大串正樹の発言 (資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会)
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○副大臣(大串正樹君) ありがとうございます。
まず、足下のエネルギー安全保障をめぐる環境変化について御説明をさせていただきます。
三ページ目を御覧ください。
二〇二二年二月以降、ロシアによるウクライナ侵略により、我が国を含め世界的なLNGの需給逼迫、価格高騰が発生しました。
さらには、四ページ目にありますように、昨今の中東情勢の緊迫化は、原油の九割以上を中東からの輸入に依存する我が国のエネルギー安全保障に直結し、我が国の産業競争力に大きな影響を与える可能性があります。
五ページ目を御覧ください。
我が国の貿易収支の変遷をお示ししております。我が国は、足下においては、競争力のある自動車や半導体製造装置の輸出などで稼いだ外貨の大半を原油、ガスなどの鉱物性燃料の輸入に充てていることが分かります。
六ページを御覧ください。
エネルギー自給率と化石エネルギーの依存度の国際比較をお示ししております。我が国は、一次エネルギー供給の約八割、電源構成の約七割を化石エネルギーに依存しており、エネルギー自給率は一三・三%と、G7諸国中最低水準にとどまっております。
七ページ以降、DXやGXによる電力需要増大の可能性について御説明をさせていただきます。
八ページを御覧ください。
昨年十月にIEA、国際エネルギー機関が公表した見通しでは、二〇三五年に向けて世界全体で年率三%で電力需要が増加すると予測されております。
九ページを御覧ください。
翻って、日本においても、電力広域的運営推進機関が、これまで減少傾向にあった電力需要について、データセンターや半導体工場の新増設等により、二〇二四年以降増加する見通しを示しています。科学技術振興機構も、省エネが進展したとしてもなおデータセンターによる電力需要が将来的に増加すると分析しています。
脱炭素に関連する世界の動向について御説明をいたします。
十一ページを御覧ください。
世界では、百四十六か国・地域がカーボンニュートラル目標を表明しております。足下では、米国トランプ政権はパリ協定離脱を表明し、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言も撤回しましたが、それでもなおGDPベースで世界の約七割の国・地域がカーボンニュートラルを宣言していることになります。
十二ページを御覧ください。
後ほど環境省から説明があると思いますが、我が国は、これまでのところオントラックで排出削減を進めています。本年二月には、新たな日本の次期排出削減目標として二〇三五年六〇%削減、二〇四〇年七三%削減との目標を国連に提出しました。
十三ページを御覧ください。
米国トランプ政権はパリ協定からの離脱を表明し、バイデン政権下で行われていたインフレ削減法に基づく気候変動対策やエネルギー投資支援策を大きく転換しました。
しかしながら、十四ページにありますように、EUを含めその他の各国は、野心的な排出削減目標を掲げるとともにロシアからの化石燃料の脱却や再エネの拡大などを進める等、エネルギー・環境政策と産業政策を一体的に推進しております。
これまで御紹介したようなエネルギーをめぐる国内外の環境変化を踏まえ、我が国としてもエネルギー・環境政策と産業政策を一体的に進めるため、本年二月、第七次エネルギー基本計画、GX二〇四〇ビジョンを策定いたしました。
まずは、GX二〇四〇ビジョンについて御説明します。
十七ページを御覧ください。
GXの取組は、気候変動対策の加速、脱炭素の投資拡大を通じ、経済成長、産業競争力を強化を進めるもので、日本経済を再び成長軌道に乗せる大きなチャンスです。さらには、化石燃料への過度な依存から脱却し、エネルギー自給率を高め、危機に強いエネルギー需給構造を目指すものであり、スピード感を持って進める必要があります。
その実現に向けて、十八ページにございます成長志向型カーボンプライシング構想を具体化し、GX経済移行債を活用した二十兆円規模の投資促進策と段階的なカーボンプライシングの導入を一体に進めております。
その上で、二十ページに記載しておりますが、将来見通しに対する不確実性が高まる中でも脱炭素分野における投資の予見性を高めるべく、GXの中長期の見通しをお示ししたものがGX二〇四〇ビジョンです。DX、GX等を通じてサプライチェーンが高度化された産業構造を目指し、クリーンエネルギーの地域偏在性を踏まえ、効率的、効果的に新たな産業を集積させていく方向性をお示ししました。
また、排出量取引制度の本格稼働に必要な制度整備等が規定されたGX推進法改正案が先般閣議決定され、今後国会で御審議をいただく予定です。今後、事業者の脱炭素投資を促進するような予見性のある仕組みとすべく、検討していきます。
二十一ページを御覧ください。
公正な移行の観点も踏まえてGXを推進する旨は、GX推進法やGX二〇四〇ビジョンに明記しております。新たに生まれる産業への労働移動を適切に進め、高度化されたサプライチェーンでも労働者が引き続き活躍できるよう関係省庁と連携して取り組んでいきます。
続いて、二十二ページ以降、第七次エネルギー基本計画についての概要を御説明させていただきます。
二十三ページを御覧ください。
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電事故から十四年が経過しましたが、福島の復興は道半ばであり、原発事故の経験、反省と教訓を肝に銘じ取り組むことがエネルギー政策の原点であります。
二十四ページを御覧ください。
今なお避難生活を強いられている被災者の方々の心の痛みにしっかりと向き合い、特定帰還居住区域については、二〇二〇年代をかけて帰還意向のある全ての住民の方が帰還できるよう、避難指示解除に向けた取組を進めていきます。
二十五ページを御覧ください。
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向け、ALPS処理水の海洋放出や燃料デブリの試験的取り出し作業の成功などの進捗があり、今後も安全を最優先に進めます。
復興に向け中長期的な対応が必要ですが、現場主義を徹底しながら、国が前面に立ち、福島の復興に最後まで取り組んでいく覚悟です。
二十六ページを御覧ください。
これまでのエネルギー基本計画同様、エネルギー政策の基本的な視点としてはSプラス3Eの原則を維持しておりますが、その中でエネルギー安定供給を第一として位置付けております。
これまでのエネルギー基本計画同様、エネルギー政策の基本的な視点としてはSプラス3Eの原則を維持しておりますが、その中でエネルギー安定供給を第一として位置付けております。
その上で、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に過度に依存しないようバランスの取れた電源構成を目指します。
同時に、徹底した省エネに加え、再生可能エネルギー、原子力など、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する方針を今回お示ししています。
二十八ページでは、データセンター、半導体、鉄鋼、モビリティーなど、我が国の経済成長、地方創生、国民生活に不可欠な基幹産業にとって脱炭素電源の確保が不可欠であることをお示ししています。
二十九ページでは、国内の電力需要が約二十年ぶりに増加していく見通しであり、脱炭素電源の供給力を抜本的に強化していくことが重要であることをお示ししています。
以下、個別の論点に移ります。
三十ページ、三十一ページを御覧ください。
まず、徹底した省エネは変わらず重要であることに加え、二〇五〇年に向けて排出削減対策を進めていく上で、電化や非化石転換が今まで以上に重要となります。これらを両輪で推進してまいります。
三十二ページを御覧ください。
脱炭素電源の拡大に当たっては、再生可能エネルギーか原子力かといった二項対立的な議論ではなく、再エネや原子力などの脱炭素電源を最大限活用することが必要不可欠です。脱炭素電源への投資回収の予見性を高めるため、事業環境、ファイナンス環境の整備に取り組んでまいります。
三十三ページを御覧ください。
再生可能エネルギーについては、引き続き主力電源化を徹底し、地域との共生と国民負担の抑制を図りながら最大限の導入を促します。
三十四ページを御覧ください。
FIT制度の導入後、再エネ比率は、震災前の約一〇%から二〇二三年度には約二三%と、約十年間で倍増しています。
三十五ページを御覧ください。
再エネ政策における課題と今後の進め方をお示ししています。再エネ最大限導入に向けて、地域との共生、国民負担の抑制、出力変動への対応、ペロブスカイト等の次世代太陽電池や浮体式洋上風力、次世代型地熱といった分野で、イノベーションの加速、サプライチェーン構築、社会実装の加速化、そして使用済太陽光パネルへの対応といった課題に対して適切に取り組んでまいります。
三十六ページを御覧ください。
原子力については、安全性の確保を大前提に、地元の理解を得ながら再稼働の加速化に取り組みます。次世代革新炉の開発、設置については、廃炉を決定した原子力発電所を有する事業者の原子力発電所のサイト内での建て替えを対象として具体化を進めていきます。加えて、再処理や最終処分を含むバックエンドプロセスの加速化等にも取り組みます。
三十九ページを御覧ください。
火力発電は、供給力、再エネの変動性を補う調整力としての電力の安定供給に貢献しています。変動再エネの発電量が少ない状態が長く続く悪天候時などを念頭に置くと、再エネ及び蓄電池が火力に安全に代替することは難しく、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けては、安定供給を確保しつつ、非効率な石炭火力のフェードアウト、水素、アンモニア、CCUS等を活用した火力の脱炭素化を進めていきます。
四十一ページを御覧ください。
電力の安定供給確保や再エネの大量導入に向けて、電力広域的運営推進機関が策定した広域連系系統のマスタープランを踏まえて、送電網の増強を着実に進めてまいります。
四十二ページを御覧ください。
水素等は、幅広い分野での活用が期待されるカーボンニュートラル実現に向けた鍵となるエネルギーです。
四十三ページにありますように、日本が技術的強みを有する分野において国際競争力の維持強化を目指していきます。昨年成立した水素社会推進法に基づく価格差に着目した支援等によりサプライチェーンの構築を強力に支援し、さらには規制、支援、一体的な政策を通じてコストの低減と利用の拡大を両輪で進めていきます。
四十四ページを御覧ください。
化石燃料については、安定供給を確保しつつ現実的なトランジションを進めるため、資源外交、国内外の資源開発、供給源多角化、危機管理、サプライチェーンの維持、強靱化等に取り組んでまいります。また、SSのネットワークの維持強化など、災害時にはエネルギー供給の最後のとりでとなるガソリンやLPガスの供給体制確保に取り組みます。
四十七ページを御覧ください。
電化や水素等を活用した非化石転換では、脱炭素化が困難な分野においても脱炭素を実現できるCCUSについて、投資を促す支援制度の検討、コスト低減に向けた技術開発、国内外での貯留地開発等に取り組んでいきます。
四十八ページを御覧ください。
銅やレアメタルなどの重要鉱物は国民生活及び経済活動を支える重要な資源である一方、鉱種ごとに様々な供給リスクが存在しており、安定的な供給確保に向けて、備蓄の確保に加え、供給源の多角化等に取り組むとともに、国産海洋鉱物資源の開発にも取り組んでまいります。
五十ページを御覧ください。
電力システム改革の検証については本年三月に取りまとめを行い、今後の方向性をお示ししました。安定供給を大前提に、価格への影響を抑制しつつ、電力システムの脱炭素化を進めるため、脱炭素電源投資確保に向けた市場や事業環境、資金調達環境の整備、電源の効率的活用、大規模需要の立地を見据えた電力ネットワークの構築、安定的な量、価格での電力供給に向けた制度整備や規律の確保を進めてまいります。
五十一ページを御覧ください。
世界で脱炭素化に向けた動きが加速している一方で、エネルギー安全保障の確保の重要性が高まっている中、二国間、多国間の様々な枠組みを活用した国際協力を通じて、エネルギー安全保障、経済成長及び脱炭素と同時実現する形で進めていきます。
特に、電力の大宗を火力に依存するなど共通の課題を抱えるアジアについては、五十二ページにございますアジア・ゼロエミッション共同体、AZECの枠組みを通じて、脱炭素、経済成長、エネルギー安全保障の同時実現、及び多様な道筋によるネットゼロ実現というAZEC原則の下、取組を進めます。
五十三ページを御覧ください。
エネルギー政策についての国民各層とのコミュニケーションについてお示ししております。エネルギー政策についての学習の機会や若者を含む幅広い層との双方向のコミュニケーションを充実させていきます。
また、五十四、五十五ページにありますように、将来のエネルギー需給構造を支える人材の育成も重要であり、再エネや原子力など各領域における人材育成にも取り組んでいきます。
五十六ページを御覧ください。
二〇四〇年度温室効果ガス七三%削減といった野心的な目標との整合性などを考慮しながら、将来からバックキャストする考え方の下、二〇四〇年度のエネルギー需給の見通しをお示ししています。エネルギー自給率は三、四割程度、電源構成としては、再エネは四、五割程度、原子力は二割程度、火力は三、四割程度となる見通しを示しています。
五十八ページ以降は参考資料として、エネルギー自給率を含むエネルギー需給の実績、化石燃料の輸入先、部門別最終エネルギー消費の現状、日本の電源構成推移、化石燃料輸入金額、輸入量のデータを添付しております。
以上が経済産業省からの説明になります。
国内外のエネルギー情勢の変化を踏まえ、GX二〇四〇ビジョン、第七次エネルギー基本計画に盛り込まれた政策をしっかりと実行に移してまいります。