中西祐介の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。
会派を代表して発言をさせていただきます。
参議院におけるここまでの貴重な御意見の積み重ねに心から敬意を表したいというふうに存じます。また、本日から新たに参画されました新しい会派の皆さんも心から歓迎をしたいと思います。
ここで議論を整理し、参議院憲法審査会における運営に不断の努力を重ねることが、国民の皆さんの負託に応える、参議院の求められている姿だというふうに承知をしております。
そこで、参議院における議論の中で、我が会派を含む多くの会派から意見が寄せられた緊急事態条項、そして自衛隊明記、合区解消と地方公共団体の三つについて考え方を整理すべき項目としてはどうかと考えています。
このうち緊急事態条項と自衛隊明記は、我が党の憲法改正実現本部の方針として、議論を加速化し、可及的速やかに条文化作業に入るよう、衆参の実務担当者によるワーキングチームを昨年夏に立ち上げましたが、その取りまとめに沿って我が会派は意見を述べてまいりました。その考え方の骨子を以下簡潔に申し述べますので、共通の御理解と論点整理のために共有をさせていただきます。
最初に、緊急事態対応です。
まず、憲法改正により対応すべきと整理された事項ですが、一つ、参議院の緊急集会が、憲法で明文化されている衆議院解散時のみならず、衆議院議員任期満了時にも参議院の緊急集会が対応し得るよう、現行では解釈上可能であるものの、憲法上明記すべきであります。
二つ目。さらに、任期特例でございますが、我が党の条文イメージのとおり、一定の要件を満たすときには認めるべきであると考えています。
三つ目。その上で、任期特例の条文化の際、対象事態には、大地震その他の異常かつ大規模な災害に加えて、これと同等、同程度に深刻で国難ともいうべき武力攻撃、テロ・内乱等の事態も対象とすべきと考えています。
また、参議院の緊急集会ですが、その位置付けについては、一つ、現憲法において唯一の緊急事態条項であり、参議院の重要な権能であること、また二つ目、憲法五十四条一項に定める総選挙までの四十日と特別会召集までの三十日を合計した七十日間は参議院の緊急集会の活動期間を厳格に規定するものではないとしております。
さらに、その権能などでございますが、一つ、緊急集会は国会の代行機関であり、原則として国会の権能の全てに及ぶ、二つ目、権限行使の範囲については、国に緊急の必要があるときに集会が求められることから、この緊急性の要件を満たすか否かで判断されるべきと考えています。
次に、第九条についてですが、我が会派は、実現可能な憲法改正案とすべく、九条一項、二項の条文及びその解釈を維持し、必要な自衛の措置を担う等身大の自衛隊を明記するとした経緯を踏まえて、この条文イメージの枠組みを前提とすべきと確認しています。
また、条文イメージで明記されているシビリアンコントロールも、自衛隊を明記する以上、憲法に規定することが必要であるとの共通認識であります。その上で、現行九条との関係を整理する文言、さらには、条文の置き場所については引き続き議論をしていくことが確認されています。
最後に、合区解消と地方公共団体ですが、本年の憲法審査会までで重ねて私から申し述べてまいりましたが、これまでの合区選挙で明らかになった投票率の低下や無効票の増加という弊害を前にして、改正されず放置してきたことは立法府の不作為というべき事態であり、一刻も早い是正は国会の責務であると考えています。
最高裁は、令和五年判決で初めて、有権者において、都道府県ごとに地域の事情に通じた国会議員を選出するとの考え方がなお強く、これが選挙に対する関心や投票行動に影響を与えているかどうかがうかがわれると指摘しています。
昨年の報道機関の世論調査でも、参議院議員は地域の代表として都道府県から一人以上選択されるのがよいと考える割合が六割以上であります。また、全国知事会を始めとする地方六団体も、合区の解消及び都道府県単位での参議院議員の選出を毎年決議をされているところであります。
本年、徳島弁護士会が取りまとめた合区反対の意見書では、合区制度は、住民がひとしく持つ公務員を選定する権利を侵害しかねず、国民主権を定める憲法に違反する疑いがあると訴えておられます。もし、衆議院議員不在時に大規模災害等が発生し、現憲法上唯一の緊急事態対応である参議院の緊急集会が開催されたとしても、合区選挙区では代表がいない地域がある可能性も深刻な問題であります。
そして、この合区問題の主たる原因は、全国知事会も指摘しているとおり、現憲法の地方自治の規定が第八章の僅か四条にとどまり、第九十二条における地方自治の本旨が余りにも抽象的であることにあると考えられています。これら地方自治の規定の規律密度の低さと、地方公共団体が果たす役割の重要さと大きさという現実は、まさに是正すべき現実と憲法の乖離ではないでしょうか。
参議院議員選挙後の新たな体制の下で、参議院議員改革協議会が間もなく動き出すわけでありますけれども、我が会派は、合区問題の背景にある憲法における地方自治の規定について、この憲法審査会において更に議論を深めるべきであると重ねて申し上げます。
加えて、憲法改正広報協議会の運営や組織を定める規程など、憲法条文以外にも多くの制度的な環境整備について議論を進めるべき点があると考えておりますので、各会派の皆様との協議を重ねさせていただく中で、お考えも拝聴したいと存じます。
以上です。