赤澤亮正の発言 (経済産業委員会)

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○国務大臣(赤澤亮正君) おはようございます。
 第二百十九回国会における経済産業委員会の御審議に先立ち、経済産業行政を取り巻く諸課題及び取組につきまして、経済産業大臣、原子力経済被害担当大臣、GX実行推進担当大臣、産業競争力担当大臣、原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当の内閣府特命担当大臣として申し上げます。
 世界では、米国の関税措置や、米中欧を始め各国による自国優先の大規模な産業政策の展開など、自由主義経済に代わる新たな国際秩序が生まれようとしています。
 国内に目を向けると、賃上げや国内投資が約三十年ぶりの高水準となり、名目GDPも初めて六百兆円の大台を超えるなど、日本経済に明るい兆しが現れています。
 他方で、我が国は人口減少や少子高齢化という構造的要因に直面しております。労働力人口の縮小は、生産能力の低下を通じて供給面に制約をもたらします。加えて、世界的な資源価格の変動など外部要因も重なり、インフレ圧力が高まる懸念があります。
 こうした状況の中では、官民の投資により日本経済の供給力を高めることが需要と供給のバランスや物価の安定につながっていきます。米国の関税措置などの国際秩序の変化に対応しつつ、現下のマクロ経済環境認識を踏まえて、高市内閣が目指す強い経済を実現していくために、供給力の強化や輸出拡大も含めた経済産業政策、成長戦略の重要性がますます高まっています。
 私は、こうした認識の下、経済産業大臣として所信を申し述べます。
 まず、高市内閣の最優先課題である物価高への対応に取り組みます。
 ガソリンの暫定税率については、本年十二月三十一日に廃止するという与野党の合意を踏まえ、燃料流通業界などとよく連携し、現場の混乱をできるだけ抑制するよう、適切に対応してまいります。寒さの厳しい冬の間の電気・ガス料金の支援にも取り組みます。
 物価上昇を上回る賃上げを実現するため、中小企業・小規模事業者が生産性を上げて賃上げの原資を獲得し、賃上げにつなげていくことが極めて重要です。企業の成長や生産性の向上により稼ぐ力を高め、強い中小企業を目指して経営を行っている中小企業を全力で応援します。
 価格転嫁対策については、中小企業等が事業の正当な対価を得て投資や賃上げの原資を確保するために、官公需も含めた取引適正化を徹底します。前の国会で改正した中小受託取引適正化法、取適法、そして受託中小企業振興法、振興法の来年一月の施行準備に加え、現行法の厳正な執行等に努めます。
 さらに、労働供給制約社会における中堅・中小企業の稼ぐ力の強化に向け、中堅企業や売上高百億円を目指す中小企業の成長投資や、中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けた取組、事業承継、MアンドA等による事業再編を徹底的に支援します。
 危機管理投資は高市内閣の成長戦略の肝です。
 十一月四日に設置された日本成長戦略本部や十日に初会合を開催した日本成長戦略会議での総理指示を踏まえつつ、AI・半導体や量子、バイオ、航空・宇宙、エネルギー・GXなど戦略分野を中心に、大胆な設備投資や研究開発の促進など、総合的な支援措置策を早急に検討し、官民の積極的な投資を引き出します。あわせて、新技術立国・競争力強化の担当大臣として、これらの経済安全保障上重要な分野における危機管理投資に関する新たな財源確保の枠組みについても検討に着手します。
 エネルギー分野では、DXやGXの進展で電力需要が増加する中で、安全性確保と地域理解を大前提として、原子力を最大限活用します。ペロブスカイト太陽電池、洋上風力、地熱等の再生可能エネルギーは、エネルギー自給率の向上に寄与するエネルギーであり、地域共生を前提として導入を進めます。一方で、安全、景観、自然環境等の観点から、不適切なメガソーラー等の事業には厳格な対応を検討します。
 資源調達先の多角化にも注力しつつ、国産資源開発も進めます。日本のエネルギー制約を抜本的に変え得るフュージョンエネルギーや次世代革新炉の早期の社会実装を目指します。
 加えて、コンテンツ産業を含めたデジタル関連産業の海外展開も支援します。ディープテックスタートアップの研究開発、事業化の支援や政府による調達の拡大、地方大学発、高専発スタートアップの育成強化を含め、スタートアップ支援策を抜本強化します。
 米国との関係については、先月末に行われた高市総理とトランプ大統領の会談も踏まえ、五千五百億ドルの対米投資イニシアチブの具体化など、日米関税合意を引き続き誠実かつ速やかに実施します。日米は特別なパートナーであり、両国が協力して経済安全保障上重要な分野のサプライチェーンを構築することで、日米両国の経済を力強く成長させ、我が国の国益を最大化します。
 国内への影響については、日米関税交渉を通じて、五兆円超毎年課されるはずの関税を二兆円超削減したこと、そして他国に負けない交易条件や予見可能性を確保したことについて一定の評価をいただいています。
 しかしながら、一定の税率が残っているのも厳然たる事実であり、様々な影響に適切に対応する必要があります。中小企業向けの資金繰り支援や国内市場の活性化を進めるとともに、対米投資イニシアチブの具体化を通じた米国市場の開拓や、グローバルサウスを含む新市場の開拓等を一層推進していきます。
 米国関税対応など米国との調整を進めていくのと同時に、CPTPPやAPEC、AZECなどの様々な枠組みを通じて、有志国と連携した自由貿易と法の支配の取組を進めるハイブリッドな通商戦略を展開してまいります。
 さらに、経済安全保障の観点から、レアアースや半導体等の重要な物資のサプライチェーンを特定の国に過度に依存することのないよう、国内の産業技術基盤の強化を進め、サプライチェーンの強靱化、多様化を図っていきます。
 福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし。
 福島の復興と東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉は経済産業省の最重要課題であり、着任後すぐに福島県に足を運びました。廃炉の進捗を確認するとともに、知事や被災自治体の首長の皆様とお会いして、私自身が先頭に立って福島の復興に最後まで責任を持って取り組んでいくという決意をお伝えしました。
 安全かつ着実な廃炉とALPS処理水の海洋放出や、避難指示解除に向けた取組、事業、なりわいの再生や新産業の創出などに全力で取り組んでいきます。
 能登半島地震と豪雨災害からの復興についても、伝統産業を含めて、被災した事業者のなりわいの再建を支援していきます。
 最後になりますが、十月十三日に閉幕し、累計約二千九百万人もの皆様に御来場いただき、また運営費についても最大二百八十億円の黒字が見込まれるなど、大きな成功を収めることができた大阪・関西万博。経済産業委員会の理事、委員の皆様にも多大なる御支援を賜り、またミャクミャクを御愛顧いただき、本当にありがとうございました。今後は、成果の検証とレガシー継承の具体化について検討を進めます。
 以上申し述べましたとおり、経済産業行政は多くの課題に直面をしております。様々な御意見に耳を傾けながら、経済産業大臣として全身全霊で職務に取り組んでまいります。
 浜口委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

発言情報

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発言者: 赤澤亮正

speaker_id: 10213

日付: 2025-11-18

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会