高市早苗の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(高市早苗君) 小林鷹之議員の御質問にお答えいたします。
政権の基本姿勢と政権運営の方針についてお尋ねがありました。
強い経済を構築するため、責任ある積極財政の考え方の下、成長戦略の肝である危機管理投資を中心に戦略的に財政出動を行うことで、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変え、日本列島を強く豊かにしていきます。
また、日米同盟を基軸としつつ、自由で開かれたインド太平洋を、外交の柱として引き続き力強く推進し、進化させていくこと等により、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻します。
そして、最優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応です。暮らしの安心を確実かつ迅速に届けてまいります。
こうした政策を実行していくため、政治の安定が不可欠です。日本維新の会との広範な政策合意に基づき、連立政権を樹立いたしました。この連立政権合意を基礎とし、各党からの政策提案についても、柔軟に、真摯に議論してまいります。
危機管理投資の成長戦略における意義についてお尋ねがありました。
この内閣は、今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済をつくります。本日設置した日本成長戦略本部におきまして、日本の供給構造を強化し、強い経済を実現するための成長戦略を強力に推進していきます。
成長戦略の肝は、危機管理投資です。AI・半導体、造船、量子等の戦略分野において、リスクや社会課題に対し、先手を打って供給力を抜本的に強化するため、官民連携の戦略的投資を促進し、世界共通の課題解決に資する製品、サービス及びインフラを提供することにより、更なる我が国経済の成長を実現します。
このため、供給サイドに直接働きかける措置のみならず、戦略的投資促進につながる需要サイドからの政策支援を含む、多角的、戦略的な総合対策を取りまとめてまいります。
成長戦略の具体策と造船能力の増強に向けた施策についてお尋ねがございました。
今答弁させていただいた危機管理投資については、本日設置した日本成長戦略本部において、多角的、戦略的な総合対策を取りまとめるよう関係大臣に指示をしました。
また、技術、人材育成、スタートアップ、金融など、分野横断的な課題についても、担当大臣を指定しまして、それぞれの課題解決のための戦略策定を指示いたしました。
御指摘の造船業についてでございますが、貿易量の九九%を海上輸送に依存する我が国にとって、国民生活、経済活動のみならず安全保障も支える極めて重要な産業です。
戦略分野の一つとして、船舶建造能力の抜本的な強化に向けたロードマップを策定するとともに、民間の積極的な投資を促進する施策として、大胆な措置を検討してまいります。
AI戦略とデータの利活用についてお尋ねがございました。
AIの利活用を促し、様々なリスクや社会課題に対して、先手を打った官民の積極的な投資を引き出し、産業化を加速することは、危機管理投資の中核だと考えております。
現在検討中の人工知能基本計画に、御指摘の医療、教育、農業、建設、さらに、日本が強みを持つ産業、研究等の分野のデータについて、利活用と保護のバランスも考慮しつつ、データ連携基盤を構築することを盛り込んでまいります。
賃金上昇が物価上昇を上回る構造の実現についてお尋ねがありました。
物価上昇を上回る賃上げを事業者に丸投げしてしまっては、事業者の経営が苦しくなるだけでございます。継続的に賃上げができる環境を整えることが、政府の役割です。
このため、医療、介護等の現場での公定価格の引上げを行うとともに、国、地方自治体から民間への請負契約単価を、物価上昇等を踏まえて適切に見直します。
また、生産性向上支援、事業承継やMアンドAの環境整備、更なる取引の適正化、賃上げ促進税制の活用促進等の関連する施策を総動員して、賃上げに取り組む中小企業、小規模事業者を強力に後押ししてまいります。また、自治体向けの重点支援地方交付金を拡充し、賃上げ税制を活用できない中小企業、小規模事業者を支援する推奨メニューを設けることも検討してまいります。
医療、介護分野の財政支援及び制度改革についてお尋ねがありました。
経営難が深刻化する医療機関や介護施設への支援は急を要します。
このため、診療報酬や介護報酬について賃上げ、物価高を適切に反映させるということとともに、報酬改定の時期を待たず、経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる補助金を措置し、効果を前倒しいたします。
経済対策、補正予算に必要な施策を盛り込むべく、施策の具体化に取り組み、暮らしの安心を確保できるよう、スピード感を持って対応していきます。
また、地域医療を支えるためには、高齢化に対応した医療体制の再構築も必要です。
入院だけではなく、外来、在宅医療や介護との連携を含む新しい地域医療構想の策定や、医師の偏在是正に向けた総合的な対策を講じるとともに、新たな地域医療構想に向けた病床の適正化を進めます。
社会保障改革及び国民会議についてお尋ねがありました。
社会保障制度を持続可能なものにしていくため、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築することが重要でございます。
そのため、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しや、データヘルスなどを通じた効率的で質の高い医療の実現などについて、迅速に検討を進め、社会保障制度改革を進めていく中で、現役世代の保険料負担を抑えます。
あわせて、攻めの予防医療を徹底し、健康寿命の延伸を図り、皆が元気に活躍し、社会保障の担い手となっていただけるように取り組みます。
また、国民会議においては、給付と負担の在り方や、給付つき税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について、政府・与党だけではなく、野党の皆様とも一緒に、丁寧な議論を進めていきたいと考えております。
この国民会議の設置に向け、その具体的な在り方、議論の内容、進め方も含めて、各政党の皆様とよく相談して取り組んでまいります。
根本的な少子化対策と子育て支援についてお尋ねがありました。
少子化の克服には、若い世代が将来の経済的な見通しを持てることは不可欠でございます。強い経済の実現により、所得を増やし、雇用を安定させ、結婚、出産、子育ての選択に直面する若い世代の未来への不安を希望に変えてまいります。
また、現役世代の働きと未来を担う子供たちの育みを両立させるため、柔軟な働き方の推進に加え、安全で質の高いベビーシッターの利用促進、企業の活力を生かした子供、子育て支援の推進など、働きながら子育てしやすい環境を整えてまいります。
日本の未来を担う人材の育成についてお尋ねがありました。
現在の我が国が直面する少子高齢化を克服し、強い経済の基盤をつくり上げるには、イノベーションを起こすことのできる人材の育成が重要です。
このため、高校、大学を通じた文理分断からの脱却と専門高校の機能強化、大学における理工、デジタル系人材の育成の重視など、高校から大学までを通じた産業イノベーション人材を育成するためのシステム改革を一体的に進めてまいります。
国土強靱化、発災時の体制整備、災害に強い国づくりについてもお尋ねがありました。
激甚化、頻発化する自然災害による被害を最小限に抑制できるよう、老朽化したインフラの整備、保全を含め、第一次国土強靱化実施中期計画に基づく取組を今般の総合経済対策に位置づけ、着実に推進してまいります。
東日本大震災等での経験と教訓を次世代につなげていくことは重要です。この内閣におきましては、復興庁を所管する復興大臣を防災庁設置準備担当大臣としました。災害に強い国づくりを進めるため、防災体制の抜本的強化を図るべく、防災庁の来年度の設立に向けて準備を加速するとともに、官民の総力を結集して、事前防災、予防保全を徹底してまいります。
熊による被害対策についてお尋ねがありました。
政府は、十月三十日にクマ被害対策等に関する関係閣僚会議を開催し、議長である木原官房長官から、追加的、緊急的な対策のパッケージを今月中旬までに取りまとめ、実効性の高い対策を着実かつ段階的に実行することを指示しました。
具体的な施策としては、例えば、警察官によるライフル銃を使用した熊の駆除について早急に対応していくほか、狩猟免許を持つ者を公務員として任用する、いわゆるガバメントハンターの確保等を進めていくことを想定しています。
この対策パッケージの取りまとめを待たずに、スピード感を持って必要な施策を順次実行に移し、熊による被害の拡大の防止、さらには国民の皆様の安全、安心を確保してまいります。
次期サイバー戦略等についてお尋ねがありました。
我が国の力強い経済と安全保障、自由で開かれた安定的な国際秩序のために、自由、公正かつ安全なサイバー空間を確保することは極めて重要です。
しかしながら、近年、機微情報の窃取、重要インフラの機能停止等を目的とする高度なサイバー攻撃は、国民生活や経済活動に多大な影響を与え、ひいては国家安全保障上の大きな懸念にもなっています。
こうした情勢に官民挙げて切れ目なく対応するため、政府としては、サイバー対処能力強化法に基づく基本方針や、サイバーセキュリティ基本法に基づく新たなサイバーセキュリティ戦略を、年内を目途に策定することとしております。
これらを通じて、能動的サイバー防御を含む多様な措置によるサイバー脅威に対する防御、抑止、社会全体のサイバーセキュリティー及びレジリエンスの向上、人材、技術に係るエコシステム形成を実現し、国民の皆様の命と暮らし、経済を守り抜いてまいります。
エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立についてお尋ねがありました。
国民生活及び国内産業を持続させ、更に立地競争力を強化していくためには、エネルギーの安定的で安価な供給が不可欠です。
電力需要の増加も見込まれる中、安全性の確保を大前提とした原子力の活用、ペロブスカイト太陽電池を始めとする国産エネルギーの導入拡大など、地域の理解や環境への配慮を前提に、エネルギー安全保障にも寄与する脱炭素電源を最大限活用し、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指します。
食料安全保障の確保についてお尋ねがありました。
食料安全保障を確保する観点から、先端技術の活用による生産性の向上、付加価値の増大、輸出の拡大を促進し、稼げる農林水産業と持続可能な食料システムをつくり出すとともに、農山漁村に活力を取り戻します。
これに向け、五年間の農業構造転換集中対策期間において、別枠予算を確保し、農地の大区画化、共同利用施設の再編、集約化、スマート技術の開発と生産方式の転換、実装、輸出産地の育成など、農業の構造転換への集中投資を実施してまいります。
外国人政策の理念と今後の方向性についてお尋ねがありました。
所信でも申し上げましたとおり、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の皆様が不安や不公平を感じる状況が生じていることも事実です。
外国人政策においては、国民と我が国で生活しておられる外国人、双方にとって安全、安心な、秩序ある共生社会を実現することが重要です。
政府においては、本日、外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議を設置いたしました。
秩序ある共生社会実現のため、新たな担当大臣の下、与党における御議論も踏まえ、政府一体で検討を進めてまいります。
トランプ大統領の訪日、今後の日米関係、日米間の投資についてお尋ねがありました。
先日、トランプ大統領と初の対面での首脳会談を行いました。日米同盟は、日本の外交、安全保障政策の基軸です。同時に、日本は、米国にとり、インド太平洋における不可欠なパートナーでもあります。
幅広い分野での率直な議論を通じて、そうした点についてトランプ大統領と確認するなどの大きな成果を上げることができました。
今後とも、電話や対面など、トランプ大統領との会談を重ね、強固な信頼関係を一層深めて、日米同盟を更なる高みに引き上げていく決意です。
我が国は世界最大の対米投資国であり、日米は、経済面でも最も緊密なパートナーです。政府としては、今後の日米両国のサプライチェーン強靱化に資する様々な取組を推進することで、日米両国の経済を力強く成長させ、また、経済安全保障分野の日米協力を更に強化してまいります。
東アジアの国々、地域の平和と安定にどう向き合うのかについてお尋ねがございました。
韓国につきましては、APEC首脳会議の機会を捉え、李在明大統領と首脳会談を行い、現下の戦略環境における日韓関係、日韓米連携の重要性について一致いたしました。大統領との間では、隣国ゆえに立場の異なる諸懸案はありますが、これらを管理し、国交正常化以来これまで築かれてきた日韓関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくことで一致しました。今後、シャトル外交の実施を含め、両政府間で緊密に意思疎通をしていく考えです。
中国につきましては、習近平主席との間で、戦略的互恵関係の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係の構築という日中間の大きな方向性を確認するとともに、諸懸案についても率直に議論しました。懸案や意見の相違があるからこそ、首脳間で直接かつ率直に対話することが重要です。今回の会談を、日中両国が様々な課題や協力に取り組んでいくきっかけとしていく考えです。
北朝鮮については、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するのが政府の基本方針です。全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を含め、北朝鮮との諸問題を解決するため、あらゆる手段を尽くして取り組んでまいります。
存在感を増すグローバルサウスとの連携強化は、今まで以上に重要となっています。国際秩序が大きく揺らぐ中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持していくためにも、グローバルサウスの様々なニーズにきめ細やかに対応していくことが不可欠です。基本的価値を共有する同志国やグローバルサウス諸国と連携し、国際社会の平和と安定に役割を果たしてまいります。
国家情報局の創設についてお尋ねがありました。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、政府全体のインテリジェンスに関する国家機能の強化が急務です。
今般、日本維新の会との連立合意書には、令和八年通常国会における国家情報局の創設などの内容が盛り込まれました。
政府としても、与党と緊密に連携しながら、組織の在り方等について、早急に論点を整理し、検討を進めてまいります。
日本外交の今後のビジョンについてお尋ねがありました。
我々が慣れ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序が大きく揺らぎ、我が国周辺では、中国、北朝鮮、ロシアの軍事的動向等が深刻な懸念となっています。
こうした国際情勢の下、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻し、国際社会の平和と繁栄に、より大きく役割を果たしていきたいと考えています。
そのためのビジョンが、自由で開かれたインド太平洋、FOIPです。先日訪日したトランプ大統領との間でも、FOIPを力強く推進するために緊密に連携していくことを確認いたしました。
FOIPを外交の柱として引き続き力強く推進し、時代に合わせて進化させていきます。そのビジョンの下で、同盟国である米国はもちろん、基本的価値を共有する同志国やグローバルサウス諸国との連携強化に取り組んでまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法改正につきましては、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しています。
その上で、自民党総裁として申し上げますれば、憲法はあるべき国の形を示す国家の基本法であり、国際情勢や社会の変化に応じた改正、アップデートが必要です。時代の要請に応えられる憲法を制定することは喫緊の課題と考えています。
先般の日本維新の会との連立合意書においても、憲法九条や緊急事態条項に関する改正に向けた取組が盛り込まれました。
もとより、憲法改正には国民の皆様の御理解と御支持を得られることが重要です。
今後、これまでの論点整理や議論の蓄積を踏まえて、各会派の御協力も得ながら、改正案を発議し、少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、粘り強く全力で取り組んでいく覚悟です。
以上です。(拍手)
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