小泉進次郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(小泉進次郎君) 紙智子議員の御質問にお答えいたします。
米の現状認識についてお尋ねがありました。
令和六年産米の生産量が前年よりも十八万トン多かった一方、流通の幹となっている集荷業者への出荷数量が三十一万トン減少しました。このため、これまでの入札で三十一万トン売り渡しましたが、残念ながら、流通関係者の間では引き続き強い不足感があり、スーパーでの店頭価格は依然として高止まったままです。
現在、昨年の二倍にもなっている米価は引き下げなければなりません。まずは八月までの緊急的な措置として、スピード感ときめ細やかな目配りを持って今回の随意契約による売渡しを行い、市場を落ち着かせて、消費者の米離れを防ぐことが重要だと考えています。
次に、備蓄米について、輸送料、精米や物流への課題、米価の高騰への効果、子供食堂等への支援についてのお尋ねがありました。
輸送料については、随意契約による政府備蓄米の売渡しにおいては多数の買受け者がいることから、円滑に倉庫からの出庫、輸送等が行えるよう取り組み、国が一元的に対応しているところです。
また、精米や物流への課題に対しては、今週、国土交通大臣や、精米等の機能を持つ卸売業者の団体の方々に私が直接お会いし、スピーディーな備蓄米の流通について協力の要請を行っており、よく連携して進めていきます。
さらに、町の米穀店の方々の精米機能も活用いただく観点から、本日から開始の随意契約による売渡しにおいては、町のお米屋さんなどを対象とすることとしています。
米の価格については、まずは八月までの緊急的な措置として、今回の随意契約による売渡しを行い、市場の価格を落ち着かせ、消費者の米離れを防ぐことが重要であることから、スピード感を持って引き続き対応していきます。
また、子供食堂等への支援については、農林水産省では、子供食堂等に対し、食育を目的として政府備蓄米の無償交付を行っています。さらに、政府備蓄米の売渡しに当たっては、集荷業者、卸売業者、小売業者の方々にも、病院や学校給食等への備蓄米の円滑な供給に配慮いただくようお願いしてきたところです。
引き続き、こうした施設等への備蓄米の供給については、よく目配りをしながら対応していきたいと考えております。
次に、米の増産と公的備蓄の増加についてのお尋ねがありました。
七年産の主食用米は、買入れを当面中止している備蓄米と合わせ百三十三・四万ヘクタールとなっており、昨年から四十万トン増の七百十九万トンが主食用として供給される見込みです。この百三十三・四万ヘクタールは、過去五年間で最大の生産面積となる見込みです。
さらに、産地に向けて、主食用米の作付けについて前向きになれるメッセージを発信するとともに、消費者の皆様にもこのような増産の見通しをしっかり伝えていきます。
また、政府備蓄米の備蓄水準については、十年に一度の不作等の事態があっても不足分を補って国産米で一年間供給できる水準として、百万トン程度としています。その水準については、参議院農林水産委員会の決議において「今後検討される新たな水田政策の下においても、米の生産・流通・備蓄政策全般について必要な検証を行うこと。」とされたことを踏まえ、よく検討してまいります。
次に、価格保障、所得補償の抜本的充実と、農業所得に占める補助金の割合を欧米並みに拡充すべきとのお尋ねがありました。
各国で比較可能な最新の二〇二一年のデータにおける農業所得に占める直接支払の割合は、日本五七%、EU六三%、アメリカ一二%であり、我が国の直接支払の水準が欧米と比べて低いとは考えておりません。
今後の農業者への支援の在り方やその水準については、新たな食料・農業・農村基本計画に即して、令和九年度に向けた新たな水田政策の在り方を検討していく中で、与野党の垣根を越えて議論を深めてまいります。
次に、日米協議に対するスタンスについて、江藤前大臣と同じかというお尋ねがありました。
今後のアメリカとの協議に当たっては、日本の農業、生産者のためにならないものは認められないとの立場で、政府一丸となって取り組んでまいります。その思いは江藤大臣と同じです。
次に、法案の目的についてのお尋ねがありました。
生産資材などの価格が高騰する中で、生産、製造、加工、流通、販売、消費の各段階を含め、特定の方にしわ寄せが生じる仕組みでは、食料の持続的な供給、ひいては食料安全保障を確保することはできません。このため、この法案では、農業経営の持続性を目的とするのではなく、食料システム全体で食料の持続的な供給を実現していくこととしています。
次に、農民の労働報酬の保護についてのお尋ねがありました。
食料の生産から販売の各段階では、人件費のみならず、肥料、飼料などの資材費、光熱費、輸送費などの様々な費用が掛かっています。このため、この法案では、御指摘の農民の労働報酬を特記するのではなく、食料システム全体を通じて、食料の持続的な供給に要する様々な費用を対象とし、これらを考慮した価格形成を促すこととしています。
次に、合理的な費用についてのお尋ねがありました。
この法案では、生産などの段階ごとに着目するのではなく、生産から販売に至る食料システム全体に着目して、食料の持続的な供給を図ることとしています。このため、考慮すべき費用についても、食料システムの関係者が相互に納得する合理的な費用を考慮することとしています。食料の持続的な供給を実現するためには関係者の理解と協調が不可欠であり、誠実な協議を通じて、買いたたきによる一方的な取引を抑止できるものと考えています。
次に、生産コストを把握する体制の強化についてお尋ねがありました。
費用を考慮した価格形成を進めるためには、何よりも消費者の理解が重要であり、消費者の手元に届くまでにどれだけのコストが掛かっているかを明確にすることが必要です。このため、コスト指標の作成に当たっては、公的統計だけでなく、業界データなど、生産から販売に至る各段階の関係者が把握し得る様々なコスト把握の充実に努めていくこととしています。
なお、生産段階のコスト把握などの統計調査を担う農林水産省の統計職員については、行政機関のスリム化の中で定員合理化が進められてきたところでありますが、持続的な統計調査の実施のため、統計職員に加え、統計職員のOBや農業者などを専門調査員として確保しており、今後とも、正確な調査結果の提供に努めていく考えです。
次に、コスト指標作成団体の専門性、独立性についてお尋ねがありました。
コスト指標は、生産から販売に至る多くの関係者が活用するほか、消費者の理解を得る上で重要なものであるため、公正で正確であることが求められます。このため、この法案では、コスト指標作成団体の公正な運営がなされるよう、生産、製造、加工、流通、販売のうち、少なくとも複数の段階の事業者、事業者団体が参画するほか、正確な情報提供を受けることができるよう、その役職員に対して秘密保持義務を課すこととしています。こうした措置を通じて、コスト指標作成団体の専門性と独立性を確保してまいります。
次に、生産コストを自動的に販売価格に反映させる仕組みについてのお尋ねがありました。
農林水産省では、令和五年八月以降、生産、製造、流通、販売、消費などの食料システムの関係者が参画した協議会を開催し、費用を考慮した価格形成について協議してきましたが、関係者からは、価格決定はあくまでも取引当事者間で行うべき、価格が自動的に改定されるような強制的な価格決定方式では需給が考慮されなくなるなどの意見が示されたところです。
こうした意見も踏まえ、この法案では、取引条件は取引当事者間で決定することとした上で、生産から販売までの各段階で誠実な協議が行われるよう求め、合理的な価格形成を促すこととしています。(拍手)
〔国務大臣あべ俊子君登壇、拍手〕