石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 田村まみ議員の御質問にお答えします。
 年金を始めとする社会保障制度の議論の在り方についてでありますが、年金制度の議論も含めた社会保障全体の議論につきましては、全世代型社会保障構築会議において、引き続き給付と負担のバランスを確保しつつ、若年期から高齢期まで全ての世代で安心できる全世代型社会保障制度の構築に取り組んでまいります。
 年金制度につきましては、国民全体に関わる大きな仕組みであり、国会でも各党から様々な御意見を頂戴しております。協議の在り方については国会において適切に御議論いただくのがよろしいと考えておりますが、党派を超えて建設的な議論を行っていただくことは重要であると考えております。
 マクロ経済スライドの早期終了であります。
 基礎年金は、老後生活の全てを賄うものではなく、現役時代に構築した生活基盤や貯蓄等と合わせて老後を過ごすという考え方で設計されており、所得や年金額が低い高齢者につきましては、年金生活者支援給付金のほか、社会保障制度全体により対応しております。
 年金の給付水準及びマクロ経済スライドの調整期間は、今後の経済状況によって変わり得るものです。このため、政府といたしましては、まずは賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指し、年金の給付水準が将来も維持できるように努めてまいります。
 この上で、衆議院で盛り込まれました三党の修正案では、仮に経済が好調に推移しない場合には基礎年金のマクロ経済スライドを早期に終了させる措置を講ずることとされており、将来の幅広い世代の基礎年金の給付水準の確保の方向性をより明確にするものと考えております。
 適用拡大の企業規模要件の見直しについてであります。
 被用者保険の適用拡大は、より手厚い年金を受けられるようにするという大きな意義を有するものですが、対象企業には新たに社会保険料を御負担いただくことになることから、これまでも準備期間を十分に確保した上で、段階的に拡大を進めてきたところであります。その際には、人材確保に積極的な企業が前倒しで適用を進められる任意適用の仕組みも活用を促してきております。
 今回の法案では、今まで以上に小規模な企業や個人事業者を対象といたしますため、企業経営に与える影響や事務負担の増加等も踏まえた配慮として、施行までに最長十年の準備期間を設け、段階的に実施することといたしております。
 この上で、キャリアアップ助成金を始めとする経営や事務に関する事業者支援に加え、中小企業の生産性や稼ぐ力を強化していくことで、本改正案の着実な実施につなげてまいります。
 女性の老後の資産形成と企業規模要件の早期の撤廃の必要性についてのお尋ねです。
 御指摘の試算は、出産後、パートタイムとして年収百万円で再就職するケースと、いわゆる年収の壁を超えて年収百五十万、二百万で再就職するケースでの生涯可処分所得を一定の仮定の下で試算しているものと、このように承知をいたしております。
 これは、年収の壁を意識せず働くことで、生涯を通じて、給与所得と年金所得を合わせた可処分所得の増加につながることを示しているものであり、いわゆる百六万円の壁と呼ばれる賃金要件の撤廃など、被用者保険の適用拡大を通じて、御本人の希望に応じた働き方の実現を図ることが重要であるということは認識を共有いたすところでございます。
 他方で、企業規模要件の見直しにつきましては、今まで以上に小規模の企業や個人事業所を対象といたしますことから、企業経営に与える影響なども踏まえ、施行までに最長十年の準備期間を設けることとしております。先ほど申し述べたとおりでございます。
 ただし、人材確保に積極的な企業が任意で前倒しで適用を進めることは可能であり、この任意適用の仕組みの活用も含め、被用者保険が適用される方を増やしてまいります。
 短時間労働者の被用者保険の適用に係る賃金要件と労働時間要件についてでございます。
 今回の法案により賃金要件が撤廃されることにより、社会保険料の負担を懸念して年収を意識する必要や賃上げに伴い就業調整を行う必要もなくなり、働き方に中立的な制度に近づくものと考えております。
 被用者保険に加入した場合には、年金、医療の給付が充実する、このようなメリットがありますほか、今回の法案には、適用拡大に当たって、本人の保険料負担を軽減する措置を盛り込んでおり、こうした点の周知広報にも積極的に取り組んでまいります。
 労働時間要件の週二十時間未満への引下げにつきましては、対象企業への影響が大きいことなどから、今回の法案には含めていないところでございます。今後の在り方につきましては、まずは今回の改正を着実に施行しながら、本法案の検討規定も踏まえ、他制度の在り方などにも留意をして議論を深めてまいります。
 標準報酬月額上限の見直しと年金の所得再分配機能についてでございます。
 今回の標準報酬月額の上限の見直しは、収入に応じた御負担をお願いしつつ、本人の将来の給付増にもつなげるものでございます。収入に応じた負担とすることで世代内の公平性が高まりますほか、年金額の低い方も含む厚生年金全体の給付水準の向上につながるため、所得再分配機能が高まることとなります。
 公的年金制度は、全国民に共通の基礎年金により、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障することで所得再分配機能を有しております。この機能の在り方につきましては、今後の議論によるところでありますが、所得再分配機能を将来にわたって適切に維持することは極めて重要であり、今後とも適時適切に議論し、必要な見直しを行います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-06-04

院: 参議院

会議名: 本会議