上野貴弘の発言 (資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会)
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○参考人(上野貴弘君) 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。
やはり難しい質問だなと、このタイミングで、新しい大統領が誕生したばかりの状況ですと、なかなかこれということを申し上げるのは難しいんですけれども、まず、気候変動対策の国際協調の中で日本が果たすべき役割としては、最初の意見陳述でも述べましたように、今まで続けてきた中道的な路線を引き続き、アメリカがトランプ政権になったとて続けていくということが大事だと思います。
アメリカが抜けていくことで、そこをほかの国が埋めるということも期待はされるところでありまして、それは可能な範囲では進めていければとは思うんですけれども、いかんせん国の経済規模も違いますので、どこかの国が一つだけで埋めるということはできず、そこはいろいろな国との間での協調を一層深めていくということだと思います。抜けていったアメリカを批判するというところまで行くかは別としても、残っている国の間での協調は維持し、また可能な範囲で協力はしていくということが、どのみち基本線であると私は考えているところです。
その上で、アメリカとどのように向き合うのかということなんですけれども、今の初日あるいはその後の動きを見ていると、気候変動という言葉で協調をしていくのは、やはり余り容易ではないというよりも相手が乗ってくれるかどうかというところにどうしても疑問が出てくると思います。ただ、そういう目的に焦点を当てるのではなくて、手段に焦点を当てると共通的な利害も出てくるのではないかと思います。
例えば、液化天然ガスについては、アメリカのトランプ大統領はエネルギードミナンスという、エネルギー輸出を支配力に変えるということを掲げているんですけれども、我が国も、LNGを使い続ける中で、小宮山先生がおっしゃっていたように、供給源多様化の取組の一つとして、アメリカからの輸入を増やしていくというのは手段の一つとしてはあります。
それは翻って、より排出の大きい火力発電よりも排出の少ないLNG火力を使っていくという中で我が国の排出削減に資するというのもあるかもしれないですし、アジアの協力という観点から見ても、石炭火力依存度が高い国は多くありますので、そういうところでアメリカのLNGが増えればその分排出削減はするということで、我が方から見て排出削減の便益がありつつ、アメリカにしてみれば、トランプ政権の目線から見たときにはエネルギー輸出にもなるということで、手段のレベルでは一致点というのはあり得るかなと思います。
もちろん、これはやってみなければうまくいくかどうかは分からないんですけれども、そういう個別手段に焦点を当ててトランプ政権と向き合っていくというのが今の時点で考えられる一つの道ではないかと思うところです。
以上になります。