広瀬佳一の発言 (外交・安全保障に関する調査会)

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○参考人(広瀬佳一君) この難民の問題も非常に大きな問題で、今御指摘になったチェコだけではなくて、ドイツとかポーランドはそれこそ百万人以上の難民を受け入れています。
 その心を痛めるというのは非常に分かるんですけど、でも、少し冷徹なことを申し上げますと、難民に対する周辺国の感情は去年ぐらいから変わってきています。それはどういうことかというと、最初の一年目には、その難民は非常に同情すべきであり、もうあらゆることをしていきたいというふうな雰囲気で、世論調査やっても難民に対する支持率は非常に高かったんですけれども、去年の秋ぐらいから下がっています。やはりそろそろ、もうその難民のためのコストが、結局、本来国民の社会福祉に与えられるものであったはずだという意識から難民の施策に対する反発が起きていますし、実際ヨーロッパで御承知のようにポピュリズムが盛り上がっている、そのポピュリズムの一要因には、そうした排外主義的な、つまり難民も含めて、こんな問題は早く解決してもらいたいし、だから、その意味ではさっさと停戦してほしいというような、そういう世論につながっていくのかなと思いますけれども、そういうその流れというのもあるのも事実なんですね。
 この公正な和平というものを進めるために重要なことは、今はそういう被害が大きくなっていて、これが、要するに国際社会がそれを認容できるかどうかという問題が大きいと思うんです。もし認容できるんだったら、いつまでも戦って、そして正義を目指せばいいわけですよ。でも、実際には、今申し上げましたように、最も身近な国で、本来ウクライナを応援している国までもが世論調査にするとやっぱり変化が起きていると。やっぱり潮目というのがあるわけですね。
 それで、その人道支援にしても何にしてもやっぱりコストが掛かりますから、その周辺の、ウクライナ周辺の国ですら少しずつやっぱりちょっと態度に変化が生じている状態ですから、そうしますと、公正さを追求、一〇〇%追求するというだけでは解決にならないという雰囲気があって、それが例えば今回のトランプさんの、手法はともかく、停戦を求めるという声を言わば押し上げているんではないかなというふうに思います。その手法には、先ほど申し上げましたような大国主義的な、パワーポリティクスのような手法というのが目立っていて、それはそれでいろいろ問題はあるかもしれませんけど、でも、これが停戦ができれば、それは、今はそれが一番重要ではないかという流れというのがあります。
 ウクライナの関与ですけれども、これはウクライナが関与しなければ解決しないと、私もそう思いますが、最初の枠組みにはもうウクライナは多分入ってこないと思いますので、恐らく米ロでつくった枠組みをウクライナに半ば強要するというスタイルになるんではないかと思います。歴史的にはそういう例は幾らでもあります。先ほど言いました第二次世界大戦の後にも、東ヨーロッパのほとんどの国は自らが関与しないところで運命が決められていくわけですし、あるいは一九三八年のチェコはヒトラーとそれからフランス、イタリアなどによって運命を決められてしまいました。
 僅かな例外は、実はさっき申し上げたフィンランドなんですね。フィンランドは、完全にスターリンの支配の下でなされたわけではなく、フィンランドなりのステーツマンシップを生かして、非常に狭い自主的中立という道を選んで、その結果、政治的には部分的に屈辱的だったかもしれないし、領土も割譲したけれども、でも、生き延びるのに成功したし、幸福度、今世界で幸福度ナンバーワンかツーですよね、フィンランドって。そういう国になったという、そういう例もあるので、ここが難しいところで、やっぱり我々が認容できる犠牲というのは人道的にもそれは限りがあるわけですから、停戦の時期というのは近いと思います。
 その停戦が今トランプさんがやっているような手法しかないとすれば、ヨーロッパがそれに代わるもっと公正な代案が出せないとすれば、少なくとも当面トランプさんの手法に一定の期待をするというのは決して不誠実ではないと思います。

発言情報

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発言者: 広瀬佳一

speaker_id: 32903

日付: 2025-02-19

院: 参議院

会議名: 外交・安全保障に関する調査会