高市早苗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(高市早苗君) 野田佳彦議員の御質問にお答えをいたします。
 政治と金の問題についてお尋ねがございました。
 自民党総裁として申し上げますと、自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する問題については、第三者である検察による厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきました。また、外部の弁護士を交えた聞き取り調査や当事者自身による会見などでの説明等、様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力が進められました。その中で、それぞれの議員が丁寧に、真摯に説明責任を尽くしてきたものと考えております。
 ただ、大切なことは、二度とこのような事態を繰り返さないということです。政治と金の問題には厳しい姿勢で臨み、改正政治資金規正法を始め、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立する覚悟でございます。
 この不記載の問題によりまして政治への信頼を損ねることになってしまいましたことにつきましては、自民党総裁として、国民の皆様、そして全国民の代表であられる同僚議員の皆様に心よりおわびを申し上げます。
 議員定数の削減についてお尋ねがございました。
 国会議員の定数の在り方については、各党各会派で御議論いただくべき事柄でありまして、内閣総理大臣の立場で議論の具体的な方向性についてコメントを行うことは差し控えたいと思います。
 その上で、自民党総裁の立場から申し上げましたら、先般、自民党と日本維新の会との間で、一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指すとの内容の合意書を交わしました。
 議員定数削減の方向性には賛成という心強い御発言をいただきましたが、議員定数の削減は身を切る改革として重要な課題であり、自民党としても全力で取り組んでまいります。
 その上で、具体的な削減案の策定及びその実現に向けては、できるだけ幅広い賛同を得ることが重要でございます。今後、与党内での検討とともに、各党各会派とも真摯な議論を重ねていきたいと考えております。
 企業・団体献金についてお尋ねがありました。
 企業、団体にとって献金は自らの政治的意見を表明するための重要な活動であり、憲法と最高裁判例により政治活動の自由の一環として保障されているものです。
 そのため、更なる規制の強化については、企業、団体の政治活動の自由に関わるものでありますので、必要性や相当性についてよく議論する必要があると考えます。
 その上で、政治資金の在り方については、各党の成り立ちや組織のありよう、規模にも十分留意しつつ、真に公平公正な仕組みとなるよう、不断に検討していくことが重要だと考えています。
 この度の政権発足に当たっては、自民党と日本維新の会との間で、企業、団体からの献金、政治団体からの献金、受け手の規制、金額上限規制、機関誌などによる政党の事業収益及び公開の在り方などを含め、政党の資金調達の在り方について議論する協議体を二五年臨時国会中に設置するとともに、第三者委員会において検討を加え、私の任期中に結論を得るとの合意を行い、国民の皆様に信頼される政治資金の在り方について検討していくことといたしました。
 今後、両党で合意した考え方に沿って検討を進めますとともに、御党を含む他党とも真摯な議論を重ね、政治改革の取組を着実に進めてまいります。
 いわゆるガソリンの暫定税率についてお尋ねがありました。
 いわゆるガソリンの暫定税率の廃止については、自民党の総裁選挙もございましたけれども、その間も与野党の実務者間で精力的に協議をしていただき、先日、十月三十一日、与野党六党の実務者間で合意案で一致したところでございます。
 その合意案では、いわゆるガソリンの暫定税率については本年十二月三十一日に廃止すること、また、軽油引取税の暫定税率についても、財源確保、流通への影響、地方財政への配慮等に加え、軽油引取税に特有の実務上の課題に適切に対応した上で、来年四月一日に廃止することとされています。
 政府としては、政党間の御議論の結果をしっかりと踏まえて対応をしてまいります。
 そして、補正予算の提出時期、予算規模についてお尋ねがございました。
 高市内閣では、物価高への対応に最優先で取り組むこととしており、先日の自由民主党、日本維新の会の連立政権合意書において、令和七年臨時国会において補正予算を成立させるとされていることも踏まえ、政府として、速やかに経済対策を取りまとめた上で、必要な補正予算の案を今国会に提出いたします。
 補正予算の規模につきましては、必要な施策を積み重ねていくことによって決まるものと考えております。お尋ねの財政健全化目標との関係も含め、その規模についてあらかじめ言及することは差し控えたいと思います。
 御党提出の法案についてお尋ねがございました。
 御指摘の法案を御党が国会に提出されたことは承知していますが、国会における法案の取扱いについては、政府の立場からコメントをすることは差し控えたいと思います。
 内閣としては、物価高対策としてすぐに対応できることをまず優先すべきと考えております。その上で、消費税率の引下げにつきましては、事業者のレジシステムの改修等に一定の時間がかかる等との課題にも留意が必要であると考えております。
 そして、アベノミクスの評価についてお尋ねがございました。
 アベノミクスは、デフレでない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。他方、その後、新型コロナウイルス感染症の影響で雇用状況が悪化したということ、そして、いわゆる第三の矢としての民間投資を促す成長戦略の成果が十分ではなかったことなども踏まえて評価する必要があると私は考えます。
 こうしたアベノミクスの評価も踏まえつつ、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動することにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がる好循環を実現することにより、不安を希望に変える強い経済をつくってまいります。
 金融政策と財政政策についてお尋ねがございました。
 物価の現状につきましては、食料品価格の高い伸びなどを背景に、消費者物価は三%近い上昇率が続いているものの、賃金上昇を伴った持続的、安定的な物価上昇の実現は道半ばであると認識をしております。
 こうした認識の下、政府においては、責任ある積極財政の考え方の下、日本の供給構造を強化しながら、物価高を更に加速させることがないよう、戦略的に財政出動を行っていく考えです。また、日本銀行におきましては、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて、引き続き、適切な金融政策運営が行われていくことを期待いたしております。
 給付つき税額控除の導入についてお尋ねがございました。
 税、社会保険料負担で苦しむ中低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りが増えるよう、給付つき税額控除について早期に制度設計に着手いたします。
 また、人口減少、少子高齢化を乗り切るためには、社会保障制度における給付と負担の在り方について国民的議論が必要です。
 このため、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めていくため、国民会議を設置し、給付つき税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について議論していくこととしております。様々な論点について早期に検討を進め、給付つき税額控除の実現を目指してまいります。
 この国民会議についてのお尋ねもございました。
 やはり人口減少、少子高齢化の中で社会保障改革というものを進めるためには、全ての世代を通じて納得感が得られるものとするということが重要でございます。
 このため、国民会議においては、給付と負担の在り方や、給付つき税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めていきたいと考えております。
 国民会議の設置に向けて、その具体的な在り方、また議論の内容や進め方も含めて、各政党の皆様とよく御相談をして取り組んでまいります。
 病院、診療所への緊急支援についてお尋ねがございました。
 国民の皆様の命を守り、安心して必要なサービスを受けていただくために、経営難が深刻化する医療機関への支援は急を要します。全くおっしゃるとおりだと思います。
 このため、診療報酬改定の時期を待たず、経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる補助金を措置し、効果を前倒しします。
 経済対策、補正予算に必要な施策を盛り込むべく、施策の具体化に取り組み、スピード感を持って対応してまいります。
 高額療養費制度の見直しについてお尋ねがございました。
 現在、厚生労働省において、患者団体の方にも御参画いただく専門委員会を設置し、関係者の方々からヒアリングを行うなど、丁寧に議論を進めているところです。
 専門委員会における議論では、高額療養費制度の在り方について、医療保険制度改革全体の中で全体感を持って議論する必要があるという認識で一致をしています。
 こうした観点を踏まえまして、患者の方々の経済的な負担が過度なものとならないよう配慮をしながら、一方で、増大する高額療養費を負担能力に応じてどのように分かち合うかという観点から、検討を丁寧に進めてまいります。
 攻めの予防医療及び家庭医の制度についてお尋ねがございました。
 国民の皆様の命と健康を守り、健康寿命の延伸を図るために、攻めの予防医療を徹底させるということは、皆様が元気に活動し、また社会保障の担い手となっていただくためにも非常に重要です。
 疾病の予防や早期発見につながるがん検診等の充実のため、例えば、がん検診について、個別勧奨の徹底などによりまして、受診率や精密検査受診率の向上に取り組んでまいります。
 また、議員御指摘の日本版家庭医制度とは異なりますが、フリーアクセスを維持しつつ、かかりつけ医機能の確保を図ることや、幅広い領域の疾病への対応ができる総合診療医の養成の支援を行ってまいります。
 ノーベル平和賞及び核兵器禁止条約へのオブザーバー参加についてお尋ねがありました。
 ノーベル平和賞の候補者の推薦につきましては、ノルウェーのノーベル賞委員会が審査資料を少なくとも五十年間は開示しないこととしていることを踏まえ、推薦の事実及びこれを前提としたお尋ねにお答えすることは差し控えます。
 核兵器禁止条約へのオブザーバー参加につきましては、国際社会の情勢を見極めつつ、我が国の安全保障の確保と核軍縮の実質的な進展のために何が真に効果的かという観点から、慎重に検討する必要があると考えています。
 安全保障関連経費の規模についてお尋ねがありました。
 一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国として主体的に防衛力の抜本的強化を進めていくことが必要でございます。
 そのために、政府として、まずは、現在の取組を加速すべく、現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準について、補正予算と併せて、今年度中に前倒しして措置を講じることとしました。
 この対GDP比二%水準は、安全保障関連経費の水準を示しており、金額としては十一兆円ほどになりますが、令和七年度当初予算においては九・九兆円を計上しております。
 令和七年度当初予算に追加で必要となる経費については、現下の安全保障環境を踏まえれば、例えば、自衛隊の人的基盤の強化、ドローン対処器材の整備などの自衛隊の活動基盤の強化、自衛隊の運用態勢の早期確保などに必要な経費の計上を考えております。これらが一定の額に達するものと見込まれますため、対GDP比二%水準についても、結果として達成するものになると考えております。
 日中首脳会談でのやり取りについてお尋ねがございました。
 習近平主席との間では、戦略的互恵関係の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係の構築という日中間の大きな方向性を確認するとともに、諸懸案についても議論をいたしました。
 具体的には、尖閣諸島を含む東シナ海の問題、レアアースの輸出管理、邦人拘束に関する懸念、中国在留邦人の安全確保などにつきまして、私から直接、率直に懸念事項をお伝えしました。
 また、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区などの状況に対する懸念も表明いたしました。
 懸案や意見の相違があるからこそ、首脳間で直接かつ率直に対話することが重要です。今回の会談を、日中両国が様々な課題や協力に取り組んでいくきっかけとしていく考えでございます。
 また、自由貿易の旗手を目指すことについてお尋ねがありました。
 ルールに基づく自由貿易体制の維持拡大は、我が国の経済外交の柱です。世界で保護主義や内向き志向が強まる中、我が国が自由貿易の旗振り役としてリーダーシップを発揮することはますます重要となっております。
 このような観点から、例えば、CPTPPへの新規加入への対応は重要です。戦略的観点や国民の皆様の理解も踏まえつつ、進めてまいります。これに加え、協定の一般的な見直しなども通じ、枠組みの発展に取り組んでまいります。
 RCEPにつきましても、透明性のある協定の履行確保などに取り組む考えです。
 熊による被害対策についてお尋ねがありました。
 政府は、十月三十日にクマ被害対策等に関する関係閣僚会議を開催し、議長である木原官房長官から、追加的、緊急的な対策のパッケージを今月中旬までに取りまとめ、実効性の高い対策を着実かつ段階的に実行することを指示しました。
 具体的な施策としては、例えば、警察官によるライフル銃を使用した熊の駆除について早急に対応していくこととしています。
 また、狩猟免許を持つ者を公務員として任用する、いわゆるガバメントハンターの確保等も進めていくことを想定しております。
 その際には、自衛官や警察官のOBを含む、経験と能力を有する多くの人材の確保に努めてまいります。
 以上です。(拍手)
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発言情報

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発言者: 高市早苗

speaker_id: 24045

日付: 2025-11-04

院: 衆議院

会議名: 本会議