猪口邦子の発言 (本会議)
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○猪口邦子君 外交・安全保障に関する調査会における調査報告につきまして、その概要を御報告申し上げます。
本調査会は、三年間の調査テーマを「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」とし、三年目においては、「中東情勢をめぐる現状と諸課題」、「ウクライナ戦争をめぐる現状と諸課題」及び「包摂的平和(Inclusive Peace)の実現に向けた課題と方策」について、参考人からの意見聴取・質疑を行ったほか、今期の調査を踏まえ委員間の意見交換を行った後、調査報告を取りまとめ、去る四日、議長に提出したところであります。
以下、提言部分について、その主な内容を御報告いたします。
まず、新たな国際秩序の在るべき姿とその構築に向けたアプローチについては、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が重大な危機にさらされている中で、自由と法の支配を擁護し、多様性・包摂性・開放性を尊重するとの理念に基づき、包摂的平和(Inclusive Peace)の実現に向けた取組を進めるべきであり、その構築に向けたアプローチとして、抑止と対話の両輪による現実的な平和主義の重要性を踏まえ、常設的な多国間の安全保障対話の枠組みとしてアジア版OSCE(安全保障協力機構)の創設に向けた取組を進めるなど、多角的・重層的な外交を展開していくべきであるとしております。
次に、核軍縮・不拡散をめぐる対応については、唯一の戦争被爆国である日本が、「核兵器のない世界」の実現に向けた国際社会の取組を着実に進められるよう主導していくべきであり、短期的には、核兵器不使用の継続に向けて戦略対話を進め、危機管理や信頼醸成、透明性の向上を図り、中期的には、核戦力の増強を続ける中国を核軍備管理の枠組みに取り込み、多極化等を織り込んだ核軍備管理の在り方を模索していくべきであるとしております。
次に、対人地雷禁止条約等をめぐる対応については、同条約等からの脱退の動きがある中で、本年十二月に開催される同条約締約国会議において、加盟国と非加盟国との非対称性への対応を重点的に議論していくべきであるとしております。
次に、AIの軍事利用、自律型致死兵器システム(LAWS)規制をめぐる対応については、国際人道法を含む国際法の遵守を確保する観点から、日本がAIの安全保障利用に係る国際的なルール作りに関する議論を主導するとともに、実効性あるLAWS規制を実現するため、規制に慎重な立場をとる当該技術を持つ国々を含む主要国の参加を得られる形で、ルール作りを進めていくべきであるとしております。
次に、人道主義をめぐる対応については、紛争下において紛争当事者の双方に対する国際人道法遵守の働きかけを行うとともに、二国間・多国間フォーラム等においても、公平な人道援助が実施されるよう、国際社会の取組を主導していくべきであるとしております。
次に、気候変動が安全保障に及ぼす影響をめぐる対応については、国連開発計画との連携強化、建造中の北極域研究船を国際研究プラットフォームとする北極域での研究開発、海洋に関わる人材育成、北極政策における国際連携の推進等を進めるほか、気候変動の影響による海面上昇への対応として、領海基線(ベースライン)の維持を可能とする国際法解釈を国際社会で広めていくための外交的な働きかけや合意形成に取り組んでいくべきであるとしております。
次に、国連改革をめぐる対応については、国連を中核とするマルチラテラリズムの強化が必要との観点から、グローバル・サウス諸国や関係国と連携しつつ、安保理改革の機運を高め、早期に具体的成果を出すよう、安保理改革の実現に取り組んでいくべきであるとしております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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