高市早苗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(高市早苗君) 斉藤鉄夫議員の御質問にお答えいたします。
 まず、自民党総裁として、二十六年の長きにわたり共に歩んでくださった公明党の皆様に心より感謝を申し上げます。
 包摂性や多様性の尊重に対する政治家としての考えについてお尋ねがございました。
 全ての方々が生きがいを感じ、尊厳が損なわれることなく、多様性が尊重される包摂的な社会を実現することは大変重要であると考えています。
 性別や障害の有無等にかかわらず、お互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に向けて、取組を着実に進めてまいります。
 物価高対策についてお尋ねがございました。
 家計の可処分所得を継続的に底上げしていく上では、まずは、継続的に賃上げできる環境を整えることが重要と考えております。
 その上で、税制面では、例えば、所得税の控除額が定額であるために、物価上昇局面において実質的な負担増が生じるという課題についての、本年末までの令和八年度税制改正プロセスにおいて、基礎控除を物価に連動した形で更に引き上げる税制措置の具体化を図ることとしております。
 実質賃金の継続的上昇が定着するまでの間の物価高対策につきましては、御指摘の所信表明演説でお示しした、ガソリン税や軽油引取税の暫定税率の早期廃止、電気・ガス料金の支援、重点支援地方交付金の拡充、医療機関や介護施設の賃上げや経営改善支援といった様々な施策も含め、策定中の経済対策に盛り込み、国民の皆様の暮らしの安心を確実かつ迅速に届けてまいります。
 責任ある積極財政についてお尋ねがございました。
 この内閣では、経済あっての財政の考え方の下、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行います。
 これにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させることを目指していきます。
 この好循環を実現することによって、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変えてまいります。
 非正規雇用労働者やエッセンシャルワーカーの待遇についてお尋ねがございました。
 非正規雇用労働者の待遇改善は重要な課題であり、同一労働同一賃金の遵守徹底に取り組んでまいります。
 また、医療、介護等の分野を支えるエッセンシャルワーカーにつきましては、賃上げや物価高を公定価格に適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たず、職員の方々の処遇改善につながる措置を講じるなど、スピード感を持って対応いたします。
 御苦労いただきました建設業につきましても、公共工事の設計労務単価を十三年連続で引き上げてまいりましたが、今年中に改正建設業法を全面施行し、適正な賃金の支払いに向けた施策を強化してまいります。
 核廃絶に向けた取組に対する決意についてお尋ねがございました。
 我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んでまいりました。これは世界に誇るべきことだと考えております。
 核兵器のない世界に向けた国際社会の取組を主導することは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命でございます。
 一方で、我が国は今、自国の周辺において核軍拡に直面しています。
 こうした中で、政府としては、抑止力を維持強化し、安全保障上の脅威に適切に対処していくとの大前提に立ちつつ、核兵器不拡散条約、NPT体制の下で、引き続き現実的で実践的な取組を進めてまいります。
 核兵器禁止条約へのオブザーバー参加につきましては、国際社会の情勢を見極めつつ、我が国の安全保障の確保と核軍縮の実質的な進展のために何が真に効果的かという観点から慎重に検討する必要があると考えます。
 防衛費の増額及び日米同盟の深化についてお尋ねがございました。
 一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国として主体的に防衛力の抜本的強化を進めていくことが必要です。
 そのために、政府として、まずは、現在の取組を加速すべく、現行の国家安全保障戦略で定める対GDP比二%水準について、補正予算と併せて、今年度中に前倒しして措置を講じることとしました。
 前倒しに必要となる予算を手当てする財源については、補正予算の編成において適切に対応し、国民の皆様の御理解をいただけるよう、丁寧な説明に努めてまいります。
 日米首脳会談についてもお触れいただきましたが、今後とも、トランプ大統領との強固な信頼関係を一層深めて、御指摘の地球規模の課題への対応も含めて、国際社会における米国の関与を後押ししつつ、日米同盟を更なる高みに引き上げていく考えでございます。
 今後の外交、安全保障政策についてお尋ねがございました。
 現行の国家安全保障戦略は、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主要な要素の一つとして、まず外交力を掲げています。
 我が国は、長年にわたる国際社会の平和と安定、繁栄のための外交活動や国際協力を通じて、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出するために、力強い外交を展開してまいりましたし、これからもそうしていくこととしています。
 同時に、このような外交力、しっかりとした外交力には裏づけとなる防衛力が必要でございます。防衛力の強化も進めてまいります。
 その上で、現行の国家安全保障戦略を含む三文書を策定した二〇二二年と比べ、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じております。
 こうした急速な変化に適切に対応し、強い覚悟を持って、我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くために、三文書の来年中の改定を目指し、検討を進めてまいります。
 同時に、こうした国際情勢の下、国際社会の平和と繁栄に、より大きく役割を果たしていきたいと考えています。
 そのためのビジョンとして、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを外交の柱として引き続き強く推進し、時代に合わせて進化させてまいります。
 そのビジョンの下で、同盟国である米国はもちろん、基本的価値を共有する同志国やグローバルサウス諸国との連携強化に取り組んでまいります。
 防衛装備移転の五類型撤廃についてお尋ねがございました。
 防衛装備移転は、力による一方的な現状変更を抑止し、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出するために重要な政策的手段です。
 我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、防衛装備移転を更に推進していくことが必要であり、今般、自民党と日本維新の会の間で五類型の撤廃が合意されております。
 その上で、我が国からの防衛装備移転は、三原則に基づき、個別の案件ごとに厳格に審査し、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得るとしています。
 政府としては、こうした基本的な考え方は維持しつつ、防衛装備移転三原則運用指針の見直しを早期に実現すべく、具体的な検討を進めてまいります。
 不記載の問題及び衆議院の定数削減についてお尋ねがございました。
 お尋ねについては、内閣総理大臣の立場から申し上げることは適当ではありませんが、自民党総裁としてお答えをいたします。
 まず、自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する問題につきましては、検察による厳正な捜査が行われ、関係議員がそれに対して真摯に対応し、その結果、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきました。また、外部の弁護士を交えた聞き取り調査や当事者自身による会見などでの説明、また、様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力は進められてきました。その中で、それぞれの議員が丁寧に、真摯に説明責任を尽くしてきたものと考えています。
 しかしながら、この問題によりまして政治への信頼を損ねることになったことについては、自民党総裁として、国民の皆様、そして全国民の代表でいらっしゃる国会議員の皆様に改めておわびを申し上げます。
 企業・団体献金についてでございますが、企業、団体にとって献金は自らの政治的意見を表明するための重要な活動であり、憲法と最高裁判例により政治活動の自由の一環として保障されているものです。
 そのため、更なる規制の強化については、企業、団体の政治活動の自由に関わるものでありますことから、必要性や相当性について慎重に議論する必要があると考えます。
 その上で、政治資金の在り方につきましては、各党の成り立ちや組織のありよう、規模にも十分留意しつつ、真に公平公正な仕組みとなるよう、不断に検討していくことが重要だと考えています。
 この度の連立政権発足に当たりましては、我が党と日本維新の会との間で、企業、団体からの献金、政治団体からの献金、受け手の規制、金額上限規制、機関誌などによる政党の事業収益及び公開の在り方などを含め、政党の資金調達の在り方について議論する協議体を二五年臨時国会中に設置するとともに、第三者委員会において検討を加え、私の任期中に結論を得るとの合意を行い、国民に信頼される政治資金の在り方について検討していくこととしました。
 今後、両党で合意した考え方に沿って検討を進めるとともに、御党を含む他党とも真摯な議論を重ね、政治改革の取組を着実に進めてまいります。
 衆議院の議員定数の削減については、先般、自民党と日本維新の会との間で、一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指すとの内容の合意書を交わしました。
 議員定数の具体的な削減案の策定及びその実現に向けましては、できるだけ幅広い賛同を得ることが重要でございます。
 今後、与党内での検討とともに、各党各会派とも真摯な議論を重ねていきたいと考えております。
 科学技術の発展についてお尋ねがございました。
 強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力であり、イノベーションを起こすことのできる人材です。
 昨日設置した日本成長戦略本部において、新技術立国・競争力強化について、経済産業大臣を指名し、戦略策定を指示しました。
 公教育の強化や大学改革を進めるとともに、科学技術、人材育成に資する戦略的支援を行い、新技術立国を目指します。
 また、AI・半導体等の各戦略分野について、研究開発、事業化、事業拡大、販路開拓、海外展開といった事業フェーズを念頭に、多角的な観点からの総合支援策の立案も指示しております。
 来年の夏にはこれらを踏まえた成長戦略を取りまとめ、我が国の強い経済の基盤となり得る科学技術力の強化のため、戦略的に政策を講じてまいります。
 日本版ソブリン・ウェルス・ファンドの創設についてお尋ねがありました。
 外国為替資金特別会計の保有資産やGPIFの運用資産を含め、公的部門の保有する資産は、一般に、税金や保険料、市場からの借入れ等を原資とするものであります。この運用に当たっては、各々の資産の保有目的等も踏まえ、安全性にも配慮する必要があると考えております。
 また、日銀が保有するETFは、金融政策の一環として日銀が買い入れ、保有しているものでございます。その取扱いは、日銀の金融政策決定会合において決定する事項とされているものと承知しております。
 いずれにしましても、政府としては、保有資産の運用改善や有効活用の有用性の検討も行いつつ、今後の予算編成におきましても、必要な財源の確保に取り組み、効率的かつ効果的な予算の策定に努力をしてまいります。
 高校教育についてのお尋ねがございました。
 高校教育の質の向上については、政党間の議論を踏まえ、国として高校教育改革のグランドデザインを今年度中に提示し、各都道府県が策定する計画に基づく取組を支援する交付金等の仕組みの構築について、税制による対応も含め安定財源の確保と併せて検討し、公立高校が地域の人材育成といった役割を果たすことができるよう取り組んでまいります。
 様々な災害対策や、能登半島地震、東日本大震災からの復旧復興の課題についてお尋ねがございました。
 能登半島地震からの復興については、被災前の活気を一日も早く取り戻すため、被災地の復旧と創造的復興を着実に進めてまいります。
 また、被災地への訪問につきましても、できる限り速やかに行いたいと考えております。
 法律に規定された国の責務に基づき、福島県内除去土壌等の県外最終処分を進める方針です。
 昨年設置した閣僚会合の下、復興再生土の利用における先行事例の創出、県外最終処分に向けた検討、国民の皆様の理解醸成等の取組を着実に推進してまいります。
 そして、これまでの教訓を生かして、災害対応の司令塔となる防災庁の設立準備を加速し、大規模災害等に対する徹底した事前防災、発災時の応急対策、復旧復興について取り組んでまいります。
 社会保障制度の持続可能性の確保についてお尋ねがございました。
 社会保障制度を持続可能なものにしていくため、全ての世代で能力に応じて負担し合い、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築するということが必要です。
 そのため、公明党、日本維新の会、自民党で合意した効率的で質の高い医療の実現などについて、迅速に検討を進めます。
 また、給付と負担の在り方や、給付つき税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について、国民的議論を行うための国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
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発言情報

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発言者: 高市早苗

speaker_id: 24045

日付: 2025-11-05

院: 衆議院

会議名: 本会議