石井苗子の発言 (本会議)
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○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
ただいま議題となりました報告について質問いたします。
先月、五月十九日の参議院予算委員会で、総理は、日本の財政状況はギリシャよりも良くないと述べました。財務大臣も、衆議院財務金融委員会で総理と同じ認識である旨を述べていらっしゃいます。どのようなエビデンスを根拠に、何を主張されたかったのか、改めて真意をお伺いいたします。
我が国の国債は、発行残高のおよそ半分、五百七十五・九兆円もの日銀による買入れによって支えられてきました。しかし、今年五月には日銀の国債買入れ減額によって超長期債が入札不調に陥るという、先行きが不透明になってきています。日本の財政が長く厳しい状況にある中で、政策評価は単なる行政手続の一つではなく、財政再建に向けて積極的な役割を果たす方法だと考えますが、財務大臣はこれまで政策評価制度がその役割を十分に果たしてきたとお考えか、所見を伺います。
今から二十四年前に成立した行政機関が行う政策の評価に関する法律の目的は二つで、一つは効果的かつ効率的な政策の実施を推進すること、もう一つは政策の重要性や必要性を行政機関が国民に説明する責任を果たすこと。この目的を達成するためには、各行政機関は政策評価制度の下で政策の効果について自ら測定、分析、評価を行うことになり、二〇一七年からはEBPM、日本語で言う根拠に基づく政策立案の推進が毎年骨太の方針に盛り込まれています。しかし、現状を見ると、客観的かつ厳格な政策評価が実現しているか疑問であると言わざるを得ません。
先日の行政監視委員会で、ある有識者の方から、今のEBPMの実態はPBEM、ポリシー・ベースド・エビデンス・メーキング、つまり、まず政策ありきで、後からエビデンスをつくる流れになっているという指摘がありました。総務大臣はこの指摘をどのように受け止めますか。
また、政策評価を各府省庁の自己評価に委ねれば、お手盛り評価に傾くのは当然であり、適切な評価には外部の厳しい視点が必要とされます。
政策評価制度の中で、複数の省庁にまたがる政策評価は、自己評価ではなく総務省が直接評価を実施しています。ところが、昨年度に新しく公表されたものはゼロ件です。各府省庁が自ら行った政策評価は二千四百九件もあるのに、なぜゼロ件なんでしょうか。実施件数を増やす考えはないのか、総務大臣の見解を伺います。
我が党は、EBPMに基づく徹底した行財政改革の必要性を常々申し上げてきておりますが、中には評価の進め方について疑問に思う事例も存在します。
燃料油価格激変緩和対策事業、いわゆるガソリン補助金の政策評価に当たり、経産省はEBPMに基づいた政策評価を実施するため、行政事業レビューシート上で、事業の達成度を測るために政策成果指標を当初決めまして、制度発動期間中にガソリンの全国平均価格が予測価格よりも低くなる週の割合を一〇〇%にすると設定しました。
しかし、会計検査院から、予測価格よりも低くなるのは制度設計上当たり前であって、成果を測る指標として不適切であるという指摘を受け、経産省は、レギュラーガソリンの全国平均価格と目標価格の差が前の週と比べて広がらなかった週の数に変更しました。その後、経産省はさらに、レギュラーガソリンの全国平均小売価格が想定価格水準に抑えられていることに変更しました。
指標を見直し、より実効性のあるものに変更することは重要なのですが、会計検査院が指摘するとおり、ガソリンの全国平均価格が予測価格よりも低くなる週の割合が一〇〇%と、この目標設定が一度通ってしまったことは、EBPMの観点からは問題だと言わざるを得ません。なぜ当初このような目標設定がなされたのか、今後、会計検査院から同様の指摘を受けないような対策をなされたのかを経産大臣に伺います。
そもそも我が党は、ガソリン価格を根本的に引き下げるために当分の間税率を廃止すべきと考えており、先日、野党七党で法案を提出しました。これは、二〇二二年の参議院選挙からマニフェストに掲げてきた我が党の重要政策の一つでもあります。
一方、政府は、さきの衆議院選挙で少数与党となるまでこの声に耳を傾けることはせず、コロナ禍で常態化した巨額の補正予算を活用し、莫大な予算を基金に積み上げ、いわゆるガソリン補助金として使用してきました。会計検査院からは、トータルで見ると補助金の交付額をガソリン価格の抑制額が下回っている、つまり効果が小さくなっているという指摘を受けています。
経産大臣は、ガソリン価格の高騰対策を減税ではなく補助金で実施した妥当性はどこにあるとお考えですか。また、ガソリン価格の高騰が政策課題となってから、当分の間税率の廃止を含めて補助金以外の手段を検討されたかどうか伺います。PDCAサイクルの確立を目指す観点から、様々な政策手段を比較検討する必要があることを踏まえてお答えください。
EBPMにとって欠けてはならない要素は透明性です。たとえデータに基づく合理的な政策立案であっても、政府の外部から確認ができなければ不十分と言わざるを得ません。その点で今EBPMから最も遠い政策は租税特別措置、いわゆる租特であります。
例えば、補助金であれば、受け取った企業の名称は公開され、国民の厳しい視線にさらされることになりますが、法人税関係の租特においては、企業コードという毎年ランダムに変わる記号、コードしか分からず、どの企業がどれだけ租特を適用されたか、政府の外側からは実態が全くつかめません。
国民の期待に反してなかなか動かない企業・団体献金の廃止に向けた議論の中でも、我々は租特の不透明性こそが企業・団体献金に対する見返りの温床となっているのではないかと指摘してまいりました。財務大臣は、租特の透明化の必要性についてどのようにお考えでしょうか。今の公開の在り方でも、国民の要求に十分応えていると思われますでしょうか。
そもそも租税特別措置は税負担のゆがみを生じさせ、簡素、公平という税の基本原則にも反するものです。そうであればこそ、本来は毎年ゼロベースで検討し直すほどの厳格さが必要と思われます。
しかし、令和六年度の総務省における政策評価の点検では、租税特別措置について、過去及び将来の適用数がごく僅かであることを踏まえた分析がなされていない、過去及び将来の効果も定量的に示されておらず、租税特別措置等が達成目標の実現にどの程度寄与するのかも明らかになっていない、達成目標に他の要因の影響を受けやすいなど適切に設定されておらず、また将来の効果も予測されていないなど、まさしくさんざんな書きぶりです。
この見解を踏まえて、今の租特の必要性と有効性の評価の在り方は適切か、また国民の要求に見合う厳格さを保てているかということについてどのようにお考えか、財務大臣の見識を伺います。
先日、我々は、立憲民主党と共同で租特透明化法の改正案を提出いたしました。この法案は、租特の適用額が上位の企業名を公開し、また七つの具体的基準を定め、租特の存続、廃止を厳格にチェックするものです。我々は本法案の一里塚として、租特に更なる抜本的改革を目指してまいります。
財務大臣に伺います。EBPMどころか、恣意性の塊と言わざるを得ない租特、特別措置法は一度廃止し、ゼロベースに検討し直すべきではありませんか。
ここまでるる申し上げましたが、日本維新の会は、効率的な、そして透明な政治を実現するために、政策立案過程におけるEBPMの実施を徹底し、行政外部からの評価と関与を一層拡充させるということをお約束し、今後の政策に生かしていくことを申し上げ、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣村上誠一郎君登壇、拍手〕