舟山康江の発言 (本会議)

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○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。
 ただいま議題となりました両法律案につきまして、会派を代表して、関係各大臣に質問をいたします。
 法案自体の問題点や課題をただす前に、消費者、そして生産者も含めて、国民全員が小泉新大臣の一挙手一投足を注視している米価高騰対策について質問します。
 問題の原因の的確な特定が、有効な対策の実行には不可欠です。三月の予算委員会以降、何度も指摘をしていますが、私は、昨年夏以降の米価高騰の引き金は供給不足だったと考えます。
 これに対して、政府は米価高騰の原因を流通の目詰まりの一言で片付けてきましたが、小泉大臣は、就任前は政府と同じ考えだったのか、また、就任後の現在はどのようなお考えか、まずはお聞かせください。
 二十六日の決算委員会で小泉大臣は、需要があれば、備蓄米の在庫六十万トンを全て放出してもいいと答弁しましたが、供給量さえ増やせば米価高騰は解消するという分析をした、つまりは、原因を供給不足と特定した上で、既に三十一万トン放出した今なお供給不足との認識なのか、併せてお答えください。
 また、小泉大臣が就任後、備蓄米放出の方法を一般競争入札から随意契約へと方針転換した根拠もお聞かせください。
 大臣所信では、米については、消費者に安定した価格で提供することが農林水産省の使命だと表明されていますが、安定した価格とは何を指すのでしょうか。低価格ですか、再生産を考慮した持続可能な価格ですか。小泉大臣、お答えください。
 一般競争入札から随意契約への変更は、備蓄米放出の目的自体も大きく変えました。当初は、流通の円滑化により高騰し過ぎた価格を鎮静化する方針だったはずですが、流通経費まで国が負担し、低価格で直接大手小売に販売する手法は、国による価格介入であり、市場をゆがめないのか。あわせて、需給バランスが崩れ、暴落のおそれはないのか。小泉大臣、お聞かせください。
 この度の随意契約で、受付開始直後から申込みが殺到したのも当然です。六十キロ税込み一万一千五百五十六円の売渡価格は、精米換算で五キロ千七十円ですから、小売価格二千円でも十分過ぎる利益が見込まれ、余りに好条件という印象ですが、小泉大臣、この売渡価格の設定根拠も教えてください。
 本来、不測時の最終手段であるべき備蓄米を全て放出するのは、食料安全保障上も問題です。七年産の備蓄米は当面買入れ禁止との方針も相まって、不測時の備えとして機能しなくなるんじゃないですか。小泉大臣、よもや輸入米を増やせば大丈夫と思っているわけではないですよね。
 供給不足の根本的な原因も考える必要があります。
 ぎりぎりの供給量では、不足の発生や懸念が生じると一気に供給不足となり、市場は混乱します。農業は、自然状況に左右され、工業製品と違い、計画生産は不可能です。加えて、かつては食管制度の下、圧倒的な過剰対策として減反政策が強力に進められてきましたが、稲作はコスト割れの低米価などの厳しい営農環境を背景に急激な担い手減少と高齢化に直面しており、近い将来、米の生産抑制をしなくても需要量が果たして賄えるのかという、私は大いに懸念を持っています。
 今回の低価格誘導策とも言える大臣のメッセージが、米農家の生産意欲減退に拍車を掛ける懸念はありませんか。今回の事態を教訓に、むしろ増産を後押しする政策に転換すべきではないのか。小泉大臣に伺います。
 改めて、基本法がうたう国内生産の増大を基本に食料の安定供給を図るためには、持続可能な仕組み、すなわち生産者側が再生産できる仕組みが必要であり、それには所得の確保が欠かせません。
 財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会は、昨年十一月二十九日の令和七年度予算の編成等に関する建議で、輸入可能なものは輸入し、ほかの課題に財政余力を、さらには、食料自給率の向上を目指した国内生産の底上げは大きな国民負担とも述べています。
 世界の食料需給が不安定化する中、何とかして国内生産の増大を図ろうとしている折、加藤大臣も審議会の建議と同じ認識なんでしょうか。国内生産の増大を基本とする基本法の方向性を否定、米も足りなくなれば輸入すればいいとお考えですか。
 かつて、FAO、国連食糧農業機関主催の世界の食料安全保障に関するハイレベル会合で、当時の総理自らが、各国が自らの潜在的な資源を最大限活用して農業生産を強化することが重要と表明されています。飢餓人口が最悪のペースで増加する現在、足りなければ輸入すればいいという財政審の発想は、国際社会の一員としても大いに問題で、即刻改めるべきだと考えますが、改めて、加藤大臣の見解をお伺いします。
 米にとどまらず、肥料や資材などの生産コスト上昇の一方で、総じて農畜産物価格への転嫁は進まず、経営圧迫を生んでいます。
 食料・農業・農村政策審議会の答申でも的確に指摘されているように、国内の農産物・食品価格はほとんど上昇しないまま推移し、消費者も低価格な食料を求めるようになる中で安売り競争が常態化し、サプライチェーン全体を通じて食品価格を上げることを敬遠する意識が醸成、固定化している現状を受け止めて、再生産可能な価格の実現を図る今回の法案は重要だと考えます。
 食品の持続的な供給に向け、まずは商慣行や規格の見直しが必要です。例えば、賞味期限のいわゆる三分の一ルールや生鮮品の厳格な規格は、賞味期限前に廃棄されたり、ちょっとした傷や曲がりで流通に乗らなかったりと、無駄を生んでいます。これがコストアップや食品ロス、環境負荷増大につながっている現実を考えると、早急に見直すべきではないでしょうか。小泉大臣の決断を求めます。
 その上で、適正な価格形成の在り方を考える必要があります。
 本法律案では、指定食料品等を対象にコスト指標を作成し、取引価格へのコスト転嫁を通じて持続的な供給を図るものだと理解しています。まずは、米、野菜、飲用牛乳及び豆腐・納豆を想定しているようですが、コスト指標の公平性、客観性が新制度の成否に直結します。地域差や季節的要因、加工方法など、食品特有の諸条件が多岐に混在する中、公平かつ客観的なコスト指標をいかに決定するのか、また、それをどのようなプロセスで適正な価格設定につなげていくのかを、克服すべき課題も含めて、小泉大臣、分かりやすくお聞かせください。
 価格転嫁には課題もあります。海外の競合品よりも割高になれば、消費者が安い輸入品に流れかねません。品質や鮮度の差が現れやすく、すみ分けできる生鮮品などとは異なり、今回対象となっている米のほか、小麦、大豆、ソバなどの土地利用型の農作物や長期保存が可能な生乳以外の乳製品の場合、海外との競合に直面しないでしょうか。小泉大臣にお伺いします。
 そうなれば、価格低下の圧力にさらされ、再生産が脅かされます。課題解決には政策的に所得を支えることが不可欠であり、これが直接支払制度です。
 民主党政権時の戸別所得補償制度は、標準的な生産費と標準的な販売価格の差を補填し、再生産を後押しすることで、まさしく、価格は市場で、所得は政策でとの基本理念の下、価格に反映されない多面的な役割を政策的に下支えするものでした。当時、戸別所得補償で米価が下がると大きな批判を呼びましたが、まさに生産者への直接支払支援は消費者利益にも直結し、このことは経済学の分析でも明らかです。
 再生産可能な所得を確保するには、適正価格に加え、価格には反映されない農業の価値、役割を貨幣で測り、それを直接支援すべきです。
 農業生産以外の多面的機能は、全体で約八兆円、水田及び畑の洪水防止機能で三・五兆円と評価されており、農地を守ることに対する支援を生産振興策と切り離して講じることは理にかなっていると思いますが、いかがでしょうか。小泉大臣の見解を求めます。
 これこそが生産者、消費者双方にメリットがあり、国土を守る政策であることを強く訴え、質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 舟山康江

speaker_id: 29872

日付: 2025-05-30

院: 参議院

会議名: 本会議