高市早苗の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(高市早苗君) 藤田文武議員の御質問にお答えいたします。
十二本の矢実現に向けた決意についてお尋ねがございました。
政治の安定なくして、力強い経済政策も、力強い外交、安全保障政策も、推進していくことはできません。この思いを胸に、日本再起を目指す広範な政策合意の下、日本維新の会との連立政権を樹立いたしました。
国家国民のため、決して諦めないとの不動の方針の下、合意書に掲げた十二項目の政策を、合意したスケジュールに従って、確実に検討及び実施してまいります。
責任ある積極財政についてお尋ねがありました。
この内閣では、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行います。これにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させることを目指します。この好循環を実現することによって、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変えていきます。
こうした道筋を通じ、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。
物価高対策についてお尋ねがありました。
自民党がこの夏の参議院議員選挙で公約として掲げた給付金については、国民の皆様の御理解が得られなかったことから、実施しません。
足下の物価高に対しては、いわゆるガソリン税、軽油引取税の暫定税率廃止、地域のニーズにきめ細やかに対応する重点支援地方交付金の拡充、厳しい冬の間の電気・ガス料金の支援等の施策を、既に策定を指示している経済対策の中に盛り込むこととしております。
いわゆるガソリンの暫定税率についてお尋ねがありました。
いわゆるガソリンの暫定税率について、先日、十月三十一日、与野党六党の実務者間で合意案に一致したところです。
その合意案では、ガソリンについては、本年十一月十三日から二週間ごとに五円ずつ補助金を引き上げ、十二月十一日にはいわゆる暫定税率と同水準にした上で、十二月三十一日に暫定税率を廃止することとされています。
また、安定財源の確保については、歳出改革等の努力を前提としつつ、各種の税制措置を検討し、本年末までに結論を得ること、道路関連インフラ保全の重要性等との関係にも留意しつつ、安定財源を確保するための方策を引き続き検討し、今後一年程度を目途に結論を得ること、地方の安定財源については、これらの税制措置による地方増収分を活用するほか、具体的な方策を引き続き検討し、速やかに結論を得ることとされています。
今後、政党間での正式な合意に向け、各党において党内手続を行っていくと承知しております。
政府としては、政党間の御議論の結果を踏まえてしっかりと対応してまいります。
租税特別措置や補助金の総点検についてお尋ねがございました。
今般、自民党及び日本維新の会の連立合意において、租税特別措置及び高額補助金について総点検を行い、政策効果の低いものを廃止すると盛り込まれており、政府としても、適正化を進めるよう、関係大臣に指示をいたしております。
租税特別措置や補助金については、与党ともよく連携しつつ、税制改正や予算編成のプロセスにおいて不断に見直しを行ってきているところでございますが、お尋ねの政府の体制も含め、政府内で検討を進めてまいります。
危機管理投資についてお尋ねがありました。
危機管理投資は、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー安全保障、健康医療安全保障、国土強靱化対策など様々なリスクや社会課題に対して、官民が手を携え先手を打って行う戦略的な投資です。
AI・半導体、造船、量子等の戦略分野を指定し、供給力を抜本的に強化するため、官民連携の戦略的投資を促進します。世界共通の課題解決に資する製品、サービス及びインフラを提供することができれば、更なる成長につながります。
こうして経済の新たな成長を切り開いていくという点において、これまでの成長戦略と異なります。
本日設置した日本成長戦略本部において、各戦略分野について、供給サイドに直接働きかける措置のみならず、戦略的投資促進につながる需要サイドからの政策支援を含む、多角的、戦略的な総合対策を取りまとめるよう、関係大臣に指示しました。
今後、各戦略分野の対策について、具体的な検討を加速し、経済の新たな成長を切り開き、国民の皆様の未来への不安を希望に変えてまいります。
新技術立国と大学改革についてお尋ねがございました。
私自身、科学技術政策担当大臣を務めておりました。その当時推進してきた政策を更に発展させていきます。
具体的には、公教育の強化や大学改革を進めるとともに、強い経済の基盤となる科学技術、人材育成に資する戦略的支援を行い、新技術立国を目指します。
本日設置した日本成長戦略本部においても、分野横断的課題として新技術立国、人材育成等を掲げ、担当大臣に課題解決のための戦略の取りまとめを指示しました。
また、大学数及び規模の適正化については、産業構造の変化に対応した新たな価値の創出や高校教育へのアクセス確保と併せて進めることが重要であり、理工、デジタル系人材や地域社会を支える人材の育成を進めつつ、再編統合の推進など高等教育全体の規模の適正化を図ってまいります。
エネルギー政策とメガソーラー規制についてお尋ねがございました。
高市内閣は、強い経済の実現に向け、エネルギー安全保障の確立に力を入れて取り組みます。
エネルギー安全保障の観点から、安全性が確保された原子力の活用、ペロブスカイト太陽電池を始めとする国産エネルギーの導入拡大が重要です。
原子力につきましては、安全性の確保を大前提とし、地域の御理解を得ながら再稼働を進めます。国も前面に立ち、立地自治体など関係者の御理解と御協力を得られるよう、取り組んでまいります。
再生可能エネルギーにつきましては、地域の理解や環境への配慮を前提に導入を進めていきます。御指摘のメガソーラーにつきましては、関係する規制の総点検を行い、連立政権合意に基づき、法的に規制する施策を実行してまいります。
エネルギーの安定的で安価な供給を実現することで、国民生活及び国内産業を持続させ、更に立地競争力を強化してまいります。
社会保障改革に対する問題意識についてお尋ねがありました。
国民の皆様の命と健康を守ることは、重要な安全保障でございます。日本維新の会との連立政権合意書にあるように、社会保障関係費の急激な増加に対する危機感と、現役世代を中心とした過度な負担上昇に対する問題意識を共有し、社会保障改革に取り組んでまいりたいと考えております。
具体的には、日本維新の会、公明党、自民党の三党合意を踏まえ、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しや、金融所得の反映など応能負担の徹底、電子カルテを含む医療機関の電子化を通じた効率的で質の高い医療の実現などについて、迅速に検討を進め、現役世代の保険料負担の抑制につなげてまいります。
医療、介護分野の従事者の処遇改善、病床数の適正化及び病床削減に伴う医療費削減効果についてお尋ねがありました。
経営難が深刻化する医療機関や介護施設への支援については、報酬改定の時期を待たず、経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる補助金を措置し、効果を前倒しします。
経済対策、補正予算に必要な施策を盛り込むべく、施策の具体化に取り組み、スピード感を持って対応していきます。
また、高齢化に対応した医療体制の再構築を図るためには、地域の実情に応じて病床を適正化することが重要です。
このため、日本維新の会、公明党、自民党の三党合意に基づき、人口減少等により不要となると推定される、約十一万床の一般病床、療養病床、精神病床といった病床について、地域の実情を踏まえた調査を行った上で、二年後の新たな地域医療構想に向けて、不可逆的な措置を講じつつ、調査を踏まえて次の地域医療構想までに削減を図ります。
具体的には、感染症に対応する病床等の医療体制への影響などにも留意しながら、医療機関のニーズに応えられる必要な予算を補正予算に盛り込んでまいります。
なお、病床削減に伴う医療費適正化効果については、三党合意において、感染症等に対応する病床は確実に確保しつつ、削減される病床の区分や病床の稼働状態、代替する在宅、外来医療等の増加等を考慮した上で、精査を行うとされていることも踏まえ、精査を進めてまいります。
社会保障改革のための国民会議についてお尋ねがありました。
社会保障は、国民一人一人がその夢や希望の実現を諦めることなく、安心して働き、暮らしていくための基盤です。人口減少、少子高齢化の中で社会保障改革を進めるためには、全ての世代を通じて納得感が得られるものとすることが重要です。
このため、国民会議においては、給付と負担の在り方や、給付つき税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交えて、丁寧な議論を進めていきたいと考えております。
国民会議の設置に向け、その具体的な在り方、議論の内容や進め方も含めて、各政党とよく相談して取り組んでまいります。
戦略三文書の改定についてお尋ねがありました。
前回三文書を改定した二〇二二年と比べ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを増すとともに、インド太平洋では、中国、北朝鮮の更なる軍事力の増強や、中ロやロ朝の連携強化などが見られ、各国は、ロシアによるウクライナ侵略を教訓に、無人機の大量運用を含む新しい戦い方や長期戦への備えを急ぐなど、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じています。
こうした急速な変化に適切に対応し、強い覚悟を持って、我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くため、三文書の来年中の改定を目指し、検討を進めてまいります。
防衛力強化と防衛費の増額、連立政権合意書を踏まえた対応についてお尋ねがありました。
一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守るため、主体的に防衛力の抜本的強化を進めてまいります。
そのため、まずは、現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準を前倒しして措置するとともに、国家安全保障戦略を始めとする三文書改定の検討を開始することとしました。
また、防衛装備移転は、力による一方的な現状変更を抑止し、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出するための重要な政策的手段です。
今般、自民党、日本維新の会が合意した五類型の撤廃も、防衛装備移転を更に推進していくという決意が示されたものと受け止めています。
防衛装備移転三原則運用指針の見直しを早期に実現すべく検討を進めます。
自衛官が安んじて国防という国家にとって極めて枢要な任務に当たることができるようにすることは、国の責務です。
自衛官の恩給制度の創設については、現在進めている再就職先の拡充や若年定年退職者給付金の給付水準の引上げといった施策を十分に踏まえた上で、自衛官の退職後給付の在り方の中で検討する必要がございます。自衛官の処遇改善について国民の皆様の御理解をいただきながら、よりよい制度とすべく取り組んでまいります。
和平調停の能力強化についてお尋ねがありました。
国際情勢がますます厳しくなり、各地で紛争が発生する中、危機を未然に防ぎ、また、和平調停等を通じて、紛争の早期終結、和平の実現につなげていくことの重要性が高まっています。
和平の実現から紛争後の復旧復興へのシームレスな取組につなげるべく、我が国の能力強化に努めてまいります。
自衛隊の階級、服制、職種等についてお尋ねがありました。
これも、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の下、防衛力の抜本的な強化が必要であります。
この防衛力の中核は自衛隊員であり、全ての隊員が高い士気と誇りを持って任務に当たることができる環境を整備する必要があります。
御指摘の自衛官の階級、服制、職種等の国際標準化につきましては、スケジュールを含めた進め方を与党とも御相談をしながら、スピード感を持って検討をしてまいります。
トランプ大統領訪日の成果についてお尋ねがございました。
先日、トランプ大統領と初の対面での首脳会談を行いました。日米同盟は、日本の外交、安全保障政策の基軸です。同時に、日本は、米国にとり、インド太平洋における不可欠なパートナーでもあります。
幅広い分野で率直な議論を行いましたが、今申し上げた点についてトランプ大統領と確認するなど、様々大きな成果を上げることができました。
今後とも、トランプ大統領との会談を重ね、強固な信頼関係を一層深めて、日米同盟を更なる高みに引き上げていく所存でございます。
インテリジェンス機能に関する認識、国家情報局等の創設についてお尋ねがありました。
今、非常に複雑な安全保障環境において、政府全体のインテリジェンスに関する国家機能の強化が急務だと認識をしております。
今般、御党との連立合意書には、令和八年通常国会における国家情報局、国家情報局長、国家情報会議の創設などの内容が盛り込まれました。
政府としても、御党と緊密に連携しながら、組織の在り方等について、早急に論点を整理し、具体化を進めてまいります。
人口減少対策本部についてお尋ねがありました。
連立政権合意書では、我が国最大の問題は人口減少という認識に立ち、令和七年臨時国会中に、政府に人口減少対策本部(仮称)を立ち上げ、子供、子育て政策を含む抜本的かつ強力な人口減少対策を検討、実行するとされています。
人口減少対策を進めるに当たっては、現在、政府に設置されているこども未来戦略会議や新しい地方経済・生活環境創生本部、外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議との関係も含め、どのような体制で進めていくことが効果的か、考えて対応してまいります。
外国人対策についてお尋ねがありました。
政府においては、本日、司令塔として、外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議を設置しました。
新たな担当大臣の下、与党における御議論も踏まえ、政府一体で、土地取得等のルールの在り方の検討を含め、秩序ある共生社会実現に向けた施策を進めてまいります。
対日外国投資審査については、経済安全保障を強化する観点から、関係大臣に対して、審査を高度化する枠組みの検討を指示しております。速やかに具体化を進めてまいります。
いわゆる副首都構想についてお尋ねがありました。
政府では、これまで、首都直下地震により官邸が使用できない事態を想定し、緊急災害対策本部の代替拠点の確保等に係る取組を進めてまいりました。
また、多極分散型国土の形成については、第三次国土形成計画において、東京一極集中の是正に向け、人口や諸機能が分散的に配置された国土構造の実現を目指すこととしております。
今後の進め方につきましては、連立政権合意書において、令和七年臨時国会中に、両党による協議体を設置し、首都及び副首都の責務及び機能を整理した上で、早急に検討を行うとされております。早急に与党による協議体を設置いたします。当該協議体において、しっかりと検討を進めていただきたいと考えております。
高校教育についてお尋ねがありました。
高校教育の振興については、御党との合意を踏まえ、安定財源を確保しつつ、いわゆる高校無償化について、令和八年度からの実施に向け、必要となる制度設計を進めるとともに、高校教育の質の向上に向け、国として高校教育改革に関するグランドデザインを今年度中に提示し、各都道府県が策定する計画に基づく取組を支援する交付金等の仕組みの構築などに取り組んでまいります。
議員定数の削減についてお尋ねがありました。
国会議員の定数の在り方については、各党各会派で御議論いただくべき事柄であり、内閣総理大臣の立場で議論の具体的な方向性についてコメントを行うことは差し控えたいと思います。
その上で、自民党総裁の立場から申し上げれば、先般、自民党と御党との間で、一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指すとの内容の合意書を交わしました。
議員定数の削減は身を切る改革として重要な課題であると認識しており、合意書の内容を踏まえ、御党とともに取り組む決意です。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法改正については、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しています。
その上で、自民党総裁として申し上げれば、時代の要請に応えられる憲法を制定することは喫緊の課題だと考えております。
先般の自民党と日本維新の会との連立合意書においても、九条改正を始めとする憲法改正に向けた取組が盛り込まれました。
今後、これまでの両党における議論の蓄積を踏まえ、検討を進めた上で、各会派の御協力も得ながら、改正案を発議できる環境がつくられるよう、自民党総裁として粘り強く取り組んでいく覚悟です。
内閣による憲法改正原案の提出についてお尋ねがありました。
内閣は、憲法第七十二条の規定により、議案を国会に提出することが認められていることから、憲法改正の原案を国会に提出することも可能です。
内閣として、この考えに変わりはありません。
旧氏の通称使用の法制化についてお尋ねがありました。
政府においては、これまで二十年以上にわたり、旧氏の通称使用の拡大やその周知に取り組んでまいりました。
私自身も、総務大臣在任中は、総務省単独で措置できる手続等につき、千百四十二件を旧氏や併記で対応できるようにしました。全ての省庁、地方公共団体、公私の団体、事業者において同様の取組を行えば、婚姻による氏の変更により社会生活で不便や不利益を感じる方を減らせると考えています。
そのため、旧氏の通称使用の法制化については、連立合意の内容を踏まえ、与党と緊密に連携しつつ、必要な検討を進めていく考えでございます。
日本国旗損壊罪の制定についてお尋ねがありました。
これは、過去、私自身が刑法九十二条改正案を起草し、自民党の党議決定や御党関係議員の御協力の下、法案を国会に提出したこともあります。
御党との合意書の内容を踏まえ、今後、その実現に向けて、両党間で具体的な検討を進めていくとともに、政府としても、与党と連携を図りつつ、必要な取組を進めてまいります。
以上です。ありがとうございました。(拍手)