神野正博の発言 (厚生労働委員会)

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○神野参考人 皆さん、こんにちは。今日はこのような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。全日本病院協会の会長の神野と申します。よろしくお願いいたします。
 皆様方には資料をお渡ししております。その二ページ目に、岡本委員と同じ六項目、要望事項と書きましたけれども、意見を述べさせていただきたいと思いますし、これ以降に、ページ数を振っておりますので、その中身というのが出ているわけであります。
 一番と六番は非常に関係した話ですけれども、まず一番の話でありますけれども、これはまさに人員配置基準、専従要件といった話であります。
 三ページ目を御覧ください。まさに、医療費というのは価格と量の掛け算で決まってくるわけでありますけれども、今、量は、高齢化が進んでいる、あるいは、新しい非常に高価な治療が進んでいるということで、上がっているわけであります。一方で、Pは据置きということです。ただし、医療費全体が上がっているということで、非常に国民からの批判というのもあるというのは存じているわけであります。
 しかし、この利益というところを御覧いただきたいと思います。価格から原価を引いて量を掛けるわけであります。今この原価が非常に高くなっている、物価、賃金、全て高くなっている。したがって、公定価格であるPが今までのままで原価が高くなっているから、マイナスになるわけです。マイナス掛ける量はマイナスであるということで、今大変な思いをしているのが医療機関でございます。
 一般のサービス業ということを考えると、お客さんがいっぱい来ればそれなりに利益が出るんですよ。お客さんが来なければ赤字になっちゃう。これが一般のサービス業。
 私たちのところは、例えば、手術とか救急とかをいっぱいやっている病院というのは、お客さんがいっぱい来るんだけれども、しかし原価が高くて赤字になっている。これは非常にいびつな関係であるということになるのかなと思います。
 そういった意味で、このCという経費を下げるということを考えたときに、もちろん物の値段を共同購入等あるいは標準化によって下げるという話もあるかもしれませんけれども、もう一つここで、人員配置基準、人件費というところであります。やみくもに人を少なくしろという労働強化ではなくて、非常に今、DXとかいろいろ生産性向上の仕組みがいっぱい入っているわけですよね、それを利用した上で、この人員配置基準というのを少し緩和いただければ人件費というところが下がって、Cを下げることができるということではないでしょうか。
 今お話があったような人材派遣会社、紹介会社といったことも、この人員配置基準があるからばっこするというものではないのかなというふうに思います。
 そして、次でありますけれども、これも先ほど岡本委員からもお話がありましたけれども、病院施設の近代化整備事業という話でございます。
 ページをめくっていただいて、今、特に自然災害というのが非常に多い時代であります。私も、実は能登半島地震で被災しました。ただ、私たちの病院は、この医療施設近代化整備事業を使うことで、当時、二〇一三年に新しい病院を造って、免震病院を造ることによって、能登で唯一生き残った病院でございます。これはこの整備事業のおかげであるということであります。これが今なくなってしまっているということであります。
 そういった意味で、これから地域で必要とされる病院に対して何らかの近代化整備事業、病院建て替え資金の補填というのをお願いしたいというふうに思います。これは、診療報酬ではもう既に病院建て替えの資金なんてできないわけであります。そのためには、やはりここは、必要な病院に対して補助金ということが必要なのかなと思います。
 今回の閣議決定で、病院建て替え資金ということで幾ばくかの基金を積むという、総合経済対策の中に出ていると思いますけれども、そういったことも是非是非また全会派の皆様の応援をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 そして、社会構造が変わっていくということになります。これは御承知のとおりでありますけれども、その課題等が、七ページあたりから少し資料として出させていただいておりますけれども、この七ページの左上を御覧ください。
 七十五歳以上の三割、八十五歳以上の六割の方々が要介護であるということであります。この方々は、もう病院に来る前から介護なんです。病気をして介護になるんじゃなくて、病院に来る前から介護になる方が非常に増えてくるというのが、これから我が国の一番大きな話になってくるのかなというふうに思います。
 そういった意味で、今、まさにこの医療法改正で、医療機関の新たな地域医療構想というものが進められようとしております。九ページに載っているような話でありますけれども、まさに、急性期拠点病院は治す医療、そしてそれ以外の病院は治し支える機能といったものだというふうに私は理解しております。
 そういった意味で、その次のページ、十ページを御覧いただきたいと思いますけれども、病院へ通えない、しかもこれから人数が増える高齢者の方々に対してどういった医療が必要なのかということで、私なりにちょっと絵を描いてみたわけであります。
 ここで強調したいのは、急変したときであります。九十歳でも百歳でも、さっきまで普通にしゃべっていたおじいちゃんが急に意識がなくなったら、これはどうするんですか。高齢者だから救急車を呼んじゃいけないということになったら人権問題ですよね。したがって、速やかに救急車を呼んで、そして二次救急病院に運んでいただくということになると思います。
 そして、急性期拠点機能病院と左の方にありますけれども、私は、この病院は、救急車を断る病院、何でもかんでも受けるんじゃなくて、ほかの病院で手に負えない患者さんを診ていただく、本当に、治すに特化した病院、そして、治し支える病院、二次救急病院以上で患者さんを治療し、そして次の生活につなげるということが重要なのかなというふうに思っているわけであります。
 そういった意味で、十二ページにありますように、病院の医療の前と後ろには生活の場があるわけであります。今、病院医療は、どんどんどんどん在院日数が短くなって、ちっちゃくなっています。この前と後ろの生活の場が重要であります。そういった意味で、これから高齢社会においては、心不全とか肺炎とか、同じ病気で繰り返して病気を起こす人もいらっしゃるわけですので、この輪をつなげるということが極めて重要であります。
 そういった意味では、情報統合というものが必要でありますし、ある意味、エコシステム、循環システム、急性期の医療が終わった後も、その後も、生活支援、あるいは、そういうところと病院、介護、医療、介護がつながって、ぐるぐる回っていくというシステムが必要なのかなというふうに思います。
 医師偏在について一言だけ申し上げます。
 十四ページを御覧ください。バケツを例えにしております。医師の供給が蛇口だとするならば、大都市とか人気診療科に、まずこのバケツはいっぱいになってくるわけであります。乏しい偏在対策でありますと、どんどんこのバケツを大きくするだけでありますので、幾ら供給しても偏在対策にはならない。
 一方で、左の方にありますように、バケツを小さくする、すなわち強い偏在対策をやるならば、人気診療科、都市部からあふれてきて、そして地方に充実してくるだろうというふうに思うわけであります。そういう意味では、強い偏在対策というものを求めたいというふうに思います。
 最後に、私の病院、恵寿総合病院、十五ページ以降でありますけれども、ここに書いてあるような病院でございます。そして、その中で、十六ページに、DXということに非常に取り組んでいるわけであります。
 例えば、生成AIを使う、RPA、ロボットを使う、それからデータセンター等で見える化する、あるいは生産性向上で、ウェアラブルデバイスとか音声DX等を使う、あるいは業務用のスマートフォンを使うということで進んできたわけであります。
 十七ページに、看護師の業務量調査であります。一年に一回、一週間かけてやっておりますけれども、これを御覧のとおり、この看護師の業務量調査の下の方へ行きますと、これは日勤帯でありますけれども、右のこのピンクのテールのところであります、これが減っております。これは何かといったら、記録時間が減っているわけであります。それから、左の水色のところでありますけれども、ここのところが減っているのは、申し送り時間が減っているわけであります。
 なぜそんなことができるのか。これはDXであります。記録時間に関しては、生成AIをフルに活用することによって、医師も看護師も、記録時間、特に要約を作る時間というのが非常に短くなっている。今まで一時間かかっていたものが、一分ぐらいで生成AIが作ってくれる。それをチェックして、その後に完成したものを作るということであります。
 最後でありますけれども、十八ページでありますけれども、こういったことによって、私どもの病院の時間外でありますけれども、看護師の時間外は今、月一・一時間、医師の時間外は月十八・五時間まで下げることができました。
 もちろん、この分は、私たちのところは看護師の人数が非常にぎりぎりであるので、その分、頑張れ頑張れじゃなくて、まさに労働時間も減らしながらDXの効果を享受していこうというふうに思いますし、この結果として多少の利益が出た分に関しては、ボーナス、給与等で還元するということは大原則であるということも最後に追加させていただきます。
 ということで、私のお話を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。(拍手)

発言情報

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発言者: 神野正博

speaker_id: 26724

日付: 2025-11-25

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会