高市早苗の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(高市早苗君) 田村智子議員の質問にお答えいたします。
不記載の問題に関連した国民の皆様への説明についてお尋ねがございました。
自民党総裁としてあえて申し上げますと、自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する問題については、検察による厳正な捜査が行われ、関係議員はそれに対して真摯に対応し、その結果、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきました。また、外部の弁護士を交えた聞き取り調査や当事者自身による会見等での説明など、様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力が進められてきました。その中で、それぞれの議員が丁寧に、真摯に説明責任を尽くしてきたものと考えています。
この問題により政治への信頼を損ねることになったことについては、自民党総裁として、国民の皆様及び同僚議員の皆様に改めておわびを申し上げます。
大切なのは、二度とこのような事態を繰り返さないということでございます。私は、政治と金の問題には厳しい姿勢で臨み、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立してまいります。そして、国民の皆様のために誠心誠意働き、結果を出していけるように取り組む決意でございます。
議員定数の削減についてでございますが、これは、身を切る改革として重要な課題であると認識をしているからこそ取り組んでいるものであります。政治と金の問題に蓋をするとの指摘は当たりません。
いずれにしても、この議員定数の具体的な削減案の策定及びその実現に向けましては、できるだけ幅広い賛同を得ることが重要であります。
今後、与党内での検討とともに、各党各会派とも真摯な議論を重ねていきたいと考えております。
税制の在り方についてお尋ねがありました。
御指摘の富裕層や大企業の税負担の在り方については、これまでも、経済社会の構造変化を踏まえて見直しが進んできております。
その上で、消費税につきましては、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、現役世代など特定の層に負担が集中することがないなどの特徴を有しており、社会保障給付という形で家計に還元されていることにも留意する必要があると考えております。
税制については、今後とも、応能負担を通じた再分配機能の向上などの観点も踏まえながら、また給付つき税額控除も含め、不断に見直しを進めてまいります。
賃上げについてお尋ねがございました。
物価上昇を上回る賃上げを実現するためには、継続的に賃上げできる環境を整えることが政府の役割です。
現在、労働分配率は低下傾向ですが、政府としては、中小企業、小規模事業者の皆様が労働分配率を高めることができるよう、生産性向上支援や更なる取引の適正化等を通じ、事業者の皆様の取組を強力に後押ししてまいります。
なお、内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘もありますことから、慎重な検討が必要であると考えております。
労働時間規制と賃上げについてお尋ねがございました。
働き方改革関連法の施行から五年以上経過したことを踏まえ、現在、厚生労働省の審議会において議論が行われていると承知をしております。
この労働時間規制については、様々な御意見があると承知をしております。
今般、私から、厚生労働大臣など関係大臣に対しましては、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制緩和の検討を行うということについて指示をしたところです。
様々な御意見をお伺いしつつ、働き方の実態とニーズを踏まえ、検討を深めていくべきものと考えております。
また、事業者が継続的に賃上げできる環境を整えるために、生産性向上支援や更なる取引適正化等を通じ、中小企業、小規模事業者の皆様を強力に後押ししてまいります。
病院経営の現況及び三党合意の内容についてお尋ねがありました。
診療報酬の改定は、これまでも社会経済の変化や医療機関等の経営状況、医療保険制度の持続可能性の観点などを総合的に勘案して決められてきました。
その上で、国民の皆様の命を守り、安心して必要なサービスを受けていただくために、経営難が深刻化する医療機関への支援は急を要します。
このため、診療報酬について、賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、診療報酬改定の時期を待たず、経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる措置を講じるなど、スピード感を持って対応します。
また、日本維新の会、公明党、自民党の合意については、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しなどについて迅速に検討を進め、現役世代の保険料負担を抑えるとともに、地域の実情に応じて病床の適正化に取り組むことで、高齢化に対応した医療体制の再構築を図ってまいります。
防衛力強化及び防衛費増額についてお尋ねがございました。
一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守るため、主体的に防衛力の抜本的強化を進めてまいります。
そのために、まずは、現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準を前倒しして措置するとともに、国家安全保障戦略を始めとする三文書改定の検討を開始することとしました。
これらの取組は、我が国自身の主体的判断に基づくものであり、米国の要求を受け入れる、対米従属外交などといった御指摘は当たりません。
また、政府として、今後の防衛力の具体的な内容や、これを実現するための防衛費の水準についても、我が国の主体的な判断の下、具体的かつ現実的議論を積み上げていく考えでございます。
日中関係についてお尋ねがありました。
御指摘の二〇〇八年の日中共同声明は認識しています。
他方、日中間では、尖閣諸島を含む東シナ海での中国によるエスカレーションを始め、我が国として深刻に懸念すべき状況があり、こうした懸案や意見の相違があるからこそ、首脳間で直接かつ率直に会話することが重要です。
先日の習近平国家主席との会談では、戦略的互恵関係の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係の構築という日中間の大きな方向性を確認するとともに、懸案についても議論をいたしました。
大きな方向性に沿って、あらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通をより一層強化し、双方に利益となる協力を進めていく考えです。
日米首脳会談におけるやり取り、核実験や気候変動対策をめぐるトランプ大統領の発言等についてお尋ねがありました。
先日、トランプ大統領と初の対面での首脳会談を行いました。
日米同盟は、日本の外交、安全保障政策の基軸です。同時に、日本は、米国にとり、インド太平洋における不可欠なパートナーであります。
今回の会談では、日米地位協定そのものについては取り上げませんでしたが、幅広い分野で率直な議論を通じて、そうした点についてトランプ大統領と確認するなど、大きな成果を上げることができました。
在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の皆様の御理解と御協力を得ることが不可欠です。
沖縄県を含む基地負担軽減に引き続き取り組みます。
また、御指摘のトランプ大統領による核実験に関する発言は承知しておりますが、かねてから米国とは核軍縮の問題や日本の考え方について緊密に意思疎通してきており、今後もこれを継続してまいります。
さらに、トランプ米国大統領の気候変動に関する発言についても承知していますが、他国の政策について我が国としてコメントする立場にはありません。
いずれにしても、気候変動は人類共通の待ったなしの課題です。
我が国としては、本年二月にパリ協定の一・五度目標と整合的で野心的な新たな温室効果ガス削減目標を国連に提出しており、この目標の実現に向けて政府一丸となって取り組んでまいります。
外国人政策についてお尋ねがございました。
排外主義とは一線を画しつつ、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、政府として毅然と対応し、国民の皆様の不安や不公平感を解消することは、外国人との秩序ある共生社会の実現に必要だと考えております。
旧氏の通称使用についてお尋ねがありました。
政府においては、これまで二十年以上にわたり、旧氏の通称使用の拡大やその周知に取り組んでまいりました。
旧氏の通称使用の法制化につきましては、連立合意の内容を踏まえ、与党と緊密に連携しつつ、必要な検討を進めていく考えでございます。
また、様々な党から国会に提出されている法律案について、その内容につき内閣総理大臣としてコメントをする立場にはございません。
以上です。ありがとうございます。(拍手)