石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 猪瀬直樹議員の御質問にお答えをいたします。
 第三号被保険者制度の現状認識についてであります。
 第三号被保険者制度は、昭和六十年の改正で創設され、女性の年金権を確立したものですが、ライフスタイルが多様化する中において、第三号被保険者自身が保険料を負担していないことから、年金制度内において不公平感を生んでいるとの指摘や、いわゆる年収の壁として意識され就業調整が行われているとの指摘があるものと承知をいたしております。
 一方で、第三号被保険者の中には、いわゆる専業主婦の方のみならず、病気や育児、介護などの理由で働けない方など、様々な属性の方々がおられることに留意する必要があるものと考えております。
 第三号被保険者の見直しについてでございますが、この制度につきましては、いわゆる専業主婦の方のみならず、病気や育児、介護などの理由で働けない方など、様々な属性の方が混在する中で、今般の年金制度改正では、将来的な見直しの方向性について意見がまとまらなかったところでございます。
 政府といたしましては、引き続き、被用者保険の適用拡大を進めることで第三号被保険者の対象者を縮小していくことを基本とした上で、今後、議員御指摘のような被保険者世帯の所得に関する情報も含め、第三号被保険者の実態も精緻に分析をしながら、制度に関する様々な論点や国会での御指摘も踏まえ、議論を進めてまいります。
 年金の支給開始年齢の引上げについてであります。
 年金の支給開始年齢につきましては、過去の改正で定年年齢の引上げと併せ、六十五歳に引き上げる見直しを行い、これを段階的に進めてまいりました。その後、平成十六年の年金制度改正により、保険料の上限を固定しつつ、その範囲内で給付水準を調整するマクロ経済スライドを導入をいたしました結果、六十五歳の支給開始年齢を維持した場合であっても年金財政の長期的なバランスが取れる仕組みとなっており、今回の年金制度改正では年金の支給開始年齢の引上げを行うべきという議論にはなっていなかったと、このように承知をしておりますが、その上で、長寿化に応じた支給開始年齢の引上げという御提案につきましては、現在の仕組みでも六十歳から七十五歳の間で受給を開始する時期を自由に選べる仕組みとなっておりますことや、健康状態等も含め、高齢期の状況には個人差があることなども念頭に置き検討を進める必要がある課題であると、このように考えておるところでございます。
 基礎年金と生活保護の関係でございます。
 生活保護は、年金を含めた収入や資産、働く能力など、あらゆるものを活用してもなお生活に困窮する方を対象に、全額公費で最低限度の生活を保障する最後のセーフティーネットであります。一方、老齢基礎年金は、現役世代に構築した生活基盤や貯蓄等と合わせて老後に一定水準の生活を可能にすると、このような考え方で設計がなされております。このように、基礎年金と生活保護はそれぞれの役割や仕組みが異なっており、給付水準の単純な比較は適切ではないと考えております。
 政府といたしましては、年金の給付水準が将来も維持できるよう、まずは賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指すとともに、今回の法案により、現在及び将来の給付水準の向上に努めつつ、低所得の年金受給者に対する年金生活者支援給付金の支給なども併せて行い、高齢期の所得保障に取り組んでまいります。
 年金制度の抜本的な改革についてであります。
 公的年金制度は、国民生活に広範な影響を及ぼすものでありますとともに、現役から高齢期にまたがる長期保険として機能し、既に受給されておられる方や制度を前提に生活設計をされておられる方も多くいらっしゃることを考えれば、改革には十分な準備と配慮が必要であります。
 御指摘の抜本的な改革案につきましては、税方式に移行して最低保障年金を構築することは、多額の税財源が必要になる問題、これまで保険料を払ってきた方と払ってこなかった方との公平性の問題、積立方式への移行には全世代が自身の積立てに加えて現在の高齢者の給付を賄うこととなる二重の負担の問題など、各種の論点があります中で、果たしてこれが実行可能か、どのようにそれを行うのかという論点も踏まえまして議論をしていく必要があると考えております。
 基礎年金の底上げ措置に係る国庫負担の財源についてのお尋ねです。
 年金の給付水準が将来も維持できますよう、政府といたしましては、まずは賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指してまいりますが、その上で、昨年公表した財政検証では、実質ゼロ成長を見込んだケースにおいて、仮に基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了を行った場合、追加的な国庫負担は二〇三〇年代後半から徐々に発生する見込みとなっております。
 今後の経済状況により、追加的な国庫負担が必要となるか否かや、その時期、規模は変化するものであることから、現時点で財源の具体的内容について予断を持って申し上げることはできませんが、衆議院で盛り込まれた附則におきまして、基礎年金の給付水準の目減りを防ぐ措置を講ずる場合には、給付と負担の均衡が取れた持続可能な公的年金制度の確立について検討を行うこととされており、この規定に基づき、次期財政検証後の判断に向けて、制度を支える財源の在り方についても適切に検討いたしてまいります。
 年金制度を始めとする社会保障制度の議論の在り方についてでございます。
 年金制度の議論も含めた社会保障全体の議論につきましては、全世代型社会保障構築会議において、引き続き給付と負担のバランスを確保しつつ、若年期から高齢期まで全ての世代で安心できる全世代型社会保障制度の構築に取り組んでまいります。
 また、年金制度につきましては、国民全体に関わる大きな仕組みであり、国会でも各党から様々な御意見をいただいております。協議の在り方につきましては、国会において適切に御議論いただくのがふさわしいと思っておりますが、党派を超えて建設的な御議論を行っていただくことは重要であると考えております。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-06-04

院: 参議院

会議名: 本会議