寺崎正勝の発言 (資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会)
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○参考人(寺崎正勝君) ありがとうございます。
まず、本日はこのような貴重な機会を与えていただきましたことに深く感謝申し上げたいと思います。
私の方から御説明を申し上げたいと思います。
本日の内容でございますけれども、一スライド目を御覧になってください。浮体式洋上風力への期待と現状ということで、少々、皆様たちに少し浮体式洋上風力の内容を御覧になっていただこうと思っております。その上で、どういう課題があるのかと。その課題を踏まえて、私どもFLOWRA、浮体式洋上風力技術研究組合として、なぜ結成したのか、どういう取組を今後しようとしているのかといったところを御説明申し上げたいというふうに思っております。
最初でございます。浮体式洋上風力への期待と現状ということで、三スライド目を御覧になっていただきたいと思います。
三スライド目、写真が載っております。これは洋上風力と言われるものでございまして、もう皆さん御存じのとおり、海の中に柱を立てて造るものが着床式洋上風力、それから船のように浮かべながら取り組むのが浮体式洋上風力と言われるものでございます。これ水深が、着床式であれば大体五十メーターまで、五十メーターを超えますと浮体式になってしまうというところでございます。
なぜ海に造るかでございますけれども、やはり陸地側の面では様々な制約がございます。例えば、山の上に大きな風車を運ぶには大きな道路を造っていかないといけない、又は住民の皆様が近くに住んでいらっしゃるといったことが制約になってまいります。一方で、海の方は、いろいろな制約ございますけれども、物を広く造ることもできますし、大きな物も造ることができます。何より、海の方が風が素直で強いというところがございますので、こういったものを生かしていこうというのが洋上風力でございます。
四スライド目でございますけども、四ページ目でございますけども、浮体式洋上風力の特徴として幾つか書かせていただいております。
一つは、五十メーターを超えるところが中心になってまいりますので、非常に設置場所の自由度が高くなる。さらには、沖合遠くになりますので、風の強いところに立てることができますので、生み出す電気の量も増えてくるということ。それから、船で通常は建設していただきますけれども、陸上に比べまして海上輸送の方が大型の物を運べるということで、大型風車が比較的容易に造ることができる。それから三つ目が、面白いことに、環境への影響ということで、これが陸上に造るよりも、また着床よりも更に、浮体式になりますと、例えば沖合遠くになりますので、皆様方、生活環境の中でこの風車が見えなくなってくる、景観上の問題も少なくなってくる、音の問題も少なくなってくるというところでございます。それから、浮体の構造物でございますけれども、これは港湾エリアの中で組み立てて船で引っ張っていくという方式が主要でございまして、我が国につきましては港湾がいろいろございますので、この港湾の活用にもつながると思っております。
で、五スライド目ですね、次のページでございますけれども、ここに浮体式洋上風力の構造を書かせていただいておりますけれども、資料を御覧になっていただければと思います。
六スライド目からでございますけれども、じゃ、なぜ浮体式洋上風力が期待できるのかといったこと、三つ述べたいと思います。
まず一つ目でございますけれども、電源のボリュームが期待できることでございます。
我が国は、国土こそ狭うございますけれども、領海とEEZ、排他的経済水域を集めた海域の広さは世界第六位でございます。ということは、それだけ浮体式洋上風力の適地が多く、今後の導入に期待されるというところでございます。したがいまして、このEEZへの展開に向けました制度整備が今後強く求められてくるというところでございます。
それから、沖合でございますけれども、風況が良いというところ。で、風況が良ければ年間当たりこの設備どれだけ能力を発揮するかといったものが、この設備利用率と申し上げますけれども、年間で五〇%が見込めるといったところでございます。
下の図に日本地図、それから海上におけます風の強さを示させていただいております。この沖合に行けば行くほど赤くなってくる、これが風が強い。ただ一方で、ここはまだ利用していない、いわゆる未利用エネルギーである、これだけエネルギーがあるのにまだ使われていないということをここから読み取ることができるのではなかろうかと思っております。
七スライド目でございますけれども、こちらに排他的経済水域の広さを記載をさせていただいております。後ほど御覧になっていただければと思います。
二つ目でございます。八スライド目でございます。この浮体式洋上風力は、資本費の四分の一が、浮体の構造、いわゆる船になっているような部分でございますけど、ここの製造費に当たります。ということは、日本が得意としております造船や金属加工等の物づくりの基盤が生かすことができる分野でございます。そういった意味では、産業振興、さらには経済安全保障にもつながる取組ではなかろうかと思っております。それだけにとどまらずに、浮体式洋上風力は必ず近くに拠点をつくらないといけません。そうしますと、各エリアにですね、エリアの地域振興の面でも、雇用の創出又は漁業との協調といった面で地域振興面にも期待が持てる分野ではなかろうかというふうに思っているところでございます。
具体的に、九スライド目でございますけれども、こちらにいろいろな、じゃ、どういう産業が生かせるのかといったところを記載をさせていただいております。これは後ほど御覧になっていただければと思います。
こうした浮体式洋上風力でございますけれども、海外がどのような取組しているかといったのを十スライド目にまとめさせていただいております。欧米主要国、特にアメリカ、イギリス、フランスにおきましては、非常に精力的に洋上風力を伸ばしております。御覧になってのとおりでございまして、日本もそれに追い付くべく製作を進めていただいているというところでございますし、特に浮体式の分野におきましては、各国とも技術開発、実証の面で力を入れようとしているところでございます。
今後の導入見通しでございますけれども、十一スライド目でございます。これは各世界の機関がまとめたものでございますけれども、二〇五〇年の長期見通しによりますと、これは、アメリカの国立再生可能エネルギー研究所というところがございます、ここが、二〇五〇年には二百七十ギガワット、約三億キロワットの浮体式洋上風力が導入されるのではないかというふうに見ております。この三億キロワットといいますのは、日本の発電所の総量、全体が約三・二億キロワットでございますので、それに近いぐらいの規模感が今後世界中に広がってくるというところでございます。
こうした中で、我が国の洋上風力の導入に向けました国の政策でございますけれども、十二スライド目から記載をさせていただいております。洋上風力発電、これは浮体式、着床含めてでございますけれども、政府といたしまして二〇四〇年までに三十から最大四十ギガワットまで導入していこうというような導入目標が定められているというところでございます。
浮体式に関しましては、十三スライド目でございますけれども、早期社会実装に向けた政策がいろいろと打たれようとしております。
まず一つ目が案件形成ということで、目下、議会の方で、国会の方で御審議いただいていると思いますけれども、改正再エネ海域利用法の早期成立を目指されているところでございます。ここでは、EEZを含む洋上風力の案件形成の加速化と、JOGMECによりますセントラル方式によります、国による主導となる調査を進めていただく体制整備が図ろうとしているところでございます。
それから、二つ目でございますけれども、これ直接私どものFLOWRAの活動に直結するものでございますけれども、やはり、後ほど述べます浮体式につきましてはいろいろなまだまだ課題がございます。こうした課題につきまして研究開発、実証を行っていこうと、力を入れていこうというふうにしておりまして、加えまして、欧米を中心とした有志国とグローバルに連携していこうということが打ち出されていると。
三つ目でございますけれども、先ほど日本の物づくりが生かせると申し上げましたけれども、国の方でもこのサプライチェーンの構築に向けましていろいろな施策を打たれようとしている。特に、GXサプライチェーン補助金を活用した取組を戦略的に取り組んでいこうとされているところでございます。
さらには、やはり物づくりには人が必要でございます。人材育成をいかにしていくかというところも重要な視点ということで、しっかり人材育成の取組も進みつつあるというところでございます。
十四スライド目に、我が国の電力需要の見通しをお示しをさせていただいております。こちらにつきましては、先ほど上野先生からもございましたし、小宮山先生からも言及ございましたけれども、今後AI化が進むことによりまして電力需要が増えてくるということで、現在検討が進められております第七次エネルギー基本計画の中でもこういったものを背景にされているというふうに伺っているところでございまして、やはり今後こうした浮体式洋上風力にもしっかり取り組んでいかないといけないという一つの根拠がここにあるのではなかろうか。電力だけではなくて、今後AI化になりますと水も必要になってくるといったところかと思っております。
次のページからでございますけれども、じゃ、浮体式洋上風力の取組の課題、一体どういったところにあるのかというところでございまして、十六スライド目にサマリー的にまとめさせていただいております。
まず一つに、どうしてもやはり技術的な課題がございます。沖合遠くに浮かんでいるものに、また動く風車を着実にかつ安全に稼働させるための技術、ここの技術がまだ、残念ながら一〇〇%ではまだまだございません。こうしたものを、いかに確率を上げていくか、さらにはどうやって造っていくのか、どういうふうにメンテナンスをしていくのかといったところの技術開発が必要でございます。さらには、沖合遠いところから本土に電気を運ぶわけでございますので、その長距離を運ぶ送電インフラをどうしていくかというところも課題でございます。
経済的課題につきましては、そうしたものにつきまして、やはり事業の予見性、それから、どうしても大きな資金になりますので、銀行からお金を借りる必要がございます。資金調達の面でしっかりこの金融機関の眼鏡にかなうような事業性が確保できるのかどうかという経済的課題がまだございます。
さらには、環境的課題でございますけれども、沖合遠いところの環境の影響をどう測っていくのかといったところもまだまだ手法は途上にあるというところ。
さらには、法規制の問題。今、EEZ法案が御審議していただいているところでございますけれども、こうした法整備もしっかりしていかないといけない。
さらには、特に海を使うという意味では、漁業者との、利害関係者との共生関係をいかに築いていくかといったところが重要な課題になってくるというふうに思っております。
十七スライド目に技術的な諸課題を書かせていただいておりますけれども、これは後ほど御覧になっていただきまして、十八スライド目、ちょっとこれポンチ絵で描かせていただいております。例えば左から行きますと、この浮体がどうしても動いてしまう、で、動いているものをしっかりつなぎとどめていかないといけない、さらには水深が深い。造るときも、右側に大きなクレーンの船が風車を取り付けておりますけれども、浮体も動くしクレーンも動くというところで、どういうふうにこれを安全に設置していくのか。さらには、送電のところでございますけれども、このケーブルも、浮いているものからケーブルを下にはわせますので、どうしてもケーブルが動くといったところがございます。こういったものを一つ一つ課題を解決していかないといけない。
今度、サプライチェーンの問題でございまして、三点ほどちょっと申し上げさせていただきたい。これは決して日本だけの問題ではございませんで、世界共通の課題でございます。
一つ目でございますけれども、この大きな浮体をどういうふうに造るかといったところが、これ世界共通の課題でございます。例えばでございますけれども、国の洋上風力の導入目標でございますけれども、これを達成していくためには年間やはり二百基程度のこの船のような浮体構造を造らないといけませんが、現状、このドックで造ることになれば、三十から五十基程度しか造れないという形になってしまうというところがございます。
こうした課題に対しましていろいろ課題の解決案を示しておりますけれども、例えばいろんなところで部材を作って、それを集めてジャスト・イン・タイムで製造していくと、これ日本が得意としている製造方法でございます。こういったところでも日本の技術が生かせるかなと思っております。二十一スライド目にそのイメージをお示しをさせていただいております。
さらに、二十二スライド目でございますけれども、やはり軽量化をしていきませんと、鉄の塊でございますので、どうしてもコストがかさんでまいります。このためにはどうしたらいいかといったことも課題でございます。
さらには、二十三スライド目、こちら浮体を、船でございますので、いかりのようにつなぎとどめる必要がございます。このつなぎとどめるものには、チェーン、金属製のこの鉄のチェーンを、太いチェーンでございますけれども、使う必要がございますが、このチェーンを造るメーカーというのが世界で主要四社に限られているというところ、日本の中にはその一社がございまして、濱中製鎖さんというのがございますけれども、例えばここでも、今現状、年間五基程度のものしか造れないといったところ。
したがいまして、下に書いておりますけれども、それを解決する方法として、合成繊維を利用して、鉄だけではなくて合成繊維を使った形のハイブリッド方式というのが今考えられているというところでございます。
さらには、造ったものをいかにメンテしていくか、二十五スライド目でございます。ここに、大型部材の交換というのは、どうしても風力の中では年間一基、二基程度必要になってまいります。このメンテナンスのコストというのは全体の事業のコストの中の三割を約占めるということで、非常に大きなウエートを占めてまいります。これをいかにスムーズに浮いているものの中で作業をやっていくのかといったところ、こういったところも解決していかないといけない。
二十六スライド目でございますけれども、これは、そういった浮いている船に安全に人を運ぶために、特殊な機能を備えたこういった船がヨーロッパでは整備されつつあると。
二十七スライド目でございますけれども、非常に快適な住環境も整っているというところでございます。
こうした中で、私ども浮体式洋上風力技術研究組合、FLOWRAの設立の狙いと、どういう取組を今後していこうかというところでございますけれども、こちらを御紹介を申し上げたいと思います。
二十九スライド目でございます。これまで浮体式洋上風力の期待につきまして述べさせていただきました。広い海を持つ適地に恵まれた日本でございます。さらには、造船、金属加工など我が国の強みとしている物づくり、技術、ノウハウ、人材、生産基盤の活用ができる大きなチャンスが来ているというふうには思っております。そういうことで、この浮体式洋上風力は、単にエネルギーの安全保障、カーボンニュートラルの推進にとどまらず、国内の産業振興、それから地域の活性化という面で大きな可能性を持っているというふうに私ども考えているところでございます。
それを実は二〇一〇年代に実現された方がいらっしゃいまして、これスコットランドのスタージョン首相なんですけれども、北海油田が斜陽化しているときに、自国の産業、それから今後の脱炭素化どうしていこうかということで、洋上風力を一つのパーツにして、エネルギーのセキュリティーの向上、脱炭素化、それから石油関連産業の活性化を、この三つを見事果たすことができたというところ、ここにもヒントがあるのではなかろうかと思っております。
世界的な共通課題で、三十スライド目に書かせていただいておりますけれども、浮体式は、やはりシステムが大型化、さらには沖合に設置するということで、いろいろな先ほど述べましたとおりの諸課題がございます。さらに、それを信頼性を保ちながら運用していくためのサプライチェーンとかインフラの構築が不可欠でございます。
こういったものは、こういった課題を発電事業者が一社一社ではとても解決できる代物ではございません。こうしたものを共通課題といたしまして、事業者が連携し、ゼネコンさん、マリコンさん又はいろんな造船メーカーさんとともに共同開発を進めて社会実装していく取組が必要であるだろうということでできましたのが私どもFLOWRA、浮体式洋上風力技術研究組合でございます。
三十一スライド目でございます。
私どもでございますけれども、メンバー、記載をさせていただいておりますとおり、現在、発電事業者を中心に国内の発電事業者主要二十社で構成をされております。さらには、共同研究パートナーといたしまして、ゼネコンさん、マリコンさん、造船、重電メーカーさんと手を取り合って共同研究していこう、さらには国のいろいろな機関、東京大学などの教育機関、それから認証機関であります日本海事協会様とも連携していくことにしております。
さらには、日本だけにはとどまらずに、諸外国、私どもこのFLOWRAを昨年立ち上げましたときに、国内よりも実は海外からの反響が大きゅうございました。特に欧米でございます。アメリカ、それからイギリス等でございます。こういう先進的に取り組んでいる、下に五か国書かせていただいておりますけれども、こういったところを中心に、国際連携、今具体的に一つ一つ取組を進めさせていただいているというところでございます。
その一つに、三十二スライド目にフォトセッション、これ、私ども立ち上げたときの第一回目、昨年の六月でございますけれども、国際フォーラムを開かせていただきました。ここに、アメリカ大使含めまして、英国大使、EU大使、ノルウェー大使、皆さん出席したいということでお越しいただきまして、全員でこういうフォトセッションをさせていただいたというところでございます。
私どもの組織でございますけれども、三十三スライド目に記載をさせていただいておりまして、私ども、各出資をいただいておりますメンバーが理事会を構成しておりまして、その下に運営委員会、さらには、事務局を通しまして、下に五つのワーキンググループを定めさせていただいて、ここで、それぞれ個別具体的な研究開発を進めていこうというふうにしているところでございます。
今現在でございますけれども、国の方も力を入れまして、経済産業省が二〇三〇年の浮体式洋上風力の国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術の確立を目指されております。三十四スライド目でございますけれども、こちらは、この要素技術から始まりまして、今いろいろな取組が進められております。その中でも、このフェーズ一の五、各共通基盤となります技術開発、ここに関しまして、今現在、NEDO様の方から公募が出ておりまして、私どもFLOWRAといたしましても手を挙げさせていただいているというところでございます。こういう形で少しずつ技術開発を進めながら、二〇三〇年度からの商用化、社会実装に向けて取り組んでいるというところでございます。
三十五スライド以降でございますけれども、具体的にどういうことを取り組んでいるかというところでございますけれども、こちらは後ほど御覧になっていただければと思っております。
こういう形で一日も早く浮体式洋上風力の社会実装につなげることができますよう、私どもFLOWRAといたしまして不退転の覚悟で取り組んでまいる所存でございます。
説明は以上でございます。御清聴、誠にありがとうございました。