本会議
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会
会議録情報#0
令和七年五月九日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第十八号
令和七年五月九日
午前十時開議
第一 航空業務に関する日本国とチェコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 航空業務に関する日本国とルクセンブルク大公国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第三 千九百九十四年四月十五日にマラケシュで作成された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定のサービスの貿易に関する一般協定の日本国の特定の約束に係る表の改善に関する確認書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第四 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の第二次改正の受諾について承認を求めるの件(衆議院送付)
第五 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第六 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
一、日程第一より第六まで
一、国会法及び議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
一、参議院規則の一部を改正する規則案(馬場成志君外七名発議)(委員会審査省略要求)
一、参議院情報監視審査会規程の一部を改正する規程案(馬場成志君外七名発議)(委員会審査省略要求)
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この発言だけを見る →午前十時一分開議
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○議事日程 第十八号
令和七年五月九日
午前十時開議
第一 航空業務に関する日本国とチェコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 航空業務に関する日本国とルクセンブルク大公国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第三 千九百九十四年四月十五日にマラケシュで作成された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定のサービスの貿易に関する一般協定の日本国の特定の約束に係る表の改善に関する確認書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第四 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の第二次改正の受諾について承認を求めるの件(衆議院送付)
第五 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第六 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
一、日程第一より第六まで
一、国会法及び議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
一、参議院規則の一部を改正する規則案(馬場成志君外七名発議)(委員会審査省略要求)
一、参議院情報監視審査会規程の一部を改正する規程案(馬場成志君外七名発議)(委員会審査省略要求)
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関
関口昌一#1
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、日程に追加して、
下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
関
伊
伊東良孝#3
○国務大臣(伊東良孝君) 下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させることが必要不可欠です。事業者間の対等な関係を推進して中小企業の取引の適正化を図るためには、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、規制及び支援の対象となる事業者の範囲の拡大等の措置を講ずる必要があるため、この法律案を提出した次第です。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、下請代金支払遅延等防止法について、禁止行為として、費用の変動等の事情が生じ協議を求められたにもかかわらず、代金の額に関する協議に応じず、一方的に代金の額を決定することや、代金の支払手段について手形を交付すること等を禁止する旨追加することとしています。
第二に、下請中小企業振興法について、振興事業計画における支援の対象として、二以上の段階にわたる委託関係にある事業者を追加することとしています。
第三に、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法について、従業員数の大小による基準を新設して、代金の支払遅延禁止等の規制の対象や振興事業計画における支援の対象となる事業者の範囲を拡大するとともに、これらの規制や支援の対象として、特定の運送委託に係るものを追加することとしています。また、下請事業者その他用語を中小受託事業者等の用語に改め、あわせて、法律名を改めることとしています。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、施行期日に関する附則の修正が行われております。
以上が、この法律案の趣旨です。
どうぞよろしくお願いいたします。拍手
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この発言だけを見る →我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させることが必要不可欠です。事業者間の対等な関係を推進して中小企業の取引の適正化を図るためには、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、規制及び支援の対象となる事業者の範囲の拡大等の措置を講ずる必要があるため、この法律案を提出した次第です。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、下請代金支払遅延等防止法について、禁止行為として、費用の変動等の事情が生じ協議を求められたにもかかわらず、代金の額に関する協議に応じず、一方的に代金の額を決定することや、代金の支払手段について手形を交付すること等を禁止する旨追加することとしています。
第二に、下請中小企業振興法について、振興事業計画における支援の対象として、二以上の段階にわたる委託関係にある事業者を追加することとしています。
第三に、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法について、従業員数の大小による基準を新設して、代金の支払遅延禁止等の規制の対象や振興事業計画における支援の対象となる事業者の範囲を拡大するとともに、これらの規制や支援の対象として、特定の運送委託に係るものを追加することとしています。また、下請事業者その他用語を中小受託事業者等の用語に改め、あわせて、法律名を改めることとしています。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、施行期日に関する附則の修正が行われております。
以上が、この法律案の趣旨です。
どうぞよろしくお願いいたします。拍手
─────────────
関
村
村田享子#5
○村田享子君 皆様、御安全に。立憲民主・社民・無所属の村田享子です。
下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案に対し、会派を代表し、質問をいたします。
危険と隣り合わせのものづくりの現場では、自分と仲間の安全を祈り、御安全にという挨拶を使っています。日本のものづくりは、地域の雇用を、日本の経済を支え、そして、そのものづくりを支えているのが長年の経験から培った高度な技術を持つ現場の皆さんであり、多くの中小企業で働く皆さんです。
今回の改正案は、中小企業が近年の物価上昇に負けない賃上げの原資を確保するための措置を講じるものであり、法案の趣旨につき、賛同するところです。
その上で、まず賃上げについて経済産業大臣にお聞きします。
今年の春季生活闘争、春闘では、連合の五月二日時点での集計によると、全体の賃上げ率は五・三二%、三百人未満の中小組合では四・九三%となっており、いずれも昨年同時期を上回っています。昨年に続く高水準での回答を引き出した労働組合の皆さんに心から敬意を表するとともに、中小組合を中心に、交渉が継続中のところもあり、米国の関税措置による影響も懸念される中、大企業と中小企業の賃上げの格差も指摘されています。国による賃上げへの後押しが必要です。
価格転嫁なくして中小企業の賃上げは実現しない、大臣からもこのような御発言が衆議院の審議においてございました。確かに、直近では高水準の賃上げが実現しているものの、これまでなぜ価格転嫁が進まず、中小企業で働く人の賃金がなかなか上がってこなかったのか、大臣の見解をお尋ねします。
次に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の改正についてお聞きします。
二十二年ぶりの大きな改正です。前回、平成十五年の改正では、経済のIT化等を受け、規制対象の取引に情報成果物作成委託等が追加をされました。そもそも下請法の制定に当たっては、昭和二十年代後半に不況の深刻化で製造業の下請代金の支払遅延等が大きな問題となり、昭和二十八年に独占禁止法が改正され、不公正な取引方法が新たに禁止されたものの、昭和三十年、神武景気の初期に当たっても支払状況は改善されず、昭和三十一年に代金の支払遅延等の禁止を定めた下請法が制定をされました。過去十回の改正が行われており、下請をめぐる問題は時代背景に応じて課題も変化をしています。
今回の改正では、近年の物価上昇を受け、発注者、受注者の対等な関係に基づき、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる構造的な価格転嫁の実現を図ることが重要とされています。その実現の鍵は、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、ここにいかに実効性を持たせるかです。現場から、協議を求めたが取引の打切りを示唆され協議を辞退せざるを得ない、協議をいたずらに引き延ばされる等の声があります。
衆議院の審議で、どういう協議が違反なのかを運用基準の中で明確に書いていくとの答弁がありましたが、協議の形骸化をどう防ぐのか。また、運用基準の策定に当たっては現場のリアルな協議の状況を反映すべきと考えますが、伊東大臣の見解をお聞きします。
価格転嫁の交渉に当たっては、パートナーシップ構築宣言、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針等により、価格転嫁が進んだとの声がある一方、直近の調査では価格転嫁率は四九%であり、道半ばです。また、価格転嫁は実現したものの、その後、失注や減注がされたケースも出ています。伊東大臣、価格転嫁後の失注や減注対策が必要ではないでしょうか。
今回の改正で、物流問題への対応として、下請法の規制対象に運送委託が追加されました。これまで独占禁止法で規制されていた発荷主と元請運送事業者との取引を今回下請法の対象取引に追加した理由とその効果について、伊東大臣にお聞きします。
ガソリン価格の高騰は物流にも大きな影響を与えています。今回のゴールデンウイーク、各地を回る中でも、ガソリンを安くしてほしいとの声を最も多く聞きました。立憲民主党は、今年七月からのガソリンの暫定税率を廃止する法案を衆議院に提出しました。政府では、今月二十二日からガソリンを一リットル当たり十円引き下げるとのことですが、十円ではなく二十五・一円価格を引き下げることのできる暫定税率の廃止をするべきではないですか。経産大臣の見解を伺います。
下請法の対象事業者の定義について、資本金額による基準に加え、従業員数による基準が追加をされます。資本金の増減によるいわゆる下請法逃れに対応できる一方、従業員数は資本金と比較して変動が大きく、取引先の従業員数を調査することも必ずしも容易ではなく、事業者の負担増につながるとの懸念もあります。従業員基準を追加した根拠とこうした懸念への対応について、伊東大臣、お答えください。
今回の下請法の抜本的な改正、その実効性をどう高めていくか。一つは、現場の声を聞く、現状を把握することだと考えます。現在、公正取引委員会の優越Gメン、中小企業庁の下請Gメン、国土交通省のトラック・物流Gメンなど、調査員による聞き取りや大規模な書面調査が行われていますが、中小企業では、問題があっても声を上げづらい事業者、特に取引関係が一対一だと、情報を国が厳密に管理するとはいえ、情報提供したことが取引先に知られてしまうことを不安視する事業者も多くあります。伊東大臣、実態調査を強化し、申告のない場合でも個別に調査を実施するなど、より踏み込んだ対応が必要ではないでしょうか。
もう一つの実効性を高める方策が罰則の強化です。下請法においては、公取による勧告、指導が中心であり、最も厳しい罰則である刑事罰の対象となる行為は、発注書を交付していない、取引記録に関する書類を作成、保存していないというものであり、買いたたき、協議に応じないといった価格転嫁に直結する行為については対象となっていません。独占禁止法の優越的地位の濫用規制では課徴金が課されていますが、その課徴金の額、カルテルは対象商品の売上額一〇%であるのに対し、優越的地位濫用の場合は取引先からの購入額の僅か一%にすぎません。余りに過少であり、しかも、その額が百万円未満であるときはその納付を命ずることができないとされており、購入額一億円未満の取引、小規模な受託事業者との取引では、納付を命ずることができない場合が生じます。下請法や独占禁止法の罰則規定を強化すべきと考えますが、伊東大臣、いかがでしょうか。
続いて、下請中小企業振興法、いわゆる下請振興法の改正についてお聞きします。
昨年九月の価格交渉促進月間の結果では、取引の段階が深くなるほど、一次、二次、三次となるほど価格転嫁の割合が低くなっています。サプライチェーン全体の取引適正化に向けて、今回の改正では多段階の事業者が連携した取組への支援が追加されましたが、直接の取引先を越えて数次先の取引先まで含めた価格交渉はしない、頭越しに接触しないという商習慣があるとされる中、どのように多段階の事業者の連携を実現するのか。あわせて、武藤大臣におかれては、先月、自動車業界各社のトップと面会し、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるよう価格決定をすることを要請されたとのことですが、これまでの商習慣を考えると、直接の取引先の更に先、そのまた先がどれくらいの価格転嫁を必要としているのかを知るのは容易ではないと思います。具体的にどのようにして価格決定を行い、取引段階の深いところまで価格転嫁をしていくのか、併せてお聞きをします。
コスト別の価格転嫁率を見ると、昨年十二月公表の令和六年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査の結果では、原材料価格が六九・五%、エネルギーコストが六五・九、労務費が六二・四となっており、労務費の転嫁率が低くなっています。政府は令和五年十一月に労務費転嫁交渉指針を出しましたが、指針の認知度は四八・八%であり、都道府県別では、東京都が五七・三%と最も高く、低いところでは青森県三五・六%、岩手県三七・三%となっています。地方の中小企業は、人材確保のためにも賃上げ、そのための価格転嫁を必要としており、この調査結果を踏まえ、全体の認知度向上とともに、地域ごとの対応が求められます。
今回の改正で国と地方公共団体の連携が強化されますが、地方の実態を踏まえ、連携強化をどう行っていくのか。また、労務費の転嫁交渉指針の周知に当たっては、春闘の際、労働組合の側から会社側に対し指針の情報を提供し、それにより会社が初めて指針を知ったとの話もあります。地方版政労使会議の活用など、地方における政労使の連携も重要と考えますが、経産大臣の見解を伺います。
今回の改正で下請法や下請振興法の対象となる取引は増えますが、それでもなお対象外となる可能性のある取引もあります。
グループ会社内、親会社と子会社での取引について、子会社である中小企業から価格転嫁できていないという声があります。しかも、子会社がみなし大企業とされ、ものづくり補助金等の中小企業を支援する補助金が使えないという問題もあります。グループ会社間での取引は下請法や独占禁止法の対象となるのか、適用外である場合、適切な価格転嫁をどう進めていくのか、伊東大臣にお聞きします。
また、海外メーカーが発注し、日本企業が部品を納入する受託事業者である取引において、価格転嫁が進まないとの声があります。製造業において、海外との取引に下請法や独占禁止法の適用はされるのか、適用対象とならない場合の対策についても伊東大臣にお聞きします。
海外関係の価格転嫁では、国内で海外の事業者と競合している場合、国内の事業者が海外勢に価格で負けて失注することを恐れ、価格転嫁をしたくてもできない、そういったケースがあります。このようなケースにどう対処するのか、経産大臣の答弁を求めます。
本改正案は、衆議院経済産業委員会で、立憲、自民、維新、国民、公明、有志により、附則第一条の施行期日について、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」から「令和八年一月一日」に改める修正案が提出され、全会一致で可決しました。
この修正は、施行期日を明確に定めることで、令和八年一月から行われる見込みの春闘での本法律の実効性を確保し、中小企業の賃上げに確実につなげていくためのものであり、労働組合からも強い要望があったものです。
施行期日に向けて、公正取引委員会として、改正法の適用基準等を具体的に示す政令等の下位法令や運用基準の準備、事業者の皆様への周知広報等が必要となりますが、施行期日に間に合い、かつ、本法律の実効性を高めるため、どのように手続や周知広報を行っていくのか、公正取引委員長にお尋ねをします。
今回の改正で、発注者と受注者が対等な関係ではないという語感を与える下請という用語が見直されます。もちろん賛同するものでありますが、用語の見直しは第一歩であり、対等な関係、価値を認め合う社会の実現が急務です。現場ですばらしい技術で製品を作っても、価格転嫁ができない、むしろ買いたたかれる、仕事をしてもしても利益が出ない、賃金が上がらない。働く皆さんの切実な声をたくさん聞いてきました。発注者と受注者は日本の誇るものづくりを担う対等なパートナーであり、より良い商品、サービスを共に目指していくことが日本の更なる活力、働きがいを生み出します。
事業者の意識改革も含めた構造的な価格転嫁、持続的な賃上げへの対策を経済産業大臣にお聞きします。
価格転嫁待ったなし。中小企業、フリーランス、個人事業主の皆様を始めとする全ての働く人の賃上げにつながる法律となるよう充実した審議を求め、質問を終わります。
御安全に。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案に対し、会派を代表し、質問をいたします。
危険と隣り合わせのものづくりの現場では、自分と仲間の安全を祈り、御安全にという挨拶を使っています。日本のものづくりは、地域の雇用を、日本の経済を支え、そして、そのものづくりを支えているのが長年の経験から培った高度な技術を持つ現場の皆さんであり、多くの中小企業で働く皆さんです。
今回の改正案は、中小企業が近年の物価上昇に負けない賃上げの原資を確保するための措置を講じるものであり、法案の趣旨につき、賛同するところです。
その上で、まず賃上げについて経済産業大臣にお聞きします。
今年の春季生活闘争、春闘では、連合の五月二日時点での集計によると、全体の賃上げ率は五・三二%、三百人未満の中小組合では四・九三%となっており、いずれも昨年同時期を上回っています。昨年に続く高水準での回答を引き出した労働組合の皆さんに心から敬意を表するとともに、中小組合を中心に、交渉が継続中のところもあり、米国の関税措置による影響も懸念される中、大企業と中小企業の賃上げの格差も指摘されています。国による賃上げへの後押しが必要です。
価格転嫁なくして中小企業の賃上げは実現しない、大臣からもこのような御発言が衆議院の審議においてございました。確かに、直近では高水準の賃上げが実現しているものの、これまでなぜ価格転嫁が進まず、中小企業で働く人の賃金がなかなか上がってこなかったのか、大臣の見解をお尋ねします。
次に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の改正についてお聞きします。
二十二年ぶりの大きな改正です。前回、平成十五年の改正では、経済のIT化等を受け、規制対象の取引に情報成果物作成委託等が追加をされました。そもそも下請法の制定に当たっては、昭和二十年代後半に不況の深刻化で製造業の下請代金の支払遅延等が大きな問題となり、昭和二十八年に独占禁止法が改正され、不公正な取引方法が新たに禁止されたものの、昭和三十年、神武景気の初期に当たっても支払状況は改善されず、昭和三十一年に代金の支払遅延等の禁止を定めた下請法が制定をされました。過去十回の改正が行われており、下請をめぐる問題は時代背景に応じて課題も変化をしています。
今回の改正では、近年の物価上昇を受け、発注者、受注者の対等な関係に基づき、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる構造的な価格転嫁の実現を図ることが重要とされています。その実現の鍵は、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、ここにいかに実効性を持たせるかです。現場から、協議を求めたが取引の打切りを示唆され協議を辞退せざるを得ない、協議をいたずらに引き延ばされる等の声があります。
衆議院の審議で、どういう協議が違反なのかを運用基準の中で明確に書いていくとの答弁がありましたが、協議の形骸化をどう防ぐのか。また、運用基準の策定に当たっては現場のリアルな協議の状況を反映すべきと考えますが、伊東大臣の見解をお聞きします。
価格転嫁の交渉に当たっては、パートナーシップ構築宣言、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針等により、価格転嫁が進んだとの声がある一方、直近の調査では価格転嫁率は四九%であり、道半ばです。また、価格転嫁は実現したものの、その後、失注や減注がされたケースも出ています。伊東大臣、価格転嫁後の失注や減注対策が必要ではないでしょうか。
今回の改正で、物流問題への対応として、下請法の規制対象に運送委託が追加されました。これまで独占禁止法で規制されていた発荷主と元請運送事業者との取引を今回下請法の対象取引に追加した理由とその効果について、伊東大臣にお聞きします。
ガソリン価格の高騰は物流にも大きな影響を与えています。今回のゴールデンウイーク、各地を回る中でも、ガソリンを安くしてほしいとの声を最も多く聞きました。立憲民主党は、今年七月からのガソリンの暫定税率を廃止する法案を衆議院に提出しました。政府では、今月二十二日からガソリンを一リットル当たり十円引き下げるとのことですが、十円ではなく二十五・一円価格を引き下げることのできる暫定税率の廃止をするべきではないですか。経産大臣の見解を伺います。
下請法の対象事業者の定義について、資本金額による基準に加え、従業員数による基準が追加をされます。資本金の増減によるいわゆる下請法逃れに対応できる一方、従業員数は資本金と比較して変動が大きく、取引先の従業員数を調査することも必ずしも容易ではなく、事業者の負担増につながるとの懸念もあります。従業員基準を追加した根拠とこうした懸念への対応について、伊東大臣、お答えください。
今回の下請法の抜本的な改正、その実効性をどう高めていくか。一つは、現場の声を聞く、現状を把握することだと考えます。現在、公正取引委員会の優越Gメン、中小企業庁の下請Gメン、国土交通省のトラック・物流Gメンなど、調査員による聞き取りや大規模な書面調査が行われていますが、中小企業では、問題があっても声を上げづらい事業者、特に取引関係が一対一だと、情報を国が厳密に管理するとはいえ、情報提供したことが取引先に知られてしまうことを不安視する事業者も多くあります。伊東大臣、実態調査を強化し、申告のない場合でも個別に調査を実施するなど、より踏み込んだ対応が必要ではないでしょうか。
もう一つの実効性を高める方策が罰則の強化です。下請法においては、公取による勧告、指導が中心であり、最も厳しい罰則である刑事罰の対象となる行為は、発注書を交付していない、取引記録に関する書類を作成、保存していないというものであり、買いたたき、協議に応じないといった価格転嫁に直結する行為については対象となっていません。独占禁止法の優越的地位の濫用規制では課徴金が課されていますが、その課徴金の額、カルテルは対象商品の売上額一〇%であるのに対し、優越的地位濫用の場合は取引先からの購入額の僅か一%にすぎません。余りに過少であり、しかも、その額が百万円未満であるときはその納付を命ずることができないとされており、購入額一億円未満の取引、小規模な受託事業者との取引では、納付を命ずることができない場合が生じます。下請法や独占禁止法の罰則規定を強化すべきと考えますが、伊東大臣、いかがでしょうか。
続いて、下請中小企業振興法、いわゆる下請振興法の改正についてお聞きします。
昨年九月の価格交渉促進月間の結果では、取引の段階が深くなるほど、一次、二次、三次となるほど価格転嫁の割合が低くなっています。サプライチェーン全体の取引適正化に向けて、今回の改正では多段階の事業者が連携した取組への支援が追加されましたが、直接の取引先を越えて数次先の取引先まで含めた価格交渉はしない、頭越しに接触しないという商習慣があるとされる中、どのように多段階の事業者の連携を実現するのか。あわせて、武藤大臣におかれては、先月、自動車業界各社のトップと面会し、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるよう価格決定をすることを要請されたとのことですが、これまでの商習慣を考えると、直接の取引先の更に先、そのまた先がどれくらいの価格転嫁を必要としているのかを知るのは容易ではないと思います。具体的にどのようにして価格決定を行い、取引段階の深いところまで価格転嫁をしていくのか、併せてお聞きをします。
コスト別の価格転嫁率を見ると、昨年十二月公表の令和六年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査の結果では、原材料価格が六九・五%、エネルギーコストが六五・九、労務費が六二・四となっており、労務費の転嫁率が低くなっています。政府は令和五年十一月に労務費転嫁交渉指針を出しましたが、指針の認知度は四八・八%であり、都道府県別では、東京都が五七・三%と最も高く、低いところでは青森県三五・六%、岩手県三七・三%となっています。地方の中小企業は、人材確保のためにも賃上げ、そのための価格転嫁を必要としており、この調査結果を踏まえ、全体の認知度向上とともに、地域ごとの対応が求められます。
今回の改正で国と地方公共団体の連携が強化されますが、地方の実態を踏まえ、連携強化をどう行っていくのか。また、労務費の転嫁交渉指針の周知に当たっては、春闘の際、労働組合の側から会社側に対し指針の情報を提供し、それにより会社が初めて指針を知ったとの話もあります。地方版政労使会議の活用など、地方における政労使の連携も重要と考えますが、経産大臣の見解を伺います。
今回の改正で下請法や下請振興法の対象となる取引は増えますが、それでもなお対象外となる可能性のある取引もあります。
グループ会社内、親会社と子会社での取引について、子会社である中小企業から価格転嫁できていないという声があります。しかも、子会社がみなし大企業とされ、ものづくり補助金等の中小企業を支援する補助金が使えないという問題もあります。グループ会社間での取引は下請法や独占禁止法の対象となるのか、適用外である場合、適切な価格転嫁をどう進めていくのか、伊東大臣にお聞きします。
また、海外メーカーが発注し、日本企業が部品を納入する受託事業者である取引において、価格転嫁が進まないとの声があります。製造業において、海外との取引に下請法や独占禁止法の適用はされるのか、適用対象とならない場合の対策についても伊東大臣にお聞きします。
海外関係の価格転嫁では、国内で海外の事業者と競合している場合、国内の事業者が海外勢に価格で負けて失注することを恐れ、価格転嫁をしたくてもできない、そういったケースがあります。このようなケースにどう対処するのか、経産大臣の答弁を求めます。
本改正案は、衆議院経済産業委員会で、立憲、自民、維新、国民、公明、有志により、附則第一条の施行期日について、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」から「令和八年一月一日」に改める修正案が提出され、全会一致で可決しました。
この修正は、施行期日を明確に定めることで、令和八年一月から行われる見込みの春闘での本法律の実効性を確保し、中小企業の賃上げに確実につなげていくためのものであり、労働組合からも強い要望があったものです。
施行期日に向けて、公正取引委員会として、改正法の適用基準等を具体的に示す政令等の下位法令や運用基準の準備、事業者の皆様への周知広報等が必要となりますが、施行期日に間に合い、かつ、本法律の実効性を高めるため、どのように手続や周知広報を行っていくのか、公正取引委員長にお尋ねをします。
今回の改正で、発注者と受注者が対等な関係ではないという語感を与える下請という用語が見直されます。もちろん賛同するものでありますが、用語の見直しは第一歩であり、対等な関係、価値を認め合う社会の実現が急務です。現場ですばらしい技術で製品を作っても、価格転嫁ができない、むしろ買いたたかれる、仕事をしてもしても利益が出ない、賃金が上がらない。働く皆さんの切実な声をたくさん聞いてきました。発注者と受注者は日本の誇るものづくりを担う対等なパートナーであり、より良い商品、サービスを共に目指していくことが日本の更なる活力、働きがいを生み出します。
事業者の意識改革も含めた構造的な価格転嫁、持続的な賃上げへの対策を経済産業大臣にお聞きします。
価格転嫁待ったなし。中小企業、フリーランス、個人事業主の皆様を始めとする全ての働く人の賃上げにつながる法律となるよう充実した審議を求め、質問を終わります。
御安全に。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
伊
伊東良孝#6
○国務大臣(伊東良孝君) 村田享子議員にお答えをいたします。
一点目、協議の形骸化をどのように防ぐかについてお尋ねがありました。
形式的に協議に応じるのみで、実質的な協議を行わず、一方的に価格を決定する行為が行われることも懸念されますが、実質的に協議に応じていないと認められる場合には、改正後の法律に違反することとなります。
協議の形骸化に関する懸念に対しましては、例えば、この法律の運用基準などで、受注者に対し取引の打切りを示唆した上で協議に応じず一方的に価格を決定することや、協議の求めを拒み、無視し、又は繰り返し先延ばしにしたりして、協議に応じずに価格を決定することなど、想定される問題事例を分かりやすく示すことを検討をいたしております。
また、運用基準などの整備に当たりましては、事業者の意見も十分に聞くなど、取引における協議の実態を十分に踏まえて検討していくことといたしております。
二点目につきまして、失注や減注、誤って注文すること、また注文を減らすこと、これらの対策についてお尋ねがありました。
事業者がどの事業者と取引するかについては事業者の判断によるものであり、事業者が別の事業者と取引を行わないこと自体を規制することは、事業者間取引における契約自由の原則の観点から適切ではないと考えております。
今回の改正法案が成立すれば、適切な価格転嫁を我が国の新しい、新たな商習慣としてサプライチェーン全体で定着させていくことにつながると考えており、公正取引委員会において改正後の法律を厳正に執行していくことに加え、担当大臣としても、労務費転嫁指針の周知などの普及啓発活動について、中小企業庁や事業所管省庁と連携して、引き続き取り組んでまいります。
こうした取組により、適切な価格転嫁の必要性を事業者にも広く理解いただけるように努めてまいりたいと考えております。
三点目に、運送委託を追加する理由あるいは効果についてのお尋ねがありました。
発荷主と元請運送事業者との間の取引については、これまで独占禁止法に基づく物流特殊指定により対応してまいりましたが、公正取引委員会による注意喚起の対象となった発荷主は毎年六百名前後で高止まりしており、依然として問題が多く生じている状況にあると考えております。
こうした状況を踏まえ、今回の改正法案では、販売や製造などの対象となる物品の引渡しに関して、発荷主が運送を委託する取引類型を新たに特定運送委託として規定し、この法律の対象取引に追加することといたしております。特定運送委託を追加することにより、独占禁止法に基づく行政処分と比べて簡易迅速な手続により問題行為に対処できるようになる、発荷主に対して発注内容の明示が義務付けられるため、運送事業者が行うべき業務内容が明確になる、国土交通省を始めとした事業所管省庁においても問題行為に対して直接指導ができるようになるといった効果があると考えております。
次に、従業員基準の追加についてのお尋ねがありました。
現行法では、この法律の対象を規定する基準として資本金を採用しておりますが、この基準については、事業規模は大きいが資本金の額が少額であり、この法律の適用を受けないようなケース、また、自ら減資をすることによってこの法律の適用を逃れるようなケース、また、この法律の適用を逃れるために取引の相手方に対して増資を求めるようなケースがあるといった課題が指摘されております。
今回、新たに従業員基準を導入するのは、実質的に事業規模が小さな事業者を保護しつつ、このように規制逃れをしていると考えられるような事例にも対処できるようにするためです。この従業員基準については、事業者に過度な負担が掛からず、従業員の数を容易に把握できるようにする必要があると考えております。
今後、中小企業基本法を始めとした他法令における解釈も参考にしつつ、実際の事業者の声も聞きながら、公正取引委員会において適切な解釈、運用を検討していくこととしております。
五点目につきましては、より踏み込んだ対応の必要性についてのお尋ねがありました。
公正取引委員会では、毎年、発注者、受注者に対する大規模な書面調査を実施し、自ら情報を得ることができるよう、積極的、能動的な情報収集活動を行っています。また、この法律では、受注者が公正取引委員会などに申告したことを理由として発注者が取引の数量を減らしたり取引を停止したりするという報復措置を禁止しています。さらに、改正法案では、新たに指導権限などが付与される事業所管省庁に対して申告したことを理由とする報復措置についても禁止することとしています。
公正取引委員会においては、こうしたものを通じ、ちゅうちょなく情報提供していただける環境を整えるとともに、申告の有無にかかわらず積極的に情報を収集することでこの法律の実効性を確保できるよう、引き続き取り組んでいくこととしております。
六点目に、この法律と独占禁止法の罰則強化についてのお尋ねがありました。
この法律は、取引の公正化と受注者の利益保護を図るため、違反行為に対しては簡易迅速に対処することを主眼としています。このため、買いたたきや減額などの取引の内容に関する禁止行為に対しては、罰則ではなく、被害金額の返還などを勧告し公表するという行政指導で対処する仕組みとなっており、これを維持することが適当であると考えております。
また、独占禁止法の排除措置命令については、命令が確定した後においてこれに従わなかった場合、その者に対し二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処することとされ、法人に対しては三億円以下の罰金に処することとされています。さらに、独占禁止法の課徴金制度については、令和元年の改正により、課徴金の算定期間を延長するなど、違反行為の抑止効果の向上を図っています。
引き続き、改正後のこの法律や独占禁止法の運用状況等を踏まえ、不断の見直しを行ってまいります。
七点目に、グループ会社間での取引についてのお尋ねがありました。
親会社が議決権の過半を所有する子会社と取引する場合など、グループ企業間の取引については、実質的に同一会社内での取引と見られ、通常、市場における競争環境に影響を与えるものでないことから、この法律や独占禁止法上、問題とはなりません。
一方で、この法律や独占禁止法の対象か否かにかかわらず、子会社がその先の受注者との取引において適切な価格転嫁ができるよう、親子会社間も含め価格交渉に取り組むことは極めて重要です。そのため、労務費転嫁指針の周知徹底などの取組を更に強化することを通じて、親子会社間の取引を含む全ての取引において適切な価格転嫁を促す環境の整備を図ってまいります。
八点目に、海外の事業者との取引についてのお尋ねがありました。
海外の事業者との取引につきましては、この法律や独占禁止法が適用できるかについては、その取引が日本市場に与える影響を踏まえて判断されるため、一概には言えませんが、一般論としては、外国法人との取引であっても、日本国内において行われた取引であれば、これらの法律の適用対象となります。
一方で、これらの法律の適用対象とはならない場合であっても価格転嫁に取り組むことは極めて重要であり、労務費転嫁指針など、受注者側への周知啓発することを通じて、その趣旨を生かした適正な価格転嫁が行われるよう、取引環境の整備を図ってまいります。
以上です。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →一点目、協議の形骸化をどのように防ぐかについてお尋ねがありました。
形式的に協議に応じるのみで、実質的な協議を行わず、一方的に価格を決定する行為が行われることも懸念されますが、実質的に協議に応じていないと認められる場合には、改正後の法律に違反することとなります。
協議の形骸化に関する懸念に対しましては、例えば、この法律の運用基準などで、受注者に対し取引の打切りを示唆した上で協議に応じず一方的に価格を決定することや、協議の求めを拒み、無視し、又は繰り返し先延ばしにしたりして、協議に応じずに価格を決定することなど、想定される問題事例を分かりやすく示すことを検討をいたしております。
また、運用基準などの整備に当たりましては、事業者の意見も十分に聞くなど、取引における協議の実態を十分に踏まえて検討していくことといたしております。
二点目につきまして、失注や減注、誤って注文すること、また注文を減らすこと、これらの対策についてお尋ねがありました。
事業者がどの事業者と取引するかについては事業者の判断によるものであり、事業者が別の事業者と取引を行わないこと自体を規制することは、事業者間取引における契約自由の原則の観点から適切ではないと考えております。
今回の改正法案が成立すれば、適切な価格転嫁を我が国の新しい、新たな商習慣としてサプライチェーン全体で定着させていくことにつながると考えており、公正取引委員会において改正後の法律を厳正に執行していくことに加え、担当大臣としても、労務費転嫁指針の周知などの普及啓発活動について、中小企業庁や事業所管省庁と連携して、引き続き取り組んでまいります。
こうした取組により、適切な価格転嫁の必要性を事業者にも広く理解いただけるように努めてまいりたいと考えております。
三点目に、運送委託を追加する理由あるいは効果についてのお尋ねがありました。
発荷主と元請運送事業者との間の取引については、これまで独占禁止法に基づく物流特殊指定により対応してまいりましたが、公正取引委員会による注意喚起の対象となった発荷主は毎年六百名前後で高止まりしており、依然として問題が多く生じている状況にあると考えております。
こうした状況を踏まえ、今回の改正法案では、販売や製造などの対象となる物品の引渡しに関して、発荷主が運送を委託する取引類型を新たに特定運送委託として規定し、この法律の対象取引に追加することといたしております。特定運送委託を追加することにより、独占禁止法に基づく行政処分と比べて簡易迅速な手続により問題行為に対処できるようになる、発荷主に対して発注内容の明示が義務付けられるため、運送事業者が行うべき業務内容が明確になる、国土交通省を始めとした事業所管省庁においても問題行為に対して直接指導ができるようになるといった効果があると考えております。
次に、従業員基準の追加についてのお尋ねがありました。
現行法では、この法律の対象を規定する基準として資本金を採用しておりますが、この基準については、事業規模は大きいが資本金の額が少額であり、この法律の適用を受けないようなケース、また、自ら減資をすることによってこの法律の適用を逃れるようなケース、また、この法律の適用を逃れるために取引の相手方に対して増資を求めるようなケースがあるといった課題が指摘されております。
今回、新たに従業員基準を導入するのは、実質的に事業規模が小さな事業者を保護しつつ、このように規制逃れをしていると考えられるような事例にも対処できるようにするためです。この従業員基準については、事業者に過度な負担が掛からず、従業員の数を容易に把握できるようにする必要があると考えております。
今後、中小企業基本法を始めとした他法令における解釈も参考にしつつ、実際の事業者の声も聞きながら、公正取引委員会において適切な解釈、運用を検討していくこととしております。
五点目につきましては、より踏み込んだ対応の必要性についてのお尋ねがありました。
公正取引委員会では、毎年、発注者、受注者に対する大規模な書面調査を実施し、自ら情報を得ることができるよう、積極的、能動的な情報収集活動を行っています。また、この法律では、受注者が公正取引委員会などに申告したことを理由として発注者が取引の数量を減らしたり取引を停止したりするという報復措置を禁止しています。さらに、改正法案では、新たに指導権限などが付与される事業所管省庁に対して申告したことを理由とする報復措置についても禁止することとしています。
公正取引委員会においては、こうしたものを通じ、ちゅうちょなく情報提供していただける環境を整えるとともに、申告の有無にかかわらず積極的に情報を収集することでこの法律の実効性を確保できるよう、引き続き取り組んでいくこととしております。
六点目に、この法律と独占禁止法の罰則強化についてのお尋ねがありました。
この法律は、取引の公正化と受注者の利益保護を図るため、違反行為に対しては簡易迅速に対処することを主眼としています。このため、買いたたきや減額などの取引の内容に関する禁止行為に対しては、罰則ではなく、被害金額の返還などを勧告し公表するという行政指導で対処する仕組みとなっており、これを維持することが適当であると考えております。
また、独占禁止法の排除措置命令については、命令が確定した後においてこれに従わなかった場合、その者に対し二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処することとされ、法人に対しては三億円以下の罰金に処することとされています。さらに、独占禁止法の課徴金制度については、令和元年の改正により、課徴金の算定期間を延長するなど、違反行為の抑止効果の向上を図っています。
引き続き、改正後のこの法律や独占禁止法の運用状況等を踏まえ、不断の見直しを行ってまいります。
七点目に、グループ会社間での取引についてのお尋ねがありました。
親会社が議決権の過半を所有する子会社と取引する場合など、グループ企業間の取引については、実質的に同一会社内での取引と見られ、通常、市場における競争環境に影響を与えるものでないことから、この法律や独占禁止法上、問題とはなりません。
一方で、この法律や独占禁止法の対象か否かにかかわらず、子会社がその先の受注者との取引において適切な価格転嫁ができるよう、親子会社間も含め価格交渉に取り組むことは極めて重要です。そのため、労務費転嫁指針の周知徹底などの取組を更に強化することを通じて、親子会社間の取引を含む全ての取引において適切な価格転嫁を促す環境の整備を図ってまいります。
八点目に、海外の事業者との取引についてのお尋ねがありました。
海外の事業者との取引につきましては、この法律や独占禁止法が適用できるかについては、その取引が日本市場に与える影響を踏まえて判断されるため、一概には言えませんが、一般論としては、外国法人との取引であっても、日本国内において行われた取引であれば、これらの法律の適用対象となります。
一方で、これらの法律の適用対象とはならない場合であっても価格転嫁に取り組むことは極めて重要であり、労務費転嫁指針など、受注者側への周知啓発することを通じて、その趣旨を生かした適正な価格転嫁が行われるよう、取引環境の整備を図ってまいります。
以上です。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
武
武藤容治#7
○国務大臣(武藤容治君) 村田享子議員に、御質問にお答えをさせていただきます。
価格転嫁が進まない理由と中小企業の賃上げについてお尋ねがありました。
価格転嫁の状況は、若干ながら価格転嫁率が上昇したものの、四九・七%であり、いまだ道半ばであります。この理由としては、例えば、価格転嫁を申し出れば取引の減少、失注に至るですとか、あるいは賃上げ分の原資は合理的努力で賄うべきだと、このような認識が根強く残り、そして交渉や転嫁を申し出にくい実態も一因と考えられるところです。さらには、三十年間続いたデフレ、この経済下で染み付いた、より安く調達すべきと、このような商習慣が根底にあるものと考えているところであります。
中小企業の賃上げの原資を確保するためには、価格転嫁が不可欠です。経済産業省としては、公正取引委員会とも連携をし、説明なく一方的な価格決定を禁止する下請法の改正や厳正な執行、業界全体での商慣習の改善など、様々な取引適正化対策に取り組んでまいります。
そして次に、いわゆるガソリン暫定税率についてお尋ねをいただきました。
まず、御指摘の暫定税率の廃止については、これは法改正も必要であり、速やかな実施は難しいと考えております。
一方で、足下の物価高の下で苦しい生活を送る国民の現状に一刻も早く対応する必要があります。このため、すぐに使える基金を活用して、速やかな負担軽減を図ることといたしました。
暫定税率の扱いにつきましては、現在、安定的な財源確保などの諸課題の解決策や具体的な実施方法等について、政党間において真摯に議論がなされているものと承知をしているところであります。政府としては、協議の結果を踏まえた上で、適切に対応してまいります。
多段階の事業者の連携や、あるいは取引段階の深い事業者への価格転嫁についてお尋ねがありました。
今回の下請振興法の改正では、二以上の取引段階にある事業者による共同での製品改良等の事業計画も支援の対象に加えております。また、振興基準においても、直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで、多段階の事業者による連携を促してまいります。
また、各事業所管省庁から幅広い業界団体に対して行っている価格転嫁の要請では、取引先の更に先への転嫁も考慮した価格決定や、そうした取引方針を取引段階の深い事業者に対しても情報発信することを、特にサプライチェーンの頂点に位置する発注事業者が実施するよう要請しているところであります。
これらにより、取引段階の深い段階までの価格転嫁の浸透に取り組んでまいります。
次に、国と地方公共団体の連携強化や各地における政労使の連携についてお尋ねをいただきました。
本改正案では、各地域の事業者に身近な存在で取引実態を詳細に把握し得る地方公共団体と国との連携規定を盛り込んでいます。具体的には、例えば、地方公共団体が収集した取引情報を国にも提供いただき、取引適正化の政策立案や法執行へ活用することなどを想定しています。また、地方版政労使会議では、労務費指針も含めた国の価格転嫁対策の周知のほか、パートナーシップ構築宣言の普及に向けた自治体と経済団体の協定の締結なども議論をされています。これらも活用し、地方における政労使による一層の連携を促してまいります。
次に、海外事業者と競合する場合についてお尋ねがありました。
海外事業者も含めて他の事業者との間での受注をめぐる競争においては、自らの製品の価格のみならず、品質や価値も含めて適切に交渉がなされた上で受注先や取引価格が決定されることが重要と考えています。
経済産業省としては、コスト増加分の価格転嫁や、その交渉が適切に行われるよう振興基準の活用の促進や下請法の執行等に努めてまいります。また、中小の受注者が自らの製品の付加価値を高め、海外も含めた他の事業者に対する競争力を強化することも重要です。そうした事業者を後押しすべく、引き続き生産性向上への取組を支援してまいります。
構造的な価格転嫁、持続的な賃上げ対策についてお尋ねがありました。
本改正法案により、下請の用語を改めます。議員御指摘のとおり、受注者が下との誤解や意識を払拭するのは第一歩で、実際に交渉を申し出て価格転嫁できる取引環境の実現こそが極めて重要だと思います。
このため、経済産業省としては、公正取引委員会とも連携をし、意識改革を含めた本改正法の趣旨や内容を中小企業団体も含めて幅広く周知徹底をし、できる限り早期の対応を促してまいります。加えて、実際に交渉や説明に応じない発注者に対しては、下請法を厳正に執行し、サプライチェーンを支える中小企業を含む構造的な価格転嫁の実現に努めてまいります。
これらに加えて、拡充しました省力化投資、生産性向上支援策の活用促進や売上高百億円を目指す中小企業への成長投資支援などの取組を引き続き行い、中小企業の稼ぐ力を抜本的に強化することで持続的な賃上げを実現してまいります。
以上でございます。拍手
〔政府特別補佐人古谷一之君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →価格転嫁が進まない理由と中小企業の賃上げについてお尋ねがありました。
価格転嫁の状況は、若干ながら価格転嫁率が上昇したものの、四九・七%であり、いまだ道半ばであります。この理由としては、例えば、価格転嫁を申し出れば取引の減少、失注に至るですとか、あるいは賃上げ分の原資は合理的努力で賄うべきだと、このような認識が根強く残り、そして交渉や転嫁を申し出にくい実態も一因と考えられるところです。さらには、三十年間続いたデフレ、この経済下で染み付いた、より安く調達すべきと、このような商習慣が根底にあるものと考えているところであります。
中小企業の賃上げの原資を確保するためには、価格転嫁が不可欠です。経済産業省としては、公正取引委員会とも連携をし、説明なく一方的な価格決定を禁止する下請法の改正や厳正な執行、業界全体での商慣習の改善など、様々な取引適正化対策に取り組んでまいります。
そして次に、いわゆるガソリン暫定税率についてお尋ねをいただきました。
まず、御指摘の暫定税率の廃止については、これは法改正も必要であり、速やかな実施は難しいと考えております。
一方で、足下の物価高の下で苦しい生活を送る国民の現状に一刻も早く対応する必要があります。このため、すぐに使える基金を活用して、速やかな負担軽減を図ることといたしました。
暫定税率の扱いにつきましては、現在、安定的な財源確保などの諸課題の解決策や具体的な実施方法等について、政党間において真摯に議論がなされているものと承知をしているところであります。政府としては、協議の結果を踏まえた上で、適切に対応してまいります。
多段階の事業者の連携や、あるいは取引段階の深い事業者への価格転嫁についてお尋ねがありました。
今回の下請振興法の改正では、二以上の取引段階にある事業者による共同での製品改良等の事業計画も支援の対象に加えております。また、振興基準においても、直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで、多段階の事業者による連携を促してまいります。
また、各事業所管省庁から幅広い業界団体に対して行っている価格転嫁の要請では、取引先の更に先への転嫁も考慮した価格決定や、そうした取引方針を取引段階の深い事業者に対しても情報発信することを、特にサプライチェーンの頂点に位置する発注事業者が実施するよう要請しているところであります。
これらにより、取引段階の深い段階までの価格転嫁の浸透に取り組んでまいります。
次に、国と地方公共団体の連携強化や各地における政労使の連携についてお尋ねをいただきました。
本改正案では、各地域の事業者に身近な存在で取引実態を詳細に把握し得る地方公共団体と国との連携規定を盛り込んでいます。具体的には、例えば、地方公共団体が収集した取引情報を国にも提供いただき、取引適正化の政策立案や法執行へ活用することなどを想定しています。また、地方版政労使会議では、労務費指針も含めた国の価格転嫁対策の周知のほか、パートナーシップ構築宣言の普及に向けた自治体と経済団体の協定の締結なども議論をされています。これらも活用し、地方における政労使による一層の連携を促してまいります。
次に、海外事業者と競合する場合についてお尋ねがありました。
海外事業者も含めて他の事業者との間での受注をめぐる競争においては、自らの製品の価格のみならず、品質や価値も含めて適切に交渉がなされた上で受注先や取引価格が決定されることが重要と考えています。
経済産業省としては、コスト増加分の価格転嫁や、その交渉が適切に行われるよう振興基準の活用の促進や下請法の執行等に努めてまいります。また、中小の受注者が自らの製品の付加価値を高め、海外も含めた他の事業者に対する競争力を強化することも重要です。そうした事業者を後押しすべく、引き続き生産性向上への取組を支援してまいります。
構造的な価格転嫁、持続的な賃上げ対策についてお尋ねがありました。
本改正法案により、下請の用語を改めます。議員御指摘のとおり、受注者が下との誤解や意識を払拭するのは第一歩で、実際に交渉を申し出て価格転嫁できる取引環境の実現こそが極めて重要だと思います。
このため、経済産業省としては、公正取引委員会とも連携をし、意識改革を含めた本改正法の趣旨や内容を中小企業団体も含めて幅広く周知徹底をし、できる限り早期の対応を促してまいります。加えて、実際に交渉や説明に応じない発注者に対しては、下請法を厳正に執行し、サプライチェーンを支える中小企業を含む構造的な価格転嫁の実現に努めてまいります。
これらに加えて、拡充しました省力化投資、生産性向上支援策の活用促進や売上高百億円を目指す中小企業への成長投資支援などの取組を引き続き行い、中小企業の稼ぐ力を抜本的に強化することで持続的な賃上げを実現してまいります。
以上でございます。拍手
〔政府特別補佐人古谷一之君登壇、拍手〕
古
古谷一之#8
○政府特別補佐人(古谷一之君) 村田享子議員の御質問にお答えをいたします。
改正法の施行期日に向けた手続と周知広報についてお尋ねがありました。
施行期日を令和八年一月一日として今回の改正法案が成立した場合には、実効的な規制となるよう、速やかな施行準備と丁寧な周知広報を行う必要があると考えております。
施行準備に関しましては、本年七月頃には政令、規則、運用基準といった下位法令などの原案を策定し、意見募集の手続を経た上で、十月頃にはその成案を公表できるよう、速やかに準備を進めていく予定です。
また、周知広報については、改正法案が成立した後、速やかに改正法の内容についての周知広報を行います。さらに、この十月以降には下位法令の内容も反映したパンフレットや広報活動などを用い、事業者の皆様に広く御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
これらの周知広報に当たりましては、新たに指導、助言権限が付与されることとなる事業所管省庁とも連携をして事業者団体などを通じた周知広報を行うなど、実効的な規制となるように進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。拍手
─────────────
この発言だけを見る →改正法の施行期日に向けた手続と周知広報についてお尋ねがありました。
施行期日を令和八年一月一日として今回の改正法案が成立した場合には、実効的な規制となるよう、速やかな施行準備と丁寧な周知広報を行う必要があると考えております。
施行準備に関しましては、本年七月頃には政令、規則、運用基準といった下位法令などの原案を策定し、意見募集の手続を経た上で、十月頃にはその成案を公表できるよう、速やかに準備を進めていく予定です。
また、周知広報については、改正法案が成立した後、速やかに改正法の内容についての周知広報を行います。さらに、この十月以降には下位法令の内容も反映したパンフレットや広報活動などを用い、事業者の皆様に広く御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
これらの周知広報に当たりましては、新たに指導、助言権限が付与されることとなる事業所管省庁とも連携をして事業者団体などを通じた周知広報を行うなど、実効的な規制となるように進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。拍手
─────────────
関
平
平木大作#10
○平木大作君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました下請法等改正案について質問いたします。
今回の改正は、我が国経済のステージがデフレから物価上昇局面へと大きく転換する中にあって、従来の商習慣を見直し、中小企業が適切に価格転嫁できるよう環境整備するものです。今後、賃上げと投資が牽引する成長型経済へと移行するために必要不可欠な事項が多数盛り込まれたことに加えて、下請という名称自体を改めることとなりました。これは、昨年三月の参議院予算委員会で、我が党の西田実仁幹事長が当事者である中小企業団体からの声を受けて提案したものであり、発注者との間で名実共にパートナーとしての位置付けを法的に明記するものであり、高く評価いたします。
本改正の趣旨をサプライチェーン全般にわたって徹底し、着実な執行を促すために、以下、具体的に質問します。
まず、価格転嫁の定着に向けた取組について伺います。
現在、公明党では、米国の関税引上げ措置が国内経済に及ぼす影響を調査するために、三千人の議員のネットワークを通じて地域の中小企業・小規模事業者に対するヒアリングを行っています。経営者の皆様からお伺いするのは、思うように価格転嫁できない苦しい実情です。そもそも数年前まで、発注側の大企業から原価低減を一方的に通告されてきた慣習を改めることは並大抵のことではありません。
よろず支援拠点に相談したが妙案がないと言われた、中小企業庁の価格交渉フォーマットを使って交渉したが労務費の上昇分は認められないと断られたなど、肩を落とす経営者も少なくありません。政府には、継続的、安定的な価格転嫁が定着するまで、中小企業にしっかりと寄り添い、変革をやり遂げていただきたい。
本改正によって、価格交渉の環境がどう変わるのか。政府として、適切な価格転嫁をどう推進していくのか、武藤経済産業大臣の答弁を求めます。
今回、金型に加えて、木型、治具等についても製造委託の対象物として法案に明記されました。これらは高い精度の部品を短時間で量産することを可能にし、日本の製造業の競争力を支える基盤資産です。現場における速やかな展開が重要ですが、いまだに金型、木型等の無償又は不当に低廉な保管慣行が横行していることについて、これまで以上に踏み込んだ是正措置をとらなければ絵に描いた餅です。政府として、実態をどのように把握し、是正を図っていくのか、伊東大臣にお伺いします。
続いて、手形払いの禁止についてお伺いします。
本改正では、下請法の対象取引において、手形を用いた支払が禁止されることとなります。受託側にある中小企業の資金繰り改善、キャッシュフローの安定をもたらす大きな商慣行の転換であります。
政府はこれまで、二〇二六年を目途とした約束手形の利用廃止を方針として示し、対応を促してきましたが、今なお製造業などにおいては手形が決済手段として流通しており、円滑な廃止に向けた施策が欠かせません。
現時点における手形の利用状況、手形払いを禁止することの意義、また移行期における中小企業への資金繰り支援などについて、武藤大臣にお示しいただきたいと思います。
次に、運送委託取引の追加についてお尋ねします。
今回の改正により、これまで対象外とされてきた発荷主からの運送委託が下請法の対象取引として新たに位置付けられることになりました。従来より度々指摘されてきた発荷主による荷積みの強要や荷待ち時間の機会損失の問題に対処するものであり、高く評価いたします。
本改正の趣旨を貫徹するためには、発荷主に対するガイドラインの整備や物流オペレーションの抜本的な見直しも想定されます。どのように支援していくのか、武藤大臣にお伺いします。
最後に、多段階の事業者が連携して行う振興計画について伺います。
本改正では、多層的なサプライチェーン内の事業者が連携し、共同で振興事業計画を作成することで金融支援などを受けられるようになります。これは、サプライチェーン内部での取引適正化や連携した中小企業の交渉力向上に資するものであり、意欲的な試みとなります。
一方で、直接の取引関係にない事業者同士で事業計画を策定することのハードルは高く、発注側の大企業が主導すれば、適正な価格転嫁という本来の趣旨が損なわれるおそれがあります。本制度の活用を事業者にどう促していくのか、武藤大臣にお伺いして、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →今回の改正は、我が国経済のステージがデフレから物価上昇局面へと大きく転換する中にあって、従来の商習慣を見直し、中小企業が適切に価格転嫁できるよう環境整備するものです。今後、賃上げと投資が牽引する成長型経済へと移行するために必要不可欠な事項が多数盛り込まれたことに加えて、下請という名称自体を改めることとなりました。これは、昨年三月の参議院予算委員会で、我が党の西田実仁幹事長が当事者である中小企業団体からの声を受けて提案したものであり、発注者との間で名実共にパートナーとしての位置付けを法的に明記するものであり、高く評価いたします。
本改正の趣旨をサプライチェーン全般にわたって徹底し、着実な執行を促すために、以下、具体的に質問します。
まず、価格転嫁の定着に向けた取組について伺います。
現在、公明党では、米国の関税引上げ措置が国内経済に及ぼす影響を調査するために、三千人の議員のネットワークを通じて地域の中小企業・小規模事業者に対するヒアリングを行っています。経営者の皆様からお伺いするのは、思うように価格転嫁できない苦しい実情です。そもそも数年前まで、発注側の大企業から原価低減を一方的に通告されてきた慣習を改めることは並大抵のことではありません。
よろず支援拠点に相談したが妙案がないと言われた、中小企業庁の価格交渉フォーマットを使って交渉したが労務費の上昇分は認められないと断られたなど、肩を落とす経営者も少なくありません。政府には、継続的、安定的な価格転嫁が定着するまで、中小企業にしっかりと寄り添い、変革をやり遂げていただきたい。
本改正によって、価格交渉の環境がどう変わるのか。政府として、適切な価格転嫁をどう推進していくのか、武藤経済産業大臣の答弁を求めます。
今回、金型に加えて、木型、治具等についても製造委託の対象物として法案に明記されました。これらは高い精度の部品を短時間で量産することを可能にし、日本の製造業の競争力を支える基盤資産です。現場における速やかな展開が重要ですが、いまだに金型、木型等の無償又は不当に低廉な保管慣行が横行していることについて、これまで以上に踏み込んだ是正措置をとらなければ絵に描いた餅です。政府として、実態をどのように把握し、是正を図っていくのか、伊東大臣にお伺いします。
続いて、手形払いの禁止についてお伺いします。
本改正では、下請法の対象取引において、手形を用いた支払が禁止されることとなります。受託側にある中小企業の資金繰り改善、キャッシュフローの安定をもたらす大きな商慣行の転換であります。
政府はこれまで、二〇二六年を目途とした約束手形の利用廃止を方針として示し、対応を促してきましたが、今なお製造業などにおいては手形が決済手段として流通しており、円滑な廃止に向けた施策が欠かせません。
現時点における手形の利用状況、手形払いを禁止することの意義、また移行期における中小企業への資金繰り支援などについて、武藤大臣にお示しいただきたいと思います。
次に、運送委託取引の追加についてお尋ねします。
今回の改正により、これまで対象外とされてきた発荷主からの運送委託が下請法の対象取引として新たに位置付けられることになりました。従来より度々指摘されてきた発荷主による荷積みの強要や荷待ち時間の機会損失の問題に対処するものであり、高く評価いたします。
本改正の趣旨を貫徹するためには、発荷主に対するガイドラインの整備や物流オペレーションの抜本的な見直しも想定されます。どのように支援していくのか、武藤大臣にお伺いします。
最後に、多段階の事業者が連携して行う振興計画について伺います。
本改正では、多層的なサプライチェーン内の事業者が連携し、共同で振興事業計画を作成することで金融支援などを受けられるようになります。これは、サプライチェーン内部での取引適正化や連携した中小企業の交渉力向上に資するものであり、意欲的な試みとなります。
一方で、直接の取引関係にない事業者同士で事業計画を策定することのハードルは高く、発注側の大企業が主導すれば、適正な価格転嫁という本来の趣旨が損なわれるおそれがあります。本制度の活用を事業者にどう促していくのか、武藤大臣にお伺いして、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
伊
伊東良孝#11
○国務大臣(伊東良孝君) 平木大作議員にお答えいたします。
金型、木型等の無償保管等への対応についてのお尋ねがありました。
長期間発注を行わないにもかかわらず、受注者に対し製造に必要な金型や木型などを無償で保管するように求めることは、この法律に違反するおそれがあり、公正取引委員会においても積極的に対処してきております。
さらに、発注者が管理している型などを受注者に無償で保管させた事例につきましても、勧告、公表を行うとともに、ウェブサイトのQアンドAにおいて、受注者が型などを所有しているにもかかわらず、発注者の承認がなければ廃棄できないような場合にも違反となり得る旨を明確化いたしました。
公正取引委員会においては、引き続き、発注者、受注者の双方に対する大規模な定期調査などにより実態把握に努め、この法律に違反する行為が認められた場合には勧告、公表を行うなど、厳正に対処していくこととしております。
以上でございます。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →金型、木型等の無償保管等への対応についてのお尋ねがありました。
長期間発注を行わないにもかかわらず、受注者に対し製造に必要な金型や木型などを無償で保管するように求めることは、この法律に違反するおそれがあり、公正取引委員会においても積極的に対処してきております。
さらに、発注者が管理している型などを受注者に無償で保管させた事例につきましても、勧告、公表を行うとともに、ウェブサイトのQアンドAにおいて、受注者が型などを所有しているにもかかわらず、発注者の承認がなければ廃棄できないような場合にも違反となり得る旨を明確化いたしました。
公正取引委員会においては、引き続き、発注者、受注者の双方に対する大規模な定期調査などにより実態把握に努め、この法律に違反する行為が認められた場合には勧告、公表を行うなど、厳正に対処していくこととしております。
以上でございます。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
武
武藤容治#12
○国務大臣(武藤容治君) 平木大作議員の御質問にお答えします。
価格交渉の環境、価格転嫁の推進についてお尋ねがありました。
本改正法案により、協議に応じない、説明にも応じない、一方的な代金決定は禁止されます。今後は、ルールの整備に加え、受注者から価格交渉や説明を申し出やすくなる環境を整備してまいります。
具体的には、適切な価格転嫁を促進するため、下請法の執行強化に加え、年二回の価格交渉促進月間を踏まえた価格転嫁状況の実名入りの公表、そして指導、助言、各業界全体へのハイレベルでの適正取引の要請など様々な施策を講じてまいります。
手形の利用状況、手形払い禁止の意義、移行期における資金繰り支援についてお尋ねをいただきました。
全国銀行協会によれば、二〇二四年度の手形交換枚数は約九百七十万枚で、二〇二二年度から約五百八十万枚減少しています。一方で、公正取引委員会の調査によれば、下請法対象取引において手形等を用いた支払はまだ一割程度残っているところです。
手形払いを禁止することで、受注者が代金を現金で得るまでの期間が短くなり、資金繰り負担の軽減につながるとともに、紙の手形の管理コストの削減などの効果があります。手形払いから現金払に移行しようとする中小企業に対しては、低融資、失礼しました、低利融資制度を用意しております。
法案が成立した暁には、中小企業団体を始め経済界に対し、手形払いの禁止及び低利融資制度について丁寧に周知するなど、円滑な移行を促してまいります。
発荷主に対するガイドラインの整備についてお尋ねがありました。
物流の商慣習是正のためには、荷主の行動変容が重要です。今回の下請法改正では、発荷主と運送事業者間の運送委託を新たに規制対象に加え、荷主から運送事業者への代金減額等を規制してまいります。
また、経済産業省では、関係省庁と連携をし、二〇二三年度に荷主が取り組むべき事項をガイドラインとして示し、業界や分野別の自主行動計画の策定を促してまいりました。今年四月に施行されました改正物流効率化法では、荷主に対して荷待ち・荷役時間の短縮等に向けた取組を義務付けているところです。加えて、令和六年度補正予算を活用し、複数企業が連携した物流効率化に資する実証的な取組の支援も行ってまいります。
こうした施策を活用しながら、引き続き、関係省庁と緊密に連携しつつ、荷主の行動変容に向けて取り組んでまいります。
最後になりますが、振興事業計画の活用についてお尋ねをいただきました。
今回の下請振興法の改正では、二以上の取引段階にある事業者による共同での製品改良等の事業計画も支援の対象に加えています。また、発注側企業に対して、受注者側から計画の作成について協議の申出があったときは、協議に応じ作成に協力しなければならない旨を併せて規定をし、受注者が計画の活用を主導しやすくなっています。
さらに、事業計画の承認の基準として、複数の取引段階にわたる場合には、事業者の抜け漏れがないことを規定をし、発注者が恣意的に受注者を選別できないようにしています。
加えて、直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を振興基準に盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで計画の活用を促してまいります。
以上です。拍手
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この発言だけを見る →価格交渉の環境、価格転嫁の推進についてお尋ねがありました。
本改正法案により、協議に応じない、説明にも応じない、一方的な代金決定は禁止されます。今後は、ルールの整備に加え、受注者から価格交渉や説明を申し出やすくなる環境を整備してまいります。
具体的には、適切な価格転嫁を促進するため、下請法の執行強化に加え、年二回の価格交渉促進月間を踏まえた価格転嫁状況の実名入りの公表、そして指導、助言、各業界全体へのハイレベルでの適正取引の要請など様々な施策を講じてまいります。
手形の利用状況、手形払い禁止の意義、移行期における資金繰り支援についてお尋ねをいただきました。
全国銀行協会によれば、二〇二四年度の手形交換枚数は約九百七十万枚で、二〇二二年度から約五百八十万枚減少しています。一方で、公正取引委員会の調査によれば、下請法対象取引において手形等を用いた支払はまだ一割程度残っているところです。
手形払いを禁止することで、受注者が代金を現金で得るまでの期間が短くなり、資金繰り負担の軽減につながるとともに、紙の手形の管理コストの削減などの効果があります。手形払いから現金払に移行しようとする中小企業に対しては、低融資、失礼しました、低利融資制度を用意しております。
法案が成立した暁には、中小企業団体を始め経済界に対し、手形払いの禁止及び低利融資制度について丁寧に周知するなど、円滑な移行を促してまいります。
発荷主に対するガイドラインの整備についてお尋ねがありました。
物流の商慣習是正のためには、荷主の行動変容が重要です。今回の下請法改正では、発荷主と運送事業者間の運送委託を新たに規制対象に加え、荷主から運送事業者への代金減額等を規制してまいります。
また、経済産業省では、関係省庁と連携をし、二〇二三年度に荷主が取り組むべき事項をガイドラインとして示し、業界や分野別の自主行動計画の策定を促してまいりました。今年四月に施行されました改正物流効率化法では、荷主に対して荷待ち・荷役時間の短縮等に向けた取組を義務付けているところです。加えて、令和六年度補正予算を活用し、複数企業が連携した物流効率化に資する実証的な取組の支援も行ってまいります。
こうした施策を活用しながら、引き続き、関係省庁と緊密に連携しつつ、荷主の行動変容に向けて取り組んでまいります。
最後になりますが、振興事業計画の活用についてお尋ねをいただきました。
今回の下請振興法の改正では、二以上の取引段階にある事業者による共同での製品改良等の事業計画も支援の対象に加えています。また、発注側企業に対して、受注者側から計画の作成について協議の申出があったときは、協議に応じ作成に協力しなければならない旨を併せて規定をし、受注者が計画の活用を主導しやすくなっています。
さらに、事業計画の承認の基準として、複数の取引段階にわたる場合には、事業者の抜け漏れがないことを規定をし、発注者が恣意的に受注者を選別できないようにしています。
加えて、直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を振興基準に盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで計画の活用を促してまいります。
以上です。拍手
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関
串
串田誠一#14
○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一です。
会派を代表して、ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について質問いたします。
本法案では、「下請事業者」を「中小受託事業者」と、「親事業者」を「委託事業者」に改めることになりました。その理由としては、発注者と受注者が対等な関係ではないという語感を与えるとの指摘があるとのことでした。
この改正に異論はありませんが、名称を変更することで現実が変わるものでもありません。名称を変更することによって趣旨どおりの対等な関係になることを願っていますが、現実は対等になりにくい構造を有していることを常に意識して取り組まなければならないと思っています。
本改正案の衆議院での審議では、各会派より多方面からなされておりました。それを踏まえ、委託事業者が単純に支払を遅延しているばかりではないので、弁護士として関連する事業、事案を担当してきた経験から、実務において争いになりがちな点を指摘しながら、本改正案との関連を質問したいと思います。
まず、実務で争いになることが多いのは、債務不履行、特に不完全履行の主張ではないでしょうか。民事訴訟の三〇%以上が債務不履行関連であるとも言われています。中小受託事業者は代金請求に対し請負業務は完全に履行したと主張し、委託事業者は履行が不完全であると主張する争いが全国で行われています。仕上がりや内容について委託事業者の納得のいかない場合に代金の不払が発生します。
不履行を理由に支払を拒否されれば、中小受託事業者としては訴訟に踏み切るしかなく、判決までの長い間の不払を避けるため、やむなく譲歩して和解に応じる場合、請負代金の減額になるか、不払期間の遅延損害金は除かれるのが多くの裁判実務ではないでしょうか。このようなトラブルが発生している場合、公正取引委員会は仲裁機能があるのでしょうか。伊東国務大臣にお聞きします。
業務内容が追加などで変更される際にもトラブルが発生します。追加により必要な資材が増える場合には委託事業者も下請代金の増額を認める方向になりやすいと思われますが、仕様変更の場合には下請代金は変わらないと主張するケースも多くあります。
しかし、仕様変更によっても、段取りが変わり、担当する人や資材の変更が必要になったり、仕様変更で納期に間に合わなくなり、人員を増やさざるを得ないこともあります。その際には、下請代金の増額が必要になる場合も多いでしょう。ところが、現場での仕様変更は随時行われることもあり、契約書作成が伴わない場合も少なくありません。
そこで、このような仕様変更による下請代金の支払トラブルを避けるためにはどのように対策をしておくべきなのか、武藤経産大臣にお聞きします。
また、追加や仕様変更によるトラブルが一部にあったとしても、それ以外の履行に問題がない場合も多くあります。しかし、現状では、争いの部分も含めて、全額において支払が滞ることが実務では多いのではないでしょうか。
そこで、争いのない部分については速やかに支払をするような仕組みづくりが必要ではないかと思います。公正取引委員会では、このような申出においても異議のない部分について必要な措置をとるべく勧告されるのでしょうか。伊東国務大臣にお聞きします。
本改正では、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止が設けられています。この協議とは業務着工前だけのことなのでしょうか。
例えば、ここ数年ではロシアによるウクライナ侵攻や、最近はトランプ関税などが勃発しました。当初予定されていないような事態が業務遂行途中で起きてしまい、必要な資材が手に入らない、あるいは高騰してしまって従前の代金では赤字になってしまうような場合には、代金の改定協議は認められているのでしょうか。伊東国務大臣にお聞きします。
中小受託事業者にとっては継続的な取引が極めて重要です。異議を申し出れば今後の取引が継続されない可能性もあるので、泣く泣く我慢することも多いでしょう。
そこで、中小受託事業者が将来の不安なく支払遅延について申出ができることが大切だと思いますが、武藤経産大臣のお考えをお聞かせください。
本改正案では、現金受領までの期間が六十日以内に短縮されました。しかし、六十日間でも短いとは言えないと思います。対等な立場を目指すのであれば、発注者から委託を受けた大規模事業者が、業務終了後、請負代金を受け取る期間の平均を知る必要があります。伊東国務大臣にお聞きします。
委託事業者は、先払いや中間払いにより代金を受領することがあります。請負業務を行うために資材が必要な場合や、完成までの期間が長期に及び人件費等の経費を負担し続けなければならない場合などは前もって資金が必要であるという理由です。これは、資金力に乏しい中小受託事業者ではなおさらです。
そこで、発注者と委託事業者との間で先払いや中間払いが契約上明記されている場合に中小受託事業者にもその時点での支払がなされるべきであると思いますが、武藤経産大臣にお聞きします。
電子記録債権についてお聞きします。
電子記録債権、いわゆるでんさいは、企業間で発生する売掛金などの債権を電子的に記録し、譲渡や割引、決済ができるようにした金融商品です。紛失や偽造のリスクが低く、分割譲渡や早期資金化が容易に行うことができ、印紙税や郵送費が不要であり、活発に利用されています。
特に、中小企業の資金繰りを維持するため、かつて手形割引と言われた機能がでんさい割引として衣替えしました。手形割引は、高い割引料や印紙税など割高感が否めないために、そこまでして回収するのは資金繰りに困っている、財務状況が悪いという印象を与えることもあり、取引先や金融機関から経営状況を疑われることもあったと思います。
でんさい割引はこの点かなり合理化され、中小企業にとって長期の支払期間の資金繰りを解決する有効な手段です。政府としてでんさい割引についてどのように考えているのか、武藤経産大臣にお聞きします。
でんさいによる支払が六十日以内といっても、短い期間ではありません。そこで、でんさい割引が利用されるわけですが、その際は割引料を求められます。委託事業者は短期に支払を受けられるのに対して、中小受託事業者は長く支払を待たされ、その間の資金繰りを埋めるためにでんさい割引などを利用するしかなく、割引料も安くはありません。別の見方からすれば、大規模な事業者が金融機関からの借入金利や手数料を中小受託事業者に押し付けているとも言えなくもありません。
元々でんさいは、発行する委託事業者の信用力が担保になっています。そこで提案ですが、中小受託事業者がでんさい割引を行う際に、金融機関が委託事業者のメインバンクになる場合、あるいは委託事業者の指定する金融機関の場合には、その手数料は大規模委託事業者がメインバンクから借り入れる際の低くなると思われる金利相当の手数料にするなど、中小受託事業者が早期に無理なく資金回収できる仕組みや商慣習を政府主導で行っていくべきではないかと思いますが、伊東国務大臣の見解を伺います。
名称を変えたとしても、圧倒的な力関係の差は現存しています。この溝を少しでも埋める責務は私たち国会議員にあると思います。構造的に弱い立場になりがちな事業者が仕事をした分の代金を早期に安心して受領でき、仕事に邁進できる職場環境を用意することこそ日本再生の第一歩であることを強く意識しながら、国会に課せられた責務を全うしていかなければならないと肝に銘じ、私の質疑といたします。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について質問いたします。
本法案では、「下請事業者」を「中小受託事業者」と、「親事業者」を「委託事業者」に改めることになりました。その理由としては、発注者と受注者が対等な関係ではないという語感を与えるとの指摘があるとのことでした。
この改正に異論はありませんが、名称を変更することで現実が変わるものでもありません。名称を変更することによって趣旨どおりの対等な関係になることを願っていますが、現実は対等になりにくい構造を有していることを常に意識して取り組まなければならないと思っています。
本改正案の衆議院での審議では、各会派より多方面からなされておりました。それを踏まえ、委託事業者が単純に支払を遅延しているばかりではないので、弁護士として関連する事業、事案を担当してきた経験から、実務において争いになりがちな点を指摘しながら、本改正案との関連を質問したいと思います。
まず、実務で争いになることが多いのは、債務不履行、特に不完全履行の主張ではないでしょうか。民事訴訟の三〇%以上が債務不履行関連であるとも言われています。中小受託事業者は代金請求に対し請負業務は完全に履行したと主張し、委託事業者は履行が不完全であると主張する争いが全国で行われています。仕上がりや内容について委託事業者の納得のいかない場合に代金の不払が発生します。
不履行を理由に支払を拒否されれば、中小受託事業者としては訴訟に踏み切るしかなく、判決までの長い間の不払を避けるため、やむなく譲歩して和解に応じる場合、請負代金の減額になるか、不払期間の遅延損害金は除かれるのが多くの裁判実務ではないでしょうか。このようなトラブルが発生している場合、公正取引委員会は仲裁機能があるのでしょうか。伊東国務大臣にお聞きします。
業務内容が追加などで変更される際にもトラブルが発生します。追加により必要な資材が増える場合には委託事業者も下請代金の増額を認める方向になりやすいと思われますが、仕様変更の場合には下請代金は変わらないと主張するケースも多くあります。
しかし、仕様変更によっても、段取りが変わり、担当する人や資材の変更が必要になったり、仕様変更で納期に間に合わなくなり、人員を増やさざるを得ないこともあります。その際には、下請代金の増額が必要になる場合も多いでしょう。ところが、現場での仕様変更は随時行われることもあり、契約書作成が伴わない場合も少なくありません。
そこで、このような仕様変更による下請代金の支払トラブルを避けるためにはどのように対策をしておくべきなのか、武藤経産大臣にお聞きします。
また、追加や仕様変更によるトラブルが一部にあったとしても、それ以外の履行に問題がない場合も多くあります。しかし、現状では、争いの部分も含めて、全額において支払が滞ることが実務では多いのではないでしょうか。
そこで、争いのない部分については速やかに支払をするような仕組みづくりが必要ではないかと思います。公正取引委員会では、このような申出においても異議のない部分について必要な措置をとるべく勧告されるのでしょうか。伊東国務大臣にお聞きします。
本改正では、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止が設けられています。この協議とは業務着工前だけのことなのでしょうか。
例えば、ここ数年ではロシアによるウクライナ侵攻や、最近はトランプ関税などが勃発しました。当初予定されていないような事態が業務遂行途中で起きてしまい、必要な資材が手に入らない、あるいは高騰してしまって従前の代金では赤字になってしまうような場合には、代金の改定協議は認められているのでしょうか。伊東国務大臣にお聞きします。
中小受託事業者にとっては継続的な取引が極めて重要です。異議を申し出れば今後の取引が継続されない可能性もあるので、泣く泣く我慢することも多いでしょう。
そこで、中小受託事業者が将来の不安なく支払遅延について申出ができることが大切だと思いますが、武藤経産大臣のお考えをお聞かせください。
本改正案では、現金受領までの期間が六十日以内に短縮されました。しかし、六十日間でも短いとは言えないと思います。対等な立場を目指すのであれば、発注者から委託を受けた大規模事業者が、業務終了後、請負代金を受け取る期間の平均を知る必要があります。伊東国務大臣にお聞きします。
委託事業者は、先払いや中間払いにより代金を受領することがあります。請負業務を行うために資材が必要な場合や、完成までの期間が長期に及び人件費等の経費を負担し続けなければならない場合などは前もって資金が必要であるという理由です。これは、資金力に乏しい中小受託事業者ではなおさらです。
そこで、発注者と委託事業者との間で先払いや中間払いが契約上明記されている場合に中小受託事業者にもその時点での支払がなされるべきであると思いますが、武藤経産大臣にお聞きします。
電子記録債権についてお聞きします。
電子記録債権、いわゆるでんさいは、企業間で発生する売掛金などの債権を電子的に記録し、譲渡や割引、決済ができるようにした金融商品です。紛失や偽造のリスクが低く、分割譲渡や早期資金化が容易に行うことができ、印紙税や郵送費が不要であり、活発に利用されています。
特に、中小企業の資金繰りを維持するため、かつて手形割引と言われた機能がでんさい割引として衣替えしました。手形割引は、高い割引料や印紙税など割高感が否めないために、そこまでして回収するのは資金繰りに困っている、財務状況が悪いという印象を与えることもあり、取引先や金融機関から経営状況を疑われることもあったと思います。
でんさい割引はこの点かなり合理化され、中小企業にとって長期の支払期間の資金繰りを解決する有効な手段です。政府としてでんさい割引についてどのように考えているのか、武藤経産大臣にお聞きします。
でんさいによる支払が六十日以内といっても、短い期間ではありません。そこで、でんさい割引が利用されるわけですが、その際は割引料を求められます。委託事業者は短期に支払を受けられるのに対して、中小受託事業者は長く支払を待たされ、その間の資金繰りを埋めるためにでんさい割引などを利用するしかなく、割引料も安くはありません。別の見方からすれば、大規模な事業者が金融機関からの借入金利や手数料を中小受託事業者に押し付けているとも言えなくもありません。
元々でんさいは、発行する委託事業者の信用力が担保になっています。そこで提案ですが、中小受託事業者がでんさい割引を行う際に、金融機関が委託事業者のメインバンクになる場合、あるいは委託事業者の指定する金融機関の場合には、その手数料は大規模委託事業者がメインバンクから借り入れる際の低くなると思われる金利相当の手数料にするなど、中小受託事業者が早期に無理なく資金回収できる仕組みや商慣習を政府主導で行っていくべきではないかと思いますが、伊東国務大臣の見解を伺います。
名称を変えたとしても、圧倒的な力関係の差は現存しています。この溝を少しでも埋める責務は私たち国会議員にあると思います。構造的に弱い立場になりがちな事業者が仕事をした分の代金を早期に安心して受領でき、仕事に邁進できる職場環境を用意することこそ日本再生の第一歩であることを強く意識しながら、国会に課せられた責務を全うしていかなければならないと肝に銘じ、私の質疑といたします。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
伊
伊東良孝#15
○国務大臣(伊東良孝君) 串田誠一議員にお答えいたします。
一点目は、公正取引委員会の仲裁機能の有無についてお尋ねがありました。
公正取引委員会は、独占禁止法や下請法に基づき、違反行為者に対する調査、処分等を行う機関であり、取引の当事者を仲裁する機能は有しておりません。
一方で、必ずしも仲裁とは限りませんが、裁判外の紛争解決手続としてADRがあり、例えば、中小企業庁において全国四十七都道府県に下請かけこみ寺を設置しておりまして、電話や面談による相談を受けているほか、ADR手続において当事者の話合いでの解決を促しております。
このように、政府全体として様々な施策を講ずることで引き続き取引適正化を図ってまいります。
二点目に、争いがない部分の代金支払についてのお尋ねがありました。
この法律では、発注した物品等の受領日から六十日以内で定められている期日までに代金を支払わなければならないとしています。発注後に内容の追加や仕様変更があったとしても、発注書に照らして発注された物品等が納められたと認められれば、支払期日までに支払わなければなりません。
仮に、仕様内容に争いがあることなどを理由に期日までに代金全額を支払わなければ支払遅延となる可能性があり、公正取引委員会において勧告を含めて適切に対処していくこととしています。
三点目に、業務途中の代金の改定協議についてのお尋ねがありました。
改正法案で盛り込む協議に応じない一方的な代金の決定禁止規定は、もう一度済みません、改正法案で盛り込む協議に応じない一方的な代金決定の禁止規定は、委託する段階において代金の協議の求めがあれば適切に対応しなければならないことを義務付けるものです。
一方、業務を委託した後、その業務の途中であっても、原材料高騰などの事情が生じれば価格決定など協議が積極的に行われることが望ましいと考えています。
例えば、発注者、受注者の望ましい取引の在り方を示す振興法の振興基準では、あらかじめ定めた価格改定タイミングだけでなく、労務費、原材料費、エネルギー価格等のコストが増加した場合には、その期中における価格変更もコスト上昇を踏まえて柔軟に対応すべきとされています。
このように、委託する前と後を問わず、事情変更を踏まえた価格協議がなされるよう、引き続きこれらの法律に基づき適切に対処してまいります。
四点目に、元請となる委託事業者への代金支払期間の平均を知るべきではないかとのお尋ねがありました。
それぞれの業種によって多段階の取引の構造や取引の形態などが大きく異なっており、それに伴って元請となる委託事業者への代金支払までの期間も異なっているものと承知をいたしております。
そのため、この法律のような業種間横断的な規制を検討するに当たっては、単に支払期間の平均を基にするのではなく、業種ごとの違いを踏まえてもなお問題があるかとの観点で検討すべきであると考えています。
一方で、この法律では、中小受託事業者への代金支払期日を給付を受領した日から六十日以内のできるだけ短い期間内に定めなければならないとしており、支払が六十日より短い期間となることが望ましいと考えています。
引き続き、中小企業を始めとする受注者に速やかに代金が支払われるように政府として取り組んでまいります。
五点目に、でんさい割引の手数料についてのお尋ねがありました。
御指摘のでんさい割引の手数料や貸出金利を含め、金融サービスに対する対価の設定は、各金融機関の経営判断に基づいて行われるものと承知をいたしております。
その上で、金融機関は、顧客ニーズを理解し、資金面も含め様々な支援を行うことを通じて事業者、ひいては我が国経済の持続的な成長をサポートするなど、金融仲介機能を十分に発揮する役割が期待されています。
こうした役割を踏まえ、政府としては、金融機関に対して、これまでも資金繰り支援等の事業者の実情に応じた支援を徹底することを要請してきたところです。
引き続き、金融庁を中心として、関係省庁が連携しながら、金融機関による積極的な事業者支援を促していくものと承知をいたしております。
以上でございます。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →一点目は、公正取引委員会の仲裁機能の有無についてお尋ねがありました。
公正取引委員会は、独占禁止法や下請法に基づき、違反行為者に対する調査、処分等を行う機関であり、取引の当事者を仲裁する機能は有しておりません。
一方で、必ずしも仲裁とは限りませんが、裁判外の紛争解決手続としてADRがあり、例えば、中小企業庁において全国四十七都道府県に下請かけこみ寺を設置しておりまして、電話や面談による相談を受けているほか、ADR手続において当事者の話合いでの解決を促しております。
このように、政府全体として様々な施策を講ずることで引き続き取引適正化を図ってまいります。
二点目に、争いがない部分の代金支払についてのお尋ねがありました。
この法律では、発注した物品等の受領日から六十日以内で定められている期日までに代金を支払わなければならないとしています。発注後に内容の追加や仕様変更があったとしても、発注書に照らして発注された物品等が納められたと認められれば、支払期日までに支払わなければなりません。
仮に、仕様内容に争いがあることなどを理由に期日までに代金全額を支払わなければ支払遅延となる可能性があり、公正取引委員会において勧告を含めて適切に対処していくこととしています。
三点目に、業務途中の代金の改定協議についてのお尋ねがありました。
改正法案で盛り込む協議に応じない一方的な代金の決定禁止規定は、もう一度済みません、改正法案で盛り込む協議に応じない一方的な代金決定の禁止規定は、委託する段階において代金の協議の求めがあれば適切に対応しなければならないことを義務付けるものです。
一方、業務を委託した後、その業務の途中であっても、原材料高騰などの事情が生じれば価格決定など協議が積極的に行われることが望ましいと考えています。
例えば、発注者、受注者の望ましい取引の在り方を示す振興法の振興基準では、あらかじめ定めた価格改定タイミングだけでなく、労務費、原材料費、エネルギー価格等のコストが増加した場合には、その期中における価格変更もコスト上昇を踏まえて柔軟に対応すべきとされています。
このように、委託する前と後を問わず、事情変更を踏まえた価格協議がなされるよう、引き続きこれらの法律に基づき適切に対処してまいります。
四点目に、元請となる委託事業者への代金支払期間の平均を知るべきではないかとのお尋ねがありました。
それぞれの業種によって多段階の取引の構造や取引の形態などが大きく異なっており、それに伴って元請となる委託事業者への代金支払までの期間も異なっているものと承知をいたしております。
そのため、この法律のような業種間横断的な規制を検討するに当たっては、単に支払期間の平均を基にするのではなく、業種ごとの違いを踏まえてもなお問題があるかとの観点で検討すべきであると考えています。
一方で、この法律では、中小受託事業者への代金支払期日を給付を受領した日から六十日以内のできるだけ短い期間内に定めなければならないとしており、支払が六十日より短い期間となることが望ましいと考えています。
引き続き、中小企業を始めとする受注者に速やかに代金が支払われるように政府として取り組んでまいります。
五点目に、でんさい割引の手数料についてのお尋ねがありました。
御指摘のでんさい割引の手数料や貸出金利を含め、金融サービスに対する対価の設定は、各金融機関の経営判断に基づいて行われるものと承知をいたしております。
その上で、金融機関は、顧客ニーズを理解し、資金面も含め様々な支援を行うことを通じて事業者、ひいては我が国経済の持続的な成長をサポートするなど、金融仲介機能を十分に発揮する役割が期待されています。
こうした役割を踏まえ、政府としては、金融機関に対して、これまでも資金繰り支援等の事業者の実情に応じた支援を徹底することを要請してきたところです。
引き続き、金融庁を中心として、関係省庁が連携しながら、金融機関による積極的な事業者支援を促していくものと承知をいたしております。
以上でございます。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
武
武藤容治#16
○国務大臣(武藤容治君) 串田誠一議員の御質問にお答えさせていただきます。
契約の仕様変更による代金支払トラブルへの対策についてお尋ねがありました。
一般論としましては、委託者から仕様の変更を求められた受託者は、変更に着手する前の時点で追加でコストが必要となる旨を伝え、追加代金について合意を得ておくことがトラブル回避に有効と考えております。また、交渉の際には、一方的な給付内容の変更は下請法違反の可能性があることや、下請振興法上の振興基準において、発注者は急な仕様変更等を行う場合には追加コストを負担する旨の規定があることを効果的に活用いただくことも有効と考えられております。
次に、受託事業者が将来の不安なく支払遅延について申出ができることの重要性についてお尋ねがありました。
下請法では、給付を受領した日から起算して六十日以内のできるだけ短い期間内における支払期日を定めた上で支払遅延を禁止しています。加えて、支払遅延等の事実を申告した受注者に対して取引打切りなどの報復行為も禁止しております。
これらの規定が確実に遵守されるよう、公正取引委員会と中小企業庁は、約三十万の事業者に対し書面調査を実施しているほか、通報窓口を設置しております。さらに、全国四十七都道府県に設置している下請かけこみ寺で支払遅延も含めた相談を受け付け、助言等を行っています。
今後も、受託事業者が不安なく代金の支払を請求できるよう、こうした相談窓口の周知や下請法の厳正な執行に取り組んでまいります。
受託事業者にも先払いや中間払いがなされるべきとのお尋ねがありました。
民間事業者同士の契約内容は、代金支払の回数や期限も含めて、当事者の交渉により決定されるのが原則であります。議員御指摘のような代金の一部先払いや中間払いを含めた契約内容は、双方にメリットがあるために合意されたものと考えられます。
ある事業者が自らを顧客から先払いや中間払いを受けている場合において、受託事業者との契約内容、支払タイミングをどうするかについても、資金繰り負担の公平性を含めて当事者が交渉で定めるべきであると思います。
経済産業省といたしましては、当事者間で協議が促進され、受託事業者が不当に不利益を受けないよう、下請法の執行を徹底してまいります。
でんさい割引、すなわち電子記録債権の現金化についてお尋ねがありました。
でんさいを含めた電子記録債権は、管理コストが安く、一部を分割して売却できるなど、手形に比べて売却、現金化しやすく、中小企業の資金繰り負担を軽減する側面があると考えています。
一方で、現金の形での代金入手まで一定の期間待つ必要があり、早く現金を得ようと売却する場合には一定の手数料等が発生するという面もあります。
政府といたしましては、電子記録債権で支払う場合でも、支払期日までに満額を現金化できるよう、今回の下請法改正により規制します。また、業界ごとの自主行動計画の改定により、業界全体での支払期間の短縮化、支払の現金化を進めてまいります。
以上です。拍手
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この発言だけを見る →契約の仕様変更による代金支払トラブルへの対策についてお尋ねがありました。
一般論としましては、委託者から仕様の変更を求められた受託者は、変更に着手する前の時点で追加でコストが必要となる旨を伝え、追加代金について合意を得ておくことがトラブル回避に有効と考えております。また、交渉の際には、一方的な給付内容の変更は下請法違反の可能性があることや、下請振興法上の振興基準において、発注者は急な仕様変更等を行う場合には追加コストを負担する旨の規定があることを効果的に活用いただくことも有効と考えられております。
次に、受託事業者が将来の不安なく支払遅延について申出ができることの重要性についてお尋ねがありました。
下請法では、給付を受領した日から起算して六十日以内のできるだけ短い期間内における支払期日を定めた上で支払遅延を禁止しています。加えて、支払遅延等の事実を申告した受注者に対して取引打切りなどの報復行為も禁止しております。
これらの規定が確実に遵守されるよう、公正取引委員会と中小企業庁は、約三十万の事業者に対し書面調査を実施しているほか、通報窓口を設置しております。さらに、全国四十七都道府県に設置している下請かけこみ寺で支払遅延も含めた相談を受け付け、助言等を行っています。
今後も、受託事業者が不安なく代金の支払を請求できるよう、こうした相談窓口の周知や下請法の厳正な執行に取り組んでまいります。
受託事業者にも先払いや中間払いがなされるべきとのお尋ねがありました。
民間事業者同士の契約内容は、代金支払の回数や期限も含めて、当事者の交渉により決定されるのが原則であります。議員御指摘のような代金の一部先払いや中間払いを含めた契約内容は、双方にメリットがあるために合意されたものと考えられます。
ある事業者が自らを顧客から先払いや中間払いを受けている場合において、受託事業者との契約内容、支払タイミングをどうするかについても、資金繰り負担の公平性を含めて当事者が交渉で定めるべきであると思います。
経済産業省といたしましては、当事者間で協議が促進され、受託事業者が不当に不利益を受けないよう、下請法の執行を徹底してまいります。
でんさい割引、すなわち電子記録債権の現金化についてお尋ねがありました。
でんさいを含めた電子記録債権は、管理コストが安く、一部を分割して売却できるなど、手形に比べて売却、現金化しやすく、中小企業の資金繰り負担を軽減する側面があると考えています。
一方で、現金の形での代金入手まで一定の期間待つ必要があり、早く現金を得ようと売却する場合には一定の手数料等が発生するという面もあります。
政府といたしましては、電子記録債権で支払う場合でも、支払期日までに満額を現金化できるよう、今回の下請法改正により規制します。また、業界ごとの自主行動計画の改定により、業界全体での支払期間の短縮化、支払の現金化を進めてまいります。
以上です。拍手
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関
礒
礒崎哲史#18
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、会派を代表し、質問いたします。
一九九〇年代後半以降、いわゆるデフレ経済が続く中、労働者の平均賃金は上がらず、日本の国際競争力も低下の一途をたどりました。こうした状況を打開すべく、二〇一三年、いわゆるアベノミクス三本の矢が放たれましたが、賃金上昇は起こりませんでした。金融政策、財政政策、成長産業政策の三つは政府が重要視すべき経済政策の基本的要素であり、思い切った金融緩和政策を講じたにもかかわらず、賃金上昇の道筋をつくれなかった点において失敗であったと言わざるを得ません。
その流れはコロナ禍を機に大きく変わり始めました。感染症の収束に伴うグローバルでの経済活動復活とともに物価が上昇。日本においても労働者の賃金が上がり始め、連合の集計によれば、本年度の賃上げ水準も三十数年ぶりの高水準を維持しており、この流れを絶対に止めてはいけません。一方で、現在の物価上昇はエネルギー価格の高騰などコストプッシュ型の要因も含まれており、さらに、アメリカの相互関税の影響も懸念される中、物価上昇に負けない賃上げの実現には引き続き様々な対策が必要な状況です。
近年、政府も持続的な賃上げの環境づくり、とりわけ労働者の七割を占める中小企業の賃上げ環境整備に向けて様々な取組を実施してきました。
一昨年、二〇二三年十一月末には、公正取引委員会と内閣官房によるガイドライン、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針が策定され、また中小企業を中心に企業アンケートにも力を入れ、ガイドラインへの対応が不十分とされた企業は公正取引委員会のホームページにおいて企業名を公表、フォロー対象とするなど、取組の強化を図ってきたと承知をしています。
今般の下請法等改正案は、こうした政府方針に基づく様々な取組に対し、法律上の権限や位置付けを明確にし、また他の業法との結び付きを強化をしていく内容であり、一日も早い成立を労働界、連合からも求められているものであります。
その意味において、本改正案に関する争点は多くないとは考えますが、適正取引の実現、賃上げの実現は待ったなしであり、本法律案を含め、施策の実効性を高めていく観点で、以下、質問をいたします。
ここ数年の物価上昇を受け、適切な価格転嫁が行われる取引環境の整備のために政府は様々な施策に取り組んでこられましたが、これまでの施策についてどのように評価し、またどのような課題があると考えているか、武藤経済産業大臣、お答え願います。
規制対象の追加について伺います。
平成十五年の下請法改正では、役務提供委託が下請法の適用対象に追加され、運送サービスについても元請運送事業者と下請運送事業者の取引が下請法の対象となりました。他方で、荷主と運送事業者との間の運送委託契約は下請法の適用対象とはされませんでした。
今般の下請法改正案では、発荷主が運送事業者に対して、製造、販売等の目的物の引渡しに必要な運送の委託を対象取引に追加することとしていますが、平成十五年の改正で運送委託契約が対象とならなかった理由及び今回新たに対象として追加した理由について、前回改正時との社会的変化も踏まえて、公正取引委員会を担当する伊東国務大臣、御説明願います。
また、運送事業者による着荷主への役務提供については、荷降ろしにとどまらず、敷地内搬送や倉庫内整理、棚への陳列など多岐にわたっていますが、今般の見直しによって法律上どのように整理されることとなるのか、併せて伊東大臣に伺います。
次に、従業員基準の見直しについて伺います。
現行下請法では、適用対象となる下請取引の範囲を、事業者の資本金の額及び取引の内容、例えば製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託などの両面から定めています。
本法律案では、いわゆる下請法逃れへの対応として新たに従業員基準を追加することとしていますが、どのような下請法逃れがあったのか、具体的な事例について伊東大臣に伺います。
また、従業員基準を従業員数三百名、役務提供委託等は百名とする理由についても併せて伺います。
加えて、中小企業庁と公正取引委員会が開催する関係有識者から成る企業取引研究会の検討段階においては、従業員基準以外にも案が検討されたとありますけれども、他の案を採用しなかった理由についても、伊東大臣、御説明願います。
現行下請法では、第四条第一項第七号において、親事業者の違反行為を公正取引委員会又は中小企業庁長官に知らせることを理由に、その下請事業者に対して不利益な取扱いをする報復措置を禁止しています。しかし、省庁や関係団体によるアンケート及び聞き取り調査からは、下請事業者が取引数量の削減、取引停止などの報復を恐れ、所管省庁へ知らせることにとどまらず、価格転嫁の申入れやアンケートに回答することすらちゅうちょするとの実態が浮き彫りになっています。
また、各行政機関の有する権限については、公正取引委員会による調査及び検査、勧告が規定され、中小企業庁に関しては、調査及び検査、公正取引委員会に対する措置請求が規定されています。一方で、事業所管省庁には、中小企業庁長官の措置請求に協力するために、特に必要なときの調査及び検査が規定されています。
本法律案では、事業所管省庁の主務大臣に新たに指導及び助言の権限を付与することとしていますが、本見直しによる効果としてどのようなことを期待しているか、経済産業大臣、お答え願います。
また、関係行政機関における相互情報提供に係る規定が新設されますが、各省庁間でどのような情報を共有し、活用していくのか、期待する効果についても併せて、経産大臣、御答弁願います。
この間、適正取引の実態の把握と改善活動を目的として下請Gメンが設置され、その人数規模も増強が図られてきました。また、新たにトラック・物流Gメン、建設Gメンの活動も始まり、各業界においての一層の取組強化がなされていると承知しています。
一方で、先ほどの質問でも述べましたが、現場では報復措置を恐れ、実態を明かすことをちゅうちょする状況も続いています。各種Gメンの取組の効果は十分評価をしていますが、事を慎重に進める必要があるがゆえに調査に手間と時間が掛かることも悩ましい点です。
そこで、実効性を高めていく上で、事業者が知らせたのではなく、隠せない状況をつくり出すために、取組を公表した上で大々的な実態調査ローラー作戦を実施してはいかがでしょうか。経産大臣の御所見をお伺いします。
関係有識者から成る企業取引研究会が今回の法改正に先立って取りまとめた報告書では、デフレ型商慣習から脱却するためには、法的手当てと併せてより一層の価格転嫁対策に係る施策を推進していくことが求められるとしていますが、本法案の提出以外に今後どのような取組が必要であると考えているか、経産大臣に伺います。
例えば、価格転嫁に苦労し、依然として物流の二〇二四年問題を抱える運送業界からは、従前より、通販における送料無料の表記の改善を求める声が届けられていました。本来、送料を事業者側が負担することを意味するはずですが、あたかも送料が値切り対象であるかのような印象を与えることになってはいないでしょうか。送料は無料ではありません。安全に時間どおりに丁寧に運ぶという付加価値に見合った適正な価格転嫁が必要です。
こうした身の回りにある日常的な商慣習の見直しにも改めて目を向け、それぞれの労働の価値や付加価値に基づいた適正な取引の実現に向けて、経産大臣を始め関係各所の皆様には力強く活動を推進していただくことをお願いし、質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について、会派を代表し、質問いたします。
一九九〇年代後半以降、いわゆるデフレ経済が続く中、労働者の平均賃金は上がらず、日本の国際競争力も低下の一途をたどりました。こうした状況を打開すべく、二〇一三年、いわゆるアベノミクス三本の矢が放たれましたが、賃金上昇は起こりませんでした。金融政策、財政政策、成長産業政策の三つは政府が重要視すべき経済政策の基本的要素であり、思い切った金融緩和政策を講じたにもかかわらず、賃金上昇の道筋をつくれなかった点において失敗であったと言わざるを得ません。
その流れはコロナ禍を機に大きく変わり始めました。感染症の収束に伴うグローバルでの経済活動復活とともに物価が上昇。日本においても労働者の賃金が上がり始め、連合の集計によれば、本年度の賃上げ水準も三十数年ぶりの高水準を維持しており、この流れを絶対に止めてはいけません。一方で、現在の物価上昇はエネルギー価格の高騰などコストプッシュ型の要因も含まれており、さらに、アメリカの相互関税の影響も懸念される中、物価上昇に負けない賃上げの実現には引き続き様々な対策が必要な状況です。
近年、政府も持続的な賃上げの環境づくり、とりわけ労働者の七割を占める中小企業の賃上げ環境整備に向けて様々な取組を実施してきました。
一昨年、二〇二三年十一月末には、公正取引委員会と内閣官房によるガイドライン、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針が策定され、また中小企業を中心に企業アンケートにも力を入れ、ガイドラインへの対応が不十分とされた企業は公正取引委員会のホームページにおいて企業名を公表、フォロー対象とするなど、取組の強化を図ってきたと承知をしています。
今般の下請法等改正案は、こうした政府方針に基づく様々な取組に対し、法律上の権限や位置付けを明確にし、また他の業法との結び付きを強化をしていく内容であり、一日も早い成立を労働界、連合からも求められているものであります。
その意味において、本改正案に関する争点は多くないとは考えますが、適正取引の実現、賃上げの実現は待ったなしであり、本法律案を含め、施策の実効性を高めていく観点で、以下、質問をいたします。
ここ数年の物価上昇を受け、適切な価格転嫁が行われる取引環境の整備のために政府は様々な施策に取り組んでこられましたが、これまでの施策についてどのように評価し、またどのような課題があると考えているか、武藤経済産業大臣、お答え願います。
規制対象の追加について伺います。
平成十五年の下請法改正では、役務提供委託が下請法の適用対象に追加され、運送サービスについても元請運送事業者と下請運送事業者の取引が下請法の対象となりました。他方で、荷主と運送事業者との間の運送委託契約は下請法の適用対象とはされませんでした。
今般の下請法改正案では、発荷主が運送事業者に対して、製造、販売等の目的物の引渡しに必要な運送の委託を対象取引に追加することとしていますが、平成十五年の改正で運送委託契約が対象とならなかった理由及び今回新たに対象として追加した理由について、前回改正時との社会的変化も踏まえて、公正取引委員会を担当する伊東国務大臣、御説明願います。
また、運送事業者による着荷主への役務提供については、荷降ろしにとどまらず、敷地内搬送や倉庫内整理、棚への陳列など多岐にわたっていますが、今般の見直しによって法律上どのように整理されることとなるのか、併せて伊東大臣に伺います。
次に、従業員基準の見直しについて伺います。
現行下請法では、適用対象となる下請取引の範囲を、事業者の資本金の額及び取引の内容、例えば製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託などの両面から定めています。
本法律案では、いわゆる下請法逃れへの対応として新たに従業員基準を追加することとしていますが、どのような下請法逃れがあったのか、具体的な事例について伊東大臣に伺います。
また、従業員基準を従業員数三百名、役務提供委託等は百名とする理由についても併せて伺います。
加えて、中小企業庁と公正取引委員会が開催する関係有識者から成る企業取引研究会の検討段階においては、従業員基準以外にも案が検討されたとありますけれども、他の案を採用しなかった理由についても、伊東大臣、御説明願います。
現行下請法では、第四条第一項第七号において、親事業者の違反行為を公正取引委員会又は中小企業庁長官に知らせることを理由に、その下請事業者に対して不利益な取扱いをする報復措置を禁止しています。しかし、省庁や関係団体によるアンケート及び聞き取り調査からは、下請事業者が取引数量の削減、取引停止などの報復を恐れ、所管省庁へ知らせることにとどまらず、価格転嫁の申入れやアンケートに回答することすらちゅうちょするとの実態が浮き彫りになっています。
また、各行政機関の有する権限については、公正取引委員会による調査及び検査、勧告が規定され、中小企業庁に関しては、調査及び検査、公正取引委員会に対する措置請求が規定されています。一方で、事業所管省庁には、中小企業庁長官の措置請求に協力するために、特に必要なときの調査及び検査が規定されています。
本法律案では、事業所管省庁の主務大臣に新たに指導及び助言の権限を付与することとしていますが、本見直しによる効果としてどのようなことを期待しているか、経済産業大臣、お答え願います。
また、関係行政機関における相互情報提供に係る規定が新設されますが、各省庁間でどのような情報を共有し、活用していくのか、期待する効果についても併せて、経産大臣、御答弁願います。
この間、適正取引の実態の把握と改善活動を目的として下請Gメンが設置され、その人数規模も増強が図られてきました。また、新たにトラック・物流Gメン、建設Gメンの活動も始まり、各業界においての一層の取組強化がなされていると承知しています。
一方で、先ほどの質問でも述べましたが、現場では報復措置を恐れ、実態を明かすことをちゅうちょする状況も続いています。各種Gメンの取組の効果は十分評価をしていますが、事を慎重に進める必要があるがゆえに調査に手間と時間が掛かることも悩ましい点です。
そこで、実効性を高めていく上で、事業者が知らせたのではなく、隠せない状況をつくり出すために、取組を公表した上で大々的な実態調査ローラー作戦を実施してはいかがでしょうか。経産大臣の御所見をお伺いします。
関係有識者から成る企業取引研究会が今回の法改正に先立って取りまとめた報告書では、デフレ型商慣習から脱却するためには、法的手当てと併せてより一層の価格転嫁対策に係る施策を推進していくことが求められるとしていますが、本法案の提出以外に今後どのような取組が必要であると考えているか、経産大臣に伺います。
例えば、価格転嫁に苦労し、依然として物流の二〇二四年問題を抱える運送業界からは、従前より、通販における送料無料の表記の改善を求める声が届けられていました。本来、送料を事業者側が負担することを意味するはずですが、あたかも送料が値切り対象であるかのような印象を与えることになってはいないでしょうか。送料は無料ではありません。安全に時間どおりに丁寧に運ぶという付加価値に見合った適正な価格転嫁が必要です。
こうした身の回りにある日常的な商慣習の見直しにも改めて目を向け、それぞれの労働の価値や付加価値に基づいた適正な取引の実現に向けて、経産大臣を始め関係各所の皆様には力強く活動を推進していただくことをお願いし、質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
伊
伊東良孝#19
○国務大臣(伊東良孝君) 礒崎哲史議員にお答えいたします。
一点目は、運送委託の追加の理由についてお尋ねがありました。
平成十五年の改正では、発荷主による運送委託につきましては、優越的地位の濫用行為が行われやすいと言える再委託などの構造にある取引ではなく、発荷主が自ら用いる役務の委託であるとして、この法律の対象とはせず、独占禁止法に基づく物流特殊指定を策定し、問題行為に対応していくことといたしました。
他方で、公正取引委員会がその遵守状況を継続的に調査してきた結果、近年、問題につながるおそれがあるとして注意喚起の対象となった発荷主は毎年六百名前後で高止まりしており、依然として問題が多く生じている状況にあると考えております。
こうした状況を踏まえて、今回、販売や製造などの対象となる物品の引渡しに関して、発荷主が運送を委託する取引については実質的に再委託と同等の構造にあると言えると判断し、発荷主による問題行為に対してより迅速に対処するため、このような運送委託を新たにこの法律の対象取引として追加することとしたものであります。
二点目の、運送事業者による着荷主へ役務提供についてお尋ねがありました。
独占禁止法上の優越的地位の濫用規制やその補完法でありますこの法律では、取引関係がある当事者との間で適用されるため、発荷主が運送事業者に対して着荷主の元で作業を行うことを求めていると認められる場合については、独占禁止法やこの法律上の問題となります。
他方で、取引関係がない着荷主と運送事業者との問題につきましても適切に対応して対処していくことが重要であることから、事業所管省庁との更なる連携が必要と考えております。
そのため、運送事業者に役務提供の費用負担の問題については、事業所管省庁において、発荷主や運送事業者などの取引関係にある当事者間で適正な契約が結ばれるよう事業者へ働きかけが行われるようにするとともに、取引当事者間の契約が不公正なものであるときには、公正取引委員会において独占禁止法やこの法律の問題としていくなど、今後、関係省庁と連携して対応していくこととしています。
三点目の、下請法逃れの具体例についてのお尋ねがありました。
現行法の資本金基準に関しては、例えば、事業規模は大きいものの資本金が少額である事業者が存在するほか、近年、資本金制度の柔軟化や減資手続の緩和などにより、自ら資本金を減資する事業者が増加しているという状況が見られます。また、取引先から下請法の対象となる事業者とは取引をしないと言われ、下請法の対象とならないように増資を求められたという受注者からの声も寄せられております。
今回の法改正で、資本金基準に加えて従業員基準を導入することによって、このような法の適用逃れと考えられるような事例に対してもこの法律を適用できるようになると考えております。
四点目は、その従業員基準についてでありますが、現行法では、独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完して簡易迅速に立場の弱い受注者の利益保障、保護を図るために、中小企業基本法の中小企業者の定義などを参考に、資本金区分によって外形的に規制の対象を定めております。
改正法案では、従来の資本金基準に加え、新たに従業員基準を導入することとしておりますが、資本金基準と同様に、中小企業基本法の中小企業者の範囲などを参考とするとともに、過去の違反行為事例における従業員数の状況を踏まえ、製造委託などの場合には三百人、役務提供委託などの場合には百人という基準を採用することとしております。
五点目に、従業員基準以外の案を採用しなかった理由についてのお尋ねがありました。
公正取引委員会と中小企業庁が開催した企業取引研究会では、資本金基準を補完する基準として、改正法案に盛り込んだ従業員基準を導入する案のほか、資本金基準に新たな資本金区分を追加する案や取引依存度を基準とする案などについても議論されたところであります。
研究会では、これらの案については、それぞれ、新たな資本金区分を追加してもその基準を逃れようとする行為が生じイタチごっこになる、また、取引依存度については導入すると発注者の発注抑制につながるといった意見がありました。
その一方で、従業員基準については、恣意的な変更が難しい基準であり、この法律の適用逃れの防止に有効であるとされ、従業員基準を軸に検討すべきとの提言が取りまとめられました。
この提言を踏まえて改正法案を検討した結果、今回、資本金基準に加えて従業員基準を導入することとしたものであります。
以上でございます。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →一点目は、運送委託の追加の理由についてお尋ねがありました。
平成十五年の改正では、発荷主による運送委託につきましては、優越的地位の濫用行為が行われやすいと言える再委託などの構造にある取引ではなく、発荷主が自ら用いる役務の委託であるとして、この法律の対象とはせず、独占禁止法に基づく物流特殊指定を策定し、問題行為に対応していくことといたしました。
他方で、公正取引委員会がその遵守状況を継続的に調査してきた結果、近年、問題につながるおそれがあるとして注意喚起の対象となった発荷主は毎年六百名前後で高止まりしており、依然として問題が多く生じている状況にあると考えております。
こうした状況を踏まえて、今回、販売や製造などの対象となる物品の引渡しに関して、発荷主が運送を委託する取引については実質的に再委託と同等の構造にあると言えると判断し、発荷主による問題行為に対してより迅速に対処するため、このような運送委託を新たにこの法律の対象取引として追加することとしたものであります。
二点目の、運送事業者による着荷主へ役務提供についてお尋ねがありました。
独占禁止法上の優越的地位の濫用規制やその補完法でありますこの法律では、取引関係がある当事者との間で適用されるため、発荷主が運送事業者に対して着荷主の元で作業を行うことを求めていると認められる場合については、独占禁止法やこの法律上の問題となります。
他方で、取引関係がない着荷主と運送事業者との問題につきましても適切に対応して対処していくことが重要であることから、事業所管省庁との更なる連携が必要と考えております。
そのため、運送事業者に役務提供の費用負担の問題については、事業所管省庁において、発荷主や運送事業者などの取引関係にある当事者間で適正な契約が結ばれるよう事業者へ働きかけが行われるようにするとともに、取引当事者間の契約が不公正なものであるときには、公正取引委員会において独占禁止法やこの法律の問題としていくなど、今後、関係省庁と連携して対応していくこととしています。
三点目の、下請法逃れの具体例についてのお尋ねがありました。
現行法の資本金基準に関しては、例えば、事業規模は大きいものの資本金が少額である事業者が存在するほか、近年、資本金制度の柔軟化や減資手続の緩和などにより、自ら資本金を減資する事業者が増加しているという状況が見られます。また、取引先から下請法の対象となる事業者とは取引をしないと言われ、下請法の対象とならないように増資を求められたという受注者からの声も寄せられております。
今回の法改正で、資本金基準に加えて従業員基準を導入することによって、このような法の適用逃れと考えられるような事例に対してもこの法律を適用できるようになると考えております。
四点目は、その従業員基準についてでありますが、現行法では、独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完して簡易迅速に立場の弱い受注者の利益保障、保護を図るために、中小企業基本法の中小企業者の定義などを参考に、資本金区分によって外形的に規制の対象を定めております。
改正法案では、従来の資本金基準に加え、新たに従業員基準を導入することとしておりますが、資本金基準と同様に、中小企業基本法の中小企業者の範囲などを参考とするとともに、過去の違反行為事例における従業員数の状況を踏まえ、製造委託などの場合には三百人、役務提供委託などの場合には百人という基準を採用することとしております。
五点目に、従業員基準以外の案を採用しなかった理由についてのお尋ねがありました。
公正取引委員会と中小企業庁が開催した企業取引研究会では、資本金基準を補完する基準として、改正法案に盛り込んだ従業員基準を導入する案のほか、資本金基準に新たな資本金区分を追加する案や取引依存度を基準とする案などについても議論されたところであります。
研究会では、これらの案については、それぞれ、新たな資本金区分を追加してもその基準を逃れようとする行為が生じイタチごっこになる、また、取引依存度については導入すると発注者の発注抑制につながるといった意見がありました。
その一方で、従業員基準については、恣意的な変更が難しい基準であり、この法律の適用逃れの防止に有効であるとされ、従業員基準を軸に検討すべきとの提言が取りまとめられました。
この提言を踏まえて改正法案を検討した結果、今回、資本金基準に加えて従業員基準を導入することとしたものであります。
以上でございます。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
武
武藤容治#20
○国務大臣(武藤容治君) 礒崎哲史議員の御質問にお答えします。
これまでの価格転嫁対策に対する評価と課題についてお尋ねがありました。
二〇一六年に政府全体での取引適正化政策パッケージを取りまとめて以降、設置当初の八十名から三百三十名体制に増員をした下請Gメンによる取引実態把握、年二回の価格交渉促進月間の実施、交渉や転嫁の状況の社名公表や経営トップに対する事業所管大臣名での指導、助言、各業界へのハイレベルでの取引適正化要請など、様々な施策を粘り強く取り組んでまいりました。
これらの結果として、昨年九月時点の価格転嫁率は、若干ながら改善しておりますけれども、四九・七%で、まだまだ道半ばであります。特に、サプライチェーンの深い層になるほど価格転嫁率が下がる傾向が確認されており、こうした事業者への価格転嫁の浸透が今後の重要な課題と認識しているところであります。
事業所管大臣へ指導、助言権限を付与する効果についてお尋ねをいただきました。
下請法の執行強化のためには、各業界の取引実態に精通した各事業所管省庁による取組も重要であります。
このため、本改正案では、例えばトラック・物流Gメンが荷主等への実態調査の場において下請法の観点からも指導を行うなど、事業所管大臣がそれぞれの任務を果たす際に、所管する事業者へ直接指導、助言できる旨を盛り込みました。これにより、幅広い業界の事業者に対し、より迅速に適正取引を促す効果が期待されます。
次に、関係省庁間での情報の共有、活用と、その効果についてお尋ねがありました。
本改正案では、各省庁が所管する各業界について持つ専門的な知見を取引適正化に活用できるよう、関係省庁間の情報共有、活用に関する規定を盛り込みました。
例えば、各省庁が各業界の事業者への調査、ヒアリング等で得た取引の実態、現場情報について、中小企業庁や公正取引委員会が情報共有を受け、下請法の観点から更に詳細な調査、執行を行うことが想定されます。これにより、各省庁が得た幅広い業界、多くの事業者からの取引情報が効果的に下請法の執行に活用され、一層の取引適正化につながる効果が期待をされます。
次に、大々的な実態調査についてお尋ねがありました。
これまで公正取引委員会と中小企業庁は、毎年それぞれ約三十万の事業者に対して下請法違反がないか書面調査を実施しています。また、年二回の価格交渉促進月間の後にも約三十万社へアンケート調査を行い、秘密の保護を伝えて回答を促すなど、より多くの実態把握に努めているところであります。
さらに、本改正法案では、下請法違反を、事務、失礼、事業所管省庁へ申告した受注者に対する発注者の報復措置を禁止することで、受注者が安心して各省にも報告できるようにします。
約三百三十六万もの中小企業への大々的な実態把握は容易ではありませんけれども、これらの取組を更に周知徹底し、少しでも多くの事業者から御回答をいただくことで、より効果的に取引実態を把握してまいります。
本法案以外の一層の価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、労働などの価値が価格に適切に反映される経済を実現するためには、本法案以外にも様々な価格転嫁対策を講じていくことが極めて重要であると思います。
このため、政府としては、他のコストに比べ転嫁しにくい労務費についての交渉、転嫁を促す労務費指針を政府を挙げて幅広い業界へ周知徹底をし、実態把握に努めてまいります。
さらに、価格交渉、転嫁を定期的に行う取引慣行の定着を目指す年二回の価格交渉促進月間を着実に実施するとともに、価格転嫁を阻害する商慣習を見直すよう、各業界に対するハイレベルでの要請や自主行動計画への反映、その実行など、様々な対策を今後とも粘り強く講じてまいります。
以上でございます。拍手
─────────────
この発言だけを見る →これまでの価格転嫁対策に対する評価と課題についてお尋ねがありました。
二〇一六年に政府全体での取引適正化政策パッケージを取りまとめて以降、設置当初の八十名から三百三十名体制に増員をした下請Gメンによる取引実態把握、年二回の価格交渉促進月間の実施、交渉や転嫁の状況の社名公表や経営トップに対する事業所管大臣名での指導、助言、各業界へのハイレベルでの取引適正化要請など、様々な施策を粘り強く取り組んでまいりました。
これらの結果として、昨年九月時点の価格転嫁率は、若干ながら改善しておりますけれども、四九・七%で、まだまだ道半ばであります。特に、サプライチェーンの深い層になるほど価格転嫁率が下がる傾向が確認されており、こうした事業者への価格転嫁の浸透が今後の重要な課題と認識しているところであります。
事業所管大臣へ指導、助言権限を付与する効果についてお尋ねをいただきました。
下請法の執行強化のためには、各業界の取引実態に精通した各事業所管省庁による取組も重要であります。
このため、本改正案では、例えばトラック・物流Gメンが荷主等への実態調査の場において下請法の観点からも指導を行うなど、事業所管大臣がそれぞれの任務を果たす際に、所管する事業者へ直接指導、助言できる旨を盛り込みました。これにより、幅広い業界の事業者に対し、より迅速に適正取引を促す効果が期待されます。
次に、関係省庁間での情報の共有、活用と、その効果についてお尋ねがありました。
本改正案では、各省庁が所管する各業界について持つ専門的な知見を取引適正化に活用できるよう、関係省庁間の情報共有、活用に関する規定を盛り込みました。
例えば、各省庁が各業界の事業者への調査、ヒアリング等で得た取引の実態、現場情報について、中小企業庁や公正取引委員会が情報共有を受け、下請法の観点から更に詳細な調査、執行を行うことが想定されます。これにより、各省庁が得た幅広い業界、多くの事業者からの取引情報が効果的に下請法の執行に活用され、一層の取引適正化につながる効果が期待をされます。
次に、大々的な実態調査についてお尋ねがありました。
これまで公正取引委員会と中小企業庁は、毎年それぞれ約三十万の事業者に対して下請法違反がないか書面調査を実施しています。また、年二回の価格交渉促進月間の後にも約三十万社へアンケート調査を行い、秘密の保護を伝えて回答を促すなど、より多くの実態把握に努めているところであります。
さらに、本改正法案では、下請法違反を、事務、失礼、事業所管省庁へ申告した受注者に対する発注者の報復措置を禁止することで、受注者が安心して各省にも報告できるようにします。
約三百三十六万もの中小企業への大々的な実態把握は容易ではありませんけれども、これらの取組を更に周知徹底し、少しでも多くの事業者から御回答をいただくことで、より効果的に取引実態を把握してまいります。
本法案以外の一層の価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、労働などの価値が価格に適切に反映される経済を実現するためには、本法案以外にも様々な価格転嫁対策を講じていくことが極めて重要であると思います。
このため、政府としては、他のコストに比べ転嫁しにくい労務費についての交渉、転嫁を促す労務費指針を政府を挙げて幅広い業界へ周知徹底をし、実態把握に努めてまいります。
さらに、価格交渉、転嫁を定期的に行う取引慣行の定着を目指す年二回の価格交渉促進月間を着実に実施するとともに、価格転嫁を阻害する商慣習を見直すよう、各業界に対するハイレベルでの要請や自主行動計画への反映、その実行など、様々な対策を今後とも粘り強く講じてまいります。
以上でございます。拍手
─────────────
関
岩
岩渕友#22
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、下請代金法及び下請振興法改正案について質問します。
トランプ関税による影響と不安が広がっています。五月三日、トランプ政権は、自動車関税に加え、自動車部品に対して二五%の追加関税を課す措置を発動しました。自動車部品は自動車に次いで輸出額が大きいことに加え、裾野が広く、サプライチェーンには幅広い事業者が関わっています。
衆議院の審議で武藤経済産業大臣は、取引適正化の取組に影響を与えないようにすることが重要だとして、自動車業界各社のトップに、雇用維持や賃上げの原資の確保のため、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるような価格決定をすることなどを直接要請したと答弁しました。取引先の更に先まで価格転嫁できるように、各社の取組がどう具体化されているのですか。要請どおりの対応が行われているのですか。また、政府自身が雇用を守る責任をどう果たすのですか。
日本商工会議所会頭が中小企業にコストダウンの圧力を掛けないか懸念していると述べているように、取引先へのコストカット圧力、リストラ、非正規切り、賃金抑制などが大規模に起きかねません。こうしたことをさせないよう、どのような対策を取るのですか。不当なトランプ関税の全面撤回を求めるべきではありませんか。以上、経産大臣に伺います。
本法案は、我が国の雇用の七割を占める中小企業が賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させるとしています。そもそも価格転嫁がなぜ進んでこなかったのでしょうか。また、本法案で大きく進む保証はあるのでしょうか。
以下、法案について三点質問します。
一つ目は、価格転嫁についてです。
大企業の下に中小・小規模事業者がピラミッド状に連なる多重下請構造により、買いたたきなど、親企業が下請企業に不公正な取引を押し付けるやり方が横行している国は世界でも日本だけです。
昨年九月の価格交渉促進月間フォローアップ調査結果では、一次下請企業の価格転嫁率は五割を超える一方、四次請け以上の企業は約三五%程度であり、全く転嫁できなかった、又は減額された企業は四割近くに上ります。取引段階が深くなるにつれて、価格転嫁割合は低くなっています。
本法案では、価格協議を求められた親事業者側が協議に応じないことや、必要な説明を行わずに代金を決定することが禁止されます。
群馬県桐生市で自動車部品の工場を営む下請事業者の方々から話を伺いました。工賃が二十五年上がっていない、交渉には応じないと言われ、値上げの要求さえできないという深刻な訴えがありました。
全国商工団体連合会附属の中小商工業研究所が三月に発表した下請事業者への緊急アンケートでは、自ら親事業者に価格交渉を申し出るつもりがないと回答した事業者は六割に上り、その理由として、取引が停止されると困る、仕事量が減ると困る、交渉しても価格は上がらないと諦めているとの回答が多くなっています。そもそも協議さえ言い出せないのが実態です。
下請事業者が圧倒的に弱い立場に置かれているという認識がありますか。協議すれば価格の据置きや引下げが起きないと言えますか。以上、経産大臣と公正取引委員長に伺います。
二つ目は、執行力がどれだけ高まるのかということです。
二〇二四年度、下請法違反に対する公正取引委員会の勧告件数は僅か二十一件です。この間、下請Gメンが増員されてきました。一方、下請法に基づく立入調査権など、強い権限を持つ専任の下請代金検査官は、経済産業省、公正取引委員会合わせて百八十一人で、直近五年間の推移を見ると、共に僅かしか増えていません。下請代金検査官をなぜ増やさないのですか。検査官も大幅に増やすべきではありませんか。あわせて、下請法の禁止行為違反に対する罰則の導入など、法的規制の強化が必要ではありませんか。以上、経産大臣、公取委員長、お答えください。
三つ目は、下請事業者の振興の実効性についてです。
下請振興法では、下請事業者の振興を目的に、親企業と下請企業が協力して振興事業計画を作成し、国の承認を得ることで、金融支援などの措置を受けることができるとなっています。本法案で、二次、三次といった取引段階の事業者が作成する振興事業計画も、主務大臣が承認、支援できるようになります。下請振興法制定以来、振興事業計画に基づく支援の実績は僅か十二件にすぎません。これで下請企業の振興に効果があったと言えるでしょうか。本改正で実効性あるものになるのでしょうか。以上、経産大臣にお聞きします。
次に、下請法の適用外となっている二つの問題について質問します。
一つは、国や地方自治体が行う公共調達である官公需です。官公需は中小企業にとって重要な受注機会となっていますが、価格転嫁率は五五・八%にとどまっており、価格交渉を申し入れたが予算がないと一蹴されたという声が出されています。官公需の価格転嫁における抜本的な対策、実効性ある措置が必要ではありませんか。
二つは、中小企業同士の取引適正化の問題です。本法案では、資本金による区分だけでなく、従業員が三百人を超える発注者も規制対象となります。しかし、その対象外の事業者が更に小規模の事業者に買いたたきなどを行っているという実態があります。こうした実態をどう規制するのでしょうか。以上、経産大臣に伺います。
中小・小規模事業者の賃上げには、価格転嫁だけでなく賃上げの直接支援が必要です。先日懇談した福島県の商工三団体からは、この四年で最低賃金は二割上がったけれど二割の利益を上げるのは大変だという声が出され、自分の身を削らなければ賃上げはできないという声も聞いてきました。また、東京商工リサーチによれば、中小企業の社会保険料を含む税金滞納倒産が昨年度、過去最高となっています。
岩手県、徳島県、群馬県、奈良県などで中小企業の賃上げへの直接支援、補助金がスタートし、取組を伺った岩手県では大きく活用されています。国こそ、中小企業の賃上げ補助金や社会保険料の軽減など、直接支援を大規模に行うべきではありませんか。経産大臣の答弁を求めます。
最後に、今、国民、中小企業の皆さんの最も強い要求となっている消費税減税について質問します。
特に、自営業者にとって消費税は身銭を切って納めなければならない重い負担となっています。また、インボイス制度も事実上の増税となり、課税業者にならないと取引から排除されるなど、廃止を求める声が大きく広がっています。
物価全体が高騰する下で、食料品の消費税をゼロ%にするだけでは減税効果も少なく、インボイスを温存することになります。一律五%の減税は平均世帯で年十二万円の減税となり、インボイス導入の口実もなくなります。今こそ一律五%への減税を決断するべきではありませんか。加藤財務大臣、武藤経産大臣に伺います。
中小企業憲章と小規模企業振興基本法を生かした政策への大転換を求め、質問を終わります。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →トランプ関税による影響と不安が広がっています。五月三日、トランプ政権は、自動車関税に加え、自動車部品に対して二五%の追加関税を課す措置を発動しました。自動車部品は自動車に次いで輸出額が大きいことに加え、裾野が広く、サプライチェーンには幅広い事業者が関わっています。
衆議院の審議で武藤経済産業大臣は、取引適正化の取組に影響を与えないようにすることが重要だとして、自動車業界各社のトップに、雇用維持や賃上げの原資の確保のため、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるような価格決定をすることなどを直接要請したと答弁しました。取引先の更に先まで価格転嫁できるように、各社の取組がどう具体化されているのですか。要請どおりの対応が行われているのですか。また、政府自身が雇用を守る責任をどう果たすのですか。
日本商工会議所会頭が中小企業にコストダウンの圧力を掛けないか懸念していると述べているように、取引先へのコストカット圧力、リストラ、非正規切り、賃金抑制などが大規模に起きかねません。こうしたことをさせないよう、どのような対策を取るのですか。不当なトランプ関税の全面撤回を求めるべきではありませんか。以上、経産大臣に伺います。
本法案は、我が国の雇用の七割を占める中小企業が賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させるとしています。そもそも価格転嫁がなぜ進んでこなかったのでしょうか。また、本法案で大きく進む保証はあるのでしょうか。
以下、法案について三点質問します。
一つ目は、価格転嫁についてです。
大企業の下に中小・小規模事業者がピラミッド状に連なる多重下請構造により、買いたたきなど、親企業が下請企業に不公正な取引を押し付けるやり方が横行している国は世界でも日本だけです。
昨年九月の価格交渉促進月間フォローアップ調査結果では、一次下請企業の価格転嫁率は五割を超える一方、四次請け以上の企業は約三五%程度であり、全く転嫁できなかった、又は減額された企業は四割近くに上ります。取引段階が深くなるにつれて、価格転嫁割合は低くなっています。
本法案では、価格協議を求められた親事業者側が協議に応じないことや、必要な説明を行わずに代金を決定することが禁止されます。
群馬県桐生市で自動車部品の工場を営む下請事業者の方々から話を伺いました。工賃が二十五年上がっていない、交渉には応じないと言われ、値上げの要求さえできないという深刻な訴えがありました。
全国商工団体連合会附属の中小商工業研究所が三月に発表した下請事業者への緊急アンケートでは、自ら親事業者に価格交渉を申し出るつもりがないと回答した事業者は六割に上り、その理由として、取引が停止されると困る、仕事量が減ると困る、交渉しても価格は上がらないと諦めているとの回答が多くなっています。そもそも協議さえ言い出せないのが実態です。
下請事業者が圧倒的に弱い立場に置かれているという認識がありますか。協議すれば価格の据置きや引下げが起きないと言えますか。以上、経産大臣と公正取引委員長に伺います。
二つ目は、執行力がどれだけ高まるのかということです。
二〇二四年度、下請法違反に対する公正取引委員会の勧告件数は僅か二十一件です。この間、下請Gメンが増員されてきました。一方、下請法に基づく立入調査権など、強い権限を持つ専任の下請代金検査官は、経済産業省、公正取引委員会合わせて百八十一人で、直近五年間の推移を見ると、共に僅かしか増えていません。下請代金検査官をなぜ増やさないのですか。検査官も大幅に増やすべきではありませんか。あわせて、下請法の禁止行為違反に対する罰則の導入など、法的規制の強化が必要ではありませんか。以上、経産大臣、公取委員長、お答えください。
三つ目は、下請事業者の振興の実効性についてです。
下請振興法では、下請事業者の振興を目的に、親企業と下請企業が協力して振興事業計画を作成し、国の承認を得ることで、金融支援などの措置を受けることができるとなっています。本法案で、二次、三次といった取引段階の事業者が作成する振興事業計画も、主務大臣が承認、支援できるようになります。下請振興法制定以来、振興事業計画に基づく支援の実績は僅か十二件にすぎません。これで下請企業の振興に効果があったと言えるでしょうか。本改正で実効性あるものになるのでしょうか。以上、経産大臣にお聞きします。
次に、下請法の適用外となっている二つの問題について質問します。
一つは、国や地方自治体が行う公共調達である官公需です。官公需は中小企業にとって重要な受注機会となっていますが、価格転嫁率は五五・八%にとどまっており、価格交渉を申し入れたが予算がないと一蹴されたという声が出されています。官公需の価格転嫁における抜本的な対策、実効性ある措置が必要ではありませんか。
二つは、中小企業同士の取引適正化の問題です。本法案では、資本金による区分だけでなく、従業員が三百人を超える発注者も規制対象となります。しかし、その対象外の事業者が更に小規模の事業者に買いたたきなどを行っているという実態があります。こうした実態をどう規制するのでしょうか。以上、経産大臣に伺います。
中小・小規模事業者の賃上げには、価格転嫁だけでなく賃上げの直接支援が必要です。先日懇談した福島県の商工三団体からは、この四年で最低賃金は二割上がったけれど二割の利益を上げるのは大変だという声が出され、自分の身を削らなければ賃上げはできないという声も聞いてきました。また、東京商工リサーチによれば、中小企業の社会保険料を含む税金滞納倒産が昨年度、過去最高となっています。
岩手県、徳島県、群馬県、奈良県などで中小企業の賃上げへの直接支援、補助金がスタートし、取組を伺った岩手県では大きく活用されています。国こそ、中小企業の賃上げ補助金や社会保険料の軽減など、直接支援を大規模に行うべきではありませんか。経産大臣の答弁を求めます。
最後に、今、国民、中小企業の皆さんの最も強い要求となっている消費税減税について質問します。
特に、自営業者にとって消費税は身銭を切って納めなければならない重い負担となっています。また、インボイス制度も事実上の増税となり、課税業者にならないと取引から排除されるなど、廃止を求める声が大きく広がっています。
物価全体が高騰する下で、食料品の消費税をゼロ%にするだけでは減税効果も少なく、インボイスを温存することになります。一律五%の減税は平均世帯で年十二万円の減税となり、インボイス導入の口実もなくなります。今こそ一律五%への減税を決断するべきではありませんか。加藤財務大臣、武藤経産大臣に伺います。
中小企業憲章と小規模企業振興基本法を生かした政策への大転換を求め、質問を終わります。拍手
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
武
武藤容治#23
○国務大臣(武藤容治君) 岩渕友議員の御質問にお答えさせていただきます。
米国の関税措置による取引先へのしわ寄せへの対策についてお尋ねがありました。
関税措置が発動される中でも取引適正化の取組に影響を与えないことが重要であります。
そのため、先月、私自身が自動車業界各社のトップと面会をし、関税措置の影響が中堅・中小メーカーに及ばぬよう、適正取引の確保を直接要請したところです。各社からは、サプライチェーン全体での適正な価格転嫁を通じ、成長、雇用、分配に積極的に取り組む旨の発言がありました。
さらに、各社はこれまで、深い取引階層のサプライヤーも対象のセミナーを全国各地で開催をし、積極的に価格転嫁を呼びかけているものと承知をしており、今後も継続するよう要請しております。
加えて、短期の支援策として、特別相談窓口の設置、また資金繰りや資金調達への支援、中堅・中小企業の事業強化のための支援を行っています。
こうした取組を着実に実施することで、国内産業や雇用を守るために必要な支援に万全を期してまいりたいと思います。
続いて、米国による関税措置についてお尋ねがありました。
米国による関税措置については、先般行われました日米協議の場において、赤澤大臣から米国側に対し、米国の関税措置は極めて遺憾であると述べつつ、一連の関税措置の見直しを強く申し入れたと承知をしています。その上で、可能な限り早期に日米双方にとって利益となるような合意を実現できるよう、率直かつ建設的な議論を行い、前進することができたと承知をしています。
今回の協議結果も踏まえつつ、引き続き、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでまいります。
価格転嫁が進まない理由と本法案の実効性についてお尋ねをいただきました。
価格転嫁率は昨年九月時点で、若干ながら上昇するも四九・七%であり、いまだ道半ばです。この理由としては、例えば、価格転嫁を申し出れば取引の減少、失注に至る、あるいは、賃上げ分の原資は合理化努力で賄うべきなどの認識が根強く残り、交渉や転嫁を申し出にくい実態も一因と考えられます。さらには、三十年間続いたデフレ経済下で染み付いた、より安く調達すべきとの商慣習が根底にあると考えています。
価格転嫁がどこまで進むかは事業者同士の交渉で決められるものですが、下請法の厳正な執行や価格交渉サポート等により、コスト上昇分も踏まえた適切な価格交渉を促進し、価格転嫁を後押ししてまいります。
次に、下請事業者の立場の弱さや価格協議の効果についてお尋ねいただきました。
一般論として、受注者が中小・小規模事業者である場合には、発注者よりも規模が小さく、立場も弱くなる場合もあると認識をしております。実際に、議員御指摘のように、協議を申し出ることができない等の声も把握しております。
そこで、改正法案では、受注者からの交渉を後押しすべく、協議や説明に応じない一方的な価格決定の禁止を盛り込みました。さらに、全国四十七のよろず支援拠点に価格転嫁に関する相談窓口を設置し、その活用を促すなど、協議しやすい環境を整備します。
中小企業庁の調査によれば、価格交渉できている業種ほど価格転嫁率が高い傾向があり、価格協議の促進は価格据置きの抑制にも一定の効果があると考えられます。
続いて、下請代金検査官の増員についてお尋ねいただきました。
経済産業省では、全国で百八名の下請代金検査官の定員に加え、三百三十名へ増員した下請Gメンが得た情報の活用も含め、下請法執行に適切な体制を確保してまいりました。
まずは、現在の下請代金検査官による法執行の実効性を最大限に高めることが重要であり、公正取引委員会と連携をし、人材交流による検査ノウハウの普及や定期的な連絡協議により、効果的な執行体制の整備、改善を進めております。
加えて、本法案に盛り込まれました各事業所管大臣との間の情報連携の規定も活用し、各省の情報を下請法の執行にも活用するなど、下請法の執行強化を図ってまいります。
続いて、下請法の規制の強化についてお尋ねがありました。
罰則導入を含めた下請法の制度の在り方は、公正取引委員会からお答えをするため、私からの答弁は差し控えますが、下請法の執行においては、行政指導により簡易迅速に被害回復や取引方針の改善を図っております。
経済産業省としては、下請法の厳正な執行に加え、年二回の価格交渉促進月間の実施、価格交渉、転嫁の状況の社名公表などの取組も含め、幅広い対策により取引適正化を促進してまいります。
続いて、下請振興法に基づく下請事業計画の支援の実効性についてお尋ねがありました。
下請振興法の制定以降、十二の振興事業計画を承認し、金融支援等を実施してきました。認定を受けた発注者や受注者は関連設備の相互利用などを通じて生産性の向上が認められるなど、一定の効果があったと認識しているところです。
一方で、現状ではサプライチェーンの深い層まで価格転嫁が浸透し切れていない状況であります。その点を踏まえ、今般の改正では、複数の取引段階にある事業者が共同で効率化や投資等を行う事業者に対して承認、支援できる旨を盛り込んでおります。
下請振興法の改正を踏まえて、振興基準にも直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで、計画の活用を促し、振興法の実効性を高めてまいります。
続いて、官公需の価格転嫁についてお尋ねがありました。
政府としては、国や地方公共団体が工事や役務を調達する際にとるべき措置として、官公需法に基づく基本方針を取りまとめ、閣議決定しております。今年度の基本方針には、価格交渉を促進すべく、協議の申出があった際には誠実に応じなければならない、少なくとも年に一回以上の協議を行うよう努めるなどを盛り込み、先月二十二日に閣議決定した上で国や地方公共団体へ周知したところであります。
今後は、この基本方針が適切に実行されるよう、総務省を始め各省とも連携し、説明会の開催や実施状況の調査等を行い、実効性を確保してまいります。
下請法対象外の事業者による買いたたきについてお尋ねをいただきました。
下請法上の資金、失礼しました、資本金基準や改正法の従業員基準に該当しない取引であっても、資本金や従業員数に差がある場合は下請振興法が適用される可能性があります。望ましい取引方針を示した振興基準の活用を受注者に促す等により、下請法対象外の取引についても適正化に努めます。
また、自己の取引上の地位が相手方に優越することを利用して、正常な商慣習に照らし不当に不利益を与える場合には、優越的地位の濫用として独占禁止法上問題となり得ると承知をしております。
さらに、年二回の価格交渉促進月間に基づく発注企業ごとの交渉、転嫁の状況の公表や業界全体での取引適正化の推進等により、下請法対象外の取引も含め、サプライチェーン全体での価格転嫁を進めてまいります。
最後になりますが、中小企業の賃上げに向けた直接支援や消費税減税についてお尋ねをいただきました。
中小企業・小規模事業者の持続的かつ構造的な賃上げに向けては生産性の向上を伴うことが重要であり、必要であり、直接支援がその点に効果を発揮する施策かどうか慎重に見極める必要があると考えます。
経済産業省としては、中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を向上させ、賃上げ原資を確保することが本質的なアプローチであるという考えの下、本改正法案の厳正な執行を始めとする取引適正化や生産性向上の支援といった施策に取り組んでまいります。
また、消費税については、政府として、その引下げを図ることは適当ではないと考えているところです。
以上です。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →米国の関税措置による取引先へのしわ寄せへの対策についてお尋ねがありました。
関税措置が発動される中でも取引適正化の取組に影響を与えないことが重要であります。
そのため、先月、私自身が自動車業界各社のトップと面会をし、関税措置の影響が中堅・中小メーカーに及ばぬよう、適正取引の確保を直接要請したところです。各社からは、サプライチェーン全体での適正な価格転嫁を通じ、成長、雇用、分配に積極的に取り組む旨の発言がありました。
さらに、各社はこれまで、深い取引階層のサプライヤーも対象のセミナーを全国各地で開催をし、積極的に価格転嫁を呼びかけているものと承知をしており、今後も継続するよう要請しております。
加えて、短期の支援策として、特別相談窓口の設置、また資金繰りや資金調達への支援、中堅・中小企業の事業強化のための支援を行っています。
こうした取組を着実に実施することで、国内産業や雇用を守るために必要な支援に万全を期してまいりたいと思います。
続いて、米国による関税措置についてお尋ねがありました。
米国による関税措置については、先般行われました日米協議の場において、赤澤大臣から米国側に対し、米国の関税措置は極めて遺憾であると述べつつ、一連の関税措置の見直しを強く申し入れたと承知をしています。その上で、可能な限り早期に日米双方にとって利益となるような合意を実現できるよう、率直かつ建設的な議論を行い、前進することができたと承知をしています。
今回の協議結果も踏まえつつ、引き続き、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでまいります。
価格転嫁が進まない理由と本法案の実効性についてお尋ねをいただきました。
価格転嫁率は昨年九月時点で、若干ながら上昇するも四九・七%であり、いまだ道半ばです。この理由としては、例えば、価格転嫁を申し出れば取引の減少、失注に至る、あるいは、賃上げ分の原資は合理化努力で賄うべきなどの認識が根強く残り、交渉や転嫁を申し出にくい実態も一因と考えられます。さらには、三十年間続いたデフレ経済下で染み付いた、より安く調達すべきとの商慣習が根底にあると考えています。
価格転嫁がどこまで進むかは事業者同士の交渉で決められるものですが、下請法の厳正な執行や価格交渉サポート等により、コスト上昇分も踏まえた適切な価格交渉を促進し、価格転嫁を後押ししてまいります。
次に、下請事業者の立場の弱さや価格協議の効果についてお尋ねいただきました。
一般論として、受注者が中小・小規模事業者である場合には、発注者よりも規模が小さく、立場も弱くなる場合もあると認識をしております。実際に、議員御指摘のように、協議を申し出ることができない等の声も把握しております。
そこで、改正法案では、受注者からの交渉を後押しすべく、協議や説明に応じない一方的な価格決定の禁止を盛り込みました。さらに、全国四十七のよろず支援拠点に価格転嫁に関する相談窓口を設置し、その活用を促すなど、協議しやすい環境を整備します。
中小企業庁の調査によれば、価格交渉できている業種ほど価格転嫁率が高い傾向があり、価格協議の促進は価格据置きの抑制にも一定の効果があると考えられます。
続いて、下請代金検査官の増員についてお尋ねいただきました。
経済産業省では、全国で百八名の下請代金検査官の定員に加え、三百三十名へ増員した下請Gメンが得た情報の活用も含め、下請法執行に適切な体制を確保してまいりました。
まずは、現在の下請代金検査官による法執行の実効性を最大限に高めることが重要であり、公正取引委員会と連携をし、人材交流による検査ノウハウの普及や定期的な連絡協議により、効果的な執行体制の整備、改善を進めております。
加えて、本法案に盛り込まれました各事業所管大臣との間の情報連携の規定も活用し、各省の情報を下請法の執行にも活用するなど、下請法の執行強化を図ってまいります。
続いて、下請法の規制の強化についてお尋ねがありました。
罰則導入を含めた下請法の制度の在り方は、公正取引委員会からお答えをするため、私からの答弁は差し控えますが、下請法の執行においては、行政指導により簡易迅速に被害回復や取引方針の改善を図っております。
経済産業省としては、下請法の厳正な執行に加え、年二回の価格交渉促進月間の実施、価格交渉、転嫁の状況の社名公表などの取組も含め、幅広い対策により取引適正化を促進してまいります。
続いて、下請振興法に基づく下請事業計画の支援の実効性についてお尋ねがありました。
下請振興法の制定以降、十二の振興事業計画を承認し、金融支援等を実施してきました。認定を受けた発注者や受注者は関連設備の相互利用などを通じて生産性の向上が認められるなど、一定の効果があったと認識しているところです。
一方で、現状ではサプライチェーンの深い層まで価格転嫁が浸透し切れていない状況であります。その点を踏まえ、今般の改正では、複数の取引段階にある事業者が共同で効率化や投資等を行う事業者に対して承認、支援できる旨を盛り込んでおります。
下請振興法の改正を踏まえて、振興基準にも直接の取引先の更に先の事業者との連携の重要性を盛り込み、振興事業計画のメリットと併せて経済界へ周知することで、計画の活用を促し、振興法の実効性を高めてまいります。
続いて、官公需の価格転嫁についてお尋ねがありました。
政府としては、国や地方公共団体が工事や役務を調達する際にとるべき措置として、官公需法に基づく基本方針を取りまとめ、閣議決定しております。今年度の基本方針には、価格交渉を促進すべく、協議の申出があった際には誠実に応じなければならない、少なくとも年に一回以上の協議を行うよう努めるなどを盛り込み、先月二十二日に閣議決定した上で国や地方公共団体へ周知したところであります。
今後は、この基本方針が適切に実行されるよう、総務省を始め各省とも連携し、説明会の開催や実施状況の調査等を行い、実効性を確保してまいります。
下請法対象外の事業者による買いたたきについてお尋ねをいただきました。
下請法上の資金、失礼しました、資本金基準や改正法の従業員基準に該当しない取引であっても、資本金や従業員数に差がある場合は下請振興法が適用される可能性があります。望ましい取引方針を示した振興基準の活用を受注者に促す等により、下請法対象外の取引についても適正化に努めます。
また、自己の取引上の地位が相手方に優越することを利用して、正常な商慣習に照らし不当に不利益を与える場合には、優越的地位の濫用として独占禁止法上問題となり得ると承知をしております。
さらに、年二回の価格交渉促進月間に基づく発注企業ごとの交渉、転嫁の状況の公表や業界全体での取引適正化の推進等により、下請法対象外の取引も含め、サプライチェーン全体での価格転嫁を進めてまいります。
最後になりますが、中小企業の賃上げに向けた直接支援や消費税減税についてお尋ねをいただきました。
中小企業・小規模事業者の持続的かつ構造的な賃上げに向けては生産性の向上を伴うことが重要であり、必要であり、直接支援がその点に効果を発揮する施策かどうか慎重に見極める必要があると考えます。
経済産業省としては、中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を向上させ、賃上げ原資を確保することが本質的なアプローチであるという考えの下、本改正法案の厳正な執行を始めとする取引適正化や生産性向上の支援といった施策に取り組んでまいります。
また、消費税については、政府として、その引下げを図ることは適当ではないと考えているところです。
以上です。拍手
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
加
加藤勝信#24
○国務大臣(加藤勝信君) 岩渕議員から、消費税減税についてお尋ねがございました。
消費税については、急激な高齢化などに伴い社会保障給付費が大きく増加する中において、全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられていることから、政府として消費税の引下げを行うことは適当ではないと考えております。
なお、物価高については、令和六年度補正予算や令和七年度予算に盛り込んだ施策に加え、今後、ガソリン価格の定額引下げや七から九月の電気・ガス料金支援を行うこととしており、こうしたあらゆる政策を総動員することで、物価動向やその上昇が家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いつつ、物価高対策に取り組んでまいります。拍手
〔政府特別補佐人古谷一之君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →消費税については、急激な高齢化などに伴い社会保障給付費が大きく増加する中において、全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられていることから、政府として消費税の引下げを行うことは適当ではないと考えております。
なお、物価高については、令和六年度補正予算や令和七年度予算に盛り込んだ施策に加え、今後、ガソリン価格の定額引下げや七から九月の電気・ガス料金支援を行うこととしており、こうしたあらゆる政策を総動員することで、物価動向やその上昇が家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いつつ、物価高対策に取り組んでまいります。拍手
〔政府特別補佐人古谷一之君登壇、拍手〕
古
古谷一之#25
○政府特別補佐人(古谷一之君) 岩渕友議員の御質問にお答えをいたします。
一点目、価格転嫁の状況や改正法案の効果についてお尋ねがありました。
これまでの価格転嫁対策の取組の結果、例えば公正取引委員会が実施した特別調査では、労務費に係る価格協議や交渉も行われるようになってきていることが確認されるなど、価格転嫁が一定程度進んでいることが確認をされています。
一方で、近年の急激なコスト上昇分を取引価格に反映できない要因として、事業者からは、発注者が受注者との交渉力の差に乗じ、価格の引上げに係る協議に応じず、又は対等な協議のために前提となる説明や情報提供を行わない、発注者から結果の回答まで必要以上に長期間待たされるといった声も上がっています。このため、今回の改正法案では、発注者が受注者に対して、協議に応じることなく一方的に価格決定することなどを禁止することとしています。
こうした改正により、取引上の立場の弱い中小の受注者が価格交渉しやすくなり、賃上げをするための原資の確保につながることを期待をいたしております。
二点目に、下請事業者の立場や価格協議の効果についてお尋ねがありました。
下請法は、独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完するものであり、この法律の対象となる受注者は、発注者よりも規模が小さく、取引上の立場が弱いという認識の下、受注者の利益保護を簡易迅速に図ることを目的としております。このため、改正法案では、発注者が受注者に対して、協議に応じることなく一方的に価格を押し付けることを禁止することとしております。
こうした改正により、当事者間で実効的な協議が行われるようになれば、その結果、交渉力の弱い受注者が不利な条件を一方的に押し付けられることがなく、より有利な条件で取引できる可能性が高まることが期待されるというふうに考えております。
三つ目に、検査官の増員についてお尋ねがありました。
公正取引委員会における下請法違反行為に係る検査担当者の人数は、価格転嫁対策が本格化する以前の令和二年度においては百四名であったものが、今年度においては百十九名となっております。近年増加してきております。
こうした、公正取引委員会において、これまでも調査、執行体制の強化に努めてはきておりますが、改正法案では、さらに、各業界に関して知見を有する事業所管省庁に対しても、現行の調査権限に加え、指導、助言の権限を付与することとしております。これによりまして、事業所管省庁との連携強化を進めるとともに、必要な下請法執行体制の更なる強化を図り、適切な価格転嫁、取引適正化の更なる推進に取り組んでまいります。
最後に、罰則の強化についてお尋ねがありました。
下請法では、発注書の交付義務などの手続に関する義務違反に対しては罰則が設けられておりますが、買いたたきや減額など取引の内容に関する禁止行為に対しては、受注者の利益保護を重視して、迅速に違反行為を取りやめさせ、受注者の原状回復がなされるよう、罰則ではなく、被害金額の返還などを勧告あるいは公表するなどの措置によって対処する規制となっております。
加えまして、この法律の勧告に従わない場合には、より強い執行力を有する独占禁止法で対応することとなっております。
このように、この法律は、簡易迅速な事件処理により受注者の利益保護を図るものであり、より厳正な独占禁止法との役割分担がなされていることを踏まえますと、この仕組みを維持していくことが適当であるというふうに考えております。
以上でございます。拍手
この発言だけを見る →一点目、価格転嫁の状況や改正法案の効果についてお尋ねがありました。
これまでの価格転嫁対策の取組の結果、例えば公正取引委員会が実施した特別調査では、労務費に係る価格協議や交渉も行われるようになってきていることが確認されるなど、価格転嫁が一定程度進んでいることが確認をされています。
一方で、近年の急激なコスト上昇分を取引価格に反映できない要因として、事業者からは、発注者が受注者との交渉力の差に乗じ、価格の引上げに係る協議に応じず、又は対等な協議のために前提となる説明や情報提供を行わない、発注者から結果の回答まで必要以上に長期間待たされるといった声も上がっています。このため、今回の改正法案では、発注者が受注者に対して、協議に応じることなく一方的に価格決定することなどを禁止することとしています。
こうした改正により、取引上の立場の弱い中小の受注者が価格交渉しやすくなり、賃上げをするための原資の確保につながることを期待をいたしております。
二点目に、下請事業者の立場や価格協議の効果についてお尋ねがありました。
下請法は、独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完するものであり、この法律の対象となる受注者は、発注者よりも規模が小さく、取引上の立場が弱いという認識の下、受注者の利益保護を簡易迅速に図ることを目的としております。このため、改正法案では、発注者が受注者に対して、協議に応じることなく一方的に価格を押し付けることを禁止することとしております。
こうした改正により、当事者間で実効的な協議が行われるようになれば、その結果、交渉力の弱い受注者が不利な条件を一方的に押し付けられることがなく、より有利な条件で取引できる可能性が高まることが期待されるというふうに考えております。
三つ目に、検査官の増員についてお尋ねがありました。
公正取引委員会における下請法違反行為に係る検査担当者の人数は、価格転嫁対策が本格化する以前の令和二年度においては百四名であったものが、今年度においては百十九名となっております。近年増加してきております。
こうした、公正取引委員会において、これまでも調査、執行体制の強化に努めてはきておりますが、改正法案では、さらに、各業界に関して知見を有する事業所管省庁に対しても、現行の調査権限に加え、指導、助言の権限を付与することとしております。これによりまして、事業所管省庁との連携強化を進めるとともに、必要な下請法執行体制の更なる強化を図り、適切な価格転嫁、取引適正化の更なる推進に取り組んでまいります。
最後に、罰則の強化についてお尋ねがありました。
下請法では、発注書の交付義務などの手続に関する義務違反に対しては罰則が設けられておりますが、買いたたきや減額など取引の内容に関する禁止行為に対しては、受注者の利益保護を重視して、迅速に違反行為を取りやめさせ、受注者の原状回復がなされるよう、罰則ではなく、被害金額の返還などを勧告あるいは公表するなどの措置によって対処する規制となっております。
加えまして、この法律の勧告に従わない場合には、より強い執行力を有する独占禁止法で対応することとなっております。
このように、この法律は、簡易迅速な事件処理により受注者の利益保護を図るものであり、より厳正な独占禁止法との役割分担がなされていることを踏まえますと、この仕組みを維持していくことが適当であるというふうに考えております。
以上でございます。拍手
関
関
関口昌一#27
○議長(関口昌一君) 日程第一 航空業務に関する日本国とチェコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第二 航空業務に関する日本国とルクセンブルク大公国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第三 千九百九十四年四月十五日にマラケシュで作成された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定のサービスの貿易に関する一般協定の日本国の特定の約束に係る表の改善に関する確認書の締結について承認を求めるの件
日程第四 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の第二次改正の受諾について承認を求めるの件
(いずれも衆議院送付)
以上四件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長滝沢求君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔滝沢求君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →日程第二 航空業務に関する日本国とルクセンブルク大公国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第三 千九百九十四年四月十五日にマラケシュで作成された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定のサービスの貿易に関する一般協定の日本国の特定の約束に係る表の改善に関する確認書の締結について承認を求めるの件
日程第四 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の第二次改正の受諾について承認を求めるの件
(いずれも衆議院送付)
以上四件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長滝沢求君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔滝沢求君登壇、拍手〕
滝
滝沢求#28
○滝沢求君 ただいま議題となりました条約四件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、チェコ及びルクセンブルクとの航空協定は、いずれも我が国との間で、定期航空業務の安定的な運営を可能にするための法的枠組みについて定めるものであります。
次に、WTO約束表の改善に関する確認書は、日本国の約束表に、サービス国内規制に関する追加的な約束を記載することについて定めるものであります。
最後に、アセアン貿易投資観光促進センター設立協定第二次改正は、センターの義務的拠出金の分担率の改定等について定めるものであります。
委員会におきましては、四件を一括して議題とし、航空協定を締結する両国との関係、サービス国内規制に関する新たな規律の必要性、アセアンセンターの実績とその役割等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員より、WTO約束表の改善に関する確認書に反対、他の三件に賛成する旨の意見が述べられました。
次いで、順次採決の結果、航空協定二件及びアセアンセンター設立協定第二次改正はいずれも全会一致をもって、WTO約束表の改善に関する確認書は多数をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。拍手
─────────────
この発言だけを見る →まず、チェコ及びルクセンブルクとの航空協定は、いずれも我が国との間で、定期航空業務の安定的な運営を可能にするための法的枠組みについて定めるものであります。
次に、WTO約束表の改善に関する確認書は、日本国の約束表に、サービス国内規制に関する追加的な約束を記載することについて定めるものであります。
最後に、アセアン貿易投資観光促進センター設立協定第二次改正は、センターの義務的拠出金の分担率の改定等について定めるものであります。
委員会におきましては、四件を一括して議題とし、航空協定を締結する両国との関係、サービス国内規制に関する新たな規律の必要性、アセアンセンターの実績とその役割等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員より、WTO約束表の改善に関する確認書に反対、他の三件に賛成する旨の意見が述べられました。
次いで、順次採決の結果、航空協定二件及びアセアンセンター設立協定第二次改正はいずれも全会一致をもって、WTO約束表の改善に関する確認書は多数をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。拍手
─────────────
関
関口昌一#29
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
まず、日程第一、第二及び第四の条約を一括して採決いたします。
三件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →まず、日程第一、第二及び第四の条約を一括して採決いたします。
三件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕