市原麻衣子の発言 (外交・安全保障に関する調査会)
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○参考人(市原麻衣子君) ありがとうございます。私の中核的な議論のところを御指摘いただいて、広田先生、ありがとうございました。
民主主義を戦争の文脈で語らないというのは実は余り見られてこなかったことなんだと思います。冷戦期にも民主主義対権威主義、まあ民主主義陣営と共産主義陣営という形で議論が行われてきました。ただ、この冷戦期であろうと現在であろうと、その政治体制あるいは政治的な価値の違いというものを前面に押し出した言説の形成というものは、民主主義ではない側にいる国々を更に我々と連携しにくい立場に追いやるという形になると思っています。
台湾有事に関して考えますと、もちろん、台湾と日本の間、あるいは台湾とアメリカ、日本などの間では政治体制の共有というものが見られて、それが理念的な連携を起こしやすいということは確かではありますが、台湾有事の際、日本、台湾、アメリカや韓国などだけではなくて、それ以外の様々な国々も連携をしなければならなくなるはずです。そういうふうに考えたときに、例えば権威主義国であるベトナムはどうなのかとか、あるいは民主主義の中でも自由がかなり侵害されてきているようなフィリピンとかインドネシア、こういった国々も連携をしていただかないといけないということになると思います。
そうしたときに民主主義国連携というふうにフレームをすると、そういった国々にとっては非常に動きづらいというような状況も生まれようかと思いますので、主権という概念を、特に反帝国主義の文脈でやってきたグローバルサウスにとって、そして非同盟中立という考え方が今でも影響を強くもたらしているこうしたグローバルサウスの国々にとっては、民主主義の文脈で語らず主権の文脈で語るという方が効果的かと思っています。