加藤広亮の発言 (財政金融委員会)

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○参考人(加藤広亮君) スルガ銀行社長の加藤でございます。
 本日は、意見陳述の機会をいただき、御礼申し上げます。
 まず最初に、アパマン問題の被害者の皆様に対し、深くおわびを申し上げます。(発言する者あり)あっ、ごめんなさい。ありがとうございます。もう一度、大事なところですので繰り返させていただきます。まず最初に、アパマン問題の被害者の皆様に対し、深くおわびを申し上げます。
 アパマン問題は、当社ガバナンスの機能不全に端を発した問題であると認識しております。アパマン問題に関する民事調停の申立てがあってから約四年、シェアハウスに関する不正融資問題が明らかになってから約七年、大変な長期間にわたり被害者の皆様に御心配、御心労をお掛けしておりますことを心よりおわびを申し上げます。
 また、参議院財政金融委員会の委員長、委員の皆様におかれましては、このアパマン問題を昨年来御審議いただき、被害者の皆様に寄り添った形で一日でも早い解決を図るべきであるとの御叱正を多々頂戴いたしました。
 私自身、御審議の状況をつぶさに拝見し、また同時に、私どもの取組の不十分さを反省し、被害者の皆様に寄り添った形での一日でも早い解決をどう図るべきか模索してまいりました。
 そんな中、昨年十月に裁判所から最終的な調停勧告が示され、十二月十五日が回答期限とされました。私どもといたしましては、この調停勧告に全面的に応じる意思を十一月に表明いたしましたが、大変有り難いことに、SI被害弁護団様からも調停勧告に沿って紛争解決を図ることが最善であるとの御意向を伺うことができたことから、昨年十二月十五日、SI被害弁護団様との共同記者会見を開くことができました。現状は、SI被害弁護団様のお力をお借りし、被害者の皆様お一人お一人に調停勧告の内容や御返済プランなどの個別説明を進めさせていただいているところでございます。
 今週一月二十日でございますが、裁判所の御指示で延期された再度の回答期限がございました。これまでに、一月二十日までに、解決金支払対象物件の九九%で和解が成立し、解決金支払対象外物件の二三%に当たる皆様からは調停の枠組みに沿った解決を御検討いただけるとの御意向を伺うことができました。
 当社としては、今後も、調停で示された御見解に沿った解決を図るとともに、被害者それぞれの皆様の個別の御事情に寄り添い、誠実かつ真摯に解決に向けた対話を更に進めてまいる覚悟です。何とぞ御理解のほどお願いを申し上げます。
 さて、アパマン問題の根本原因について少しお話をさせていただきたいと思います。
 当社は、二〇一八年十月に金融庁より業務改善命令を受領、その翌月、業務改善計画を提出いたしました。その業務改善計画において、問題の根本原因として、長年の創業家支配により、創業家本位の企業風土が醸成され営業優位の過度な短期的利益を追求する余り、銀行としての自覚及び上場企業としての自覚が欠如し、その結果、ガバナンス、コンプライアンスが機能不全に陥ったとの反省を述べております。このガバナンスの機能不全は、シェアハウスの問題だけでなく、アパマン問題にも通底する根本原因であったと私は考えております。
 私はスルガ銀行に副社長として入社しましたのは二〇二〇年になってからではございますが、当社は、このガバナンス機能の回復に真剣に取り組んでまいりました。具体的には、資本関係を含む創業家との関係遮断、当時の取締役陣の経営責任の追及、合計百十七名の社員に対する人事処分、社外有識者を中心とするコンプライアンス体制再構築委員会の設置、監査等委員会設置会社への移行、企業文化刷新の取組などでございます。
 今申し上げました当時の取締役陣の経営責任の追及につきましては、損害賠償請求訴訟を静岡地方裁判所に申立てしておりましたが、昨年十月三十一日に第一審判決が出され、旧経営陣が、シェアハウス関連融資における不適切な対応に関し、債権保全遂行に関わる職務上の善管注意義務違反等により、当社に対する損害賠償責任総額約十三億円を負うという司法判断が示されました。
 このように、ガバナンス機能の回復に向け、私及び現経営陣は必死かつ不断の取組を続けており、社員のコンプライアンス意識向上などの成果が現れてきていると考えております。ただし、現状に甘んじることなく、今後も一層の改善に取り組んでまいる覚悟でありますこと、何とぞ御理解を頂戴できますと幸いです。
 では次に、本日御審議をいただく前提となります調停勧告の概要につきまして簡単に御説明をさせていただきます。
 この調停勧告は、東京地方裁判所及び調停委員会の皆様が主導され、双方の主張を丁寧に聞くプロセス、多面的な御審議を得た上での司法の御見解であります。
 一点補足させていただきますと、当社が証拠、例えば当社が当時人事処分をした社員の氏名を提出しないために、裁判所がいわゆる黒、有責、責任がある、そういった認定ができなかったのではないかとの御質問をいただいております。
 これにつきましては、当社は、裁判所の求めに応じた適切な情報提供、例えば二〇一九年五月に公表した全件調査の詳細や担当社員の人事処分の有無なども含めて、非公式の形ではありますが、裁判所限りにて資料提出をしております。社員個人のプライバシーに当たる件ですので一般への公表やSI被害弁護団様への資料提出はできませんでしたが、今回の調停勧告は、これら司法の場に提示された全ての情報を踏まえた上での公正な御判断であると理解しております。
 また、民事調停の詳細につきましては、関係当事者は守秘義務を負っているため、このような資料提出をしているとの御説明を申し上げることがこれまではかないませんでした。しかし、最終的な調停勧告が示され、十二月十五日以降はその開示も認められたことを勘案し、これまでより具体的な御説明を今回申し上げました。
 このように、当社からの御説明に当たりましては、一定の制約があることにつきましても御理解を賜れますと幸いです。
 さて、勧告の概要でございますが、係争中の六百五物件のうち約三割に当たる百九十四物件については、当社が総額百二十一億円、一物件平均で約六千二百万円の解決金を支払うことを前提に、本件紛争を解決することが勧告されました。また、約七割に当たる四百十物件については、不法行為の成立する余地がないことを前提とする債務弁済協定等による調停内での紛争解決を目指してもらいたいとの司法としての御見解が示されました。
 先ほど申し上げましたとおり、今週一月二十日、裁判所の御指示で延期された再度の回答期限がございました。その時点では、解決金支払対象百九十四物件の九九%で和解が成立し、解決金支払対象外四百十物件の二三%に当たる皆様からは調停勧告の枠組みに沿った解決を御検討いただけるとの御意向を伺うことができましたことを御報告させていただきます。
 最後になりますが、スルガ銀行は今、過去の過ちを清算し、役社員共に生まれ変わり、真摯、誠実にお客様に寄り添いながら進む銀行へと変化しております。そして、二度と不正を起こさない強固なガバナンス体制の構築はもちろんのこと、お客様からの御信頼を頂戴し、地域社会から真に必要とされる銀行でありたいと願っております。
 アパマン問題の解決におきましても、被害者の皆様が一日でも早く御不安のない日常を取り戻していただけますよう、被害者お一人お一人の御事情に寄り添い、誠心誠意取り組んでまいることを改めてお誓い申し上げ、私の意見陳述とさせていただきます。
 本日は、このような意見陳述の機会を頂戴し、誠にありがとうございました。

発言情報

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発言者: 加藤広亮

speaker_id: 28198

日付: 2026-01-22

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会