高市早苗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(高市早苗君) 岸田光広議員の御質問にお答えいたします。
 いわゆる年収の壁についてお尋ねがありました。
 所得税の控除が定額であるために物価上昇局面に実質的な負担増が生じるという所得税の課題については、国民民主党、公明党、自民党の三党の幹事長間で結んだ、公党間の約束である三党合意も踏まえつつ、本年末までの令和八年度税制改正プロセスにおいて、基礎控除を物価に連動した形で更に引き上げる税制措置の具体化を図ることとしております。
 ただし、基礎控除が原則全ての納税者に適用されるものであるのに対し、最低賃金は給与所得者の一部にのみ適用されるものであることに鑑みれば、基礎控除を最低賃金に連動して調整することは適切ではないと考えております。
 働き控えを解消するに当たっては、どのような所得階層に、どのような形で控除を引き上げることにより減税の恩恵が届くようにするかといった点について、議論を深める段階に来ていると考えております。
 現在、与党税制調査会等で議論されているものと承知しておりますが、今後、一緒に関所を乗り越えていけるように取り組んでまいりたく存じます。
 補正予算の規模についてお尋ねがありました。
 令和七年度補正予算は、責任ある積極財政の考え方の下、「強い経済」を実現する総合経済対策に基づき、生活の安全保障、特に物価高の問題に早急に対応するとともに、危機管理投資、成長投資により、安全で安心な社会と強い経済を実現する取組に早期に着手するため、戦略的な財政出動として、真に必要な施策を積み上げた結果であり、政府として、最適なものと考えております。
 政府としては、これらの施策を着実に実施し、国民の皆様にその効果を迅速にお届けしたいと考えております。
 基金についてお尋ねがありました。
 基金に対しては、基金要件への適合性や事業の必要性等を事業ごとに精査した上で、基金の点検・見直しの横断的方針で定められたいわゆる三年ルール等に基づき、予算措置をしています。
 その上で、今回の令和七年度補正予算では、基金事業に二・五兆円を措置しておりますが、いずれも、今回の経済対策の目的を迅速かつ効率的に実現するため、補正予算の要件である緊要性が認められたものについて、適切に予算措置を行ったものです。
 今般の補正予算で措置することにより、予算成立後速やかに、事業実施のための公募、採択や交付決定を進め、喫緊に取り組むべきそれぞれの政策課題に対し、迅速に対応することが可能になると考えております。
 防衛費の積み上げについてお尋ねがありました。
 総合経済対策に示したとおり、一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、現行の国家安全保障戦略などの下での取組を可能な限り加速させることが必要です。
 このため、今般の補正予算において、今年度中に実施すべき緊要性のある事業を措置することとし、例えば、自衛隊員の能力を十分に発揮できる環境の整備や、ドローン対処器材の整備などの自衛隊の活動を支える基盤の強化、装備品製造企業に対し資金を早期に提供することによる納入の安定化や早期納入の確保、日米同盟の抑止力、対処力の強化と地元負担の軽減を実現する米軍再編の着実な実施など、今年度中に実施すべき緊要性のある事業を積み上げ、約八千五百億円を計上しております。
 これにより、安全保障関連経費が一・一兆円程度、令和七年度当初予算と合わせた合計額が十一兆円程度となったため、結果として、国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準に達することとなったものであり、無理やり達成するための積み上げではないかということはございません。
 重点支援地方交付金についてお尋ねがありました。
 重点支援地方交付金は、地方公共団体が、地域の実情に応じて、生活者や事業者に対して、きめ細やかな物価高対策に御活用いただけるよう措置しているものです。
 そのため、どのような事業を実施するかの選択や、その事業を迅速かつ効果的に実施するための具体的な方法は、各地方公共団体において、それぞれの地域の実情に応じて、御判断いただくべきものであります。
 一方で、小規模な地方公共団体などでは、人材不足等で十分に対応できないことも考えられることから、国としてもしっかりとサポートする必要があると認識しています。
 このため、関係省庁において、食料や中小企業といった行政分野ごとに、優良な活用事例等の情報提供を行うとともに、活用状況を定期的にきめ細かくフォローアップするなど、十分な取組を行うこととしております。
 本交付金を有効に活用いただき、速やかに必要な支援が国民の皆様に行き届くよう、地方公共団体に対して、関係省庁が連携して、丁寧にサポートしてまいります。
 再エネ賦課金についてお尋ねがございました。
 再エネ賦課金は、再生可能エネルギー特別措置法に基づき再エネ電気の買取り等を行うため、電気の利用者の皆様に御負担いただいています。
 再エネ賦課金の徴収を停止したとしても、既に再エネ買取り等のために、賦課金を充てることとなっている費用については、何らかの形で負担が発生するものと認識しています。
 再エネ賦課金の在り方については、今後の技術の進展やその必要性に関して、制度を所管する経済産業省の関係審議会において議論が開始されているところでございますが、必要な検討を加速させてまいります。
 障害児福祉の所得制限についてお尋ねがありました。
 障害児福祉については、所得に応じて利用者負担をいただく応能負担の制度としていますが、これまで、令和元年十月から、三歳から五歳の福祉サービスの利用者負担を所得にかかわらず無償化、昨年四月から、補装具費支給制度の所得制限を撤廃などの見直しを行ってきました。
 また、現金給付である特別児童扶養手当等の所得制限は、障害児の生活の安定に寄与するよう必要な範囲で支給するという制度趣旨や、他の所得制限を有する制度との均衡を踏まえたものです。
 障害児への必要な支援の実施状況や制度の持続可能性等を踏まえつつ、適正に運用してまいります。
 扶養控除についてお尋ねがありました。
 扶養控除は、親族の扶養に伴う担税力の減殺を踏まえて設けられているものであり、扶養親族の各類型の特徴や、その他の支援策等との関係を踏まえ、その対象や控除額が設定されています。
 その上で、高校生年代の扶養控除については、令和六年度、令和七年度の与党税制改正大綱において、これから実施される高校無償化ではなく、既に実施済みの児童手当を始めとする子育て関連施策との関係や、所得税の所得再分配機能等の観点等を踏まえつつ、令和八年度以降の税制改正において結論を得るものとされており、現在、与党税制調査会で議論されているものと承知しております。
 政府としては、与党における御議論の結果を踏まえ、適切に対応してまいります。
 教育国債についてお尋ねがありました。
 現在の我が国が直面する少子化を克服する子育ての支援や、強い経済の基盤となる優れた科学技術力の確保、イノベーションを起こす人材育成のため、必要な子育て、教育、科学技術予算を措置してまいります。
 なお、教育国債とするか否かは未定ですが、リスクを最小化し、未来を創造するための投資に係る新しい財源調達の在り方については、前向きに検討しています。
 消費税についてお尋ねがありました。
 自民党と日本維新の会の連立合意書においては、飲食料品については、二年間に限り消費税の対象としないことも視野に、法制化につき検討を行うとされているように、消費税率の引下げについては、選択肢として排除するものではありません。
 他方で、消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、現役世代などの特定の層に負担が集中することがないなどの特徴を有しており、社会保障の財源として活用され、社会保障給付という形で家計に還元されていることにも留意する必要があります。
 現在、内閣として最優先に取り組むべきことは、物価高対策であり、暮らしの安心を確実かつ迅速に届けることです。
 速やかに対応できる物価高対策などに優先して取り組み、できる限り早期に実施に移してまいります。
 また、インボイス制度につきましては、今の複数税率の下で事業者が仕入れ税額控除において差し引く金額を正しく計算できるようにすることで、消費税の課税が適正に行われることを確保するために必要な仕組みとして導入されたものであり、廃止は考えておりません。
 ハイパー償却税制及び加速償却についてお尋ねがありました。
 ハイパー償却税制は、設備投資の取得額以上の減価償却を認める制度であると承知をしております。
 ハイパー償却の有効性、海外制度の利用実態なども踏まえつつ、必要な措置についてしっかり議論を深めてまいります。
 また、御指摘の一括償却や加速償却は、本来の耐用年数にかかわらない期間での減価償却を認める制度であると承知をしております。
 これらと同様、即時償却は、設備投資額について即時に全額減価償却を認める制度ですが、設備投資を行う企業のキャッシュフロー改善効果が見込まれ、政府による投資促進策として、欧米各国でも同様の制度が導入されていると承知をしております。
 我が国では、先月二十一日に閣議決定された総合経済対策に基づき、強い経済を実現するような成長投資を強力に促進するため、即時償却を含む大胆な設備投資減税の創設に向けて検討を進めてまいります。
 日本株や日本国債を対象とする国内投資枠をNISAに新設することについてお尋ねがありました。
 NISAの投資枠については、老後等に備えた十分な資産形成を可能とする観点から、令和五年度税制改正において抜本的拡充及び恒久化が行われたばかりであり、まずはその活用状況を見極めたいと考えています。
 また、この投資枠については、家計の安定的な資産形成の観点から、国や地域も含む投資対象の分散が有効であることも踏まえる必要があると考えています。
 その上で、国内投資を活性化させ、経済成長につなげていくためには、コーポレートガバナンス改革等の中長期的な企業価値の向上を後押しする取組を通じ、日本企業自身の魅力を高めていくことが重要だと考えております。
 暗号資産の税制改正についてお尋ねがありました。
 暗号資産取引に係る課税については、昨年末の令和七年度与党税制改正大綱において、一定の暗号資産を金融商品として業法の中で位置づけ、投資家保護のための規制等の必要な法整備をするとともに、取引業者等による取引内容の税務当局への報告義務の整備等をすることを前提に、見直しを検討するとされたところです。
 暗号資産に関する課税の見直しについては、現在、与党の税制調査会において、検討が進められているものと承知をしております。政府としては、与党税制調査会の検討を踏まえ、適切に対応してまいります。
 自動車関係諸税についてお尋ねがありました。
 環境性能割については、私は自民党の総裁選において、二年間に限定して停止し、自動車の買換え時期を迎えている方に自動車を購入するモチベーションを喚起し、大事な自動車産業を守ってまいりたいと訴えておりました。
 また、自動車重量税の暫定税率は、当初、道路財源の充実等の観点から導入され、平成二十二年の廃止後も、地球温暖化対策の観点も考慮し、当分の間税率として措置されているものです。
 国、地方の財政状況、特に税収の一部を地方公共団体に譲与していることや、環境負荷に応じた税率を設定していること等も踏まえれば、その廃止については慎重であるべきと考えております。
 自動車関係諸税につきましては、令和七年度与党税制改正大綱において、日本の自動車戦略、インフラ整備の長期展望、カーボンニュートラル目標実現等の観点を踏まえ、国、地方を通じた安定的な財源確保を前提に、中長期的な視点から検討するとされています。
 こうしたことも含めて、与党税制調査会でも議論をいただき、政府としてはその結果を踏まえて適切に対応してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣片山さつき君登壇〕

発言情報

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発言者: 高市早苗

speaker_id: 24045

日付: 2025-12-08

院: 衆議院

会議名: 本会議