武藤容治の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(武藤容治君) 村田享子議員に、御質問にお答えをさせていただきます。
価格転嫁が進まない理由と中小企業の賃上げについてお尋ねがありました。
価格転嫁の状況は、若干ながら価格転嫁率が上昇したものの、四九・七%であり、いまだ道半ばであります。この理由としては、例えば、価格転嫁を申し出れば取引の減少、失注に至るですとか、あるいは賃上げ分の原資は合理的努力で賄うべきだと、このような認識が根強く残り、そして交渉や転嫁を申し出にくい実態も一因と考えられるところです。さらには、三十年間続いたデフレ、この経済下で染み付いた、より安く調達すべきと、このような商習慣が根底にあるものと考えているところであります。
中小企業の賃上げの原資を確保するためには、価格転嫁が不可欠です。経済産業省としては、公正取引委員会とも連携をし、説明なく一方的な価格決定を禁止する下請法の改正や厳正な執行、業界全体での商慣習の改善など、様々な取引適正化対策に取り組んでまいります。
そして次に、いわゆるガソリン暫定税率についてお尋ねをいただきました。
まず、御指摘の暫定税率の廃止については、これは法改正も必要であり、速やかな実施は難しいと考えております。
一方で、足下の物価高の下で苦しい生活を送る国民の現状に一刻も早く対応する必要があります。このため、すぐに使える基金を活用して、速やかな負担軽減を図ることといたしました。
暫定税率の扱いにつきましては、現在、安定的な財源確保などの諸課題の解決策や具体的な実施方法等について、政党間において真摯に議論がなされているものと承知をしているところであります。政府としては、協議の結果を踏まえた上で、適切に対応してまいります。
多段階の事業者の連携や、あるいは取引段階の深い事業者への価格転嫁についてお尋ねがありました。
今回の下請振興法の改正では、二以上の取引段階にある事業者による共同での製品改良等の事業計画も支援の対象に加えております。また、振興基準においても、直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで、多段階の事業者による連携を促してまいります。
また、各事業所管省庁から幅広い業界団体に対して行っている価格転嫁の要請では、取引先の更に先への転嫁も考慮した価格決定や、そうした取引方針を取引段階の深い事業者に対しても情報発信することを、特にサプライチェーンの頂点に位置する発注事業者が実施するよう要請しているところであります。
これらにより、取引段階の深い段階までの価格転嫁の浸透に取り組んでまいります。
次に、国と地方公共団体の連携強化や各地における政労使の連携についてお尋ねをいただきました。
本改正案では、各地域の事業者に身近な存在で取引実態を詳細に把握し得る地方公共団体と国との連携規定を盛り込んでいます。具体的には、例えば、地方公共団体が収集した取引情報を国にも提供いただき、取引適正化の政策立案や法執行へ活用することなどを想定しています。また、地方版政労使会議では、労務費指針も含めた国の価格転嫁対策の周知のほか、パートナーシップ構築宣言の普及に向けた自治体と経済団体の協定の締結なども議論をされています。これらも活用し、地方における政労使による一層の連携を促してまいります。
次に、海外事業者と競合する場合についてお尋ねがありました。
海外事業者も含めて他の事業者との間での受注をめぐる競争においては、自らの製品の価格のみならず、品質や価値も含めて適切に交渉がなされた上で受注先や取引価格が決定されることが重要と考えています。
経済産業省としては、コスト増加分の価格転嫁や、その交渉が適切に行われるよう振興基準の活用の促進や下請法の執行等に努めてまいります。また、中小の受注者が自らの製品の付加価値を高め、海外も含めた他の事業者に対する競争力を強化することも重要です。そうした事業者を後押しすべく、引き続き生産性向上への取組を支援してまいります。
構造的な価格転嫁、持続的な賃上げ対策についてお尋ねがありました。
本改正法案により、下請の用語を改めます。議員御指摘のとおり、受注者が下との誤解や意識を払拭するのは第一歩で、実際に交渉を申し出て価格転嫁できる取引環境の実現こそが極めて重要だと思います。
このため、経済産業省としては、公正取引委員会とも連携をし、意識改革を含めた本改正法の趣旨や内容を中小企業団体も含めて幅広く周知徹底をし、できる限り早期の対応を促してまいります。加えて、実際に交渉や説明に応じない発注者に対しては、下請法を厳正に執行し、サプライチェーンを支える中小企業を含む構造的な価格転嫁の実現に努めてまいります。
これらに加えて、拡充しました省力化投資、生産性向上支援策の活用促進や売上高百億円を目指す中小企業への成長投資支援などの取組を引き続き行い、中小企業の稼ぐ力を抜本的に強化することで持続的な賃上げを実現してまいります。
以上でございます。(拍手)
〔政府特別補佐人古谷一之君登壇、拍手〕