小林史明の発言 (資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会)
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○副大臣(小林史明君) 環境副大臣の小林史明でございます。
それでは、着席して御説明をさせていただきます。
本日は、気候変動をめぐる内外情勢と日本の気候変動対策に関する取組について、資料に沿って御説明をさせていただきますので、一ページ目おめくりください。全体の項目であります。
まずは、内外情勢について御説明いたします。二ページ目です。
世界気象機関は本年一月に、昨年が観測史上最も暑い年であり、世界全体の年平均気温が産業革命以前と比べて一・五五度上昇したと発表しました。気温の変化は中長期的な傾向を確認する必要があり、昨年の状況のみでパリ協定の一・五度目標を超過したとは言えないものの、引き続き危機感を持って取組を進めていくことが必要です。
三ページ目、御覧ください。
世界のエネルギー起源CO2排出量を国別に見ますと、先進国の排出は引き続き大きいものの、いわゆる途上国の排出割合が増加をしています。このため、先進国、途上国を含む全ての国が参加する気候変動対策の国際枠組みであるパリ協定を着実に実施することが重要です。
四ページ目です。
本年十一月には、COP30の開催がブラジルで予定をされています。各国はこれに向けて二〇三五年を目標とする新たなNDCを国連に提出するとされており、その内容を踏まえた更なる排出削減策が議題の一つとなる見込みです。
五ページ目、お進みください。
この二〇三五年以降のNDCを提出している国は、四月一日時点で、日本を含めて十八か国となっております。
続いて、六ページ目です。
アメリカの動向について、本年一月にトランプ大統領は、パリ協定からの脱退やエネルギー政策の転換を含む多くの大統領令に署名をしました。アメリカがパリ協定から脱退しようとも、パリ協定を着実に実施することの重要性は何ら変わっておりません。我が国としては、アメリカの政策動向を引き続き注視しつつ、アメリカとの協力を模索してまいります。
七ページ目、お進みください。
一方、EUにおいては、本年二月、欧州委員会がクリーン産業ディールを発表し、気候変動対策と産業競争力強化を同時実現させる方針を示しています。
八ページ目です。
我が国においては、金融業界とも連携して、本年三月、金融投資分野等のトップが一堂に会するESG金融ハイレベル・パネルを開催し、グリーンな経済システムの構築に向けた金融行動に関する宣言が取りまとめられ、持続可能な社会の構築に資金を振り向けるESG金融を更に推進していくことが確認をされました。
脱炭素の取組については現在の世界的な潮流になっており、その潮目は変わっていないと考えております。
九ページ目です。
ここからは、我が国の気候変動対策に関する取組について御説明をいたします。
十ページ目、御覧ください。
まず、我が国は本年二月に、二〇五〇年ネットゼロの実現に向けて、たゆまず直線的に排出削減を進める経路として、二〇一三年度比で、二〇三五年度六〇%減、二〇四〇年度七三%減という目標を設定をしました。
十一ページ目、御覧ください。
この削減目標の実現に向け、地球温暖化対策計画において、エネルギー基本計画及びGX二〇四〇ビジョンと整合的な対策、施策を盛り込んでいます。
環境省としては、地域、暮らし、バリューチェーン、資源循環といった分野での国内対策を主導するとともに、我が国の技術や経験を生かして世界の排出削減にも貢献してまいります。また、この計画全体のフォローアップを着実に行ってまいります。
十二ページ目、御覧ください。
まず、環境省は、地方公共団体が主導する地域脱炭素の取組を推進しています。地域特性に応じた再エネポテンシャルを活用する地域脱炭素の取組は、企業誘致、農林水産業振興、防災力、レジリエンス強化等々、様々な地域課題解決にも貢献し、地方創生にも資するものです。
十三ページ目です。
現在、脱炭素先行地域を始め、地方創生、地域経済活性化に資する好事例が全国各地で創出をされております。
十四ページ目、御覧ください。
例えば、岩手県陸前高田市は、営農型太陽光発電により津波被災跡地を活用し、新規就農者の獲得、収益の増加や電気保安人材育成を目指します。このような好事例を全国展開し、地域脱炭素の加速化を図ってまいります。
次のページ、十五ページ目です。
脱炭素型の暮らしへの転換について、関係省庁と連携し、省エネ性能の高い新築の住宅建築物や既存の住宅建築物の断熱リフォームなどに対する補助事業を実施をしております。
続いて、十六ページ目です。
企業の脱炭素技術の開発や製造プロセスの脱炭素化を需要側から後押しすべく、ペロブスカイト等の新技術の導入支援、カーボンフットプリント表示製品の普及、国民運動、デコ活によるGX製品、サービス等の普及、浸透、グリーン購入法や政府実行計画の枠組みを活用した公共部門による率先調達の推進などを通じ、GX製品の需要創出、社会実装を進めてまいります。
十七ページ目です。
中小企業を含めたバリューチェーン全体の脱炭素化を進めるため、いわゆるスコープ3の排出削減計画の策定支援や省CO2設備導入等の補助、中小企業を地域ぐるみで支援する体制の構築などを通じ、企業の脱炭素化と競争力強化を図っております。
続いて、十八ページ目です。
循環経済への移行は、気候変動対策や生物多様性保全といった環境面の課題に加え、地方創生、産業競争力の強化や経済安全保障の確保にも貢献するものです。
このような背景を踏まえ、昨年八月に第五次循環型社会形成推進基本計画を閣議決定し、循環経済への移行を国家戦略として位置付けました。
十九ページ目です。
この計画を推進するため、昨年末には、循環経済に関する関係閣僚会議において加速化パッケージを取りまとめました。本パッケージに基づいて、地方創生に向けて地域の循環資源を徹底活用していくことや、国内外一体の高度な資源循環ネットワークの構築などを進めてまいります。
全国各地で発生する廃棄物等を循環資源として活用し、さらに、海外で発生する循環資源も取り込むことで新たな成長を生み出してまいります。
二十ページ目です。
吸収源対策について、我が国は藻場を始めとした多様なブルーカーボン生態系が存在しております。CO2の吸収、固定のほか、水質改善や観光資源としての活用等、多面的価値を有しており、関係省庁や企業などと連携し、ブルーカーボンの取組を進めてまいります。
二十一ページ目です。
こうした国内での取組を生かし、アジアを始め世界の排出削減にも貢献をしてまいります。具体的には、アジア・ゼロエミッション共同体、AZECの下、二国間クレジット制度、いわゆるJCMを活用し、我が国の優れた脱炭素技術の国際展開を進めてまいります。
また、都市間連携事業を通じ、地方公共団体や地域の中堅・中小企業が築き上げてきた経験、ノウハウ、技術の移転を促進し、自治体や地域企業が環境で稼ぐ力を強化します。
二十二ページ目。
最後に、気候変動適応法に基づき、最新の科学的知見を踏まえ、気候変動による国民の生活、社会、経済、環境への影響などを取りまとめた報告書を今年度中に公表する予定です。この報告書を踏まえて、来年度中に気候変動適応計画の見直しを行ってまいります。
最後、以上のとおり、環境省は、国内外の情勢を踏まえつつ、気候変動に関する取組を着実に進めてまいります。
以上でございます。