの先送りで、最適な解を見出せるのでしょうか。総理は参院選後の強行はないと明言されましたが、政府の都合だけで事を運ぶようなことは絶対にあってはなりません。患者団体や関係団体を必ず入れて議論をすべきです。
理解を得るための延期であるならば、秋までという時限設定は設けず、必要な時間を掛けて患者団体や医療・保健関係者などを交えた丁寧な議論をすべきと考えますが、石破総理はどのように議論を進めていこうとお考えか、見解を伺います。
また、昨日、予算の再修正を行うという報道がありました。高額療養費負担上限引上げ凍結を受けて、予算総額に変更が生じるわけですから、当然、予算の再修正が必要です。これは憲政史上初となるもので、まさに参議院での熟議がもたらしたものです。
改めて、総理に伺います。当然、総理は国会法に定められた手続を行うものと考えますが、見解を伺います。
次に、我が国が目指す社会のありようについて総理にお伺いいたします。
総理は所信表明演説で楽しい国と発言されました。頻発する災害や物価高が家計を圧迫している現状で、唐突に楽しい国と言われても、にわかにその意味合いを理解することができませんでした。現実からの逃避、現状認識のずれ、のうてんきにさえ聞こえました。
しかし、楽しいという個々の内面に着目したことは、歴代の総理が言った偉大な国や美しい国よりはまだましです。
これまでの総理発言から、楽しい国の楽しさは、金では手に入れることのできない楽しさであって、達成感や自己実現、他者や自然との交歓、相互承認、社会承認などが満たされた状態を楽しいということなのかとも思えます。
私の理解について過不足があれば御教示いただきたい。そして、その楽しさを多くの人が実感できる社会をつくるために政治は何をなすべきとお考えか、総理の見解を伺います。
次に、激動する世界についての分析、認識について伺います。
昨年は世界で選挙が行われ、我が国を始め、イギリス、アメリカで激動の年となりました。今年のドイツを見ても、ナショナリズム、ポピュリズムの更なる台頭が起きています。これらの要因は、拡大する一方の格差とその固定化にあるとの分析もあります。我が国にとっても、格差と固定化の是正は政府を挙げて取り組まなければならない重要課題です。
世界の状況を踏まえ、格差是正と固定化の解消について、石破総理の御見解をお伺いいたします。
次に、森友文書の開示について伺います。
森友問題は安倍政権の影と闇の部分であり、遅きに失した感はありますが、前政権までならできなかったことがようやく動き出しました。最後まで無理が道理をねじ伏せるようなことがあってはなりません。また、民主主義の基本である情報公開が文書の隠蔽、改ざん、破棄などにより踏みにじられることを放置してはならないのです。
しかし、一歩踏み出したとはいえ、肝腎の開示文書がのり弁では話になりません。そのようなことがないよう、石破総理には、徹底した開示を改めてお約束していただきたい。
そして、開示を決めたのであれば、一刻も早く、少なくとも今の予算審議の最中には必ず開示すべきであることを強く求めます。加藤財務大臣には、今後の開示日程等についてお示しください。
税の議論は国民の信頼が大前提です。自民党の裏金事件は、政治に対する信頼を著しく損ねました。その全容解明はまだ道半ばです。衆議院の予算委員会参考人招致で旧安倍派元会計責任者が証言したことは、これまで政倫審で説明してきた安倍派幹部の証言と大きく食い違います。
旧安倍派元幹部の参考人招致への出席を含め、総理には、自民党総裁として全容解明に向けて責任ある対応を求めますが、見解を伺います。
また、今後の参議院と衆議院特別委員会の審議に持ち越された最大の課題は、企業・団体献金の廃止と、政治が金によってゆがめられる温床となってきた租税特別措置が適用となった企業名の公表です。
特に租税特別措置は、税制を通じてなされる隠された政府補助金にほかならず、その優遇措置は政府によって行われる特権で、大多数の一般納税者から特定の受益者へ移転されるものである以上、受益者公開原則に付されるべきものです。
企業・団体献金全面禁止と租特適用企業名公表について、石破総理の英断を求めます。
この度のいわゆる百三万円の壁問題をめぐって、課税最低限の引上げはステルス増税を回避するためにも必要とは考えますが、控除額が四段階で上乗せになるなど、制度は更に複雑化してしまいました。
税の原則は公平、中立、簡素であり、その中でも、国民の理解を得るには簡素であることは極めて重要です。簡素でなければ、公平、中立も納得も進みません。
この改正で国民理解、納得が進むとお考えか、総理の見解を伺います。
次に、いわゆる一億円の壁問題について伺います。
格差是正の根幹となる制度は税制です。令和五年度改正に基づき、今年の所得から極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置が適用されます。まずは第一歩として注視していきたいと思いますが、これは三十億円以上の収入があるほんの一握りの人だけに適用されるもので、格差是正の本丸とはなり得ません。
更なる格差是正策の必要性と制度化について、石破総理の見解を伺います。
次に、高校授業料の無償化について伺います。
高校授業料の無償化は、私たちの前身である民主党政権時代から求めてきたものであり、所得制限などを設けずに国として制度化することには異存がないところです。
しかし、この間、先行実施してきた自治体では公立高校の定員割れの問題が惹起し、地域の公立高校が廃校に追い込まれる事態も起きています。また、公立高校の予算は設置者である自治体財政の影響を大きく受けるため、教育内容の充実や施設整備が十分に進まない問題も起きています。このままでは、公立離れが更に加速し、ひいては公教育の役割が果たせなくなる事態も起きかねません。
政府の高校教育無償化の実施によって起こり得るこれらの課題に対して、今後とも遺漏なき対応を強く求めるものですが、総理の見解を伺います。
次に、ガソリン税、定率減税、失礼しました、次に、ガソリン暫定税率の廃止について伺います。
米の価格急騰は社会問題化しています。平年比でキャベツが三倍、白菜が二倍を始め、食糧費の高騰が国民生活を直撃しています。積極的な賃上げの動きはありつつも、物価上昇を補うには至っておらず、二〇二四年の実質賃金も前年比〇・三%減と、三年連続マイナスとなっております。これほど物価高が収まらない状況の中で、やると決めているのになぜやらないのか、何をちゅうちょしているのか、全く理解ができません。
今こそ暫定税率関連規定を削除し、新年度、四月一日から直ちに一リッター当たり二十五・一円のガソリン減税を実現すべきと考えます。石破総理の御決断を求めます。
次に、トランプ外交と国際課題の対応について伺います。
トランプ大統領の発言等に条件反射的に一喜一憂する必要はないというのが対応の原則として必要だと思います。取り巻く状況では、安全保障、気候変動、AI規制等の重要課題が山積しています。税の分野でも、国際課税の協力や関税問題など、これまでの各国の努力の積み重ねを無に帰すようなことがあってはなりません。
そこで伺いますが、今後の国際的課題の協議における石破内閣の基本姿勢、行動原則を総理にお示しいただくとともに、その上で、国際課税問題、関税問題に対する現状認識と対応方針について加藤財務大臣にお伺いいたします。
最後に、自民党の参議院公認候補問題について伺います。
自民党は、杉田水脈元衆議院議員を参議院比例区の公認候補として決定しました。さきの衆議院選挙では裏金議員であったこともあり公認が認められませんでしたが、なぜ今回の参議院の比例区候補に決まったのでしょうか。
また、アイヌ民族への差別的な発言では札幌法務局などから人権侵犯と認定された人物であり、そのような人の公認は、アイヌとの共生、アイヌ文化を郷土の誇り、財産として継承を進めていこうとする全ての北海道民への侮蔑であり、断固として抗議します。
党総裁としてこのような決定を撤回するよう、石破総理・総裁の御決断を求めます。
これで質問は終わりますが、最後に一言申し上げます。
少数与党になったとはいえ、この間の政府・与党の対応は、二転三転、まさに迷走しています。重要広範議案の一つである年金制度改革の関連法案もいまだに提出すらされていません。選挙に有利か不利かで法案提出をちゅうちょすることなどあってはなりません。熟議の国会と言っても、提出されなければ議論すらできないではありませんか。政権与党として責任ある対応を求めます。
今後も、私たち会派は、良識の府、再考の府、熟議の府である参議院として更なる熟議を尽くしていくことを表明して、私の質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに財務大臣に質問をしてまいります。
まずは、質問に先立ちまして、岩手県大船渡市の大規模山林火災で被害を受けられた皆様方に衷心よりお見舞い申し上げますとともに、消火活動に当たられた方々の御労苦に心より感謝申し上げます。大船渡市も能登と同様に二重三重の被災となり、被災者の皆さんのお気持ちを考えると胸が潰れる思いです。政府におかれましては、激甚災害の指定を含め、迅速かつ適切に対応していただくよう強く求めます。
さて、昨年秋の衆議院選挙を経て、大きく様変わりをした少数与党の衆議院では、熟議と公開を私たちは求め、その結果、二十九年ぶりに予算案が修正され、熟議の国会は主戦場を参議院に移しました。
元来、良識の府、再考の府、熟議の府である参議院では、修正も含めた深い議論が求められます。その意味で、私たち参議院でも覚悟を持って熟議に臨みたいと思います。
そこで、まず初めに、高額療養費負担上限引上げ凍結について伺います。
総理は先週の金曜日、凍結を表明されました。これは、三月五日に行われた参議院予算委員会で、我が会派の田名部匡代委員が質疑の中で、当事者である患者団体の方々の声を聞いてもらい、患者団体との面会を総理に約束をさせたことが大きなきっかけとなり、頑として動かなかった総理に凍結の決断をさせることができたものです。
ひとまず、患者団体を始め、反対を表明されていた多くの方々の思いに応えることができたことは何よりです。
しかし、参院選後の秋までの先送りで、最適な解を見出せるのでしょうか。総理は参院選後の強行はないと明言されましたが、政府の都合だけで事を運ぶようなことは絶対にあってはなりません。患者団体や関係団体を必ず入れて議論をすべきです。
理解を得るための延期であるならば、秋までという時限設定は設けず、必要な時間を掛けて患者団体や医療・保健関係者などを交えた丁寧な議論をすべきと考えますが、石破総理はどのように議論を進めていこうとお考えか、見解を伺います。
また、昨日、予算の再修正を行うという報道がありました。高額療養費負担上限引上げ凍結を受けて、予算総額に変更が生じるわけですから、当然、予算の再修正が必要です。これは憲政史上初となるもので、まさに参議院での熟議がもたらしたものです。
改めて、総理に伺います。当然、総理は国会法に定められた手続を行うものと考えますが、見解を伺います。
次に、我が国が目指す社会のありようについて総理にお伺いいたします。
総理は所信表明演説で楽しい国と発言されました。頻発する災害や物価高が家計を圧迫している現状で、唐突に楽しい国と言われても、にわかにその意味合いを理解することができませんでした。現実からの逃避、現状認識のずれ、のうてんきにさえ聞こえました。
しかし、楽しいという個々の内面に着目したことは、歴代の総理が言った偉大な国や美しい国よりはまだましです。
これまでの総理発言から、楽しい国の楽しさは、金では手に入れることのできない楽しさであって、達成感や自己実現、他者や自然との交歓、相互承認、社会承認などが満たされた状態を楽しいということなのかとも思えます。
私の理解について過不足があれば御教示いただきたい。そして、その楽しさを多くの人が実感できる社会をつくるために政治は何をなすべきとお考えか、総理の見解を伺います。
次に、激動する世界についての分析、認識について伺います。
昨年は世界で選挙が行われ、我が国を始め、イギリス、アメリカで激動の年となりました。今年のドイツを見ても、ナショナリズム、ポピュリズムの更なる台頭が起きています。これらの要因は、拡大する一方の格差とその固定化にあるとの分析もあります。我が国にとっても、格差と固定化の是正は政府を挙げて取り組まなければならない重要課題です。
世界の状況を踏まえ、格差是正と固定化の解消について、石破総理の御見解をお伺いいたします。
次に、森友文書の開示について伺います。
森友問題は安倍政権の影と闇の部分であり、遅きに失した感はありますが、前政権までならできなかったことがようやく動き出しました。最後まで無理が道理をねじ伏せるようなことがあってはなりません。また、民主主義の基本である情報公開が文書の隠蔽、改ざん、破棄などにより踏みにじられることを放置してはならないのです。
しかし、一歩踏み出したとはいえ、肝腎の開示文書がのり弁では話になりません。そのようなことがないよう、石破総理には、徹底した開示を改めてお約束していただきたい。
そして、開示を決めたのであれば、一刻も早く、少なくとも今の予算審議の最中には必ず開示すべきであることを強く求めます。加藤財務大臣には、今後の開示日程等についてお示しください。
税の議論は国民の信頼が大前提です。自民党の裏金事件は、政治に対する信頼を著しく損ねました。その全容解明はまだ道半ばです。衆議院の予算委員会参考人招致で旧安倍派元会計責任者が証言したことは、これまで政倫審で説明してきた安倍派幹部の証言と大きく食い違います。
旧安倍派元幹部の参考人招致への出席を含め、総理には、自民党総裁として全容解明に向けて責任ある対応を求めますが、見解を伺います。
また、今後の参議院と衆議院特別委員会の審議に持ち越された最大の課題は、企業・団体献金の廃止と、政治が金によってゆがめられる温床となってきた租税特別措置が適用となった企業名の公表です。
特に租税特別措置は、税制を通じてなされる隠された政府補助金にほかならず、その優遇措置は政府によって行われる特権で、大多数の一般納税者から特定の受益者へ移転されるものである以上、受益者公開原則に付されるべきものです。
企業・団体献金全面禁止と租特適用企業名公表について、石破総理の英断を求めます。
この度のいわゆる百三万円の壁問題をめぐって、課税最低限の引上げはステルス増税を回避するためにも必要とは考えますが、控除額が四段階で上乗せになるなど、制度は更に複雑化してしまいました。
税の原則は公平、中立、簡素であり、その中でも、国民の理解を得るには簡素であることは極めて重要です。簡素でなければ、公平、中立も納得も進みません。
この改正で国民理解、納得が進むとお考えか、総理の見解を伺います。
次に、いわゆる一億円の壁問題について伺います。
格差是正の根幹となる制度は税制です。令和五年度改正に基づき、今年の所得から極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置が適用されます。まずは第一歩として注視していきたいと思いますが、これは三十億円以上の収入があるほんの一握りの人だけに適用されるもので、格差是正の本丸とはなり得ません。
更なる格差是正策の必要性と制度化について、石破総理の見解を伺います。
次に、高校授業料の無償化について伺います。
高校授業料の無償化は、私たちの前身である民主党政権時代から求めてきたものであり、所得制限などを設けずに国として制度化することには異存がないところです。
しかし、この間、先行実施してきた自治体では公立高校の定員割れの問題が惹起し、地域の公立高校が廃校に追い込まれる事態も起きています。また、公立高校の予算は設置者である自治体財政の影響を大きく受けるため、教育内容の充実や施設整備が十分に進まない問題も起きています。このままでは、公立離れが更に加速し、ひいては公教育の役割が果たせなくなる事態も起きかねません。
政府の高校教育無償化の実施によって起こり得るこれらの課題に対して、今後とも遺漏なき対応を強く求めるものですが、総理の見解を伺います。
次に、ガソリン税、定率減税、失礼しました、次に、ガソリン暫定税率の廃止について伺います。
米の価格急騰は社会問題化しています。平年比でキャベツが三倍、白菜が二倍を始め、食糧費の高騰が国民生活を直撃しています。積極的な賃上げの動きはありつつも、物価上昇を補うには至っておらず、二〇二四年の実質賃金も前年比〇・三%減と、三年連続マイナスとなっております。これほど物価高が収まらない状況の中で、やると決めているのになぜやらないのか、何をちゅうちょしているのか、全く理解ができません。
今こそ暫定税率関連規定を削除し、新年度、四月一日から直ちに一リッター当たり二十五・一円のガソリン減税を実現すべきと考えます。石破総理の御決断を求めます。
次に、トランプ外交と国際課題の対応について伺います。
トランプ大統領の発言等に条件反射的に一喜一憂する必要はないというのが対応の原則として必要だと思います。取り巻く状況では、安全保障、気候変動、AI規制等の重要課題が山積しています。税の分野でも、国際課税の協力や関税問題など、これまでの各国の努力の積み重ねを無に帰すようなことがあってはなりません。
そこで伺いますが、今後の国際的課題の協議における石破内閣の基本姿勢、行動原則を総理にお示しいただくとともに、その上で、国際課税問題、関税問題に対する現状認識と対応方針について加藤財務大臣にお伺いいたします。
最後に、自民党の参議院公認候補問題について伺います。
自民党は、杉田水脈元衆議院議員を参議院比例区の公認候補として決定しました。さきの衆議院選挙では裏金議員であったこともあり公認が認められませんでしたが、なぜ今回の参議院の比例区候補に決まったのでしょうか。
また、アイヌ民族への差別的な発言では札幌法務局などから人権侵犯と認定された人物であり、そのような人の公認は、アイヌとの共生、アイヌ文化を郷土の誇り、財産として継承を進めていこうとする全ての北海道民への侮蔑であり、断固として抗議します。
党総裁としてこのような決定を撤回するよう、石破総理・総裁の御決断を求めます。
これで質問は終わりますが、最後に一言申し上げます。
少数与党になったとはいえ、この間の政府・与党の対応は、二転三転、まさに迷走しています。重要広範議案の一つである年金制度改革の関連法案もいまだに提出すらされていません。選挙に有利か不利かで法案提出をちゅうちょすることなどあってはなりません。熟議の国会と言っても、提出されなければ議論すらできないではありませんか。政権与党として責任ある対応を求めます。
今後も、私たち会派は、良識の府、再考の府、熟議の府である参議院として更なる熟議を尽くしていくことを表明して、私の質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
石
石破茂#5
○内閣総理大臣(石破茂君) 勝部賢志議員の御質問にお答えを申し上げます。
高額療養費制度の見直しについてでございます。
高額療養費制度につきましては、丁寧なプロセスを積み重ねることで、持続可能なものとして次の世代に引き継いでいくことが必要であると考えております。このため、今般、見直し全体について実施を見合わせ、本年秋までに改めて方針を検討し、決定することといたしております。
今後の具体的な検討内容について、現時点で方向性に関し予断を持って申し上げる段階にはございませんが、保険料負担の抑制や制度の持続可能性の確保とともに、患者の方々の経済的な御負担が過度なものとならないようにすることが重要であります。検討に当たりましては、保険料を負担する被保険者の御意見も拝聴しつつ、患者の方々のお話を十分に伺い、その御理解をいただくべく最善を尽くしてまいります。
今後の必要な手続につきましては、昨日、与党より、令和七年度予算の再修正という方針が示されたと承知をいたしており、政府といたしましては、与党での検討を踏まえて適切に対応いたしてまいります。
楽しい日本についてでございますが、楽しい日本とは、全ての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦をし、今日より明日は良くなると実感できる、多様な価値観を持つ一人一人が互いに尊重し合い、自己実現を図っていける、そうした活力ある国家であると考えております。
議員が言及されました相互承認、社会承認などが満たされた状態が楽しいという点は、まさに御指摘のとおりであり、私として全面的に同意をするところであります。
これを実現するための政策の核心が地方創生二・〇であり、令和の日本列島改造として強力に進めていくことが政治のなすべきことであると、このように考えております。
例えば、公教育の再生、改革により、一人一人が持つ可能性を最大限に引き出すことを含め、若者や女性にも選ばれる地方をつくり出すことを第一の柱として取組を進めてまいります。
世界情勢の認識と格差是正についてのお尋ねをいただきました。
過去十年程度の主要先進国の所得格差には大きな変動は見られないものの、長い目で見れば、一九八〇年代から二〇〇〇年代の間、所得格差が拡大傾向にあったと認識をいたしております。
政府といたしましては、格差が固定化されず、人々の許容の範囲を超えたものとならないことが重要であり、賃上げこそが成長戦略の要との認識の下、物価上昇に負けない賃上げを起点として、国民の皆様の所得と経済全体の生産性の向上を図っていくことが基本であると、このように考えておる次第でございます。
貧困等により厳しい生活を送られている方々に対しましては、きめ細かく対応するため、引き続き、生活困窮者自立支援制度における相談支援、最低賃金の持続的な引上げ、非正規雇用労働者の正社員への転換の促進といった総合的な対策を講じてまいります。
森友学園事案に関する文書の開示についてのお尋ねをいただきました。
私から加藤財務大臣に対しましては、文書の開示、不開示の判断に当たっては、法令にのっとりつつ、国民に対する説明責任の観点から、丁寧に検討するよう指示をいたしております。
これを踏まえ、先般、加藤財務大臣から大まかな開示の方針が示されたところであります。具体的には、検察とのやり取りを示す文書や検察からの依頼に基づき取りまとめた文書を除き、それ以外の文書について、個人の権利を害するおそれのある部分などに最低限の不開示処理を行った上で開示をするものと承知をいたしております。
二月二十七日に行われました参考人聴取における清和政策研究会の元会計責任者の発言等についてのお尋ねであります。
御指摘の元会計責任者の発言や政倫審における清和政策研究会元幹部の弁明につきましては、それぞれの方々が自らの記憶、認識に基づき発言等を行っているものと認識をいたしております。還付の再開の経緯につきましては、事実関係を確定し得る客観的な材料はこれまでのところ得られていないものと承知をしており、臆測で何か申し上げることは差し控えます。
この件につきましては、我が党といたしましても、できる限りの調査とその結果に基づく処分、政倫審や参考人聴取への可能な限りの協力を行ってまいりました。今後、国会において事実確認のための更なる取組が行われる場合には、引き続き国会の御判断を尊重し、全面的な協力を行ってまいります。
租税特別措置の適用企業名の公表と企業・団体献金についてのお尋ねをいただきました。
一般論として申し上げれば、国による租税特別措置の適用状況の開示につきましては、企業がどのような分野でどの程度の規模の設備投資を行っているかといった経営戦略上の情報が明らかになり、価格交渉への影響といった競争上の不利益を生じさせるおそれがあることから、そうしたデメリットを上回る公益上の必要性があるかどうかを考える必要があると、このように考えております。
なお、租税特別措置は、法律等に規定された明確かつ形式的な要件に基づき、これを満たす納税者がひとしく適用を受けることが可能となっているものです。企業・団体献金の有無や多寡に応じて恣意的にその適用を決めることができるわけではなく、租税特別措置が政治が金によってゆがめられる温床であるとの御指摘は当たりません。
企業・団体献金の規制の強化につきましては、憲法と最高裁判例で保障された企業等の政治活動の自由にも関わる問題であり、その必要性や相当性について、より丁寧に御議論いただくことを期待をいたしております。
今般の所得税見直しについてのお尋ねをいただきました。
税制における公平、中立、簡素の三原則の適切なバランスを確保することが必要である中において、今般の所得税の基礎控除に係る与党修正については、高所得者優遇とならないよう、税負担軽減効果の平準化の観点でまとめられたものと承知をしており、政府といたしましては、公平性の確保等に資するものであると認識をいたしております。
政府といたしましては、今後、与党修正についての国会での御議論を踏まえ、国民の皆様方への説明も含め適切に対応いたしてまいります。
税制による格差是正についてであります。
格差の固定化防止に向けては、平成二十五年度税制改正において、所得税や相続税の最高税率の引上げなどの見直しを行ったほか、いわゆる一億円の壁への対応の観点から、令和五年度税制改正において極めて高い水準の所得を対象として追加的に負担を求める措置を導入するなど、累次の改正により税制の再分配機能の強化を図ってきたところであります。
引き続き、中長期的視点に立ち、持続可能な経済財政運営を行う観点から、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図るなど、あるべき税制の具体化に向けて取り組んでまいります。
高校教育無償化についてのお尋ねをいただきました。
自民党、公明党、維新の会の三党間の合意において、いわゆる高校無償化の論点として、公立高校などへの支援の拡充を含む教育の質の確保が記載され、十分な検討を行うとされており、その先行措置として、令和七年度分について、産業教育のための実験実習施設整備の支援の拡充を図っております。
今後、教育の質の確保、多様な人材の育成の実現、公立と私立の関係などの論点と併せて十分な検討を行い、安定財源の確保と併せて高校教育全体にとって意義あるものとなるように取り組んでまいります。
いわゆるガソリンの暫定税率についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
いわゆるガソリンの暫定税率の廃止につきましては、受益者負担、原因者負担の考え方を踏まえたインフラ整備、維持管理等の負担の在り方、国、地方を合わせて約一・五兆円の恒久的な税収減に対応するための安定的な財源の確保、現在の税収を前提に来年度の予算編成や議会審議を行っている各自治体への影響などの諸課題を解決する必要がございます。
御提案のように、本年四月一日に暫定税率を廃止する場合、関係者と丁寧な調整を行った上で結論を得ることは現実的かということも考える必要がございます。引き続き、昨年十二月の三党の幹事長間合意に基づき、諸課題の解決策や具体的な実施方法等について政党間で協議が続けられるものと、このように承知をいたしております。
外交における基本姿勢等についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
国際秩序に大きな挑戦がもたらされ、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、外交を通じ、分断と対立が進む世界を平和と協調に導くことが必要であります。
そのために、まず、日米同盟を基軸に、友好国、同志国の輪を広げ、抑止力、対処力を維持強化しつつ、外交力、防衛力の両輪で我が国にとって望ましい安全保障環境をつくり出してまいります。
同時に、各国との対話を重ね、信頼醸成を図るとともに、御指摘の気候変動やAI規制を含め、国際社会の諸課題の解決に資する努力を積極的に行うことで、国際社会における指導力を発揮をいたしてまいります。
次期参議院議員通常選挙における杉田水脈元衆議院議員の公認についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
お尋ねの公認につきましては、本人の申請に基づき、自民党の選挙対策委員会による所要の審査を経て、党の選挙対策本部において決定したものであります。個別具体の公認者に関する審査、決定の経緯につきましては、党の内部運営に関わることであり、お答えは差し控えます。
公認の撤回についてのお尋ねをいただきましたが、公認の評価については、最終的には選挙において有権者の皆様に御判断をいただくべき事柄であると、このように考えております。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →高額療養費制度の見直しについてでございます。
高額療養費制度につきましては、丁寧なプロセスを積み重ねることで、持続可能なものとして次の世代に引き継いでいくことが必要であると考えております。このため、今般、見直し全体について実施を見合わせ、本年秋までに改めて方針を検討し、決定することといたしております。
今後の具体的な検討内容について、現時点で方向性に関し予断を持って申し上げる段階にはございませんが、保険料負担の抑制や制度の持続可能性の確保とともに、患者の方々の経済的な御負担が過度なものとならないようにすることが重要であります。検討に当たりましては、保険料を負担する被保険者の御意見も拝聴しつつ、患者の方々のお話を十分に伺い、その御理解をいただくべく最善を尽くしてまいります。
今後の必要な手続につきましては、昨日、与党より、令和七年度予算の再修正という方針が示されたと承知をいたしており、政府といたしましては、与党での検討を踏まえて適切に対応いたしてまいります。
楽しい日本についてでございますが、楽しい日本とは、全ての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦をし、今日より明日は良くなると実感できる、多様な価値観を持つ一人一人が互いに尊重し合い、自己実現を図っていける、そうした活力ある国家であると考えております。
議員が言及されました相互承認、社会承認などが満たされた状態が楽しいという点は、まさに御指摘のとおりであり、私として全面的に同意をするところであります。
これを実現するための政策の核心が地方創生二・〇であり、令和の日本列島改造として強力に進めていくことが政治のなすべきことであると、このように考えております。
例えば、公教育の再生、改革により、一人一人が持つ可能性を最大限に引き出すことを含め、若者や女性にも選ばれる地方をつくり出すことを第一の柱として取組を進めてまいります。
世界情勢の認識と格差是正についてのお尋ねをいただきました。
過去十年程度の主要先進国の所得格差には大きな変動は見られないものの、長い目で見れば、一九八〇年代から二〇〇〇年代の間、所得格差が拡大傾向にあったと認識をいたしております。
政府といたしましては、格差が固定化されず、人々の許容の範囲を超えたものとならないことが重要であり、賃上げこそが成長戦略の要との認識の下、物価上昇に負けない賃上げを起点として、国民の皆様の所得と経済全体の生産性の向上を図っていくことが基本であると、このように考えておる次第でございます。
貧困等により厳しい生活を送られている方々に対しましては、きめ細かく対応するため、引き続き、生活困窮者自立支援制度における相談支援、最低賃金の持続的な引上げ、非正規雇用労働者の正社員への転換の促進といった総合的な対策を講じてまいります。
森友学園事案に関する文書の開示についてのお尋ねをいただきました。
私から加藤財務大臣に対しましては、文書の開示、不開示の判断に当たっては、法令にのっとりつつ、国民に対する説明責任の観点から、丁寧に検討するよう指示をいたしております。
これを踏まえ、先般、加藤財務大臣から大まかな開示の方針が示されたところであります。具体的には、検察とのやり取りを示す文書や検察からの依頼に基づき取りまとめた文書を除き、それ以外の文書について、個人の権利を害するおそれのある部分などに最低限の不開示処理を行った上で開示をするものと承知をいたしております。
二月二十七日に行われました参考人聴取における清和政策研究会の元会計責任者の発言等についてのお尋ねであります。
御指摘の元会計責任者の発言や政倫審における清和政策研究会元幹部の弁明につきましては、それぞれの方々が自らの記憶、認識に基づき発言等を行っているものと認識をいたしております。還付の再開の経緯につきましては、事実関係を確定し得る客観的な材料はこれまでのところ得られていないものと承知をしており、臆測で何か申し上げることは差し控えます。
この件につきましては、我が党といたしましても、できる限りの調査とその結果に基づく処分、政倫審や参考人聴取への可能な限りの協力を行ってまいりました。今後、国会において事実確認のための更なる取組が行われる場合には、引き続き国会の御判断を尊重し、全面的な協力を行ってまいります。
租税特別措置の適用企業名の公表と企業・団体献金についてのお尋ねをいただきました。
一般論として申し上げれば、国による租税特別措置の適用状況の開示につきましては、企業がどのような分野でどの程度の規模の設備投資を行っているかといった経営戦略上の情報が明らかになり、価格交渉への影響といった競争上の不利益を生じさせるおそれがあることから、そうしたデメリットを上回る公益上の必要性があるかどうかを考える必要があると、このように考えております。
なお、租税特別措置は、法律等に規定された明確かつ形式的な要件に基づき、これを満たす納税者がひとしく適用を受けることが可能となっているものです。企業・団体献金の有無や多寡に応じて恣意的にその適用を決めることができるわけではなく、租税特別措置が政治が金によってゆがめられる温床であるとの御指摘は当たりません。
企業・団体献金の規制の強化につきましては、憲法と最高裁判例で保障された企業等の政治活動の自由にも関わる問題であり、その必要性や相当性について、より丁寧に御議論いただくことを期待をいたしております。
今般の所得税見直しについてのお尋ねをいただきました。
税制における公平、中立、簡素の三原則の適切なバランスを確保することが必要である中において、今般の所得税の基礎控除に係る与党修正については、高所得者優遇とならないよう、税負担軽減効果の平準化の観点でまとめられたものと承知をしており、政府といたしましては、公平性の確保等に資するものであると認識をいたしております。
政府といたしましては、今後、与党修正についての国会での御議論を踏まえ、国民の皆様方への説明も含め適切に対応いたしてまいります。
税制による格差是正についてであります。
格差の固定化防止に向けては、平成二十五年度税制改正において、所得税や相続税の最高税率の引上げなどの見直しを行ったほか、いわゆる一億円の壁への対応の観点から、令和五年度税制改正において極めて高い水準の所得を対象として追加的に負担を求める措置を導入するなど、累次の改正により税制の再分配機能の強化を図ってきたところであります。
引き続き、中長期的視点に立ち、持続可能な経済財政運営を行う観点から、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図るなど、あるべき税制の具体化に向けて取り組んでまいります。
高校教育無償化についてのお尋ねをいただきました。
自民党、公明党、維新の会の三党間の合意において、いわゆる高校無償化の論点として、公立高校などへの支援の拡充を含む教育の質の確保が記載され、十分な検討を行うとされており、その先行措置として、令和七年度分について、産業教育のための実験実習施設整備の支援の拡充を図っております。
今後、教育の質の確保、多様な人材の育成の実現、公立と私立の関係などの論点と併せて十分な検討を行い、安定財源の確保と併せて高校教育全体にとって意義あるものとなるように取り組んでまいります。
いわゆるガソリンの暫定税率についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
いわゆるガソリンの暫定税率の廃止につきましては、受益者負担、原因者負担の考え方を踏まえたインフラ整備、維持管理等の負担の在り方、国、地方を合わせて約一・五兆円の恒久的な税収減に対応するための安定的な財源の確保、現在の税収を前提に来年度の予算編成や議会審議を行っている各自治体への影響などの諸課題を解決する必要がございます。
御提案のように、本年四月一日に暫定税率を廃止する場合、関係者と丁寧な調整を行った上で結論を得ることは現実的かということも考える必要がございます。引き続き、昨年十二月の三党の幹事長間合意に基づき、諸課題の解決策や具体的な実施方法等について政党間で協議が続けられるものと、このように承知をいたしております。
外交における基本姿勢等についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
国際秩序に大きな挑戦がもたらされ、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、外交を通じ、分断と対立が進む世界を平和と協調に導くことが必要であります。
そのために、まず、日米同盟を基軸に、友好国、同志国の輪を広げ、抑止力、対処力を維持強化しつつ、外交力、防衛力の両輪で我が国にとって望ましい安全保障環境をつくり出してまいります。
同時に、各国との対話を重ね、信頼醸成を図るとともに、御指摘の気候変動やAI規制を含め、国際社会の諸課題の解決に資する努力を積極的に行うことで、国際社会における指導力を発揮をいたしてまいります。
次期参議院議員通常選挙における杉田水脈元衆議院議員の公認についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
お尋ねの公認につきましては、本人の申請に基づき、自民党の選挙対策委員会による所要の審査を経て、党の選挙対策本部において決定したものであります。個別具体の公認者に関する審査、決定の経緯につきましては、党の内部運営に関わることであり、お答えは差し控えます。
公認の撤回についてのお尋ねをいただきましたが、公認の評価については、最終的には選挙において有権者の皆様に御判断をいただくべき事柄であると、このように考えております。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
加
加藤勝信#6
○国務大臣(加藤勝信君) 勝部議員から森友学園事案についてお尋ねがございました。
三月四日の衆議院財務金融委員会の質疑において、私から森友学園事案に関する開示請求について大まかな開示の方針をお示しをいたしました。現在、開示に向けて速やかに作業を進めておりますが、対象文書が相当の量に及ぶため、優先順位を付けて取り組んでいくことといたしました。
まずは、交渉記録の大宗がつづられておりますファイルについて、とじられておりますファイルについて、まだ公にしていない内部のやり取りなども含めて、開示方針をお示しした三月四日から一か月程度を目途に開示をいたします。次に、既に開示をいたしましたいわゆる赤木ファイルのほかに、赤木俊夫氏が取りまとめていたと思われる文書を六月上旬を目途に開示をいたします。その後、その他の文書についても定期的に開示をしてまいります。
全ての開示作業を終えるには、通常の体制であれば複数年を要する量ではございますが、今回の開示作業のための体制強化にも取り組みつつ、主要な文書をこれから一年以内に一日も早く開示するよう努めてまいります。
次に、国際課税及び関税についてお尋ねがございました。
米国は、トランプ大統領就任後、国際課税や関税を含む様々な施策についての方針を発表しております。
国際課税については一月二十日に大統領覚書が公表されておりますが、現時点ではその具体的な内容は明らかではありません。その上で、今回の法案に盛り込んでおりますグローバルミニマム課税は、国際的に議論してきた仕組みを実現するものであり、世界各国における税制面での公平な競争条件を確保し、グローバルに活躍する日本企業を後押しする観点からも、政府としては制度の導入を行うべきと考えております。
引き続き、米国を含めた各国政府と協調し、我が国の立場をよく説明してまいります。
また、関税については、鉄鋼、アルミに対する追加関税や相互関税等、様々な関税措置が公表されております。
米国政府には、政府として、日米経済関係を更に発展させる観点も踏まえ、申入れ等を行ってきているところであり、財務省としても、今後明らかになる関税措置の具体的な内容及び我が国への影響を十分に精査しつつ、関係省庁と連携しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。拍手
─────────────
この発言だけを見る →三月四日の衆議院財務金融委員会の質疑において、私から森友学園事案に関する開示請求について大まかな開示の方針をお示しをいたしました。現在、開示に向けて速やかに作業を進めておりますが、対象文書が相当の量に及ぶため、優先順位を付けて取り組んでいくことといたしました。
まずは、交渉記録の大宗がつづられておりますファイルについて、とじられておりますファイルについて、まだ公にしていない内部のやり取りなども含めて、開示方針をお示しした三月四日から一か月程度を目途に開示をいたします。次に、既に開示をいたしましたいわゆる赤木ファイルのほかに、赤木俊夫氏が取りまとめていたと思われる文書を六月上旬を目途に開示をいたします。その後、その他の文書についても定期的に開示をしてまいります。
全ての開示作業を終えるには、通常の体制であれば複数年を要する量ではございますが、今回の開示作業のための体制強化にも取り組みつつ、主要な文書をこれから一年以内に一日も早く開示するよう努めてまいります。
次に、国際課税及び関税についてお尋ねがございました。
米国は、トランプ大統領就任後、国際課税や関税を含む様々な施策についての方針を発表しております。
国際課税については一月二十日に大統領覚書が公表されておりますが、現時点ではその具体的な内容は明らかではありません。その上で、今回の法案に盛り込んでおりますグローバルミニマム課税は、国際的に議論してきた仕組みを実現するものであり、世界各国における税制面での公平な競争条件を確保し、グローバルに活躍する日本企業を後押しする観点からも、政府としては制度の導入を行うべきと考えております。
引き続き、米国を含めた各国政府と協調し、我が国の立場をよく説明してまいります。
また、関税については、鉄鋼、アルミに対する追加関税や相互関税等、様々な関税措置が公表されております。
米国政府には、政府として、日米経済関係を更に発展させる観点も踏まえ、申入れ等を行ってきているところであり、財務省としても、今後明らかになる関税措置の具体的な内容及び我が国への影響を十分に精査しつつ、関係省庁と連携しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。拍手
─────────────
関
高
高橋次郎#8
○高橋次郎君 公明党の高橋次郎です。
私は、自由民主党、公明党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
まず初めに、岩手県大船渡市での山林火災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の生活となりわい再建とともに、発災から十四年たった東日本大震災被災地の皆様、昨年の能登半島地震で被災された皆様に、今後も心から寄り添い続け、国会と地方議員がしっかり連携し、地域の再建に全力で取り組んでまいります。
さて、私が繰上げ当選で当選証書をいただいたのは昨年十月二十二日、衆院選投開票日の直前でした。その後、私が見たのは、少数与党となった自民党と公明党が衆院選の結果に表れた民意を重く受け止め、野党の皆様と真摯に、そして誠実に対話を重ね、生活者の声を政治に反映するための合意づくり、合意をつくり出す姿でした。
ここで、その思いのこもった令和七年度税制改正について質問いたします。
昨年末、自民、公明、国民民主の三党幹事長合意に基づき、いわゆる年収百三万円の壁の見直しについて、基礎控除を四十八万円から十万円引き上げて五十八万円に、給与所得控除を五十五万円から十万円引き上げて、合わせて百二十三万円とする方針を決めました。その上で、今回、年収二百万円以下の方について、生活保護基準や最低賃金の水準を勘案し、恒久的措置として基礎控除五十八万円に三十七万円を上乗せし、課税最低限を百六十万円に引き上げました。
さらに、物価高を踏まえ、時限措置ではありますが、中間層も含めて幅広く国民の所得を支える仕組みにすべきとして、ほとんどの給与所得者が一人当たり年間二万円から四万円の減税となる与党修正案としました。
加えて、自民党と公明党は、基礎控除について、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適宜引き上げることと附則に盛り込むことに合意しました。これは、今後の所得税は物価を基に基礎控除額などを決めていく新しい課税の在り方を示したものであります。
加えて、課税最低限を百七十八万円まで引き上げることを目指すとした三党幹事長合意を誠実に遂行しようとする姿勢の表れであります。
こうした抜本的な制度変更の意義について、石破総理に伺います。
さらに、年収二百万円から四百七十五万円以下は三十万円、年収四百七十五万円から六百六十五万円以下は十万円、六百六十五万円から八百五十万円以下は五万円をそれぞれ基礎控除に上乗せしたのは、元々あった累進課税の限界税率を利用し、給与所得者一人当たりの減税額を二万円から四万円と平準化したものであり、高所得者が多額の減税を受け取る高所得者優遇を解消するために設計したものであります。新たな国債を発行せず、財政規律を保った上で、納税者の八割を対象とした一兆二千億円の所得税減税を少なくとも二年間実施することになります。この制度の意義についても総理に伺います。
共働き世帯や単身世帯が更に増加し、家族の在り方や社会環境が変化し続ける中で、男女共に自立できる収入を得て生活ができる所得税制度を整備するとともに、厚生年金の更なる制度改正により年収百六万円、百三十万円などの壁を意識せずに働ける中立で公平な税制、社会保障の構築をより一層進めるべきであります。総理の見解を伺います。
続いて、高校無償化について伺います。
これまでも、公明党は教育の党として、私立高校授業料の実質無償化や社会保障改革に一貫して取り組んでまいりました。令和四年には子育て応援トータルプランを発表し、取組を更に加速させてきました。自民、公明、日本維新の会の三党合意に盛り込まれた高校無償化は、このトータルプランに沿った形で、保護者の経済状況に左右されない、どんな環境に生まれ育っても全ての子供が平等に教育を受けられる重要な施策であります。
令和七年度から高校生への支援金の収入要件を撤廃、さらに令和八年度から私立高校への加算額を四十五万七千円に引き上げるものであります。あわせて、授業料以外の教材費などを支援するための低中所得者層への高校生等奨学給付金の更なる拡充を進めるなど、高校生の教育格差是正を大きく前進させることができます。
加えて、税制面でも子育て世帯を応援するため、高校生年代の扶養控除について、令和八年以降の税制改正で協議することとしています。あわせて、ゼロ歳から十五歳までの年少扶養控除の復活について、政府税調で前向きに議論すべきであります。財務大臣の見解を伺います。
厚労省が発表した、昨年、日本で生まれた子供の出生数は外国人を含めて七十二万人。九年連続で過去最少を更新。安心して子供を産み育てられる社会にするための経済的負担軽減は、文字どおり待ったなしです。全ての施策を総動員しなければなりません。
今回の法律案には、子育て世帯に対する住宅ローン控除の拡充、生命保険料控除の拡充など一定の措置が図られています。
しかし、子供を授かる前段階の結婚、出産準備、新居への引っ越し代、不妊治療などには多額の費用が掛かります。そこで、祖父母や親からの経済支援を非課税で受けられる結婚・子育て資金の一括贈与に関わる贈与税の非課税措置は、今後、結婚を考える世代や若い夫婦にとって大きなメリットがあります。
平成二十七年にスタートした本制度ですが、八年たった令和五年三月末時点の利用実績は、契約件数七千五百九十一件、信託財産設定額が約二百三十六億円、令和四年から五年までの一年間での利用件数増は二百二十八件にとどまっております。
自民、公明の令和七年度税制改正大綱では、利用件数は低迷しているものの、現在、こども未来戦略の集中取組期間の最中にあり、こども・子育て施策を総動員する時期にあるとして、本措置を結婚、出産、子育てを社会全体で応援するための税制上の後押しとして令和九年までの延長を決めました。
利用件数が低迷しているのは、利用しにくい制度設計にあると考えられます。内容を吟味し、結婚したいという男女や子育て世帯に祖父母や親の資産がスムーズに移行できる、使い勝手のいい制度に改めるべきであります。財務大臣の決意を伺います。
物価高を上回る賃金の上昇に向け、中小企業にも中長期にわたる賃上げの流れが必要であり、今年こそ勝負の年であります。令和六年に改正された賃上げ促進税制はインパクトがあり、評価できます。ただ、この促進税制は令和八年度末までの措置であります。友人の中小企業経営者から話を聞くと、一度引き上げた給与は経営が悪化しても簡単に下げられない、そのリスクを考えると踏み出しにくいと、さらに、令和八年末までだと、その後の制度設計が不透明で長期的な賃上げ計画も立てられないと言っておりました。
今回の法律案では、中小法人等の軽減税率の特例延長について二年間の延長を決め、こちらも令和八年度末までとなります。賃上げが物価高に追い付いていない現状から考えれば、もっと視野を広げた長期的な中小企業支援が求められます。更なる税制面での支援強化に向けた総理大臣の決意を伺います。
最後に、自民党、公明党は現在と未来に責任を持つからこそ、これまで粘り強く交渉に当たり知恵を絞ってきました。ドイツの政治学者マックス・ウェーバーは、政治家にとって特に重要な資質を情熱、責任感、判断力としています。
今後も全世代の暮らしを豊かにするための税制、子育て・教育支援、物価高を上回る賃金上昇に向けた施策の加速に向け、全力を挙げることを決意し、質問といたします。
ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、自由民主党、公明党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
まず初めに、岩手県大船渡市での山林火災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の生活となりわい再建とともに、発災から十四年たった東日本大震災被災地の皆様、昨年の能登半島地震で被災された皆様に、今後も心から寄り添い続け、国会と地方議員がしっかり連携し、地域の再建に全力で取り組んでまいります。
さて、私が繰上げ当選で当選証書をいただいたのは昨年十月二十二日、衆院選投開票日の直前でした。その後、私が見たのは、少数与党となった自民党と公明党が衆院選の結果に表れた民意を重く受け止め、野党の皆様と真摯に、そして誠実に対話を重ね、生活者の声を政治に反映するための合意づくり、合意をつくり出す姿でした。
ここで、その思いのこもった令和七年度税制改正について質問いたします。
昨年末、自民、公明、国民民主の三党幹事長合意に基づき、いわゆる年収百三万円の壁の見直しについて、基礎控除を四十八万円から十万円引き上げて五十八万円に、給与所得控除を五十五万円から十万円引き上げて、合わせて百二十三万円とする方針を決めました。その上で、今回、年収二百万円以下の方について、生活保護基準や最低賃金の水準を勘案し、恒久的措置として基礎控除五十八万円に三十七万円を上乗せし、課税最低限を百六十万円に引き上げました。
さらに、物価高を踏まえ、時限措置ではありますが、中間層も含めて幅広く国民の所得を支える仕組みにすべきとして、ほとんどの給与所得者が一人当たり年間二万円から四万円の減税となる与党修正案としました。
加えて、自民党と公明党は、基礎控除について、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適宜引き上げることと附則に盛り込むことに合意しました。これは、今後の所得税は物価を基に基礎控除額などを決めていく新しい課税の在り方を示したものであります。
加えて、課税最低限を百七十八万円まで引き上げることを目指すとした三党幹事長合意を誠実に遂行しようとする姿勢の表れであります。
こうした抜本的な制度変更の意義について、石破総理に伺います。
さらに、年収二百万円から四百七十五万円以下は三十万円、年収四百七十五万円から六百六十五万円以下は十万円、六百六十五万円から八百五十万円以下は五万円をそれぞれ基礎控除に上乗せしたのは、元々あった累進課税の限界税率を利用し、給与所得者一人当たりの減税額を二万円から四万円と平準化したものであり、高所得者が多額の減税を受け取る高所得者優遇を解消するために設計したものであります。新たな国債を発行せず、財政規律を保った上で、納税者の八割を対象とした一兆二千億円の所得税減税を少なくとも二年間実施することになります。この制度の意義についても総理に伺います。
共働き世帯や単身世帯が更に増加し、家族の在り方や社会環境が変化し続ける中で、男女共に自立できる収入を得て生活ができる所得税制度を整備するとともに、厚生年金の更なる制度改正により年収百六万円、百三十万円などの壁を意識せずに働ける中立で公平な税制、社会保障の構築をより一層進めるべきであります。総理の見解を伺います。
続いて、高校無償化について伺います。
これまでも、公明党は教育の党として、私立高校授業料の実質無償化や社会保障改革に一貫して取り組んでまいりました。令和四年には子育て応援トータルプランを発表し、取組を更に加速させてきました。自民、公明、日本維新の会の三党合意に盛り込まれた高校無償化は、このトータルプランに沿った形で、保護者の経済状況に左右されない、どんな環境に生まれ育っても全ての子供が平等に教育を受けられる重要な施策であります。
令和七年度から高校生への支援金の収入要件を撤廃、さらに令和八年度から私立高校への加算額を四十五万七千円に引き上げるものであります。あわせて、授業料以外の教材費などを支援するための低中所得者層への高校生等奨学給付金の更なる拡充を進めるなど、高校生の教育格差是正を大きく前進させることができます。
加えて、税制面でも子育て世帯を応援するため、高校生年代の扶養控除について、令和八年以降の税制改正で協議することとしています。あわせて、ゼロ歳から十五歳までの年少扶養控除の復活について、政府税調で前向きに議論すべきであります。財務大臣の見解を伺います。
厚労省が発表した、昨年、日本で生まれた子供の出生数は外国人を含めて七十二万人。九年連続で過去最少を更新。安心して子供を産み育てられる社会にするための経済的負担軽減は、文字どおり待ったなしです。全ての施策を総動員しなければなりません。
今回の法律案には、子育て世帯に対する住宅ローン控除の拡充、生命保険料控除の拡充など一定の措置が図られています。
しかし、子供を授かる前段階の結婚、出産準備、新居への引っ越し代、不妊治療などには多額の費用が掛かります。そこで、祖父母や親からの経済支援を非課税で受けられる結婚・子育て資金の一括贈与に関わる贈与税の非課税措置は、今後、結婚を考える世代や若い夫婦にとって大きなメリットがあります。
平成二十七年にスタートした本制度ですが、八年たった令和五年三月末時点の利用実績は、契約件数七千五百九十一件、信託財産設定額が約二百三十六億円、令和四年から五年までの一年間での利用件数増は二百二十八件にとどまっております。
自民、公明の令和七年度税制改正大綱では、利用件数は低迷しているものの、現在、こども未来戦略の集中取組期間の最中にあり、こども・子育て施策を総動員する時期にあるとして、本措置を結婚、出産、子育てを社会全体で応援するための税制上の後押しとして令和九年までの延長を決めました。
利用件数が低迷しているのは、利用しにくい制度設計にあると考えられます。内容を吟味し、結婚したいという男女や子育て世帯に祖父母や親の資産がスムーズに移行できる、使い勝手のいい制度に改めるべきであります。財務大臣の決意を伺います。
物価高を上回る賃金の上昇に向け、中小企業にも中長期にわたる賃上げの流れが必要であり、今年こそ勝負の年であります。令和六年に改正された賃上げ促進税制はインパクトがあり、評価できます。ただ、この促進税制は令和八年度末までの措置であります。友人の中小企業経営者から話を聞くと、一度引き上げた給与は経営が悪化しても簡単に下げられない、そのリスクを考えると踏み出しにくいと、さらに、令和八年末までだと、その後の制度設計が不透明で長期的な賃上げ計画も立てられないと言っておりました。
今回の法律案では、中小法人等の軽減税率の特例延長について二年間の延長を決め、こちらも令和八年度末までとなります。賃上げが物価高に追い付いていない現状から考えれば、もっと視野を広げた長期的な中小企業支援が求められます。更なる税制面での支援強化に向けた総理大臣の決意を伺います。
最後に、自民党、公明党は現在と未来に責任を持つからこそ、これまで粘り強く交渉に当たり知恵を絞ってきました。ドイツの政治学者マックス・ウェーバーは、政治家にとって特に重要な資質を情熱、責任感、判断力としています。
今後も全世代の暮らしを豊かにするための税制、子育て・教育支援、物価高を上回る賃金上昇に向けた施策の加速に向け、全力を挙げることを決意し、質問といたします。
ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
石
石破茂#9
○内閣総理大臣(石破茂君) 高橋次郎議員の御質問にお答えをいたします。
基礎控除の特例の創設の意義についてお尋ねを頂戴をいたしました。
今般の与党修正は、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得税の基礎控除の特例を創設するものでございます。
具体的には、控除額を所得に応じたものとすることにより、低中所得層のそれぞれの収入階層で政府案と与党修正を合わせた減税額を平準化することで高所得者優遇とならないような仕組みとし、公平性の確保を図るものであると、このように承知をいたしております。
今後の対応といたしましては、所得税の源泉徴収をする義務がある者の事務負担への影響も勘案しつつ、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適時に引き上げるという基本的方向性により、具体的な方策を検討することが法律の附則に盛り込まれており、基礎控除等の額を物価の上昇等を勘案して適時に引き上げていくという基本的な姿勢が明らかにされたものと、このように承知をいたしております。
令和七年度の財源につきましては、一般予備費の削減や追加的な税外収入の確保等で賄うこととし、新規国債発行額の追加は行っておりません。
中立で公平な税制、社会保障の構築についてのお尋ねをいただいております。
個人が自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されるためには、働き方など社会における活動の選択に対して中立的な制度、慣行を構築していくことが必要であります。このため、税制につきましては、就業調整対策の観点から、大学生等の特定扶養控除の見直しを行うことといたしております。
いわゆる社会保険の年収の壁につきましては、年収の壁・支援強化パッケージを活用して、さらにキャリアアップ助成金の拡充も検討しているところでございます。賃金要件の撤廃等の被用者保険の適用拡大などにつきましても、引き続き関係者の御意見を伺いながら丁寧に対応することといたしております。
税制面における長期的な中小企業支援についてお尋ねを頂戴いたしております。
多くの中小企業に利益を上げていただき、物価上昇に負けない賃上げを実現していただくためには、生産性の向上や、取引の上流から下流まで適切な価格転嫁を実現することが極めて重要であります。こうした中で、御指摘の賃上げ税制や軽減税率の特例延長は、中小企業の税負担を軽減し、それを原資に更なる賃上げの実現に寄与し得るものでございます。
これらの税制は令和八年度末までの適用期限としておりますが、物価や中小企業の賃上げの状況等を丁寧に見極めながら、高橋議員のただいまの御指摘も踏まえ、今後の在り方について更に検討を深めてまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →基礎控除の特例の創設の意義についてお尋ねを頂戴をいたしました。
今般の与党修正は、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得税の基礎控除の特例を創設するものでございます。
具体的には、控除額を所得に応じたものとすることにより、低中所得層のそれぞれの収入階層で政府案と与党修正を合わせた減税額を平準化することで高所得者優遇とならないような仕組みとし、公平性の確保を図るものであると、このように承知をいたしております。
今後の対応といたしましては、所得税の源泉徴収をする義務がある者の事務負担への影響も勘案しつつ、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適時に引き上げるという基本的方向性により、具体的な方策を検討することが法律の附則に盛り込まれており、基礎控除等の額を物価の上昇等を勘案して適時に引き上げていくという基本的な姿勢が明らかにされたものと、このように承知をいたしております。
令和七年度の財源につきましては、一般予備費の削減や追加的な税外収入の確保等で賄うこととし、新規国債発行額の追加は行っておりません。
中立で公平な税制、社会保障の構築についてのお尋ねをいただいております。
個人が自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されるためには、働き方など社会における活動の選択に対して中立的な制度、慣行を構築していくことが必要であります。このため、税制につきましては、就業調整対策の観点から、大学生等の特定扶養控除の見直しを行うことといたしております。
いわゆる社会保険の年収の壁につきましては、年収の壁・支援強化パッケージを活用して、さらにキャリアアップ助成金の拡充も検討しているところでございます。賃金要件の撤廃等の被用者保険の適用拡大などにつきましても、引き続き関係者の御意見を伺いながら丁寧に対応することといたしております。
税制面における長期的な中小企業支援についてお尋ねを頂戴いたしております。
多くの中小企業に利益を上げていただき、物価上昇に負けない賃上げを実現していただくためには、生産性の向上や、取引の上流から下流まで適切な価格転嫁を実現することが極めて重要であります。こうした中で、御指摘の賃上げ税制や軽減税率の特例延長は、中小企業の税負担を軽減し、それを原資に更なる賃上げの実現に寄与し得るものでございます。
これらの税制は令和八年度末までの適用期限としておりますが、物価や中小企業の賃上げの状況等を丁寧に見極めながら、高橋議員のただいまの御指摘も踏まえ、今後の在り方について更に検討を深めてまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
加
加藤勝信#10
○国務大臣(加藤勝信君) 高橋議員から高校生年代の扶養控除及び年少扶養控除の復活についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、高校生年代の扶養控除については、令和七年度与党税制改正大綱において、児童手当を始めとする子育て関連施策との関係、所得税の所得再配分機能等の観点や、令和六年度税制改正大綱で示した考え方などを踏まえつつ、令和八年度以降の税制改正において各種控除の在り方の一環として検討し、結論を得るとされております。政府としてもこうした考え方に沿って対応してまいります。
また、今後の政府税調での具体的な議論の内容については、会長を中心に委員の皆様において検討が進められるものと承知しておりますが、十六歳未満を対象としたいわゆる年少扶養控除については、所得控除から手当へという考えの下、子ども手当の創設に伴い平成二十二年度税制改正において廃止された経緯があり、こうした経緯も踏まえる必要があるものと考えております。
次に、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置についてお尋ねがありました。
本非課税措置は経済活性化などを目的として導入されたものであり、創設当初である平成二十七年度の新規契約数は約四千七百件、直近の令和五年度には百九十六件となっております。
利用件数の減少の要因について、制度が利用しづらいとの御指摘をいただきましたが、例えば令和三年度改正においては各種申告書などの手続をオンライン化するなど、利用者目線に立った見直しも適宜行ってまいりました。また、本制度についてニーズがある者は制度創設当初に集中的に活用されたと考えられるため、創設当初の契約数が多くなっております。その後、需要が一巡したことで利用件数が低迷しているという事情もあるものと認識をしています。
その上で、利用状況や格差固定化防止の観点も踏まえ、令和七年度与党税制改正大綱には、真に必要な対応策について改めて検討すべきと記載されております。こうした点も踏まえ、本制度の在り方については、子育て支援全体の中での検討を踏まえ対応していく課題であるというふうに考えております。拍手
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この発言だけを見る →議員御指摘のとおり、高校生年代の扶養控除については、令和七年度与党税制改正大綱において、児童手当を始めとする子育て関連施策との関係、所得税の所得再配分機能等の観点や、令和六年度税制改正大綱で示した考え方などを踏まえつつ、令和八年度以降の税制改正において各種控除の在り方の一環として検討し、結論を得るとされております。政府としてもこうした考え方に沿って対応してまいります。
また、今後の政府税調での具体的な議論の内容については、会長を中心に委員の皆様において検討が進められるものと承知しておりますが、十六歳未満を対象としたいわゆる年少扶養控除については、所得控除から手当へという考えの下、子ども手当の創設に伴い平成二十二年度税制改正において廃止された経緯があり、こうした経緯も踏まえる必要があるものと考えております。
次に、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置についてお尋ねがありました。
本非課税措置は経済活性化などを目的として導入されたものであり、創設当初である平成二十七年度の新規契約数は約四千七百件、直近の令和五年度には百九十六件となっております。
利用件数の減少の要因について、制度が利用しづらいとの御指摘をいただきましたが、例えば令和三年度改正においては各種申告書などの手続をオンライン化するなど、利用者目線に立った見直しも適宜行ってまいりました。また、本制度についてニーズがある者は制度創設当初に集中的に活用されたと考えられるため、創設当初の契約数が多くなっております。その後、需要が一巡したことで利用件数が低迷しているという事情もあるものと認識をしています。
その上で、利用状況や格差固定化防止の観点も踏まえ、令和七年度与党税制改正大綱には、真に必要な対応策について改めて検討すべきと記載されております。こうした点も踏まえ、本制度の在り方については、子育て支援全体の中での検討を踏まえ対応していく課題であるというふうに考えております。拍手
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関
藤
藤巻健史#12
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。
会派を代表して、石破内閣総理大臣に質問いたします。
まず、所得税法等の一部を改正する法律案の立法趣旨を明確にしていただきたいと思います。
働き止めを回避するための税制改革、改正なのか、それとも国民の手取りを増やすための税制改革なのかという点です。
政府は百三万円を働き止めの壁だと認識しているのでしょうか。壁と聞くと、それ以上働くと税引き後収入が減ってしまうとの印象を持つ方も多いと邪推いたしますが、そうではなく、所得税が発生する金額との意味であり、単なる課税最低限の引上げと呼んだ方がよろしいのではないでしょうか。
ところで、この法律が成立した後の給与収入四百七十五万円と給与収入四百七十六万円の税引き後手取り額を御教授願います。この法律改正によって、ここに税引き後収入額の逆転現象が生じてしまうように思いますが、確認をお願いしたいと思います。
一生懸命働いて収入が増えると逆に手取りが減るという税制は、国民の勤労意欲を阻害するものと考えますが、いかがでしょうか。
本改正後の附則③で、令和八年度予算編成時に所得税の抜本的な改革に係る検討をするとあります。その際には、是非回避しなくてはいけない壁だと申し上げておきたいと思います。
次に、立法趣旨が国民の手取りを増やすためなのかについてお聞きしたいと思います。
まず、この税制改革によって大部分の給与所得者の方が約二万円前後の減税になると理解しておりますが、正しいでしょうか。
次に、この税制改革によって、政府の税収はどのくらい減少するのかをお教えください。
ポール・サムエルソン氏とともに二十世紀の二大エコノミストと呼ばれる、称されるミルトン・フリードマン氏は、予算は必ず均衡する、もし増税という見える形で均衡させないのなら、インフレという見えない形で均衡することになると述べています。
また、ウォーレン・バフェット氏が最近「株主への手紙」の中に書いた、愚かな財政運営が蔓延すれば紙幣は価値を失うとの文も日米ではかなり話題になりました。紙幣が価値を失うということはインフレになるということです。
彼らの言うことが正しいとするならば、減税だけだと物価高が生じてしまいます。二万円の減税をしても、物価高で家計が二万円以上の出費を余儀なくされたら、国民の手取りを増やそうとする税制改革が逆に国民の手取りを減らす税制改革になってしまいます。
減税による物価高を回避するためには、日本維新の会結党以来の主張であり、大阪で実行してきた行財政改革を行い、財政赤字拡大によってお金の価値の希薄化が生じ、物価高を引き起こすことを回避することが不可欠だと思いますが、お考えをお聞かせください。
国際通貨基金、IMFは、二月七日、日本に対し、財政赤字拡大のリスクがあると指摘し、検討されている所得税の控除の額についての改革は、追加歳入の確保、若しくは他分野の歳出削減によって賄わなければならないと強調し、財源確保を求めています。このIMFの指摘について、総理はどうお考えでしょうか。彼らの助言のように、追加歳入の確保、若しくは他分野の歳出削減をお考えでしょうか。
アメリカの財政赤字についての話ですが、三月三日にはヘッジファンド会社、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏が、今すぐ赤字削減に取り組まなければ三年程度のうちに深刻な債務危機に見舞われるリスクがあると論じました。
起業家イーロン・マスク氏は、DOGE、政府効率化省によって、五年間でアメリカ政府の歳出を三分の二まで減らすと行動を開始しています。
一方、日本の債務残高の対GDP比はアメリカの二倍と格段に悪いのにもかかわらず、米国で聞くような警告や行動は寡聞にして余り聞きません。
幸い、本税制改革の附則③には、令和八年度予算編成及び税制改正において、歳入歳出両面の取組を通じた本特例の実施に要する財源の確保について検討すると明記されています。この附則は、財源を必ず見付け出す、赤字国債の増発にはつなげないとの決意表明だと理解いたしましたが、それでよろしいでしょうか。
国民の手取りを増やすという意味でこの法案の趣旨に賛同いたしますが、財源を見付け得なかったり、行財政改革をせずに赤字国債の発行を財源とするようなことになったりすれば、物価上昇というしっぺ返しを被るとアメリカの偉大な経済学者や実務家が警告していることを忘れてはなりません。
物価上昇、すなわちインフレは、買物をするときにより多くのお金が財布から出ていくという意味では消費税増税と同じです。経済学ではインフレのことをインフレ税といいます。したがって、万が一物価高が生じれば、所得税減税によって今度は消費税増税で賄うと、こういうことと同じことになると思いますが、いかがでしょうか。そのようなリスクを除く意味でも、本改正案の附則には十分過ぎるほどの注意が必要なことを指摘しておきたいと思います。
特に、総務省が二月二十一日に発表した一月の消費者物価指数は、前年同月比三・二%上昇、食料品をも含む総合は四・〇%にもなっています。これは、インフレ対策で大わらわし、インフレ再燃を怖がっている今のアメリカよりも高い数字です。このようなときだからこそ、一層、物価上昇の誘因にはならないように財源の確保や行財政改革を着実に実行していかなければならないのではないでしょうか。
ところで、本税制改革の附則①には、所得税の抜本的な改革について検討するとありますので、所得税の在り方について質問いたしたいと思います。
多くの人の負担は少なく、少人数の人の負担のみが高いとの税制だと、働いても働かなくても結果は同じとなり、それこそ労働意欲を低め、国力を落とすことになると思います。そこで、確認いたします。
まず、日本の総人口約一億二千三百五十万人のうち、今回の税制改革により所得税総合課税の適用を受けるのは何人ぐらいになるでしょうか。そのうち、限界税率五%の納税者、限界税率一〇%となる納税者はおよそ何人くらいで、総合所得の所得税を払っている人の何割ぐらいになるのか、お教えください。一方、限界税率三三%となる納税者、四〇%、四五%となる納税者は何人ほどとなり、総合課税の所得税を払っている人のどのぐらいの割合となるのでしょうか。
次に、五%の税率、一〇%の税率を引き上げる、すなわち課税最低限を引き下げない限り所得税による国の大幅税収増は無理だと認識していますが、その辺を確認したいと思います。
税収が不足していけば金持ちから取れと主張する方がいますが、金持ちが少なく、幾らこの層の税率を上げても国の税収はほとんど増えません。今後、行財政改革が成功せず、歳出増を増税に頼らざるを得なくなったとき、一%引き上げると国の税収はどのくらい増えるのかをお聞きいたします。五%の税率、一〇%の税率、四〇%の税率、四五%の税率を一%引き上げるとどのくらいの国の所得税収になるのか、お教えください。
国が増税を余儀なくされる事態になったら、良い悪い、好むと好まざるとを得ず、消費増税か課税最低限の引下げ、若しくはインフレ税しかなくなります。
三月六日の答弁で首相は、国民も苦しいが財政も苦しいと答弁されていましたが、まさにそのとおりだと思います。財政が苦しくなれば、国民はより多くの負担を強いられることになると思います。最後に、この点について見解をお聞かせ願えればと思います。
以上で質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、石破内閣総理大臣に質問いたします。
まず、所得税法等の一部を改正する法律案の立法趣旨を明確にしていただきたいと思います。
働き止めを回避するための税制改革、改正なのか、それとも国民の手取りを増やすための税制改革なのかという点です。
政府は百三万円を働き止めの壁だと認識しているのでしょうか。壁と聞くと、それ以上働くと税引き後収入が減ってしまうとの印象を持つ方も多いと邪推いたしますが、そうではなく、所得税が発生する金額との意味であり、単なる課税最低限の引上げと呼んだ方がよろしいのではないでしょうか。
ところで、この法律が成立した後の給与収入四百七十五万円と給与収入四百七十六万円の税引き後手取り額を御教授願います。この法律改正によって、ここに税引き後収入額の逆転現象が生じてしまうように思いますが、確認をお願いしたいと思います。
一生懸命働いて収入が増えると逆に手取りが減るという税制は、国民の勤労意欲を阻害するものと考えますが、いかがでしょうか。
本改正後の附則③で、令和八年度予算編成時に所得税の抜本的な改革に係る検討をするとあります。その際には、是非回避しなくてはいけない壁だと申し上げておきたいと思います。
次に、立法趣旨が国民の手取りを増やすためなのかについてお聞きしたいと思います。
まず、この税制改革によって大部分の給与所得者の方が約二万円前後の減税になると理解しておりますが、正しいでしょうか。
次に、この税制改革によって、政府の税収はどのくらい減少するのかをお教えください。
ポール・サムエルソン氏とともに二十世紀の二大エコノミストと呼ばれる、称されるミルトン・フリードマン氏は、予算は必ず均衡する、もし増税という見える形で均衡させないのなら、インフレという見えない形で均衡することになると述べています。
また、ウォーレン・バフェット氏が最近「株主への手紙」の中に書いた、愚かな財政運営が蔓延すれば紙幣は価値を失うとの文も日米ではかなり話題になりました。紙幣が価値を失うということはインフレになるということです。
彼らの言うことが正しいとするならば、減税だけだと物価高が生じてしまいます。二万円の減税をしても、物価高で家計が二万円以上の出費を余儀なくされたら、国民の手取りを増やそうとする税制改革が逆に国民の手取りを減らす税制改革になってしまいます。
減税による物価高を回避するためには、日本維新の会結党以来の主張であり、大阪で実行してきた行財政改革を行い、財政赤字拡大によってお金の価値の希薄化が生じ、物価高を引き起こすことを回避することが不可欠だと思いますが、お考えをお聞かせください。
国際通貨基金、IMFは、二月七日、日本に対し、財政赤字拡大のリスクがあると指摘し、検討されている所得税の控除の額についての改革は、追加歳入の確保、若しくは他分野の歳出削減によって賄わなければならないと強調し、財源確保を求めています。このIMFの指摘について、総理はどうお考えでしょうか。彼らの助言のように、追加歳入の確保、若しくは他分野の歳出削減をお考えでしょうか。
アメリカの財政赤字についての話ですが、三月三日にはヘッジファンド会社、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏が、今すぐ赤字削減に取り組まなければ三年程度のうちに深刻な債務危機に見舞われるリスクがあると論じました。
起業家イーロン・マスク氏は、DOGE、政府効率化省によって、五年間でアメリカ政府の歳出を三分の二まで減らすと行動を開始しています。
一方、日本の債務残高の対GDP比はアメリカの二倍と格段に悪いのにもかかわらず、米国で聞くような警告や行動は寡聞にして余り聞きません。
幸い、本税制改革の附則③には、令和八年度予算編成及び税制改正において、歳入歳出両面の取組を通じた本特例の実施に要する財源の確保について検討すると明記されています。この附則は、財源を必ず見付け出す、赤字国債の増発にはつなげないとの決意表明だと理解いたしましたが、それでよろしいでしょうか。
国民の手取りを増やすという意味でこの法案の趣旨に賛同いたしますが、財源を見付け得なかったり、行財政改革をせずに赤字国債の発行を財源とするようなことになったりすれば、物価上昇というしっぺ返しを被るとアメリカの偉大な経済学者や実務家が警告していることを忘れてはなりません。
物価上昇、すなわちインフレは、買物をするときにより多くのお金が財布から出ていくという意味では消費税増税と同じです。経済学ではインフレのことをインフレ税といいます。したがって、万が一物価高が生じれば、所得税減税によって今度は消費税増税で賄うと、こういうことと同じことになると思いますが、いかがでしょうか。そのようなリスクを除く意味でも、本改正案の附則には十分過ぎるほどの注意が必要なことを指摘しておきたいと思います。
特に、総務省が二月二十一日に発表した一月の消費者物価指数は、前年同月比三・二%上昇、食料品をも含む総合は四・〇%にもなっています。これは、インフレ対策で大わらわし、インフレ再燃を怖がっている今のアメリカよりも高い数字です。このようなときだからこそ、一層、物価上昇の誘因にはならないように財源の確保や行財政改革を着実に実行していかなければならないのではないでしょうか。
ところで、本税制改革の附則①には、所得税の抜本的な改革について検討するとありますので、所得税の在り方について質問いたしたいと思います。
多くの人の負担は少なく、少人数の人の負担のみが高いとの税制だと、働いても働かなくても結果は同じとなり、それこそ労働意欲を低め、国力を落とすことになると思います。そこで、確認いたします。
まず、日本の総人口約一億二千三百五十万人のうち、今回の税制改革により所得税総合課税の適用を受けるのは何人ぐらいになるでしょうか。そのうち、限界税率五%の納税者、限界税率一〇%となる納税者はおよそ何人くらいで、総合所得の所得税を払っている人の何割ぐらいになるのか、お教えください。一方、限界税率三三%となる納税者、四〇%、四五%となる納税者は何人ほどとなり、総合課税の所得税を払っている人のどのぐらいの割合となるのでしょうか。
次に、五%の税率、一〇%の税率を引き上げる、すなわち課税最低限を引き下げない限り所得税による国の大幅税収増は無理だと認識していますが、その辺を確認したいと思います。
税収が不足していけば金持ちから取れと主張する方がいますが、金持ちが少なく、幾らこの層の税率を上げても国の税収はほとんど増えません。今後、行財政改革が成功せず、歳出増を増税に頼らざるを得なくなったとき、一%引き上げると国の税収はどのくらい増えるのかをお聞きいたします。五%の税率、一〇%の税率、四〇%の税率、四五%の税率を一%引き上げるとどのくらいの国の所得税収になるのか、お教えください。
国が増税を余儀なくされる事態になったら、良い悪い、好むと好まざるとを得ず、消費増税か課税最低限の引下げ、若しくはインフレ税しかなくなります。
三月六日の答弁で首相は、国民も苦しいが財政も苦しいと答弁されていましたが、まさにそのとおりだと思います。財政が苦しくなれば、国民はより多くの負担を強いられることになると思います。最後に、この点について見解をお聞かせ願えればと思います。
以上で質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
石
石破茂#13
○内閣総理大臣(石破茂君) 藤巻健史議員の御質問にお答えをいたします。
今般の所得税法改正の趣旨についてのお尋ねを頂戴いたしております。
政府案におきまして、物価上昇局面における税負担の調整の観点から基礎控除の控除額及び給与所得控除の最低保障額の見直しとともに、就業調整対策の観点から大学生等の特定扶養控除の見直しをすることといたした上で、与党修正におきまして、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得に応じた基礎控除の上乗せを行うこととされたと承知をいたしております。
お尋ねのいわゆる百三万円の壁の認識につきましては、本人の収入が課税最低限である百三万円を超えると税負担が生ずるため当該本人が就業調整を行う誘因となること、大学生年代については給与収入が百三万円を超えると親の控除がなくなるために就業調整をすることがあることなどが指摘されていると承知をいたしております。
今般の所得税の見直しは、税負担を軽減する側面があるとともに、就業調整の指摘への一定の対応にもなっていると考えております。
所得税法等の一部を改正する法律案成立後の手取りにつきましてお尋ねをいただきました。
議員お尋ねのこの法案が成立した後の給与収入四百七十五万円と給与収入四百七十六万円の税引き後手取り額につきましては、単身者の場合、社会保険料の支払等に一定の前提を置いて試算をすれば、給与収入四百七十五万円の場合、三百七十二万四千百円程度、給与収入四百七十六万円の場合、三百七十二万二百円程度となります。
このように、一部で手取りの逆転が生ずることは事実でございますが、源泉徴収義務者の事務負担に配慮しつつ、各収入階層の間で減税額を平準化し、公平性の確保を図った結果として生ずるものであることを何とぞ御理解を賜りたいと考えております。
基礎控除等の引上げによる個人の減税額と政府の減収額についてのお尋ねでございます。
政府案と与党修正を合わせた減税額については、単身世帯の場合、二万円から四万円となり、対象となる全ての収入階層において二万円以上の減税額となります。国の減収額につきましては、政府案と与党修正を合わせ、所得税で総額一・二兆円程度の減収となるものと見込んでおります。
財政赤字拡大が引き起こすインフレの懸念についてのお尋ねをいただいております。
物価上昇は、マクロ的な需要と供給の関係や、家計や企業のインフレに対する予想等々、様々な要因によって生ずるものであり、財政赤字との関係のみを取り出して一概に申し上げることは困難でございますが、経済政策を進めるに当たっては、財政赤字の発散を防ぐ観点からも、真に必要で効果的な政策を積み上げていく姿勢が重要だと考えております。
引き続き、経済あっての財政との考え方の下、潜在成長率の引上げに重点を置いた政策運営を行うとともに、歳出歳入両面の改革を継続する中で財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
IMFからの指摘についてでございますが、これは財源確保の重要性を指摘したものと承知をいたしており、その必要性につきましては私といたしましても理解をいたしております。
令和七年度与党税制改正大綱におきましても、政府原案における物価調整分を超える恒久的な見直しが行われる場合の財政影響分につきましては、歳入歳出両面の取組により、必要な安定財源を追加的に確保するための措置を講ずるものとするとされたと承知をいたしております。
基礎控除の特例の創設に係る財源確保についてでございます。
与党修正による基礎控除の特例の創設については、税制改正法案の附則におきまして、「政府は、令和七年度末までに、歳入及び歳出における措置を通じた所得税の基礎控除の特例の実施に要する財源の確保について、前条の検討と併せて検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。」とされております。この附則や、先ほど申し上げました七年度与党税制改正大綱の記述、国会での御審議等を踏まえ、政府といたしましても検討いたしてまいります。
所得税の総合課税の適用者数についてのお尋ねをいただいております。
所得税の総合課税の適用者数に関しましては、一定の仮定の下、五千三百万人程度と見込まれます。そのうち、限界税率が五%となる納税者数は二千九百万人程度であり、全体の六割程度、一〇%となる納税者数は一千二百万人程度であり、全体の二割程度、三三%となる納税者数は九十万人程度であり、全体の二%程度、四〇%となる納税者数は三十万人程度であり、全体の一%程度、四五%となる納税者数は十万人程度であり、全体の〇・二%程度と、それぞれ見込まれます。
所得税の税率を引き上げた場合の所得税の増収額についてのお尋ねをいただいております。
御指摘のように、適用となる税率を一%引き上げた場合の増収額を一定の計算の下で機械的に試算いたしますと、五%の税率では七千六百億円程度、一〇%の税率では二千三百億円程度、四〇%の税率では四百十億円程度、四五%の税率では三百五十億円程度の増収額がそれぞれ見込まれます。
我が国の財政状況についてでございますが、我が国の財政は、債務残高対GDP比が世界最悪の水準にあるなど、厳しい状況にございます。そうした中で、一たび財政の持続可能性への信認が損なわれれば、金利の急上昇や過度なインフレが生じ、日本経済、社会に多大な影響を与える可能性は否定できず、国債の償還や利払いも含め、国民の皆様に多大な御負担をお願いすることにもなりかねないと考えております。
市場や国際社会における中長期的な財政の持続可能性への信認が失われることのないよう、経済あっての財政との考え方の下、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
以上でございます。拍手
─────────────
この発言だけを見る →今般の所得税法改正の趣旨についてのお尋ねを頂戴いたしております。
政府案におきまして、物価上昇局面における税負担の調整の観点から基礎控除の控除額及び給与所得控除の最低保障額の見直しとともに、就業調整対策の観点から大学生等の特定扶養控除の見直しをすることといたした上で、与党修正におきまして、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得に応じた基礎控除の上乗せを行うこととされたと承知をいたしております。
お尋ねのいわゆる百三万円の壁の認識につきましては、本人の収入が課税最低限である百三万円を超えると税負担が生ずるため当該本人が就業調整を行う誘因となること、大学生年代については給与収入が百三万円を超えると親の控除がなくなるために就業調整をすることがあることなどが指摘されていると承知をいたしております。
今般の所得税の見直しは、税負担を軽減する側面があるとともに、就業調整の指摘への一定の対応にもなっていると考えております。
所得税法等の一部を改正する法律案成立後の手取りにつきましてお尋ねをいただきました。
議員お尋ねのこの法案が成立した後の給与収入四百七十五万円と給与収入四百七十六万円の税引き後手取り額につきましては、単身者の場合、社会保険料の支払等に一定の前提を置いて試算をすれば、給与収入四百七十五万円の場合、三百七十二万四千百円程度、給与収入四百七十六万円の場合、三百七十二万二百円程度となります。
このように、一部で手取りの逆転が生ずることは事実でございますが、源泉徴収義務者の事務負担に配慮しつつ、各収入階層の間で減税額を平準化し、公平性の確保を図った結果として生ずるものであることを何とぞ御理解を賜りたいと考えております。
基礎控除等の引上げによる個人の減税額と政府の減収額についてのお尋ねでございます。
政府案と与党修正を合わせた減税額については、単身世帯の場合、二万円から四万円となり、対象となる全ての収入階層において二万円以上の減税額となります。国の減収額につきましては、政府案と与党修正を合わせ、所得税で総額一・二兆円程度の減収となるものと見込んでおります。
財政赤字拡大が引き起こすインフレの懸念についてのお尋ねをいただいております。
物価上昇は、マクロ的な需要と供給の関係や、家計や企業のインフレに対する予想等々、様々な要因によって生ずるものであり、財政赤字との関係のみを取り出して一概に申し上げることは困難でございますが、経済政策を進めるに当たっては、財政赤字の発散を防ぐ観点からも、真に必要で効果的な政策を積み上げていく姿勢が重要だと考えております。
引き続き、経済あっての財政との考え方の下、潜在成長率の引上げに重点を置いた政策運営を行うとともに、歳出歳入両面の改革を継続する中で財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
IMFからの指摘についてでございますが、これは財源確保の重要性を指摘したものと承知をいたしており、その必要性につきましては私といたしましても理解をいたしております。
令和七年度与党税制改正大綱におきましても、政府原案における物価調整分を超える恒久的な見直しが行われる場合の財政影響分につきましては、歳入歳出両面の取組により、必要な安定財源を追加的に確保するための措置を講ずるものとするとされたと承知をいたしております。
基礎控除の特例の創設に係る財源確保についてでございます。
与党修正による基礎控除の特例の創設については、税制改正法案の附則におきまして、「政府は、令和七年度末までに、歳入及び歳出における措置を通じた所得税の基礎控除の特例の実施に要する財源の確保について、前条の検討と併せて検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。」とされております。この附則や、先ほど申し上げました七年度与党税制改正大綱の記述、国会での御審議等を踏まえ、政府といたしましても検討いたしてまいります。
所得税の総合課税の適用者数についてのお尋ねをいただいております。
所得税の総合課税の適用者数に関しましては、一定の仮定の下、五千三百万人程度と見込まれます。そのうち、限界税率が五%となる納税者数は二千九百万人程度であり、全体の六割程度、一〇%となる納税者数は一千二百万人程度であり、全体の二割程度、三三%となる納税者数は九十万人程度であり、全体の二%程度、四〇%となる納税者数は三十万人程度であり、全体の一%程度、四五%となる納税者数は十万人程度であり、全体の〇・二%程度と、それぞれ見込まれます。
所得税の税率を引き上げた場合の所得税の増収額についてのお尋ねをいただいております。
御指摘のように、適用となる税率を一%引き上げた場合の増収額を一定の計算の下で機械的に試算いたしますと、五%の税率では七千六百億円程度、一〇%の税率では二千三百億円程度、四〇%の税率では四百十億円程度、四五%の税率では三百五十億円程度の増収額がそれぞれ見込まれます。
我が国の財政状況についてでございますが、我が国の財政は、債務残高対GDP比が世界最悪の水準にあるなど、厳しい状況にございます。そうした中で、一たび財政の持続可能性への信認が損なわれれば、金利の急上昇や過度なインフレが生じ、日本経済、社会に多大な影響を与える可能性は否定できず、国債の償還や利払いも含め、国民の皆様に多大な御負担をお願いすることにもなりかねないと考えております。
市場や国際社会における中長期的な財政の持続可能性への信認が失われることのないよう、経済あっての財政との考え方の下、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
以上でございます。拍手
─────────────
関
堂
堂込麻紀子#15
○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。
会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について、石破総理及び加藤財務大臣に対し質疑を行います。
初めに、昨日三月十一日、東日本大震災から十四年、そして重なる岩手県大船渡市の大規模山林火災、また、昨年は能登半島の大規模災害、心より、お亡くなりになられた皆様へ衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、被災に遭われた皆様へお見舞いを申し上げます。
茨城県の働く者の代表として、生活者の代表としても、皆様の復興を何より衷心、私も進めていけるように取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、我が国経済は、二〇二四年の名目GDPの実額が六百兆円を超えるなど、一見好調に見えます。しかしながら、終わりの見えない物価高など、日々の国民生活は厳しさを増すばかりです。国民が日本経済の成長、真に経済の好循環を実感するには、何より手取りを増やす対策、この先も継続的に収入が増えていく将来を見据えることができるかが重要と考えます。そのような視点から、以下、所得税法等改正案について伺います。
まず、基礎控除等の見直しについてです。
今般、約三十年ぶりに百三万円の壁が動くこととなりました。しかし、先日、衆議院で可決された修正案では、政府案をベースにしつつ、年収を四段階に分け、段階に応じた金額を基礎控除に上乗せするとされています。加えて、恒久的な措置と令和七年、八年限りの時限措置とが混在しており、大変複雑な制度となっております。
基礎控除には生計費の観点が含まれていることを政府も国会答弁において認めています。生きていく上での一定の生活費が加味される基礎控除の意義を踏まえると、修正案のように、細切れに年収別の基礎控除額を設定することは適切とは言い難いのではないでしょうか。総理の認識を伺います。
年収制限があることで減税額が抑えられるばかりか、複雑化したことで源泉徴収義務者や国税当局の負担も増します。政府は、社会保険料に係る年収の壁対策を推進しているにもかかわらず、新たに複数の壁を出現させ、一体何のための見直しなのか、全く理解できません。
総理の思い切った御決断さえあれば、このような誰もが納得しないような結果には至らなかったと思います。将来に禍根を残しかねない、複雑過ぎる税制を生み出してしまったその責任をお感じになりませんか。総理の認識をお伺いします。
次に、ガソリンに係るいわゆる暫定税率についてです。
ガソリンなど揮発油等には、昭和四十九年以来、租税特別措置により本則税率よりも高い暫定税率が適用されています。道路特定財源が一般財源化された後も当分の間税率として名前を変えて継続されてきました。そもそも暫定であるにもかかわらず、五十年間見直しが行われなかった理由について、政府はどのように認識されていますか。財務大臣、答弁を求めます。
昨年十二月に自民党、公明党と国民民主党の幹事長間でガソリン税の暫定税率の廃止について合意がなされたものの、協議はその後進んでおりません。立憲民主党と国民民主党は共同で、衆議院においてガソリン税の暫定税率を今年四月から廃止することを明示した修正案を提出しましたが、与党などの反対で否決をされました。そのため、今も廃止時期のめどが立っておりません。
総理は、政党間協議に任せているため、それを飛び越えて廃止時期などを明示することはできないとされておりますが、与党幹部や政府に対して具体的な指示は出されているのでしょうか。
既存の制度を廃止するには様々な検討すべき論点があることも確かで、やみくもな議論では前に進みません。この際、総理自ら先頭に立ち、関連する論点や課題を整理し、議論を進めるための指標となる具体的な工程を示されてはいかがでしょうか。総理の見解を伺います。
そのほかにも、現在の社会経済情勢に合わせて見直すべき税制があります。
例えば、単身赴任手当は、現行制度では給与所得として扱われます。自宅往復の飛行機代や新幹線代の実費弁償であっても課税対象となり、実質的に手取りが減少します。単身赴任手当は非課税とするべきと考えますが、財務大臣の答弁を求めます。
また、これほど物価が上昇している中で、食事の現物支給の非課税限度額は、昭和五十九年以来据え置かれています。政府は公平性の観点から見直しには消極的な態度を示しておりますが、インフレ対応として引上げを行うのは当然であり、それにより公平性が損なわれることはないはずです。
通勤手当の非課税限度額も、特に自動車等の交通用具を用いる場合には、ガソリン価格の上昇等のインフレの影響を受けている側面があります。食事の現物支給及び通勤手当の非課税限度額の見直しの必要性について財務大臣の見解を伺います。
令和六年度税制改正で実施された定額減税について伺います。
政府は、賃金上昇が物価高に追い付くまでの間、国民の可処分所得を下支えし、経済の好循環を実現するための措置であると説明してきました。しかし、実質賃金は一時的にプラスになる月はあるものの安定してはおらず、残念ながら、政府が定額減税の目的として掲げていた物価上昇を上回る賃金上昇の定着には至っておりません。また、消費の下支え効果も限定的であったと考えますが、定額減税には効果があったと言えるのでしょうか。現時点での総理の認識を伺います。
効果を疑問視する声以外にも、手法の妥当性、定額減税と給付金の二重取りの問題、源泉徴収義務者や地方自治体の事務負担など多くの懸念点が指摘をされました。一回限りの定額減税という手段が果たして費用対効果に見合ったものであったのか、はっきりさせる必要があります。総理は、定額減税の効果検証について、令和六年分の税務統計がまとまる来年度末以降、速やかにその分析を開始し、結果を公表したいと答弁されました。
経済効果のみならず、定額減税の実施と給付金の支給に係る源泉徴収義務者や地方自治体の事務負担等についても丁寧な検証が必要かと考えますが、その点も踏まえた分析、検証を行う予定でしょうか。総理に伺います。
地域経済を支え、雇用の七割を占める中小企業は重要な存在です。今般の税制改正でも、中小企業者等の法人税の軽減税率の延長や、中小企業経営強化税制の拡充などが行われることとされておりますが、特に重視すべきは中小企業の継続的な賃上げの実現です。
二〇二四年春闘では、全体の賃上げ率が三十三年ぶりに五%を超えたものの、中小企業の賃上げ率は四・四五%にとどまりました。体力のある大企業は毎年のように賃上げを行うことができますが、人手不足、また物価高に苦しむ中小企業にとっては厳しい状況が続いております。賃上げ疲れが見られるのも正直なところです。
昨今の中小企業を取り巻く厳しい環境の認識も踏まえ、中小企業の継続的な賃上げを実現するためにどのように取り組んでいくおつもりか、総理に伺います。
従来の賃上げ促進税制は法人税の支払がある黒字の企業が対象でしたが、令和六年度税制改正において、中小企業については五年間の繰越控除制度が創設をされました。赤字の中小企業にも配慮した制度としては評価できる部分もございますが、五年以上赤字が続く企業については依然として活用が難しく、課題もあります。今般の適用実態をしっかりと分析し、中小企業にとってより良い制度としていただきたいと思いますが、財務大臣の見解を伺います。
最後に、日本経済の持続的な成長と手取りを増やし、国民生活の安定に向けたふさわしい税制の在り方をやめることなく議論していくことを申し上げ、私の質疑といたします。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について、石破総理及び加藤財務大臣に対し質疑を行います。
初めに、昨日三月十一日、東日本大震災から十四年、そして重なる岩手県大船渡市の大規模山林火災、また、昨年は能登半島の大規模災害、心より、お亡くなりになられた皆様へ衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、被災に遭われた皆様へお見舞いを申し上げます。
茨城県の働く者の代表として、生活者の代表としても、皆様の復興を何より衷心、私も進めていけるように取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、我が国経済は、二〇二四年の名目GDPの実額が六百兆円を超えるなど、一見好調に見えます。しかしながら、終わりの見えない物価高など、日々の国民生活は厳しさを増すばかりです。国民が日本経済の成長、真に経済の好循環を実感するには、何より手取りを増やす対策、この先も継続的に収入が増えていく将来を見据えることができるかが重要と考えます。そのような視点から、以下、所得税法等改正案について伺います。
まず、基礎控除等の見直しについてです。
今般、約三十年ぶりに百三万円の壁が動くこととなりました。しかし、先日、衆議院で可決された修正案では、政府案をベースにしつつ、年収を四段階に分け、段階に応じた金額を基礎控除に上乗せするとされています。加えて、恒久的な措置と令和七年、八年限りの時限措置とが混在しており、大変複雑な制度となっております。
基礎控除には生計費の観点が含まれていることを政府も国会答弁において認めています。生きていく上での一定の生活費が加味される基礎控除の意義を踏まえると、修正案のように、細切れに年収別の基礎控除額を設定することは適切とは言い難いのではないでしょうか。総理の認識を伺います。
年収制限があることで減税額が抑えられるばかりか、複雑化したことで源泉徴収義務者や国税当局の負担も増します。政府は、社会保険料に係る年収の壁対策を推進しているにもかかわらず、新たに複数の壁を出現させ、一体何のための見直しなのか、全く理解できません。
総理の思い切った御決断さえあれば、このような誰もが納得しないような結果には至らなかったと思います。将来に禍根を残しかねない、複雑過ぎる税制を生み出してしまったその責任をお感じになりませんか。総理の認識をお伺いします。
次に、ガソリンに係るいわゆる暫定税率についてです。
ガソリンなど揮発油等には、昭和四十九年以来、租税特別措置により本則税率よりも高い暫定税率が適用されています。道路特定財源が一般財源化された後も当分の間税率として名前を変えて継続されてきました。そもそも暫定であるにもかかわらず、五十年間見直しが行われなかった理由について、政府はどのように認識されていますか。財務大臣、答弁を求めます。
昨年十二月に自民党、公明党と国民民主党の幹事長間でガソリン税の暫定税率の廃止について合意がなされたものの、協議はその後進んでおりません。立憲民主党と国民民主党は共同で、衆議院においてガソリン税の暫定税率を今年四月から廃止することを明示した修正案を提出しましたが、与党などの反対で否決をされました。そのため、今も廃止時期のめどが立っておりません。
総理は、政党間協議に任せているため、それを飛び越えて廃止時期などを明示することはできないとされておりますが、与党幹部や政府に対して具体的な指示は出されているのでしょうか。
既存の制度を廃止するには様々な検討すべき論点があることも確かで、やみくもな議論では前に進みません。この際、総理自ら先頭に立ち、関連する論点や課題を整理し、議論を進めるための指標となる具体的な工程を示されてはいかがでしょうか。総理の見解を伺います。
そのほかにも、現在の社会経済情勢に合わせて見直すべき税制があります。
例えば、単身赴任手当は、現行制度では給与所得として扱われます。自宅往復の飛行機代や新幹線代の実費弁償であっても課税対象となり、実質的に手取りが減少します。単身赴任手当は非課税とするべきと考えますが、財務大臣の答弁を求めます。
また、これほど物価が上昇している中で、食事の現物支給の非課税限度額は、昭和五十九年以来据え置かれています。政府は公平性の観点から見直しには消極的な態度を示しておりますが、インフレ対応として引上げを行うのは当然であり、それにより公平性が損なわれることはないはずです。
通勤手当の非課税限度額も、特に自動車等の交通用具を用いる場合には、ガソリン価格の上昇等のインフレの影響を受けている側面があります。食事の現物支給及び通勤手当の非課税限度額の見直しの必要性について財務大臣の見解を伺います。
令和六年度税制改正で実施された定額減税について伺います。
政府は、賃金上昇が物価高に追い付くまでの間、国民の可処分所得を下支えし、経済の好循環を実現するための措置であると説明してきました。しかし、実質賃金は一時的にプラスになる月はあるものの安定してはおらず、残念ながら、政府が定額減税の目的として掲げていた物価上昇を上回る賃金上昇の定着には至っておりません。また、消費の下支え効果も限定的であったと考えますが、定額減税には効果があったと言えるのでしょうか。現時点での総理の認識を伺います。
効果を疑問視する声以外にも、手法の妥当性、定額減税と給付金の二重取りの問題、源泉徴収義務者や地方自治体の事務負担など多くの懸念点が指摘をされました。一回限りの定額減税という手段が果たして費用対効果に見合ったものであったのか、はっきりさせる必要があります。総理は、定額減税の効果検証について、令和六年分の税務統計がまとまる来年度末以降、速やかにその分析を開始し、結果を公表したいと答弁されました。
経済効果のみならず、定額減税の実施と給付金の支給に係る源泉徴収義務者や地方自治体の事務負担等についても丁寧な検証が必要かと考えますが、その点も踏まえた分析、検証を行う予定でしょうか。総理に伺います。
地域経済を支え、雇用の七割を占める中小企業は重要な存在です。今般の税制改正でも、中小企業者等の法人税の軽減税率の延長や、中小企業経営強化税制の拡充などが行われることとされておりますが、特に重視すべきは中小企業の継続的な賃上げの実現です。
二〇二四年春闘では、全体の賃上げ率が三十三年ぶりに五%を超えたものの、中小企業の賃上げ率は四・四五%にとどまりました。体力のある大企業は毎年のように賃上げを行うことができますが、人手不足、また物価高に苦しむ中小企業にとっては厳しい状況が続いております。賃上げ疲れが見られるのも正直なところです。
昨今の中小企業を取り巻く厳しい環境の認識も踏まえ、中小企業の継続的な賃上げを実現するためにどのように取り組んでいくおつもりか、総理に伺います。
従来の賃上げ促進税制は法人税の支払がある黒字の企業が対象でしたが、令和六年度税制改正において、中小企業については五年間の繰越控除制度が創設をされました。赤字の中小企業にも配慮した制度としては評価できる部分もございますが、五年以上赤字が続く企業については依然として活用が難しく、課題もあります。今般の適用実態をしっかりと分析し、中小企業にとってより良い制度としていただきたいと思いますが、財務大臣の見解を伺います。
最後に、日本経済の持続的な成長と手取りを増やし、国民生活の安定に向けたふさわしい税制の在り方をやめることなく議論していくことを申し上げ、私の質疑といたします。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
石
石破茂#16
○内閣総理大臣(石破茂君) 堂込麻紀子議員の御質問にお答えをいたします。
基礎控除等の見直し及び源泉徴収義務者の負担についてのお尋ねをいただいております。
基礎控除等の見直しに関する与党修正は、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得に応じた基礎控除の上乗せを行い、それぞれの収入階層で減税額を平準化することにより公平性の確保を図るためのものであると、このように承知をいたしております。
源泉徴収義務者の事務に与える影響への配慮として、今般の修正では、給与に係る源泉徴収に対して年末調整時のみの対応とすることとしていると承知をいたしております。
いわゆるガソリンの暫定税率についてでございます。
その廃止につきましては、昨年十二月の自民、公明、国民民主の三党幹事長間合意に基づき、その具体的な実施方法等について引き続き協議を行っていくことといたしており、そうした方針の下で真摯に議論を積み重ねていくことが重要であると考えております。
御指摘のとおり、様々な論点や課題は整理されております。受益者負担、原因者負担の考え方を踏まえたインフラ整備、維持管理等の負担の在り方、国、地方を合わせて約一・五兆円の恒久的な税収減に対応するための安定的な財源の確保、現在の税収を前提に来年度の予算編成や議会審議を行っている各自治体への影響などの点を一つ一つ解決する必要がございます。
引き続き、幹事長間合意を踏まえ、諸課題の解決策や具体的な実施方法などについて関係者間で真摯な議論が行われていくものと考えております。
定額減税の効果検証等についてでございますが、三十三年ぶりの高水準となった春闘賃上げの効果や堅調なボーナスにも下支えされ、定額減税の実施以外の要因で家計の可処分所得が増加をしていることや、定額減税はまだ実施中であることから、現段階で定額減税の効果のみを取り出して確定的なことを申し上げることは困難でございます。
定額減税の効果や、源泉徴収義務者の皆様や地方自治体の事務負担について検証、分析を行うことは重要であると考えており、令和六年分の税務統計がまとまる来年度末以降、速やかにその検証、分析を行い、結果を公表することといたします。
中小企業の賃上げについてでございますが、多くの中小企業に利益を上げていただき、物価上昇に負けない賃上げを実現していくためには、取引の上流から下流までの適切な価格転嫁や、生産性向上を実現することが極めて重要であります。
このため、協議に応じない一方的な価格決定の禁止などを盛り込んだ下請法改正法案を国会に提出いたしました。さらに、各業種の実態に即した省力化投資の促進、人材、経営基盤を強化する事業承継やMアンドAの後押しなど、日本全体で賃金が上がっていく環境をつくり出してまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →基礎控除等の見直し及び源泉徴収義務者の負担についてのお尋ねをいただいております。
基礎控除等の見直しに関する与党修正は、低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得に応じた基礎控除の上乗せを行い、それぞれの収入階層で減税額を平準化することにより公平性の確保を図るためのものであると、このように承知をいたしております。
源泉徴収義務者の事務に与える影響への配慮として、今般の修正では、給与に係る源泉徴収に対して年末調整時のみの対応とすることとしていると承知をいたしております。
いわゆるガソリンの暫定税率についてでございます。
その廃止につきましては、昨年十二月の自民、公明、国民民主の三党幹事長間合意に基づき、その具体的な実施方法等について引き続き協議を行っていくことといたしており、そうした方針の下で真摯に議論を積み重ねていくことが重要であると考えております。
御指摘のとおり、様々な論点や課題は整理されております。受益者負担、原因者負担の考え方を踏まえたインフラ整備、維持管理等の負担の在り方、国、地方を合わせて約一・五兆円の恒久的な税収減に対応するための安定的な財源の確保、現在の税収を前提に来年度の予算編成や議会審議を行っている各自治体への影響などの点を一つ一つ解決する必要がございます。
引き続き、幹事長間合意を踏まえ、諸課題の解決策や具体的な実施方法などについて関係者間で真摯な議論が行われていくものと考えております。
定額減税の効果検証等についてでございますが、三十三年ぶりの高水準となった春闘賃上げの効果や堅調なボーナスにも下支えされ、定額減税の実施以外の要因で家計の可処分所得が増加をしていることや、定額減税はまだ実施中であることから、現段階で定額減税の効果のみを取り出して確定的なことを申し上げることは困難でございます。
定額減税の効果や、源泉徴収義務者の皆様や地方自治体の事務負担について検証、分析を行うことは重要であると考えており、令和六年分の税務統計がまとまる来年度末以降、速やかにその検証、分析を行い、結果を公表することといたします。
中小企業の賃上げについてでございますが、多くの中小企業に利益を上げていただき、物価上昇に負けない賃上げを実現していくためには、取引の上流から下流までの適切な価格転嫁や、生産性向上を実現することが極めて重要であります。
このため、協議に応じない一方的な価格決定の禁止などを盛り込んだ下請法改正法案を国会に提出いたしました。さらに、各業種の実態に即した省力化投資の促進、人材、経営基盤を強化する事業承継やMアンドAの後押しなど、日本全体で賃金が上がっていく環境をつくり出してまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
加
加藤勝信#17
○国務大臣(加藤勝信君) 堂込議員からガソリンの暫定税率についてお尋ねがありました。
いわゆるガソリンの暫定税率は、道路財源の充実などの観点から、昭和四十九年に二年間の措置として本則よりも高い税率として設定されたものであり、それ以降、道路整備計画も踏まえ、期限を迎えるごとに、税率引上げを伴う場合を含め延長する措置がとられてきたところであります。
その後、平成二十一年度に一般財源化された後、民主党政権下の平成二十二年度税制改正において、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情などを踏まえ、期限のない当分の間税率として税率水準を維持することが決定され、その後、現在に至っているところであります。
次に、単身赴任手当の非課税化についてお尋ねがありました。
単身赴任手当とは、単身赴任に伴って企業から定期的に給付される手当と承知しておりますが、委員御指摘のとおり、給与所得として課税されることとなっております。これは、非課税である転勤旅費や出張旅費、通勤手当とは異なり、職務の遂行に直接必要な経費とは言えないこと、配偶者手当や扶養手当などと同様に追加的な手当の性格のものであり、給与の性格を有するものであること、通勤手当のように幅広く支給されているものではなく、あくまで単身赴任者のみに支払われるものであるため、公平性の確保という点で課題があることなどを踏まえたものでございます。
以上の点を踏まえますと、単身赴任手当を非課税とすることについては慎重に判断すべきものと考えております。
次に、食事の現物支給と通勤手当の非課税限度額についてお尋ねがありました。
企業から従業員に対して経済的な利益が与えられたときには、原則給与所得として課税対象となります。そうした原則の下、従業員に対して支給される食事、まさにこの食事の現物支給については、福利厚生的な性格があるとともに、少額なものは課税しないという観点から、企業の負担額が月額三千五百円以下など、一定の要件の下で非課税とする取扱いがなされていると承知しております。
この非課税限度額については、議員の御指摘の物価動向だけではなくて、金銭で食事手当が支給され、給与課税されている方もいらっしゃること、職員、社員食堂のある企業が大企業を中心とした一部に限られていることなど、非課税の適用を受ける機会がない方々との公平性にも留意しつつ、対応の必要性について検討する必要があると考えております。
また、自動車等の交通用具を用いる場合の通勤手当については、客観的な指標として、人事院勧告の前提となる民間企業の通勤手当の支給実態に関する調査の結果などを踏まえ、非課税限度額を定めてまいりましたが、昨年末の令和七年度与党税制改正大綱において、エネルギー価格が上昇する中、人事院による新たな調査が行われる際には、その結果に基づき、通勤手当の非課税限度額について、迅速に見直しを行うとされたところであります。
政府としても、人事院による民間企業の通勤手当の支給実態に関する新たな調査の結果が明らかになり、自動車通勤手当の支給限度額引上げが決定されれば、与党と連携しつつ、迅速に対応することとしたいと考えております。
次に、賃上げ促進税制についてお尋ねがありました。
令和六年度税制改正においては、これまで賃上げ促進税制を活用できなかった赤字の中小企業に対しても賃上げを後押しする観点から、中小企業向けに五年間の繰越控除制度を創設するなどの強化を図っております。
その上で、今後の賃上げ促進税制の在り方については、令和六年度税制改正後の中小企業における活用状況なども踏まえながら、検討してまいります。拍手
─────────────
この発言だけを見る →いわゆるガソリンの暫定税率は、道路財源の充実などの観点から、昭和四十九年に二年間の措置として本則よりも高い税率として設定されたものであり、それ以降、道路整備計画も踏まえ、期限を迎えるごとに、税率引上げを伴う場合を含め延長する措置がとられてきたところであります。
その後、平成二十一年度に一般財源化された後、民主党政権下の平成二十二年度税制改正において、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情などを踏まえ、期限のない当分の間税率として税率水準を維持することが決定され、その後、現在に至っているところであります。
次に、単身赴任手当の非課税化についてお尋ねがありました。
単身赴任手当とは、単身赴任に伴って企業から定期的に給付される手当と承知しておりますが、委員御指摘のとおり、給与所得として課税されることとなっております。これは、非課税である転勤旅費や出張旅費、通勤手当とは異なり、職務の遂行に直接必要な経費とは言えないこと、配偶者手当や扶養手当などと同様に追加的な手当の性格のものであり、給与の性格を有するものであること、通勤手当のように幅広く支給されているものではなく、あくまで単身赴任者のみに支払われるものであるため、公平性の確保という点で課題があることなどを踏まえたものでございます。
以上の点を踏まえますと、単身赴任手当を非課税とすることについては慎重に判断すべきものと考えております。
次に、食事の現物支給と通勤手当の非課税限度額についてお尋ねがありました。
企業から従業員に対して経済的な利益が与えられたときには、原則給与所得として課税対象となります。そうした原則の下、従業員に対して支給される食事、まさにこの食事の現物支給については、福利厚生的な性格があるとともに、少額なものは課税しないという観点から、企業の負担額が月額三千五百円以下など、一定の要件の下で非課税とする取扱いがなされていると承知しております。
この非課税限度額については、議員の御指摘の物価動向だけではなくて、金銭で食事手当が支給され、給与課税されている方もいらっしゃること、職員、社員食堂のある企業が大企業を中心とした一部に限られていることなど、非課税の適用を受ける機会がない方々との公平性にも留意しつつ、対応の必要性について検討する必要があると考えております。
また、自動車等の交通用具を用いる場合の通勤手当については、客観的な指標として、人事院勧告の前提となる民間企業の通勤手当の支給実態に関する調査の結果などを踏まえ、非課税限度額を定めてまいりましたが、昨年末の令和七年度与党税制改正大綱において、エネルギー価格が上昇する中、人事院による新たな調査が行われる際には、その結果に基づき、通勤手当の非課税限度額について、迅速に見直しを行うとされたところであります。
政府としても、人事院による民間企業の通勤手当の支給実態に関する新たな調査の結果が明らかになり、自動車通勤手当の支給限度額引上げが決定されれば、与党と連携しつつ、迅速に対応することとしたいと考えております。
次に、賃上げ促進税制についてお尋ねがありました。
令和六年度税制改正においては、これまで賃上げ促進税制を活用できなかった赤字の中小企業に対しても賃上げを後押しする観点から、中小企業向けに五年間の繰越控除制度を創設するなどの強化を図っております。
その上で、今後の賃上げ促進税制の在り方については、令和六年度税制改正後の中小企業における活用状況なども踏まえながら、検討してまいります。拍手
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関
大
大門実紀史#19
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
所得税法等改正案に関連して質問します。
政府、財務省とは、長い間、税制について議論をしてきましたが、税に対する考え方がだんだんゆがんできていると思います。財務省のホームページに税とは何かという解説があり、次のように書かれています、私たちが納めた税金は、年金、医療、福祉、教育など、社会での助け合いのための活動に使われています。そのために必要なたくさんのお金をみんなで出し合って負担するのが税金です、つまり、税金は、みんなで社会を支えるための会費と言えるでしょう。言えないと思います。
加藤財務大臣にお聞きします。
そもそも社会保障や教育は助け合い活動ですか。社会保障や教育は、憲法に基づいて国民に保障された権利であり、それを実行するのは政府の責任ではありませんか。
更に言えば、税金は会費ですか。普通、会費というのはサービスに応じて支払うもので、応益負担が原則です。一方、税金は負担能力に応じて負担する応能負担が原則のはずです。財務省の税に対する考えは、応能負担ではなく、社会保障や公共サービスを受ける者はその受益に応じて税を払うべきという応益負担、受益者負担論に変質してきているのではありませんか。加藤大臣の答弁を求めます。
また、この間の石破総理の税制に関する答弁も、受益と負担の関係ばかりに言及され、特に応益負担を強調されています。総理も、税は応能負担より応益負担を重視すべきとお考えですか。答弁を求めます。
近代民主国家における課税の原則は応能負担です。税の応能負担と社会保障給付を通じて所得の再分配を図り、国民の所得格差を是正し、中間層を分厚くすることで、社会の安定と経済の成長を図ろうという考え方が大本にあるからです。
しかし、八〇年代のイギリスのサッチャー政権、アメリカのレーガン政権以降、大企業や富裕層、投資家の利益を最大化することを目的とした新自由主義が世界に広がり、各国で所得税の最高税率の引下げや大企業向けの法人税減税が進められました。
一方、その穴埋めをするために、国民に広く税負担を求める庶民増税が行われました。このとき、国民負担増を正当化するために登場したのが応益負担論でした。税は受益者が負担すべきという理屈が振りまかれたのです。
歴史的文脈から見れば、応益負担、受益者負担論は国民の負担増を正当化し、所得の再分配をサボタージュするイデオロギーとして出されてきたものではありませんか。総理の認識を伺います。
このことは私の実感とも一致します。私が最初に国会で税の議論をさせていただいた財務大臣は宮澤喜一さんでした。知性と見識のある方で、「社会正義のために」という当時野党からも賛同された提言において格差是正を説かれ、所得再分配の重要性について新人議員の私が教えていただくことも多々ありました。
ところが、小泉政権で竹中平蔵氏が経済担当の大臣に起用された辺りからおかしくなりました。何でも自己責任の新自由主義がはびこるようになり、所得の再分配より応益負担、受益者負担論がまかり通るようになったのです。
しかし、受益者負担ばかり追求していけば、つまるところ、所得の低い人から税を取って所得の低い人に給付することになってしまいます。所得再分配機能の否定です。これでは格差は是正されず、経済も停滞してしまいます。
石破総理は、予算委員会での私の質問に対し、格差を是正しないと経済も発展しないとお答えになりました。ならば、税の応能負担原則をおろそかにするのではなく、むしろ強化して、税金はもうかっている大企業や富裕層に応分の負担を求めるべきではありませんか。
総理は、応能負担と応益負担のバランスが大事だとお答えになるかもしれません。あるいは、少子高齢化社会へ向けて世代間の負担の公平を図る必要があるとお答えになるかもしれません。しかし、どんな社会になろうと、税における公平性とは負担能力における公平性のことです。世代間の公平などと言って現役世代と高齢者の分断を図り、社会保障全体を削減しようとしている国は日本だけです。
税の応益負担に固執していることが格差の是正も妨げています。例えば、課税最低限の問題です。
課税最低限は、一九九五年以来、三十年間も据え置かれてきました。加藤大臣は、据え置いてきた理由を物価上昇率が低かったからだと説明されました。しかし、そもそも日本の課税最低限は、夫婦子供二人の場合、二百八十五万円で、ドイツの四百八十四万円、アメリカの八百九十二万円などに比べて余りにも低過ぎます。物価云々の前に、なぜ欧米に比べて低過ぎる課税最低限を引き上げようとしてこなかったのか、加藤大臣、お答えください。
石破総理は、課税最低限について、生計費だけでなく、個人所得税を通じて公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性などを踏まえる必要があると本会議で答弁されました。つまり、公的サービスを受けているのだから、所得の少ない人も含め広く国民が税を負担する必要があるというお考えでしょうか。お答えください。
課税最低限の議論にこういう応益負担論を持ち込むと、税金はできるだけ広く国民から取ればいいということになり、課税限度額を引き上げる理由はなくなってしまいます。余計な理屈を付けず、欧米各国のように、生計費非課税の原則だけに基づき、課税最低限を大幅に引き上げるべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
受益と負担の公平と言うなら、アベノミクスのおかげで株で大もうけさせてもらった富裕層の受益に対し、もっと負担を求めるべきです。日本より株取引の活発なアメリカでは、高い金融所得には重い税金を掛けています。投資にブレーキを掛けるという総理の御指摘は当たりません。直ちに一億円の壁の是正を決断すべきです。総理の答弁を求めます。
消費税も元々、大企業・富裕層減税の代替財源として直間比率見直しのために導入されました。社会保障の財源は、逆進性のある消費税ではなく、応能負担の税制改革で賄うべきです。消費税は直ちに五%へ減税するよう求めます。
給付における受益者負担の最も冷酷な例が、今大問題になっている高額療養費の負担額の引上げです。このことを政府に建議した財政審は、引上げの理由に給付と負担の適正化、受益者負担の適正化を挙げました。しかし、人間の命を見捨てて何の適正化でしょうか。物価高騰で生活が圧迫される中、がん患者の皆さんは、負担の引上げどころか、引下げを求めておられます。患者団体の皆さんを見直しの協議の場に参加していただくとともに、負担上限額の引上げを全面撤回し、むしろ引き下げることを強く求めます。
この点について総理のお考えを最後にお聞きして、質問を終わります。ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →所得税法等改正案に関連して質問します。
政府、財務省とは、長い間、税制について議論をしてきましたが、税に対する考え方がだんだんゆがんできていると思います。財務省のホームページに税とは何かという解説があり、次のように書かれています、私たちが納めた税金は、年金、医療、福祉、教育など、社会での助け合いのための活動に使われています。そのために必要なたくさんのお金をみんなで出し合って負担するのが税金です、つまり、税金は、みんなで社会を支えるための会費と言えるでしょう。言えないと思います。
加藤財務大臣にお聞きします。
そもそも社会保障や教育は助け合い活動ですか。社会保障や教育は、憲法に基づいて国民に保障された権利であり、それを実行するのは政府の責任ではありませんか。
更に言えば、税金は会費ですか。普通、会費というのはサービスに応じて支払うもので、応益負担が原則です。一方、税金は負担能力に応じて負担する応能負担が原則のはずです。財務省の税に対する考えは、応能負担ではなく、社会保障や公共サービスを受ける者はその受益に応じて税を払うべきという応益負担、受益者負担論に変質してきているのではありませんか。加藤大臣の答弁を求めます。
また、この間の石破総理の税制に関する答弁も、受益と負担の関係ばかりに言及され、特に応益負担を強調されています。総理も、税は応能負担より応益負担を重視すべきとお考えですか。答弁を求めます。
近代民主国家における課税の原則は応能負担です。税の応能負担と社会保障給付を通じて所得の再分配を図り、国民の所得格差を是正し、中間層を分厚くすることで、社会の安定と経済の成長を図ろうという考え方が大本にあるからです。
しかし、八〇年代のイギリスのサッチャー政権、アメリカのレーガン政権以降、大企業や富裕層、投資家の利益を最大化することを目的とした新自由主義が世界に広がり、各国で所得税の最高税率の引下げや大企業向けの法人税減税が進められました。
一方、その穴埋めをするために、国民に広く税負担を求める庶民増税が行われました。このとき、国民負担増を正当化するために登場したのが応益負担論でした。税は受益者が負担すべきという理屈が振りまかれたのです。
歴史的文脈から見れば、応益負担、受益者負担論は国民の負担増を正当化し、所得の再分配をサボタージュするイデオロギーとして出されてきたものではありませんか。総理の認識を伺います。
このことは私の実感とも一致します。私が最初に国会で税の議論をさせていただいた財務大臣は宮澤喜一さんでした。知性と見識のある方で、「社会正義のために」という当時野党からも賛同された提言において格差是正を説かれ、所得再分配の重要性について新人議員の私が教えていただくことも多々ありました。
ところが、小泉政権で竹中平蔵氏が経済担当の大臣に起用された辺りからおかしくなりました。何でも自己責任の新自由主義がはびこるようになり、所得の再分配より応益負担、受益者負担論がまかり通るようになったのです。
しかし、受益者負担ばかり追求していけば、つまるところ、所得の低い人から税を取って所得の低い人に給付することになってしまいます。所得再分配機能の否定です。これでは格差は是正されず、経済も停滞してしまいます。
石破総理は、予算委員会での私の質問に対し、格差を是正しないと経済も発展しないとお答えになりました。ならば、税の応能負担原則をおろそかにするのではなく、むしろ強化して、税金はもうかっている大企業や富裕層に応分の負担を求めるべきではありませんか。
総理は、応能負担と応益負担のバランスが大事だとお答えになるかもしれません。あるいは、少子高齢化社会へ向けて世代間の負担の公平を図る必要があるとお答えになるかもしれません。しかし、どんな社会になろうと、税における公平性とは負担能力における公平性のことです。世代間の公平などと言って現役世代と高齢者の分断を図り、社会保障全体を削減しようとしている国は日本だけです。
税の応益負担に固執していることが格差の是正も妨げています。例えば、課税最低限の問題です。
課税最低限は、一九九五年以来、三十年間も据え置かれてきました。加藤大臣は、据え置いてきた理由を物価上昇率が低かったからだと説明されました。しかし、そもそも日本の課税最低限は、夫婦子供二人の場合、二百八十五万円で、ドイツの四百八十四万円、アメリカの八百九十二万円などに比べて余りにも低過ぎます。物価云々の前に、なぜ欧米に比べて低過ぎる課税最低限を引き上げようとしてこなかったのか、加藤大臣、お答えください。
石破総理は、課税最低限について、生計費だけでなく、個人所得税を通じて公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性などを踏まえる必要があると本会議で答弁されました。つまり、公的サービスを受けているのだから、所得の少ない人も含め広く国民が税を負担する必要があるというお考えでしょうか。お答えください。
課税最低限の議論にこういう応益負担論を持ち込むと、税金はできるだけ広く国民から取ればいいということになり、課税限度額を引き上げる理由はなくなってしまいます。余計な理屈を付けず、欧米各国のように、生計費非課税の原則だけに基づき、課税最低限を大幅に引き上げるべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
受益と負担の公平と言うなら、アベノミクスのおかげで株で大もうけさせてもらった富裕層の受益に対し、もっと負担を求めるべきです。日本より株取引の活発なアメリカでは、高い金融所得には重い税金を掛けています。投資にブレーキを掛けるという総理の御指摘は当たりません。直ちに一億円の壁の是正を決断すべきです。総理の答弁を求めます。
消費税も元々、大企業・富裕層減税の代替財源として直間比率見直しのために導入されました。社会保障の財源は、逆進性のある消費税ではなく、応能負担の税制改革で賄うべきです。消費税は直ちに五%へ減税するよう求めます。
給付における受益者負担の最も冷酷な例が、今大問題になっている高額療養費の負担額の引上げです。このことを政府に建議した財政審は、引上げの理由に給付と負担の適正化、受益者負担の適正化を挙げました。しかし、人間の命を見捨てて何の適正化でしょうか。物価高騰で生活が圧迫される中、がん患者の皆さんは、負担の引上げどころか、引下げを求めておられます。患者団体の皆さんを見直しの協議の場に参加していただくとともに、負担上限額の引上げを全面撤回し、むしろ引き下げることを強く求めます。
この点について総理のお考えを最後にお聞きして、質問を終わります。ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
石
石破茂#20
○内閣総理大臣(石破茂君) 大門実紀史議員の御質問にお答えいたします。
税の応能負担と応益負担についてのお尋ねをいただきました。
私は、応能負担より応益負担を重視すべきと申し上げているわけではございません。消費税の負担面だけを取り出した議論に対して、消費税財源が充当される社会保障給付等による給付等は低所得者ほど手厚いことから、所得の再分配を考える際には給付等の面も併せて評価すべきと申し上げているものでございます。
租税全体を考える場合においても、社会保障に限らず様々な公共サービスの給付等とそれを賄う負担とのバランスを取ることが必要であり、その給付等と負担とのバランスは個人ベースで必要だと申し上げているわけではなく、我が国全体としての必要性を申し上げているものでございます。
応益負担等の考え方は所得再分配を行わない理由なのではないかというお尋ねでございます。
租税は、国民が広く便益を受ける公的サービスの費用を賄うものであり、応益負担の要素が存在することも事実であります。例えば、一九五四年に創設されました道路特定財源制度も、受益者負担の考え方に基づき、揮発油税が道路整備の特定財源とされたものでございます。しかしながら、揮発油税が所得再分配の支障になったということがあったわけではございません。
他方で、私は、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図ることは重要であると考えております。
今後の税制の在り方につきましては、中長期の視点に立ち、持続可能な経済財政運営を行う観点から、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図るなど、あるべき税制の具体化に取り組んでまいります。
大企業や富裕層に応分の税負担を求めるべきではないかというお尋ねであります。
法人税につきましては、令和七年度与党税制改正大綱におきまして、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系を構築していくとされたことなどを踏まえつつ、検討を進めていくことといたしております。
所得税につきましては、所得再分配機能の強化を図る観点から、平成二十五年度税制改正において最高税率の引上げを行ったほか、令和五年度税制改正において、金融所得を含め、極めて高い水準の所得を対象として、令和七年分所得から追加的に負担を求める措置を導入するなど、負担の見直しを進めております。
課税最低限の引上げについてのお尋ねでございます。
基礎控除等から構成される所得税の課税最低限は、生計費の観点や、公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性の観点も含めて総合的に検討して定められているものであって、どちらか一方だけの観点で定めているものではございませんが、基礎控除を含む各種の所得控除は、負担能力としての所得の大きさを調整することにより、所得に適用される税制、累進税率と相まって、応能負担の実現に寄与しているものと考えております。
与党修正では、給与収入二百万円相当以下の者に対し、基礎控除の特例として三十七万円の上乗せを行うこととされ、課税最低限が百六十万円と、生活保護基準の最低生活費を超える水準となります。これは低所得者層の税負担に対して配慮したものであると、このように認識をいたしております。
いわゆる一億円の壁の是正についてのお尋ねでございます。
税負担の公平性確保は十分に認識しておりますことから、令和五年度税制改正において、金融所得を含め、極めて高い水準の所得に対する適正化措置を導入するなど、一定の対応を図ってきたところでございます。
税負担の公平性の確保に加え、我が国の金融市場や投資家の性格も見ながら考える必要がありますが、貯蓄から投資への流れを引き続き推進し、一般の投資家が投資しやすい環境を損なわないようにすることも重要であり、今後とも金融所得課税の在り方を総合的に考えてまいります。
高額療養費制度の見直しについてでございます。
高額療養費制度につきましては、見直し全体について実施を見合わせ、本年秋までに改めて方針を検討し、決定することといたしております。
今後の具体的な検討内容について、現時点で方向性について予断を持って申し上げる段階にはありませんが、保険料負担の抑制や制度の持続可能性の確保とともに、患者の方々の経済的な御負担が過度なものとならないようにすることが重要であり、上限額を引き下げる方向での検討は考えておりません。検討に当たりましては、保険料を負担する被保険者の立場の御意見も拝聴しつつ、患者の方々のお話を十分に伺い、その御理解をいただくべく最善を尽くしてまいります。
高額療養費制度が患者の皆様にとって大切な制度であるからこそ、改めて丁寧な検討プロセスを積み重ねることで、持続可能なものとして次の世代に引き継いでまいりたいと考えております。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。
以上でございます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →税の応能負担と応益負担についてのお尋ねをいただきました。
私は、応能負担より応益負担を重視すべきと申し上げているわけではございません。消費税の負担面だけを取り出した議論に対して、消費税財源が充当される社会保障給付等による給付等は低所得者ほど手厚いことから、所得の再分配を考える際には給付等の面も併せて評価すべきと申し上げているものでございます。
租税全体を考える場合においても、社会保障に限らず様々な公共サービスの給付等とそれを賄う負担とのバランスを取ることが必要であり、その給付等と負担とのバランスは個人ベースで必要だと申し上げているわけではなく、我が国全体としての必要性を申し上げているものでございます。
応益負担等の考え方は所得再分配を行わない理由なのではないかというお尋ねでございます。
租税は、国民が広く便益を受ける公的サービスの費用を賄うものであり、応益負担の要素が存在することも事実であります。例えば、一九五四年に創設されました道路特定財源制度も、受益者負担の考え方に基づき、揮発油税が道路整備の特定財源とされたものでございます。しかしながら、揮発油税が所得再分配の支障になったということがあったわけではございません。
他方で、私は、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図ることは重要であると考えております。
今後の税制の在り方につきましては、中長期の視点に立ち、持続可能な経済財政運営を行う観点から、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図るなど、あるべき税制の具体化に取り組んでまいります。
大企業や富裕層に応分の税負担を求めるべきではないかというお尋ねであります。
法人税につきましては、令和七年度与党税制改正大綱におきまして、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系を構築していくとされたことなどを踏まえつつ、検討を進めていくことといたしております。
所得税につきましては、所得再分配機能の強化を図る観点から、平成二十五年度税制改正において最高税率の引上げを行ったほか、令和五年度税制改正において、金融所得を含め、極めて高い水準の所得を対象として、令和七年分所得から追加的に負担を求める措置を導入するなど、負担の見直しを進めております。
課税最低限の引上げについてのお尋ねでございます。
基礎控除等から構成される所得税の課税最低限は、生計費の観点や、公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性の観点も含めて総合的に検討して定められているものであって、どちらか一方だけの観点で定めているものではございませんが、基礎控除を含む各種の所得控除は、負担能力としての所得の大きさを調整することにより、所得に適用される税制、累進税率と相まって、応能負担の実現に寄与しているものと考えております。
与党修正では、給与収入二百万円相当以下の者に対し、基礎控除の特例として三十七万円の上乗せを行うこととされ、課税最低限が百六十万円と、生活保護基準の最低生活費を超える水準となります。これは低所得者層の税負担に対して配慮したものであると、このように認識をいたしております。
いわゆる一億円の壁の是正についてのお尋ねでございます。
税負担の公平性確保は十分に認識しておりますことから、令和五年度税制改正において、金融所得を含め、極めて高い水準の所得に対する適正化措置を導入するなど、一定の対応を図ってきたところでございます。
税負担の公平性の確保に加え、我が国の金融市場や投資家の性格も見ながら考える必要がありますが、貯蓄から投資への流れを引き続き推進し、一般の投資家が投資しやすい環境を損なわないようにすることも重要であり、今後とも金融所得課税の在り方を総合的に考えてまいります。
高額療養費制度の見直しについてでございます。
高額療養費制度につきましては、見直し全体について実施を見合わせ、本年秋までに改めて方針を検討し、決定することといたしております。
今後の具体的な検討内容について、現時点で方向性について予断を持って申し上げる段階にはありませんが、保険料負担の抑制や制度の持続可能性の確保とともに、患者の方々の経済的な御負担が過度なものとならないようにすることが重要であり、上限額を引き下げる方向での検討は考えておりません。検討に当たりましては、保険料を負担する被保険者の立場の御意見も拝聴しつつ、患者の方々のお話を十分に伺い、その御理解をいただくべく最善を尽くしてまいります。
高額療養費制度が患者の皆様にとって大切な制度であるからこそ、改めて丁寧な検討プロセスを積み重ねることで、持続可能なものとして次の世代に引き継いでまいりたいと考えております。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。
以上でございます。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
加
加藤勝信#21
○国務大臣(加藤勝信君) 大門議員から、財務省のホームページにおける「社会での助け合いのための活動」との記載を踏まえ、社会保障や教育は助け合い活動か、政府の責任かとの御質問をいただきました。
御指摘のホームページでは、社会保障、教育などが国民が広く便益を受ける公的サービスであること、そのための費用を納めていただいた税金等で賄っていることをお示しする趣旨で記載をしたものであります。
政府は、自助、共助、公助の適切な組合せにも留意しつつ社会保障等の公的サービスを提供しており、そうした趣旨も踏まえ、「社会での助け合いのための活動」と記載をしているところであります。
次に、税に対する考え方についてお尋ねがありました。
租税は、年金、医療などの社会保障や、教育、道路や水道といった社会資本の整備、警察や消防など社会に必要とされる公的サービスの費用負担を皆で分かち合うものであり、社会共通の費用を賄うための会費と言い表すことができるものと認識をしております。
国民が広く便益を受ける公的サービスの費用を賄う租税には応益の要素も存在はしておりますが、個々の、それぞれの負担能力に応じて課税するのが適切で、適当である応能負担の考え方も踏まえて税制の在り方を検討していかなければならないと考えております。
具体的には、少子高齢化、グローバル化などの経済社会の構造変化に対応したあるべき税制の具体化に向け包括的な検討を進めるとともに、再分配機能の向上などを図りつつ、公平かつ多様な働き方などに中立的な税制を構築し、経済成長を阻害しない安定的な税収基盤を確保するため、引き続き税体系全般の見直しを進めてまいります。
課税最低限の引上げについてお尋ねがありました。
基礎控除などから成る所得税の課税最低限については、生計費の観点や、公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性などを踏まえて総合的に検討されてきており、生計費の観点からは物価が勘案されてきております。主要国においても、物価に応じた調整を行っている国が多いものと承知をしております。
我が国においては、物価上昇が続いていた昭和四十年代においてはほぼ毎年課税最低限の引上げが行われていた一方、令和七、失礼、平成七年以降においては、物価上昇率が直近の状況を除きほぼ横ばいで推移してきたため、見直しは行ってこなかったものであります。
その上で、今般、政府案と衆議院修正を含め、合わせて課税最低限を百六十万円まで引き上げることとしたものであります。拍手
この発言だけを見る →御指摘のホームページでは、社会保障、教育などが国民が広く便益を受ける公的サービスであること、そのための費用を納めていただいた税金等で賄っていることをお示しする趣旨で記載をしたものであります。
政府は、自助、共助、公助の適切な組合せにも留意しつつ社会保障等の公的サービスを提供しており、そうした趣旨も踏まえ、「社会での助け合いのための活動」と記載をしているところであります。
次に、税に対する考え方についてお尋ねがありました。
租税は、年金、医療などの社会保障や、教育、道路や水道といった社会資本の整備、警察や消防など社会に必要とされる公的サービスの費用負担を皆で分かち合うものであり、社会共通の費用を賄うための会費と言い表すことができるものと認識をしております。
国民が広く便益を受ける公的サービスの費用を賄う租税には応益の要素も存在はしておりますが、個々の、それぞれの負担能力に応じて課税するのが適切で、適当である応能負担の考え方も踏まえて税制の在り方を検討していかなければならないと考えております。
具体的には、少子高齢化、グローバル化などの経済社会の構造変化に対応したあるべき税制の具体化に向け包括的な検討を進めるとともに、再分配機能の向上などを図りつつ、公平かつ多様な働き方などに中立的な税制を構築し、経済成長を阻害しない安定的な税収基盤を確保するため、引き続き税体系全般の見直しを進めてまいります。
課税最低限の引上げについてお尋ねがありました。
基礎控除などから成る所得税の課税最低限については、生計費の観点や、公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性などを踏まえて総合的に検討されてきており、生計費の観点からは物価が勘案されてきております。主要国においても、物価に応じた調整を行っている国が多いものと承知をしております。
我が国においては、物価上昇が続いていた昭和四十年代においてはほぼ毎年課税最低限の引上げが行われていた一方、令和七、失礼、平成七年以降においては、物価上昇率が直近の状況を除きほぼ横ばいで推移してきたため、見直しは行ってこなかったものであります。
その上で、今般、政府案と衆議院修正を含め、合わせて課税最低限を百六十万円まで引き上げることとしたものであります。拍手
関
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