石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 大門実紀史議員の御質問にお答えいたします。
 税の応能負担と応益負担についてのお尋ねをいただきました。
 私は、応能負担より応益負担を重視すべきと申し上げているわけではございません。消費税の負担面だけを取り出した議論に対して、消費税財源が充当される社会保障給付等による給付等は低所得者ほど手厚いことから、所得の再分配を考える際には給付等の面も併せて評価すべきと申し上げているものでございます。
 租税全体を考える場合においても、社会保障に限らず様々な公共サービスの給付等とそれを賄う負担とのバランスを取ることが必要であり、その給付等と負担とのバランスは個人ベースで必要だと申し上げているわけではなく、我が国全体としての必要性を申し上げているものでございます。
 応益負担等の考え方は所得再分配を行わない理由なのではないかというお尋ねでございます。
 租税は、国民が広く便益を受ける公的サービスの費用を賄うものであり、応益負担の要素が存在することも事実であります。例えば、一九五四年に創設されました道路特定財源制度も、受益者負担の考え方に基づき、揮発油税が道路整備の特定財源とされたものでございます。しかしながら、揮発油税が所得再分配の支障になったということがあったわけではございません。
 他方で、私は、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図ることは重要であると考えております。
 今後の税制の在り方につきましては、中長期の視点に立ち、持続可能な経済財政運営を行う観点から、経済社会の構造変化を踏まえ、応能負担を通じた再分配機能の向上や格差の固定化防止を図るなど、あるべき税制の具体化に取り組んでまいります。
 大企業や富裕層に応分の税負担を求めるべきではないかというお尋ねであります。
 法人税につきましては、令和七年度与党税制改正大綱におきまして、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系を構築していくとされたことなどを踏まえつつ、検討を進めていくことといたしております。
 所得税につきましては、所得再分配機能の強化を図る観点から、平成二十五年度税制改正において最高税率の引上げを行ったほか、令和五年度税制改正において、金融所得を含め、極めて高い水準の所得を対象として、令和七年分所得から追加的に負担を求める措置を導入するなど、負担の見直しを進めております。
 課税最低限の引上げについてのお尋ねでございます。
 基礎控除等から構成される所得税の課税最低限は、生計費の観点や、公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性の観点も含めて総合的に検討して定められているものであって、どちらか一方だけの観点で定めているものではございませんが、基礎控除を含む各種の所得控除は、負担能力としての所得の大きさを調整することにより、所得に適用される税制、累進税率と相まって、応能負担の実現に寄与しているものと考えております。
 与党修正では、給与収入二百万円相当以下の者に対し、基礎控除の特例として三十七万円の上乗せを行うこととされ、課税最低限が百六十万円と、生活保護基準の最低生活費を超える水準となります。これは低所得者層の税負担に対して配慮したものであると、このように認識をいたしております。
 いわゆる一億円の壁の是正についてのお尋ねでございます。
 税負担の公平性確保は十分に認識しておりますことから、令和五年度税制改正において、金融所得を含め、極めて高い水準の所得に対する適正化措置を導入するなど、一定の対応を図ってきたところでございます。
 税負担の公平性の確保に加え、我が国の金融市場や投資家の性格も見ながら考える必要がありますが、貯蓄から投資への流れを引き続き推進し、一般の投資家が投資しやすい環境を損なわないようにすることも重要であり、今後とも金融所得課税の在り方を総合的に考えてまいります。
 高額療養費制度の見直しについてでございます。
 高額療養費制度につきましては、見直し全体について実施を見合わせ、本年秋までに改めて方針を検討し、決定することといたしております。
 今後の具体的な検討内容について、現時点で方向性について予断を持って申し上げる段階にはありませんが、保険料負担の抑制や制度の持続可能性の確保とともに、患者の方々の経済的な御負担が過度なものとならないようにすることが重要であり、上限額を引き下げる方向での検討は考えておりません。検討に当たりましては、保険料を負担する被保険者の立場の御意見も拝聴しつつ、患者の方々のお話を十分に伺い、その御理解をいただくべく最善を尽くしてまいります。
 高額療養費制度が患者の皆様にとって大切な制度であるからこそ、改めて丁寧な検討プロセスを積み重ねることで、持続可能なものとして次の世代に引き継いでまいりたいと考えております。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-03-12

院: 参議院

会議名: 本会議