倉林明子の発言 (本会議)
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○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
会派を代表して、ただいま議題となりました社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案について質問をいたします。
異常な物価高騰が国民生活を直撃し、とりわけ年金で暮らす人たちの暮らしを追い詰めています。年金額は目減りし続け、節約では追い付かず、食費、光熱費、医療費、被服費など、健康、命に関わるところまで削らざるを得ないという悲鳴が上がっています。
この間、介護保険料、国保料は値上がりを続け、高齢者の実質的な可処分所得は更に減少しています。障害基礎年金と少ない工賃で暮らす障害者からは、食料品など今まで買えていたものが買えなくなった、グループホームの費用が払えないなど、深刻な声が寄せられています。総理はどう認識されているでしょうか。
総理は、誰も取り残さない社会の実現、全ての人が幸せを実感できる、人を財産として尊重する人財尊重社会を築いていくと決意を述べられています。
総理、全ての人の中に、高齢者や障害のある人など、年金で生計を立てる人たちは入っていますか。誰も取り残さないというのであれば、そのための具体的手だてが必要です。苦境に立つ人たちに、今すぐ物価高を超える年金額の引上げを実行すべきではないでしょうか。
国民年金法第四条には、国民の生活水準に著しい変動が生じた場合、速やかに改定の措置が講ぜられなければならないと規定しております。四十年ぶりの異常な物価高は著しい変動にほかなりません。物価を上回る年金額の再改定を速やかに行うべきです。総理の答弁を求めます。
法案は衆議院で修正されたものの、年金額の底上げ措置は二九年の財政検証を踏まえて判断すると先送りされています。年金生活者の苦境の元凶となっているマクロ経済スライドは、早期終了の措置を講じたとしても今後十年以上継続し、年金水準の引下げは続くことになります。年金削減の影響は、基礎年金のみ、低年金の方ほど大きくなることは明らかです。
我が党は、衆議院でマクロ経済スライドを速やかに停止する修正案を提出しました。長引く物価高の中で年金生活者の暮らしを守るとともに、現役世代の大幅減額を避けるために、今こそマクロ経済スライドを直ちに停止すべきではありませんか。
現在二百九十兆円、給付の五年分もため込んでいる巨額の年金積立金を年金の引上げに今こそ活用すること、現在年収一千万円で頭打ちとなる厚生年金保険料の上限を医療保険並みに年収二千万円まで引き上げること、現役労働者の賃上げ、短時間労働者の更なる適用拡大を進め、保険料収入と加入者を増やす、こうすれば年金の引上げは可能だと考えますが、いかがですか。
以上、総理の答弁を求めます。
とりわけ女性の低年金は深刻です。十万円以下が八三%、五万円以下が二三%も占めています。厚労省公表の相対的貧困率は二〇一二年をピークに低下していますが、唯一例外が高齢女性です。貧困率は上昇を続け、高齢男性との差は拡大し、単身高齢女性の貧困率は四四%に上っています。十代から働き続けたが、介護保険料など引かれ、年金五万円は家賃に消えてしまうという女性、夫と死別し年金が激減し生活が行き詰まる、こうした女性の声です。
子育て、介護、家族ケアを担い、女性差別が公然と行われる職場で、社会で生きてきた多くの女性たちが、公的年金だけでは暮らせず、貧困に陥っています。
女性の低年金の原因は、男女の雇用・賃金差別、非正規の拡大、無償のケア労働に依存した社会保障、第三号被保険者制度による被用者保険未加入への誘導など、政治が招いた結果です。総理にその認識はありますか。
高齢女性だけの問題ではありません。現役世代の未婚女性の貧困率が上がっています。就職氷河期世代を含め、現在と将来の低年金・無年金者をなくすために、最低保障年金制度をつくることが必要ではありませんか。お答えください。
低年金、低所得で暮らす人には社会保障制度全体で必要な支援をしていくとの答弁が繰り返されています。言われるまでもなく、年金だけでは暮らせず、生活保護を利用する高齢者は増加し、生活保護利用者の五割を超えました。
しかし、最後のとりでである生活保護の実態はどうか。洋服も靴も知人のお下がり、冬でも暖房は付けず、友人との交流も、葬儀にも出られない、食事は一日一食、風呂は週に一回しか入らない、毎日お金のことばかり考えている、生かさず殺さず、それが生きている限り続く。これが、いのちのとりで生活保護裁判の原告の言葉です。これが生存権を保障するにふさわしい支援と言えるでしょうか。
二〇一三年から三年間、自公政権が強行した生活保護費削減を緊急に復元し、物価高に見合った水準に引き上げるべきです。総理の答弁を求めます。
法案は、百六万の壁の解消等被用者保険の適用拡大を行いますが、同時に必要なのは中小企業への直接支援です。今、社保倒産に追い込まれる企業が急増し、中小企業の社会保険料を含む税金滞納倒産が過去最多を記録しています。法案による事業所への支援は三年間の時限措置であり、極めて限定的です。
総理、最低賃金の引上げが求められる中、中小企業の社会保険料の事業者負担の軽減に本格的に踏み出すべきではありませんか。
以下、厚労大臣に質問します。
年金事務所による強権的徴収、差押えが横行しています。本来使えるはずの猶予措置も無視して一括納入を迫る、納付協議中に差し押さえるなどの事態がいまだに続いています。社会保険料の取立てにより中小企業を破綻させるなど、あってはなりません。猶予措置を徹底し、厳正な実行を求めます。いかがですか。
障害年金について、今回も見直しが先送りされ、当事者、関係者からは政府の無策に批判の声が上がっています。障害年金には早急に見直すべき多くの課題があります。
障害年金の不支給が昨年倍増したと報道されました。恣意的判断で本来受給できる人が排除されたとすれば、重大です。徹底した調査、公表とともに、必要な再判定が実施されるべきです。答弁を求めます。
障害年金は、障害を持つ人が生きていく上で基盤となる基本的権利であるにもかかわらず、年金を受給できている人は少数です。無年金者が大量に放置されている現状をどう認識されているでしょうか。
必要な人が年金を受給できない要因は、現状と乖離した認定基準にあります。医学モデルの認定基準が、必要な障害者への支給を制限、排除しています。社会モデル、人権モデルへの転換が必要です。答弁を求めます。
障害者権利条約の総括所見では、市民の平均所得に比べ、障害年金が著しく低額であると懸念が示されました。障害基礎年金の額は四十年間据え置かれたままです。社会的に自立した生活ができるよう、大幅に引き上げるべきではありませんか。
大量の無年金、低年金の障害者をつくり出している状況をこれ以上放置することは許されません。制度上、運用上の喫緊の課題を解決し、制度を抜本的に見直すため、当事者、専門家の参加する集中した議論を今すぐ開始すべきではありませんか。
物価高に負けない年金の引上げは待ったなしです。十年以上年金を引き下げるなど、到底容認できるものではありません。直ちに底上げ、引上げを重ねて強く求めて、質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕