中西祐介の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介です。
私は、自民、公明を代表し、ただいま議題となりました令和七年度予算三案に対し、賛成の立場から討論を行います。
まず、本年は戦後八十年。多くの先人の尊い犠牲と多大なる御努力の下に我が国の戦後の扉が開いたことを胸にいたしたいと存じます。翌々年、日本国憲法の施行を受け、一九四七年四月二十日に第一回参議院議員選挙、次いで四月二十五日に衆議院議員選挙が行われました。まさしく、我が国の戦後民主主義は我々参議院の歴史からスタートしたわけであります。
今回、七十六時間という近年にない審議時間を重ねるに当たり、野党筆頭理事徳永エリ先生とは常に丁寧な対話と信頼を構築させていただき、心より御礼申し上げます。予算委員会理事、オブザーバー、また委員の先生方にも、鶴保委員長の下、広範な質疑項目を一度も中断することなく、静ひつな環境で行わせていただきましたことは、新しい参議院らしさを示す姿であったと感謝いたします。
本予算案は、衆議院での修正案に対し、我々参議院で改めて再修正を挑むものでもあります。衆議院への回付、成立となれば、日本国憲政史上初となり、まさに与野党伯仲の枠組みを超えて、立法府、参議院の矜持、独自性を新たに示すことになります。
委員の皆様の御協力のおかげさまでこうした歴史に刻む審議過程を経たこと、お互い誇りを持ちながら、以下、賛成する主な理由を申し述べます。
第一に、経済の好循環の要となる、物価高に負けない持続的な賃上げの実現に向けた施策が盛り込まれている点です。
我が国経済は、昨年、名目GDPで初めて六百兆円を超え、本年の春闘でも第二回集計の賃上げ率が平均五・四〇%と、三十四年ぶりの高水準を維持しております。
賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現に向けて、それらの原資となる我が国の稼ぐ力を引き出すべく、人工知能、半導体分野やグリーントランスフォーメーションに資する投資促進のための経費が計上されています。
また、中小企業等との取引適正化にも力を入れるなど、本予算案は、先端的な取組から個別の現場レベルに至るまで、様々な段階で経済の好循環の波を大きくし、それに伴い、力強い賃上げを促すものとなっております。
さらに、令和六年人事院勧告を反映した公務員、保育士、幼稚園教諭等の給与改善、さらに教職調整額の段階的な引上げを加えた教員の処遇改善も含まれております。
現在、物価上昇局面に接し、日常生活の負担感に実直に寄り添うべきであり、また、米国の関税引上げなど、今後の世界経済の動向を大局観を持って注視すべきでありますが、まずは、本予算案における各施策をちゅうちょなく実行し、我が国経済の好循環の動きを止めるべきではないと確信するものであります。
第二に、全国が渇望する新たな地方創生の取組を進めるための予算となっている点です。
地方こそ成長の主役との発想に基づき、地方創生二・〇として、各地がそれぞれの特性に応じた発展を遂げることができるように、地方公共団体による自由度の高い事業の実現を可能とする交付金を創設した上で、当初予算ベースで従来から倍増させています。
我が国の真の魅力を最大化させるため、地域の自然環境や文化資源を活用した観光コンテンツの充実などを図り、インバウンド消費十五兆円の目標達成を実現させるための施策も盛り込んでおります。
第三に、日本の安全、安心を必ず守り抜くとの決意を内外に示し、その実行を裏付ける予算となっている点であります。
既存の国際秩序への飽くなき挑戦が続き、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中において、防衛力整備計画に基づき、スタンドオフ防衛能力の強化など、喫緊の課題である防衛力の抜本強化を引き続き推進するほか、自衛隊の人的基盤の強化に向けた取組を進めるための予算も計上されています。
頻発化、激甚化する自然災害から国民の皆様の命と生活、財産を守るための防災・減災、国土強靱化対策、老朽化が懸念される社会インフラの点検と維持更新、さらには災害時に活用可能なキッチンカーやトイレカー、トレーラーハウス等の登録制度の創設など、災害対応力の強化、事前防災等の徹底に力を入れております。
食料安全保障の強化に向け、野菜や麦、大豆など畑地での本作化や、農林水産物・食品の輸出促進、畜産、酪農の生産基盤の維持強化を推進するほか、安定的な食料の供給に向けた合理的な価格形成、あるいは農業の持続的な発展に資する共同利用施設の再編、集約、合理化やスマート農業技術の導入などのための予算も計上しています。
第四として、子ども・子育て政策にも更に一層力を入れている点です。
こども未来戦略に基づく子ども・子育て支援を本格的に実施し、一歳児への保育の質の向上、育休給付の充実等に取り組むための予算を盛り込んでいます。あわせて、児童虐待防止施策等の更なる強化や、様々なニーズを抱える子供、若者に対する包括的な支援体制の構築のための予算も増額をしております。
また、令和七年度より、高校生の年代まで拡充される児童手当に加え、大学など高等教育の無償化、子供を三人以上扶養する多子世帯の学生等の授業料や所得制限のない入学金無償化、さらに、衆議院で加えられた自民、公明、日本維新の会の三党で協議した成果も踏まえ、令和七年度より、年収に関係なく公立高校授業料相当額の支給を実現するための予算も組み込まれております。
最後に、高額療養費制度の見直しについて、本院予算委員会にて石破総理が約束された、がんや難病患者団体の方との直接面談を受け、最終的に総理自ら判断された引上げ見送りのための予算案再修正を加えている点であります。
仮に衆議院で可決された本予算案が自然成立となれば、高額療養費制度の自己負担上限額引上げの見送りが反映されないこととなります。二院制の一翼を担う参議院として、再修正を含む本予算案を可決し、早急に衆議院に回付すべきであります。
日程が切迫する三月四日に衆議院から送付され、非常に厳しい審議過程を重ねてきた予算委員会でありましたが、各会派国対間での丁寧な御協議もいただき、また与野党理事、委員の皆様のお力で、良識の府、熟議の府として参議院らしい審議を進めることができたならば、ここに深く感謝の意を申し添えたいと存じます。
最後に、改めて令和七年度予算案への御賛同を心よりお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)