厚生労働委員会

2025-11-25 衆議院 全107発言

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会議録情報#0
令和七年十一月二十五日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 大串 正樹君
   理事 井上 信治君 理事 鬼木  誠君
   理事 勝目  康君 理事 岡本 充功君
   理事 酒井なつみ君 理事 早稲田ゆき君
   理事 伊東 信久君 理事 浅野  哲君
      東  国幹君    安藤たかお君
      大岡 敏孝君    加藤 鮎子君
      神田 潤一君    草間  剛君
      栗原  渉君    古賀  篤君
      後藤 茂之君    塩崎 彰久君
      田野瀬太道君    田畑 裕明君
      田村 憲久君    根本  拓君
      藤丸  敏君    東  克哉君
      石川 香織君    市來 伴子君
      大塚小百合君    小山 千帆君
      齋藤 裕喜君    柴田 勝之君
      下条 みつ君    宗野  創君
      中島 克仁君    宮川  伸君
      山井 和則君    阿部 圭史君
      猪口 幸子君    梅村  聡君
      岡野 純子君    日野紗里亜君
      沼崎 満子君    浜地 雅一君
      八幡  愛君    田村 貴昭君
    …………………………………
   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君
   参考人
   (学習院大学長)     遠藤 久夫君
   参考人
   (タムスグループ理事長) 岡本 和久君
   参考人
   (公益社団法人全日本病院協会会長)        神野 正博君
   参考人
   (日本労働組合総連合会総合政策推進局長)     永井 幸子君
   参考人
   (社会医療法人社団健生会理事長)         山田 秀樹君
   厚生労働委員会専門員   森  恭子君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十五日
 辞任         補欠選任
  山際大志郎君     神田 潤一君
同日
 辞任         補欠選任
  神田 潤一君     山際大志郎君
    ―――――――――――――
十一月二十五日
 国保加入者に傷病手当、出産手当を給付する制度の確立に関する請願(長谷川嘉一君紹介)(第五号)
 同(藤原規眞君紹介)(第六号)
 同(稲富修二君紹介)(第一七号)
 同(西川将人君紹介)(第一八号)
 同(黒岩宇洋君紹介)(第二二号)
 同(小沢一郎君紹介)(第二七号)
 同(野間健君紹介)(第二八号)
 同(緒方林太郎君紹介)(第三五号)
 同(青山大人君紹介)(第四〇号)
 同(平岡秀夫君紹介)(第四一号)
 同(牧義夫君紹介)(第八〇号)
 同(渡辺創君紹介)(第八一号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第八五号)
 同(井坂信彦君紹介)(第九八号)
 同(白石洋一君紹介)(第一〇二号)
 同(金子恵美君紹介)(第一〇五号)
 社会保障制度改革に関する請願(大塚小百合君紹介)(第三三号)
 同(神津たけし君紹介)(第五八号)
 じん肺とアスベスト被害根絶等に関する請願(鎌田さゆり君紹介)(第三四号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第四二号)
 同(志位和夫君紹介)(第四三号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第四四号)
 同(辰巳孝太郎君紹介)(第四五号)
 同(田村貴昭君紹介)(第四六号)
 同(田村智子君紹介)(第四七号)
 同(堀川あきこ君紹介)(第四八号)
 同(本村伸子君紹介)(第四九号)
 同(近藤昭一君紹介)(第八六号)
 治療に必要な医薬品の保険適用存続に関する請願(八幡愛君紹介)(第六三号)
 従来の健康保険証を使い続けられるよう求めることに関する請願(安藤じゅん子君紹介)(第六九号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第八七号)
 同(近藤昭一君紹介)(第八八号)
 同(矢崎堅太郎君紹介)(第九三号)
 保険でよりよい歯科医療を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第七〇号)
 同(志位和夫君紹介)(第七一号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第七二号)
 同(辰巳孝太郎君紹介)(第七三号)
 同(田村貴昭君紹介)(第七四号)
 同(田村智子君紹介)(第七五号)
 同(藤原規眞君紹介)(第七六号)
 同(堀川あきこ君紹介)(第七七号)
 同(本村伸子君紹介)(第七八号)
 同(八幡愛君紹介)(第七九号)
 同(小沢一郎君紹介)(第八九号)
 同(近藤昭一君紹介)(第九〇号)
 同(井坂信彦君紹介)(第九四号)
 同(森山浩行君紹介)(第九五号)
 同(大西健介君紹介)(第一〇三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第二百十七回国会閣法第二一号)
     ――――◇―――――
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大串正樹#1
○大串委員長 これより会議を開きます。
 第二百十七回国会、内閣提出、医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、本案に対し、鬼木誠君外二名から、自由民主党・無所属の会、日本維新の会及び公明党の三派共同提案による修正案並びに岡本充功君外一名から、立憲民主党・無所属及び国民民主党・無所属クラブの二派共同提案による修正案がそれぞれ提出されております。
 提出者より順次趣旨の説明を聴取いたします。伊東信久君。
    ―――――――――――――
 医療法等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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伊東信久#2
○伊東(信)委員 ただいま議題となりました医療法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、都道府県は、その地域の実情を踏まえ、医療機関がその経営の安定を図るために緊急に病床数を削減することを支援する事業を行うことができることとするとともに、医療機関が当該事業に基づき病床数を削減したときは、厚生労働省令で定める場合を除き、医療計画において定める基準病床数を削減するものとすること。また、国は、医療保険の保険料に係る国民の負担の抑制を図りつつ持続可能な医療保険制度を構築するため、予算の範囲内において、当該事業に要する費用を負担するものとすること。
 第二に、政府は、医療情報の共有を通じた効率的な医療提供体制の構築を促進するため、電子診療録等情報の電磁的方法による提供を実現しなければならないこと。
 第三に、政府は、令和十二年十二月三十一日までに、電子カルテの普及率が約一〇〇%となることを達成するよう、医療機関の業務における情報の電子化を実現しなければならないこと。
 第四に、政府は、令和八年四月一日に施行される外来医師過多区域等に関する規定の施行後三年を目途として、外来医師過多区域において、新たに開設された診療所の数が廃止された診療所の数を超える区域がある場合には、当該区域における新たな診療所の開設の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
 第五に、政府は、この法律の公布後速やかに、介護、障害福祉従事者の賃金が他の業種に属する事業に従事する者と比較して低い水準にあること、介護、障害福祉従事者が従事する業務が身体的及び精神的な負担の大きいものであること等に鑑み、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減を図りつつ介護、障害福祉従事者の人材の確保を図るため、介護、障害福祉従事者の適切な処遇の確保について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を機動的に講ずるものとすること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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大串正樹#3
○大串委員長 次に、浅野哲君。
    ―――――――――――――
 医療法等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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浅野哲#4
○浅野委員 ただいま議題となりました医療法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、厚生労働大臣は、医療計画で定める都道府県において達成すべき五疾病六事業及び在宅医療の確保の目標の設定並びに当該目標の達成のための実効性のある取組及び当該取組の効果に係る評価の実施が総合的に推進されるよう、都道府県に対し、必要な助言を行うものとすること。
 第二に、外来医師過多区域における既存の無床診療所への対応を強化するため、既存の無床診療所による報告、都道府県知事による医療の提供の要請、勧告、保険医療機関の指定の期間の短縮等の規定を設けること。
 第三に、地域医療構想及び医療計画において定める事項に、病院又は診療所相互間、病院又は診療所と薬局との間の機能の分担及び業務の連携を追加すること。
 第四に、市町村計画に定める事項として、医療機関の施設又は設備の整備に関する事業及び医療従事者の確保に関する事業を追加すること。また、市町村が、市町村計画に掲載された事業に要する経費の全部又は一部を支弁するため基金を設ける場合には、国は、その財源に充てるために必要な資金の三分の二を負担するものとすること。
 第五に、国は、医師手当事業に要する費用の全額に相当する金額を都道府県に交付することとし、医師手当拠出金等の徴収及び納付に関する規定を削除すること。
 第六に、保険医療機関等の電子資格確認の実施に係る義務についての免除措置の廃止等についての検討規定を追加すること。
 第七に、持続可能な医療提供体制の構築を図る観点から、疾病等の初期の段階における医療の提供の在り方についての検討規定を追加すること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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大串正樹#5
○大串委員長 以上で両修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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大串正樹#6
○大串委員長 本日は、原案及び両修正案審査のため、参考人として、学習院大学長遠藤久夫君、タムスグループ理事長岡本和久君、公益社団法人全日本病院協会会長神野正博君、日本労働組合総連合会総合政策推進局長永井幸子君、社会医療法人社団健生会理事長山田秀樹君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず遠藤参考人にお願いいたします。
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遠藤久夫#7
○遠藤参考人 学習院大学の遠藤でございます。
 本日は、発言の機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。
 私自身は医療経済学を専門にしておりまして、社会保障審議会医療部会の部会長をやっております関係上、この医療提供体制の見直しについて議論の取りまとめを担っている立場でございます。また、昨年は新たな地域医療構想に関する検討会が開かれており、その座長も務めました。本日は、そのような視点からお話をさせていただこうと思います。
 社会保障審議会医療部会は昨年十二月に「二〇四〇年頃に向けた医療提供体制の総合的な改革に関する意見」を取りまとめましたので、まず、その議論の趣旨、主要な問題意識について述べたいと思います。
 今回の議論の背景は、言うまでもなく、生産年齢の人口の減少と高齢者の増加による医療ニーズの変化、この二つが非常に大きな背景になっております。
 今後の人口動態は、特に医療と介護の両方のニーズを持つ八十五歳以上の人口が全国的に増加をし、高齢者向けの医療需要、特に中程度の疾患による入院や在宅医療のニーズの増加が見込まれております。
 ただし、地域ごとに事情は異なっておりまして、今後も、大都市部分では高齢者の人口は増加しますが、過疎地域では高齢者人口も減少し、地域全体の人口が減少するという状況でございます。求められる医療提供体制は全国一律のものとはならないので、地域の状況や患者数に応じた、地域の需要に相応した効率的な医療提供体制を整備することが必要となっております。
 また、近年の情報技術の発達は目覚ましく、医療分野でも、電子カルテシステムが五割以上の医療機関に普及し、マイナンバーカードによる医療機関への受診が広がっておりますので、患者や医療従事者の更なる利便性の向上と医療情報の安全性の向上などの取組を一層進める必要があると考えております。
 本日は、時間が限られておりますので、地域医療構想と医師偏在対策についてお話をさせていただきたいと思います。
 地域医療構想は、人口動態の変化に応じて、医療提供体制を適正な姿に変えていく試みであります。通常の市場経済であれば、環境変化に応じて、サービスの提供主体が自律的に変化をします。また、計画経済であれば、政府が提供体制をコントロールすることができます。しかし、我が国の医療や介護は市場経済と計画経済の中間的な性格を持つため、提供体制を環境に適応させるためには、政府は一定の介入を行いつつも、当事者間の調整に委ねなければなりません。
 地域医療構想は二〇一四年に改正された医療法で創設された仕組みであり、これは二〇二五年の医療提供体制、特に病床の在り方を主眼にした内容となっております。
 具体的には、まず、各種データを活用して地域の医療の需給状況を可視化することにより、地域の状況と将来のあるべき姿を提示します。その実現に向けて、地域ごとに協議の場を設定し、関係者間であるべき姿に近づけるための協議が行われます。加えて、インセンティブと規制的手法を組み合わせて医療提供体制の改変をサポートいたします。また、自治体の役割の強化を行い、同時に、国が行うべき仕事と自治体が行うべき仕事を明確にいたします。
 今回の医療法に基づく新たな地域医療構想がこれまでと大きく異なるのは、構想の対象が、これまでの病院病床だけではなく、外来医療や在宅医療、また介護との連携へと対象範囲が非常に広がったことでございます。従来から、医療では病院完結型医療から地域完結型医療へと言われ、介護では地域包括ケアシステムと言われてきた、このような視点で構想も進めていくということになるわけであります。
 これまでも、病診連携、医療・介護連携などを推進させる様々な施策が取られてきましたが、この新たな地域医療構想では、これらの機能を考慮しつつ、二〇四〇年頃の数量的な目標が示され、それに近づけていこうという試みで、医療提供体制の改変を大きく加速させる重要なものだと認識しております。
 一方で、構想の範囲が大きく拡大し、しかも、入院と在宅など代替関係にあるもの、あるいは在宅と介護など補完関係にあるものといった複雑な関係も見られますので、病床にのみ着目をしていたこれまでより格段と難しいものになるのではないかという気持ちもしております。いわば、これまでは一次方程式を解けばよかったものが、連立方程式を解くようなものになっていくというふうにも考えます。これまでの地域医療構想でもそうでしたが、今後、構想を進めながら、いろいろな課題にぶつかり、様々な考え方や手法が出てくるのではないかと考えております。
 また、これまでの地域医療構想の経験から、幾つかの変更が行われております。例えば、これまでの地域医療構想では回復期機能としていたものを、入院当初からリハビリや栄養管理などを行って退院後を見据えた医療を行うことが重要だ、そういう視点から、高齢者などの急性期患者への医療提供機能を追加いたしまして、包括期機能と名称を変更しております。また、病院の特性を明確にする意味で、従来の病床機能報告に加え、医療機関機能の報告も求めることとしております。
 この法律案が成立した暁には、都道府県、医療関係者、その他様々な地域の関係者が将来の理想的な地域の医療提供体制を話し合い、国は、財政的な支援はもちろん、ナショナルデータベースを活用するなどデータ分析、提供して、それを通じてしっかりとバックアップをし、各地域で着実に取組が進むことを期待したいと思っております。
 次に、医師偏在対策について述べたいと思います。
 医師偏在対策は、古くて新しい課題です。医師の偏在により保険あってサービスなしという状況は、公的医療保険制度の根幹を揺るがしかねません。そこで、一九七〇年代の一県一医大構想を始め、多様な政策が取られてきました。基本的人権の視点から医師を強制的に配置することは難しいので、インセンティブと規制的手段を駆使してまいりました。
 現在、医師偏在対策としては複数の政策をパッケージとして推進することが検討されておりますが、その中の幾つかが今回の医療法案にあるわけでございます。
 医学部の定員増により、医師数はここ十年で四万人増加して、約三十四万人となっております。医師の需給見通しでは、全国ベースでは二〇二九年頃に均衡するという推計もあるため、これからは、医師の総数の確保から医師偏在地域の解消にシフトする必要があります。
 そこで、早急に医師確保を要する地域を一定の基準で重点医師偏在対策支援区域として設定をして、この区域の医師不足対策を重点的に行うという考えが盛り込まれております。
 医師偏在対策は、インセンティブと規制が考えられます。インセンティブとしては、重点医師偏在対策支援区域において、診療所の医師の承継あるいは開業を支援する、医師派遣に関する手当増額を図る事業を創設するなど、そのような対応を考えているわけであります。
 一方、規制的手法としては、外来医師の多数区域に新規開業を希望する医師に対しては一定の制約を課すことや、医師少数区域での勤務経験を管理要件とする医療機関を拡大することなどがあります。もっとも、後者につきましては、病院関係者からは、今どき院長になりたいという若い医師は少ないから、医師偏在対策として有効なのかという疑問も呈されておるわけであります。
 また、医学部の地域枠などの取組で若手の医師の地域偏在は縮小してきているのですが、全年齢の医師で見ると地域偏在は縮小しているとは言えず、中堅、シニア世代を対象とする取組が課題となっております。中堅、シニア世代が地域で働く上で必要とされる総合的な診療能力について学び直すためのリカレント教育の進展なども意見の一致を見ているところであります。
 医師偏在対策は、いろいろな要因が背景にありますので、様々な施策や事業を総合的に実施する必要があると考えております。
 以上で私からの意見陳述とさせていただきます。
 どうも御清聴ありがとうございました。拍手
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大串正樹#8
○大串委員長 ありがとうございました。
 次に、岡本参考人にお願いいたします。
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岡本和久#9
○岡本参考人 タムスグループの岡本です。
 今日は、このような機会をいただいて、ありがとうございました。
 僕は、三十三年前に診療所を開業しました。三十三年間、この業界をずっと見てきています。元々、余り人の前でしゃべるのは得意じゃないので、余り出てこないんですけれども、この一年半、診療報酬が変わってから、周りの先生たちの目つきが変わって、僕は、先週もお話しした先生から、先生、毎晩僕は寝るごとに三百万円ずつ借金が増えるんです、夜も寝られませんと言われました。そんな話をいっぱい聞くようになって、僕もきちっとお話を一回しに行かなきゃいけないのかなと思いました。
 うちの病院、診療所、介護施設、保育園、全部で常勤の職員は今七千人ぐらいいます。みんなで必死にやっていますけれども、本当に大変です。そんな中で、今日お話しさせていただければと思います。
 僕たち医療法人は、公益性を重んじつつ、経営環境の急変にも直面しており、もう破綻寸前です。現場の努力が報われるような公平な報酬、補助、制度運用を確保して、地域医療を持続可能な形で支える制度設計を何とかお願いしたいと思います。
 一番最初は、診療報酬、実質的な引上げをお願いしたいと思っています。医療現場のコスト上昇を踏まえ、診療報酬を実質的に一〇%、何とか引き上げてほしい。
 その理由というのはもう皆さん御存じだと思うんですけれども、医療機関では物価、人件費、建設費などの上昇が経営を圧迫しています。大体このくらい、八・二%、一四・四%、インフレになっているんですけれども。診療報酬、上がったというんですけれども、大体、誰も取れない点数が上がって、みんなが取れる点数は下がったりするので、上がらないんですね。これは、働いている側はみんなそうだと思います。ですから、何とか上げていただいて、普通に賃上げできるような、そういう業界にしてほしいと思っています。
 あと、次は、診療報酬制度関連事務の簡素化です。三十三年間で物すごく増えました。関東厚生局に電話しても、関東厚生局の人も今すぐには答えられません、三日ぐらいかかります。本当に、算定ルールや同意書などの事務手続を簡素化して、現場の事務の負担を軽減してほしいです。
 これ以上複雑になると、僕たちの業界で働いている人たちの能力ではもう対応できません。できないとどうなるかというと、多分、皆さん、診療を受けられなくなっちゃいます。書類対応に混乱して、医療機関と患者さん、双方がもううんざりしています。
 三番、紹介会社依存構造の是正。人材紹介手数料の上限や取引の透明化を図る制度を設けて、医療・介護業界の紹介会社依存を是正してほしい。
 医師、看護師の紹介手数料は高騰の一途をたどり、医師では四〇%以上の事例も出ています。毎年の医師、看護師、関連職種の異動の数から推計するに、医師、看護師についてそれぞれ三千億円程度、ほかの職種を含めると七千億円程度が人材紹介会社に流れています。そのお金は国民の保険料ですから。二〇二五年の四月から紹介手数料の平均率公表制度が義務化されていますが、歯止めになっていません。
 これはうちの会社の例なんですけれども、常勤の医師は十月末現在で百三十一名、常勤のナースは九百十八名います。昨年払った紹介手数料が、医師が常勤と非常勤で、ここにあるように一億四千五百万円。非常勤が九百三十万円。ナースが二億四千二百万円。非常勤が八百五十万円です。とんでもない金額になっています。
 元々、僕たちは統制経済なんですけれども、そこと資本主義のつなぎ目のところに必ずゆがみが出てくるんですけれども、そのゆがみを放置するとこういうことが起こってしまうんですね。別に紹介会社が悪いとは言いませんけれども、何かルールを作ってもらわないと、中小の病院とかは、お医者さんもナースも紹介手数料を払えなくて集められない状態です。何とかしてほしいです。
 あとは、四番目、医療法人と株式会社参入の公平性の担保。これもそうです。統制経済に株式会社が入ってくると、いろいろギャップが起こってきます。株式会社による不動産所有型、委託型などの医療参入スキームについて、制度上の公平性が担保されるように見直しを求めます。
 一部の医療法人買収案件で、土地、建物、機器を株式会社が所有し、医療法人に賃貸する方式が見られる。こうした構造が補助金制度などで不公平を生むおそれがあるため、透明性の高い運用ルールの整備が必要だと思います。
 あと、五番目は、病院建設費高騰への支援です。地域医療構想に沿って必要とされる病院に対しては、新築、建て替え費用の三分の二程度の補助を是非検討してほしいと思います。
 今、やむを得ず建て替えている病院が、あと、造っている病院があるんですけれども、千葉県では坪単価は二百四十二万円でした、もう一度計算したら。東京都では三百十四万円です、今。十年前、十一年前にオープンした江戸川区の病院が、これは税込みですけれども七十九万円だったので、四倍近くになっているんですね。ですから、もう建て替えは皆さんできなくなっています。老朽化施設が多くて、建て替えが物すごく困難です。安全確保のためにも、何とか支援していただかないと。もちろん、今の診療報酬の下では、この高い建築コストは賄うことができません。
 あと、最後は、病床削減補助金制度の拡充、是非続けてほしい。病床削減を希望する医療機関に対して、現行の一床当たり四百十・四万円の補助金制度を恒久化してほしい。
 厚労省のこの交付金で、一床当たり四百十万円の支援枠が設定されています。これは、この間のときは七倍ぐらいでなかなかみんな通りませんでした。
 これは何で必要かといったら、建物を壊して、更地にして、退職金を払うのに、もう内部留保もないんです。ですから、何かだらだらやっている病院も結構あるんです。手切れ金だと思って渡してやってください。病院をやっていても、四か月ぐらいレセプトを出したら多分四百万円ぐらいになるので、これはやってあげないと。
 僕たち、堅気なんですね。そうです、破産とか倒産とか、全然考えたことがないんです。その真面目なお医者さんたちが、地域医療をやって今それに直面して、本当に顔つきがみんな変わっています。ですから、これも何とか続けてあげて、静かに幕引きできるようにしてあげないと、かわいそうというか、今までやってきた先生たち、何とか終わらせてあげられればと思っています。
 僕からは以上です。拍手
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大串正樹#10
○大串委員長 ありがとうございました。
 次に、神野参考人にお願いいたします。
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神野正博#11
○神野参考人 皆さん、こんにちは。今日はこのような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。全日本病院協会の会長の神野と申します。よろしくお願いいたします。
 皆様方には資料をお渡ししております。その二ページ目に、岡本委員と同じ六項目、要望事項と書きましたけれども、意見を述べさせていただきたいと思いますし、これ以降に、ページ数を振っておりますので、その中身というのが出ているわけであります。
 一番と六番は非常に関係した話ですけれども、まず一番の話でありますけれども、これはまさに人員配置基準、専従要件といった話であります。
 三ページ目を御覧ください。まさに、医療費というのは価格と量の掛け算で決まってくるわけでありますけれども、今、量は、高齢化が進んでいる、あるいは、新しい非常に高価な治療が進んでいるということで、上がっているわけであります。一方で、Pは据置きということです。ただし、医療費全体が上がっているということで、非常に国民からの批判というのもあるというのは存じているわけであります。
 しかし、この利益というところを御覧いただきたいと思います。価格から原価を引いて量を掛けるわけであります。今この原価が非常に高くなっている、物価、賃金、全て高くなっている。したがって、公定価格であるPが今までのままで原価が高くなっているから、マイナスになるわけです。マイナス掛ける量はマイナスであるということで、今大変な思いをしているのが医療機関でございます。
 一般のサービス業ということを考えると、お客さんがいっぱい来ればそれなりに利益が出るんですよ。お客さんが来なければ赤字になっちゃう。これが一般のサービス業。
 私たちのところは、例えば、手術とか救急とかをいっぱいやっている病院というのは、お客さんがいっぱい来るんだけれども、しかし原価が高くて赤字になっている。これは非常にいびつな関係であるということになるのかなと思います。
 そういった意味で、このCという経費を下げるということを考えたときに、もちろん物の値段を共同購入等あるいは標準化によって下げるという話もあるかもしれませんけれども、もう一つここで、人員配置基準、人件費というところであります。やみくもに人を少なくしろという労働強化ではなくて、非常に今、DXとかいろいろ生産性向上の仕組みがいっぱい入っているわけですよね、それを利用した上で、この人員配置基準というのを少し緩和いただければ人件費というところが下がって、Cを下げることができるということではないでしょうか。
 今お話があったような人材派遣会社、紹介会社といったことも、この人員配置基準があるからばっこするというものではないのかなというふうに思います。
 そして、次でありますけれども、これも先ほど岡本委員からもお話がありましたけれども、病院施設の近代化整備事業という話でございます。
 ページをめくっていただいて、今、特に自然災害というのが非常に多い時代であります。私も、実は能登半島地震で被災しました。ただ、私たちの病院は、この医療施設近代化整備事業を使うことで、当時、二〇一三年に新しい病院を造って、免震病院を造ることによって、能登で唯一生き残った病院でございます。これはこの整備事業のおかげであるということであります。これが今なくなってしまっているということであります。
 そういった意味で、これから地域で必要とされる病院に対して何らかの近代化整備事業、病院建て替え資金の補填というのをお願いしたいというふうに思います。これは、診療報酬ではもう既に病院建て替えの資金なんてできないわけであります。そのためには、やはりここは、必要な病院に対して補助金ということが必要なのかなと思います。
 今回の閣議決定で、病院建て替え資金ということで幾ばくかの基金を積むという、総合経済対策の中に出ていると思いますけれども、そういったことも是非是非また全会派の皆様の応援をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 そして、社会構造が変わっていくということになります。これは御承知のとおりでありますけれども、その課題等が、七ページあたりから少し資料として出させていただいておりますけれども、この七ページの左上を御覧ください。
 七十五歳以上の三割、八十五歳以上の六割の方々が要介護であるということであります。この方々は、もう病院に来る前から介護なんです。病気をして介護になるんじゃなくて、病院に来る前から介護になる方が非常に増えてくるというのが、これから我が国の一番大きな話になってくるのかなというふうに思います。
 そういった意味で、今、まさにこの医療法改正で、医療機関の新たな地域医療構想というものが進められようとしております。九ページに載っているような話でありますけれども、まさに、急性期拠点病院は治す医療、そしてそれ以外の病院は治し支える機能といったものだというふうに私は理解しております。
 そういった意味で、その次のページ、十ページを御覧いただきたいと思いますけれども、病院へ通えない、しかもこれから人数が増える高齢者の方々に対してどういった医療が必要なのかということで、私なりにちょっと絵を描いてみたわけであります。
 ここで強調したいのは、急変したときであります。九十歳でも百歳でも、さっきまで普通にしゃべっていたおじいちゃんが急に意識がなくなったら、これはどうするんですか。高齢者だから救急車を呼んじゃいけないということになったら人権問題ですよね。したがって、速やかに救急車を呼んで、そして二次救急病院に運んでいただくということになると思います。
 そして、急性期拠点機能病院と左の方にありますけれども、私は、この病院は、救急車を断る病院、何でもかんでも受けるんじゃなくて、ほかの病院で手に負えない患者さんを診ていただく、本当に、治すに特化した病院、そして、治し支える病院、二次救急病院以上で患者さんを治療し、そして次の生活につなげるということが重要なのかなというふうに思っているわけであります。
 そういった意味で、十二ページにありますように、病院の医療の前と後ろには生活の場があるわけであります。今、病院医療は、どんどんどんどん在院日数が短くなって、ちっちゃくなっています。この前と後ろの生活の場が重要であります。そういった意味で、これから高齢社会においては、心不全とか肺炎とか、同じ病気で繰り返して病気を起こす人もいらっしゃるわけですので、この輪をつなげるということが極めて重要であります。
 そういった意味では、情報統合というものが必要でありますし、ある意味、エコシステム、循環システム、急性期の医療が終わった後も、その後も、生活支援、あるいは、そういうところと病院、介護、医療、介護がつながって、ぐるぐる回っていくというシステムが必要なのかなというふうに思います。
 医師偏在について一言だけ申し上げます。
 十四ページを御覧ください。バケツを例えにしております。医師の供給が蛇口だとするならば、大都市とか人気診療科に、まずこのバケツはいっぱいになってくるわけであります。乏しい偏在対策でありますと、どんどんこのバケツを大きくするだけでありますので、幾ら供給しても偏在対策にはならない。
 一方で、左の方にありますように、バケツを小さくする、すなわち強い偏在対策をやるならば、人気診療科、都市部からあふれてきて、そして地方に充実してくるだろうというふうに思うわけであります。そういう意味では、強い偏在対策というものを求めたいというふうに思います。
 最後に、私の病院、恵寿総合病院、十五ページ以降でありますけれども、ここに書いてあるような病院でございます。そして、その中で、十六ページに、DXということに非常に取り組んでいるわけであります。
 例えば、生成AIを使う、RPA、ロボットを使う、それからデータセンター等で見える化する、あるいは生産性向上で、ウェアラブルデバイスとか音声DX等を使う、あるいは業務用のスマートフォンを使うということで進んできたわけであります。
 十七ページに、看護師の業務量調査であります。一年に一回、一週間かけてやっておりますけれども、これを御覧のとおり、この看護師の業務量調査の下の方へ行きますと、これは日勤帯でありますけれども、右のこのピンクのテールのところであります、これが減っております。これは何かといったら、記録時間が減っているわけであります。それから、左の水色のところでありますけれども、ここのところが減っているのは、申し送り時間が減っているわけであります。
 なぜそんなことができるのか。これはDXであります。記録時間に関しては、生成AIをフルに活用することによって、医師も看護師も、記録時間、特に要約を作る時間というのが非常に短くなっている。今まで一時間かかっていたものが、一分ぐらいで生成AIが作ってくれる。それをチェックして、その後に完成したものを作るということであります。
 最後でありますけれども、十八ページでありますけれども、こういったことによって、私どもの病院の時間外でありますけれども、看護師の時間外は今、月一・一時間、医師の時間外は月十八・五時間まで下げることができました。
 もちろん、この分は、私たちのところは看護師の人数が非常にぎりぎりであるので、その分、頑張れ頑張れじゃなくて、まさに労働時間も減らしながらDXの効果を享受していこうというふうに思いますし、この結果として多少の利益が出た分に関しては、ボーナス、給与等で還元するということは大原則であるということも最後に追加させていただきます。
 ということで、私のお話を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。拍手
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大串正樹#12
○大串委員長 ありがとうございました。
 次に、永井参考人にお願いいたします。
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永井幸子#13
○永井参考人 おはようございます。連合の永井と申します。
 本日は、意見表明の機会をいただき、ありがとうございます。
 政府提出の医療法等改正法案に関する連合の考え方につきまして、大きく三点申し述べます。
 資料を配付しておりますので、適宜御覧いただければと思います。
 一点目は、新たな地域医療構想の策定、推進についてです。
 法案では、入院医療だけを対象にしてきた地域医療構想を見直し、外来や在宅医療、介護との連携を含めた将来ビジョンとして位置づけることが考えられています。また、地域の必要量に沿った病床数になるよう、都道府県知事の権限を一定程度強化することも盛り込まれています。
 そして、人材を始めとする限りある医療資源を最適化、効率化しつつ、治す医療を担う医療機関と、高齢者の救急搬送など、治し支える医療を担う医療機関との役割分担をより明確化していくこと、これまでの回復期機能に高齢の急性期患者へ医療を提供する機能を追加し、新たに包括期機能として位置づけることも想定されています。
 連合は、地域医療構想の実現に向けた取組によって、各地域で将来の医療ニーズに沿った機能分化と連携が進み、医療資源が適正に配分され、良質で切れ目のない効率的な医療提供体制が構築されることをかねてより求めてきました。切れ目のない医療、介護が受けられるよう、機能分化と連携強化が実効性あるものになるよう徹底していくことが必要と考えます。
 これまでは、公立・公的医療機関に偏った改革が論じられたりするなど、進捗は道半ばと言えるのではないでしょうか。今回の改正法案によって、都道府県知事の権限行使も念頭に、公立か、公的か、民間医療機関かを問わず、あらゆる設置主体の医療機関が新たな地域医療構想の実現に向けて協力し合い、合意形成が図られることを期待いたします。
 二点目は、医師の偏在対策の実施についてです。
 医療現場では、かねてより医師や看護師、薬剤師などの人材不足が問題となってきました。高齢化に伴う医療ニーズの増加と生産年齢人口の減少が同時進行しますので、必要となる医療人材の確保はその困難さを増していきます。加えて、医療人材の高齢化も進んでいる中、急ぎの対策が求められます。
 全国の医師数は緩やかに増加しているようですが、人口千人当たりの臨床医師数は諸外国に比べて少なく、何より、地域偏在、診療科偏在、そして診療所に偏り、病院では不足している現状が見られます。
 今回の法案には、外来医師過多区域において無床診療所を新規開業しようとする場合に、夜間、休日の初期救急や、在宅医療を提供すること、医師不足地域で土日の代替医師として従事することなどについて、都道府県知事が要請や勧告できるようにすることなど、規制強化策が盛り込まれています。
 連合といたしましては、これらの規制強化によって地域偏在が是正されていくことを期待しておりますが、同時に、地域間、診療科間の偏在の是正に向けて更なる規制的手法を検討する必要があると考えます。
 また、法案には問題があると考えます。
 都道府県知事が重点的に医師を確保すべき区域を定め、当該地域へ派遣される医師あるいは従事する医師への手当に財政支援を行う事業の創設が盛り込まれております。問題はその財源確保策です。法案では、その財源を保険者からの新たな拠出により確保するとされています。
 医師不足の地域で優先的、重点的に医師確保対策を推進できるようにすること自体は理解いたしますが、保険者からの拠出で財源を確保することは、保険給付とは関係性が乏しいものへ拠出することになり、問題と考えます。公的医療保険において、保険料は保険給付に用いられるべきと考えます。
 地域医療の確保に向けて公費で診療報酬を補完してきた歴史的積み重ねがある中で、保険者に拠出を求めることは疑問です。また、これまでも、公費による地域医療介護総合確保基金を通じて、産科への分娩手当や、小児救急医療支援として職員の給与への補助が行われてきています。こうしたことを踏まえて、連合としては、医師手当事業の費用が保険者からの拠出とされていることを修正し、公費で財源を確保すべきと考えます。
 三点目は、医療DXの推進について二点申し述べます。
 一つは、電子カルテ情報共有サービスについてです。
 これを構築し、普及していくことは必要なことだと考えております。その際、コストを誰が負担するのかということが論点となりますが、審議会段階では、サービスの普及や立ち上げに関する費用は国が負担し、保険者にはサービスが制度として一定程度確立した後に負担をお願いするというような説明が事務局よりあったと承知しております。
 したがいまして、運用コストはいずれ保険者や被保険者が負担することを想定されているのかもしれませんが、そうであれば、電子カルテ情報共有サービスの構築、普及が、保険者や被保険者そして患者にとってどのような効果やメリットがあるのか、それを明確にしていただく必要があると思います。そして、十分に普及したのかどうか、効果の状況はどうなのかといったことを見極めてから、運用コストの負担について議論するという検討プロセスで行っていただきたいと考えております。
 二つ目は、社会保険診療報酬支払基金についてです。
 法案には、支払基金が医療DXに係るシステム開発と運用の主体となることが盛り込まれていますが、これまで支払基金が担ってきた被用者保険の審査支払いという重要な機能を引き続き適切に果たせるようにすることが不可欠です。
 支払基金では、既に人員削減が行われてきた中で、限られた人員で医療DXの業務も担うことになることが予想されます。審査支払いの現場が過重な負担とならないよう、適切な人員配置が確保されなければならないと考えます。
 そして、今後の抜本改組に対応していく現場が混乱することのないよう、支払基金の中で労使を始め密なコミュニケーションが可能となるよう、政府としても前広に情報提供をしていくことが必要と考えます。
 以上が法案に対する連合の考え方でございますが、最後に、医療現場の処遇改善についても申し述べたく存じます。
 医療や介護の提供を担う人材の処遇改善策は、私たち国民が将来にわたって安心して暮らし働くことができるようにするために、また、高齢者人口の増加に対応する機能強化を図るために、欠かすことのできない施策だと考えます。
 提供体制の持続可能性が人材確保の面で揺らいでいる今、更なる処遇改善を継続的かつ集中的に行う必要があります。しかし、二〇二四年の賃金引上げ状況を調べた厚生労働省の二〇二四年賃金引上げ等の実態に関する調査によりますと、医療、福祉分野における二〇二四年の賃金改定率は二・五%であり、同じ調査結果にある全産業平均の賃金改定率が四・一%であることに比べ、小さい伸びにとどまっています。
 政府には、国民の命と暮らしを守る仕事に見合う賃金水準となるよう、更なる引上げが可能な施策の早急な実施を要望いたします。
 以上です。ありがとうございました。拍手
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大串正樹#14
○大串委員長 ありがとうございました。
 次に、山田参考人にお願いいたします。
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山田秀樹#15
○山田参考人 御紹介いただきました山田です。
 発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 私からは、改正案に示されました医師偏在是正に向けた総合的な対策並びに病床数削減を支援する事業等に関する事項の追加の二点について、再考を求める立場から発言させていただきます。
 初めに、医師の地域と診療科による偏在は存在し、対策が必要なことに異論はありません。しかしながら、前提として、医師の絶対数の不足の解消に取り組まなければ、抜本的な偏在対策とはならないと考えます。
 資料一から、論点を示します。
 一、医師需給推計について。
 二〇二九年で医師の需給が均衡するとした推計が独り歩きしていることを懸念します。推計は、年間九百六十時間の過労死水準の時間外労働を許容したものであることをまず確認すべきです。
 さらに、二〇一九年厚生労働省調査で、それ以上の時間外労働を行った三七・八%の病院常勤勤務医も九百六十時間以内として補正をしていること、また女性医師比率上昇補正など、様々な要素の正確性に疑問があること、宿日直の労働時間や、欧米では加えられる待機時間を含めないことなどの問題があります。
 この十年で四万人以上の医師が増加したと示されますが、内訳は、今後定年を迎える六十歳以上の医師が三万人、働き盛りの四十歳以下の医師増員数は一万人以下となっています。OECD平均の医師数を目指すとすれば、現在のペースで二〇五〇年前後にようやく到達すると予想されます。
 二、医師偏在指標について。
 政府は、医師の絶対的な充足状況を示すものではなく、あくまで相対的な偏在の状況を表すものであること、数値を絶対的な基準として取り扱うことや機械的な運用を行うことがないよう留意した上で活用する必要があるとしています。しかしながら、医師多数県のように、あたかも医師がどこかに余っているかのような言葉を用いて偏在対策が取られようとしていることは疑問です。
 昨年十一月、日本病院会の医師偏在対策等についての提言の中では、現在の医師偏在指標は対象地域に勤務する医師の肌感覚と乖離があると述べられています。医師多数県とされる知事からも、必要な診療科の医師が確保できない地域があり、偏在指標は実情を反映したものとなっていないことが指摘をされています。
 三、医師の働き方改革について。
 二〇二四年から開始されましたが、宿日直許可を受けた医療機関の急増や、時間外労働の一部を自己研さんに置き換えるなど、様々な矛盾を噴出させるものとなっています。
 背景にあるのは、都市部でも問題になっている病院勤務医の不足です。日本病院会が実施された二〇一九年度勤務医不足と医師の働き方改革に関するアンケート調査では、医療機能の維持のために必要な勤務医数が充足していると回答した病院は僅か一〇・四%でした。
 日本外科学会の働き方改革に関するアンケート調査では、自己研さんの定義が定まっていないものが四七・五%、本来、業務として認められるべき手術記録作成等が自己研さんに置き換えられ、見せかけの労働時間短縮を図るケースなど、現場の窮状を示す声が寄せられています。医師の過重労働がもたらしかねない過労死リスクや医療の質の低下、特に医療事故の懸念などの弊害は放置されたままです。
 二〇一九年三月、医師の働き方改革に関する検討会報告書では、基本認識として、我が国の医療は、医師の自己犠牲的な長時間労働に支えられており、危機的な状況にある、現状を変えて、健康で充実して働き続けることのできる社会を目指していくべきとあります。診療科偏在是正に向けた取組に記された、若手医師から選ばれるための環境づくりや処遇改善、業務負担への配慮、支援等の観点での手厚い評価を、全ての医師を対象に取り組むことが必要です。
 医師の働き方改革の原点に立ち返って、医師需給推計と医師偏在対策の是正に向けた総合的な対策パッケージの見直しを行っていただくようお願いするものです。
 四、医学部定員の適正化について。
 資料二に示します医師不足・医師偏在に対するアンケートでも、八七%が政府の進める医師偏在対策のみでは医師不足は解消しないと考え、医学部定員削減に賛成は三・七%にすぎません。
 全国知事会は、医学部臨時定員増の延長、恒久定員の増員を求めています。OECD諸国の中で、日本は、人口当たり医学部卒業生数は最下位のまま何年も推移をしています。コロナ禍の教訓と人口の高齢化に向けて、イギリス、アメリカ、ドイツなど諸外国が医学部定員増員に転じる中で、更にその差が広がると予想されます。今、医学部定員を適正化の名の下に削減する時期ではないと考え、適正化には反対いたします。
 次に、病床数削減を支援する事業等に関する事項について意見を述べます。
 初めに、基準病床数削減の前提は、国民が安心できる医療供給体制が担保されていることです。基準病床数について、使用する変数の正確性に課題があること、人材確保が困難なゆえに休止している病床、潜在的な医療需要を含めていないため、過小評価されているとの報告があります。また、削減を病院の経営安定を図るための手段とすることに大きな違和感を持ちます。
 二〇四〇年まで医療需要は減少しないとされ、さらに、医療の高度化で需要は今以上に喚起される可能性がある中で、今、病床削減を行うことは医療需要を切り捨てることにつながります。当法人急性期病院でも、十一月以降、度々満床となり、入院依頼をお断りする状況が生じています。コロナ禍の大きな教訓として、平時からの医療提供体制の余裕が必要と感じている医療者は多いのではないでしょうか。
 支援事業について。
 有事のみならず、平時でも感染症の流行があれば、満床で救急車をお断りする事態は毎年のように繰り返されますが、それでも二〇二四年診療報酬改定以降、全国の病院と同様に、当法人でも、二十数年ぶりのこれまでにない赤字を計上しています。
 この間、経営破綻の医療機関数は過去最高の件数です。病床削減に対し補助金を出すことは、経営難の病院が手挙げをし、地域の医療需要を無視した削減が行われる可能性を含みます。このことは、地域医療構想調整会議で、医療・介護需要の変化の予測データに基づき、病床機能分化と併せて進めてきた病床必要量検討のプロセスを無視したものです。データに基づかず、過剰な病床削減が起こることになれば、医療提供体制縮小の加速と患者の受療権の侵害が起こると考えます。
 病床削減の受皿について。
 今後、新たな地域医療構想の中で、かかりつけ医機能、在宅医療、医療・介護連携、人材確保等は議論されることと思いますが、医療以上に介護現場が人材確保困難、経営難で、事業所倒産や訪問介護事業所の撤退が相次ぐなどの状況の中、在宅や施設の受皿の整備は後退しています。
 オンライン資格確認、カードリーダー導入がきっかけで開業医が閉院するケースが報告されていますが、医師の高齢化と経営難にあえぐ診療所に電子診療録等DXを約一〇〇%を目指し迫る中で、閉院に至る事態も再び起こることと思います。
 病床削減のみ先行させた医療提供体制の変化は、新たな地域医療構想が目指す提供体制全体を見据えた計画の遂行に悪影響を及ぼすものと懸念します。保険あってサービスなしという地域が生じることなく、将来にわたって国民皆保険が維持されますよう取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、医療機関の経営の安定の根本は、診療報酬の増額です。人材確保のための紹介会社手数料の負担も大きな課題で、メスを入れていただきたいと思います。補正予算での医療・介護分野への支援と、医療界の総意としての次期診療報酬の一〇%以上のプラス改定、また、介護報酬期中改定をお願いして、私の発言を終わります。
 ありがとうございました。以上です。拍手
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大串正樹#16
○大串委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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大串正樹#17
○大串委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田畑裕明君。
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田畑裕明#18
○田畑委員 おはようございます。自民党の田畑裕明でございます。
 五名の参考人の皆様方それぞれ、研究者や医療法人の経営者、また労働者の代表として重要な御発言、御報告を賜りました。厚く御礼を申し上げたいと思います。
 限られた時間でございますので、何点か、それぞれ質疑をさせていただきたいと思います。
 何より、今回のこの医療法等の改正は、さきの通常国会で本来ならばしっかり成立をさせ、機動的に動かさなければいけなかったのではないかと個人的には強く思っております。その間、物価上昇、今日は岡本参考人さんからの話もありましたが、経営環境が非常に厳しい状況であるということ、私も大変胸に刺さったわけでありますし、ここにお集まりの委員の皆様方もそれぞれ、医療や介護に携わる方からの大変厳しい声をお聞きをしながら、何とか前進をさせ、国民の健康そしてまた日本の安定のために頑張っていかなければいけないと思いながら仕事をしているところであります。
 ちょうど先週の金曜日であります。政府は「強い経済」を実現する総合経済対策を閣議決定をしたところであり、医療・介護等の支援パッケージというものを策定をしたところであります。その文面の中にも、これまで累次の支援策を講じたものの、依然として物価、賃金上昇の影響を受けている状況であるといったこと、また、救急医療等を担うような医療機関の機能の特性も踏まえつつ、診療に必要な経費に係る物価上昇への的確な対応、物価を上回る賃上げの実現に向けた支援を行う、また、ICT機器等の導入、活用、看護師の特定行為研修修了者の加速的養成など、生産性向上や職場環境改善に率先して取り組む医療機関を支援する、病床数の適正化を進める医療機関に関しまして、地域の医療ニーズを踏まえ必要な支援を実施すると、明確にここには書かれているところであります。
 これの裏づけとなる補正予算をしっかり提出をし国会で審議をして、前進をさせなければいけないというふうに認識をしております。
 直近のMCDBの結果においても、病院の六割は赤字、診療所においても約四割は赤字であり、令和五年、六年、今七年に入っているところでありますが、赤字幅は拡大をしているという数値も報告がなされているところであります。大学病院に至りましては、経常利益は五百八億円の赤字ということでありまして、まさに本当に地域医療が揺らいでいるということを、改めて、皆様方のお声、そしてまた、政治の場面においても結果を出していかなければいけないということをお伝えをさせていただきたいと思います。
 その上で、今回、今朝でありますが、自民党また維新さんや公明党さんとの修正案が提示をされ、五項目、五点の修正が示されているところでございます。政府提案の医療法等の中ではやはり足らざるところということであり、これは野党の皆さんにも御理解をお願いをしていかなければいけないというふうに思いますが、病床数の削減についても県知事がしっかり責任を持って行う、そのための財政的な支援についてのこと、そしてまた、電子カルテのことについても、これも期限を区切り、そして政府がきちっと対応することが修正案として提示をさせていただいているところでございます。また、介護、障害福祉に関わる方々についての処遇改善についての見直し検討規定も入れさせていただいているということになります。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、今回の医療法等については、今後の二〇四〇年を見据えた地域医療構想全体として、大きなビジョンに立って見直す、これまでの地域医療計画の上位にこの医療構想をしっかり位置づけるということがなされているところでございまして、この地域医療構想について、全員の方にまずお聞きをしたいというふうに思いますが、将来の必要病床数の見直し、またその報告制度といったようなことも盛り込まれるわけでございます。
 そして、この地域構想の会議に、市町村の方々、これは介護や障害福祉を含めてということでありますが、市町村の参加も明確化をするということ、在宅医療や介護との連携等を議題とする場合の参加を市町村に求めるということが規定をされるわけでございます。
 まず、地域医療構想全体の見直しについて、評価することがあれば評価点を、また、足らざるところを含め、病床削減についても各委員では少し異なる御見解の御開陳が今あったところでございますが、不足する医療機能への転換、地域における転換も含めたことが盛り込まれておりますが、改めて、今回規定する地域医療構想全体についての各委員の皆様方の評価であったりですとか足らざるところ、先ほどの意見開陳ではちょっと足りなかったことについて、改めてお聞きをさせていただきます。
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遠藤久夫#19
○遠藤参考人 ありがとうございます。
 先ほど冒頭で私ちょっと申し上げましたけれども、この新しい地域医療構想は、非常に幅広い内容についての医療提供体制の改革を求めているというものであります。そのことはこれまでもずっと議論をされてきた内容であったわけで、それを加速させるという意味では非常に期待が持てるものであります。
 ただ、一方で、様々な課題もあるわけです。対象が非常に広がりますので、病床の推計をするという簡単なものではなくなる可能性があるわけですね。例えば、在宅医療と入院などというのは代替的な関係にありますので、どういうふうに考えていくのかというような問題とか、介護との連携もまた同じような問題があります。
 ということで、単純に必要病床とか必要な施設の数を推計するということを簡単にできない可能性もあるだろうということもありますので、その辺をどういうふうに考えていくのか。今後の議論だと思いますけれども、やっていく必要がある。そういう意味で非常に難しいパズルを解くということになりますけれども、それは非常に重要なパズルなんだということだというふうに私は思っております。そこが一番の期待と同時に難しさがあるなというふうに私は感じているところであります。
 以上でございます。
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岡本和久#20
○岡本参考人 地域医療構想、非常にすばらしいんですけれども、厚生労働省がつくった地域包括ケアシステムとか、本当によくできているんですけれども、僕も含めて、今の医学生も、地域医療は授業でほとんど勉強していません。看護師と連携しろ、介護と連携しろと言われても、実はよく分からないんです。実際に出てみてやっています。ですから、十年単位で教育から変えていかないと、多分無理です。
 ですから、すごくちぐはぐなことが現場で起こって、是非、構想会議、ネットで見られるので見てください、ちぐはぐな議論をどうしてもやっちゃうんですね。それは、何をやっているんだと言われるかもしれないけれども、僕たちは教わっていないから分からないです、どうやって連携するのか。それはもう教育の段階から変えないと無理だと思います。
 病床の削減に関しては、皆さん御存じのとおり、平均在院日数がぎゅっと縮まっているんです。ぎゅっと縮まっているので、同じ患者さんを治すんだったら、平均在院日数が半分になっていれば半分でいいわけですね。ですから、患者さんの需要がちょっと増えるとしても、大学病院にしてももう八百床も九百床も要らないよねというのに、それはみんなもう気づいています。
 もう戦艦大和の時代じゃなくなっているので、病床は削減しないと、働く側ももたないですよ。同じ病床で平均在院日数が半分で倍の患者さんを診ていくことは、それは無理です。破綻します。
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神野正博#21
○神野参考人 ありがとうございます。
 まさに地域医療構想というのは、計画経済のこれからの流れといったものをつくっているのかなと思います。
 前の二〇二五年を目途とした地域医療構想は、病棟の機能でいろいろ積み重ねていった。今回の新たな地域医療構想というのは、病院、医療施設機能で見ようということでありますので、そういった意味ではより現実的になったのかなというふうに私は思うところがあります。
 そしてまた、今回の新たな地域医療構想の大きな特徴は、治す医療と治し支える医療といったところを分けていこう、機能分化させていこうということであります。
 ただ、この治し支える医療のところで介護との連携ということがうたわれているわけでありますけれども、恐らくこれから、超高齢社会に入ってきた中で、特に八十五歳以上が増えてくる中で、治し支える中に、医療、介護だけじゃないでしょうということですよね。すなわち、いわゆる生活支援といったところもつなげていくというような発想が今のところはまだ少ないのかなというふうに思ってございます。
 最後に、地域医療構想は、どちらかというと、いわゆるこれからの医療のビジョンというものであって、そして、それに対して診療報酬が後追いしていくというのが正しい形ではないのかなというふうに思いますけれども、今、どうも、ビジョンよりも前に診療報酬の議論が進んでいるということに対してはちょっといかがなものかと。まずビジョンをきちんと策定した後でそれに診療報酬を、追っかけていくという形がいいのではないのかなというふうに思っております。
 以上でございます。
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永井幸子#22
○永井参考人 ありがとうございます。
 連合といたしましては、新たな地域医療構想につきましては、外来、在宅も含めた医療機関の機能分化、連携強化、地域における医療、介護の連携強化を推進するものとして一定の評価はいたしますが、医療機関の役割調整を進めるための協議の場と合意形成のプロセスが十分機能してこなかったことや、公立・公的医療機関が中心に議論され、民間医療機関が地域の将来ビジョンに主体的に関与しにくい構造になっていたことなどから、先ほども申し上げましたとおり、進捗は道半ばと考えているところでございます。
 あと、病床につきましては、病床再編の目的は、病床の削減ではなく、医療需要に応じた機能の最適化であるべきと考えております。しかしながら、地域での協議不足や、財政的誘導が強過ぎる場合、結果として病床削減につながる懸念もございます。特に、高齢化が進む地域では、急性期、回復期、在宅のバランスを誤ると救急受入れや入院医療に支障が出かねませんので、必要医療量が確保されているかを国、自治体が丁寧に検証しながら進めていただきたいと考えます。
 以上です。
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山田秀樹#23
○山田参考人 新たな地域医療構想が、外来、在宅、介護との連携等、幅広く含めた取組になることについては承知をし、賛同しております。一方で、その体制を確保するための十分な支援が今足らないというふうに思っておりますので、この点をしっかりと前に進めていただきたいのが一点目。
 二点目に、生活支援について、現状、専ら共助のみで行われている感は否めません。ここについても、公助をしっかりと手当てしていただくことが必要ではないかというふうに思います。
 三点目に、基礎データの整備です。私、先ほど申しましたように、データの正確性というところに少し疑問を感じるようなところが多々ございます。この点をしっかりと見直し、深めていただきたいというふうに思いますし、四点目ですが、そのためにも、現場の声をしっかりと会議等で反映させていただく、その取組が大事になるのではないかというふうに思っております。
 以上です。
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田畑裕明#24
○田畑委員 ありがとうございます。
 もう一問だけ、済みません、遠藤先生、岡本先生にお聞きしたいと思いますが、在宅医療の関係ですね。当然、在宅と組み合わせて体制をどうつくっていくかということが大変大きな命題であります。在宅医療に関わる人材の養成ですとか報酬体系の在り方について御意見がございましたら、遠藤先生、岡本先生、お聞かせをいただきたいと思います。
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遠藤久夫#25
○遠藤参考人 在宅医療を推進させるための仕組み、報酬を含めた仕組みということでありますけれども、在宅医療というのは、地域によって進んでいるところとそうでないところが非常に大きいということであります。
 例えば、私の認識では、東京などはかなり進んでいるのではなかろうか。これは、特に介護施設等が進んでいないというところも、余りないということもありまして、結果的に在宅になって、一方で、短い期間でたくさんの患者さんを、東京のような人口密度の高いところではありますので、多くの患者さんを診れるというようなことで、特に二十三区内などはかなり多くの在宅医療が提供されていると認識しておりますが、過疎地域になりますと移動に非常にコストがかかってしまうというような問題もありますので、そうなりますと在宅医療がペイできなくなるという問題もありますので、このような、地域の差によってどう考えていくのか。診療報酬というのは全国一律でありますけれども、どのように考えていくのかとか、これもまた、地域の差ということも少し考えていく必要があるのではなかろうかなという感じはいたしております。
 今申し上げられるのはそのぐらいでございます。
 以上です。
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岡本和久#26
○岡本参考人 今、遠藤先生がおっしゃったとおりで、在宅医療はだんだん進んできています。それは点数の誘導もあるんですけれども、医師の数も増えてきたので、在宅医療で仕事をやろうという若手もだんだん増えてきました。
 ただ、やはり地方と東京で全然移動時間が違うので、そこは不公平ですよね。それは何とか見てあげないといけないのかなと思います。
 やはり、若い人たちというのは、長くやっていると、なかなか在宅医療は疲弊します。なかなか新しい医療に触れられないとか、一人でジャッジしなきゃいけないとか、結構、何年かやると辞めていく先生も多いです。それはきちっと留意しておいた方がいいのかなと思います。
 以上です。
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田畑裕明#27
○田畑委員 終わります。ありがとうございました。
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大串正樹#28
○大串委員長 次に、岡本充功君。
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岡本充功#29
○岡本(充)委員 立憲民主党の岡本でございます。
 本日は、各参考人の皆様方、本当に急なお願いだったと思いますけれども、御都合をつけていただき、ありがとうございました。
 私、通常国会から理事をやっているんですけれども、通常国会のときに本来はこの医療法の審議をするということで、参考人のお願いをした方もいらっしゃると思います。そういう意味では、済みません、国会の都合でこういうタイミングになったということを、まず冒頭、感謝とおわびを申し上げさせていただきたいと思います。
 その上で、今日、せっかく来ていただいた皆様です、限られた時間ですから、質問していきたいと思います。
 まず、タムスグループの岡本理事長にお伺いしたいと思います。
 医師偏在対策で、今回、医師手当を政府は提案しています。一万人くらいの医師を僻地で働いてもらおう、こういうことを想定しているそうでありますけれども、国家公務員の医師が転勤で僻地に行くと支払われる手当が四万三千円、これより多くて、結果として、最高でも十八万円という答弁を医政局長がしていますが、この金額で医師が僻地に赴く、月に四万三千円、これで赴くというふうにお考えでしょうか。
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