松本洋平の発言 (文教科学委員会)
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○国務大臣(松本洋平君) 文部科学大臣の松本洋平です。
今後とも、熊谷委員長を始め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
第二百十九回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、御挨拶を申し上げます。
今、我が国は、将来の予測が困難な激動の時代にあります。また、少子高齢化、国際情勢の変化やグローバル化の進展など、社会課題も山積しています。
こうした中、文部科学省が担う教育、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術は、全ての政策の根底にある人間の力を育み、豊かな未来をつくる根幹として重要な役割を果たします。
文部科学大臣として、一人一人が未来に希望を持てる社会を形成していけるよう、文部科学行政を着実に前に進めてまいります。
教育は、国家、社会の礎であり、発展の原動力です。誰しもが最適な教育を受けることができるよう、公教育の再生を始めとする教育の振興に全力を挙げてまいります。
子供たちが学ぶ教育の質を高めることは重要です。
これからの時代にふさわしい次期学習指導要領等の在り方について、より質の高い、深い学びを実現するとともに、多様な子供たちを包摂するため、中央教育審議会等での丁寧な検討を進めます。
個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や、教職員の負担軽減に向け、GIGAスクール構想の更なる推進は必要不可欠です。端末更新やネットワーク環境の改善、校務DXの加速化、現場の実態に即したデジタル教科書の活用などを進めます。
あわせて、デジタル・グローバル人材や地域の経済成長を担う人材育成を抜本的に強化するため、DXハイスクール事業等を通じた探究的、文理横断的、実践的な学びや、AIの活用、地域の魅力発信等を通じた英語教育などを推進します。
グローバル化の進展を踏まえ、日本語教育機関認定制度の着実な実施、日本人学校等の機能強化、人的交流、日本型教育の海外展開等を推進いたします。
幼児教育も重要であり、全ての子供が質の高い幼児教育を受けられるよう取り組みます。
不登校児童生徒数やいじめ重大事態の発生件数、小中高生の自殺者数は過去最多となるなど、極めて憂慮すべき状況が継続しています。関係省庁と連携し、より一層対策を推進します。
障害のある子供たち、貧困や虐待などの困難を抱える子供たち、夜間中学での学びを必要としている方など、多様な背景を有する方が安心、安全に学ぶことのできる環境を整備します。
教育は未来を形作る大変尊い仕事であり、その要は教師です。改正給特法なども踏まえ、教育の担い手である教職員が安心して本務に集中できる環境づくりに向け、学校における働き方改革、学校の指導、運営体制の充実、処遇の改善を総合的に進めます。
また、中央教育審議会の議論も踏まえながら、質の高い教職員集団の形成を含めた、教師の養成、採用、研修の一体的な改革を進めます。
教師による児童生徒への性暴力等は決して許されません。教員性暴力等防止法やこども性暴力防止法等を踏まえ、関係機関との連携も含めた厳正な取組や生命の安全教育を推進します。
学校の地域、家庭との連携、協働も必要不可欠です。コミュニティ・スクールの導入を加速し、社会教育改革の推進や、部活動の地域展開、連携の全国実施を進めます。学校施設についても、教育環境の向上と老朽化対策を一体的に進めます。
誰一人取り残されることなく、子供たちの学びの機会を確保することは、文部科学省の使命です。
経済状況によらず、質の高い教育にアクセスできるよう、教育の質の向上と併せて、教育費の負担軽減を切れ目なく行います。
いわゆる高校無償化に係る対応については、具体的な制度設計の検討等を進め、高校教育改革とともに、その実現に向けて取り組んでまいります。いわゆる給食無償化については、三党間での合意等を踏まえ、適切に対応してまいります。高等教育費については、本年度から実施している授業料等無償化の多子世帯への拡充を着実に進めるとともに、引き続き、負担軽減、支援の拡充に取り組みます。
高等教育は、新しい知的、文化的、社会的価値を生み出し、社会構造の変化に応じた人材を育成する使命を担っています。
この使命を果たすため、知の総和答申等を踏まえ、教育研究の質の高度化、高等教育全体の規模の適正化、高等教育へのアクセス確保を図ります。
国際的にも高い理数系のリテラシーを持つ子供たちが、理系離れを起こすことなく、高等教育段階においても適性や関心に応じて学べる環境を確保するとともに、人材需給ギャップを解消すべく、文理分断型の学びからの脱却、高等教育の構造改革を目指します。
あわせて、地域のニーズも踏まえた関係者の対話の場である地域構想推進プラットフォーム構築への支援、大学における成長分野への学部等転換、高等専門学校の新設支援、大学や高等専門学校の高度化、国際化、産学官が連携したリスキリングの機会や専修学校教育の充実に取り組みます。
また、物価、人件費の上昇等も踏まえ、国立大学法人運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成等の基盤的経費の安定的な確保や、大学病院の機能強化と経営支援を通じ、改革の基盤を支えます。
こうした高校、大学、大学院を通じた一体的な改革などについて、私の下に新たに設置した人材育成システム改革推進タスクフォースにおいて議論を進めてまいります。
科学技術・イノベーションは、国内外の社会課題の解決に貢献し、持続可能で強靱な社会を構築する源泉です。第六期科学技術・イノベーション基本計画を着実に推進するとともに、科学の再興を通じた新技術立国の実現など、第七期基本計画に向けた検討を進め、国民に夢と希望を与え、生活を豊かにすべく、関連する施策を総動員してまいります。
先日、我が国の研究者がノーベル生理学・医学賞、ノーベル化学賞を受賞されました。今回の受賞は、我が国の研究水準を改めて世界に示すものであり、今後も、優れた科学技術・イノベーションの成果が創出されるよう、基礎研究の支援を含め多様な支援を継続して行います。
我が国の研究力の向上に向け、基盤的経費に加え、科研費などの競争的研究費の確保に努めるとともに、国際卓越研究大学や地域の中核となる大学、特色ある研究大学等への支援を推進します。また、産学官連携拠点の形成やスタートアップ創出支援、アントレプレナーシップ教育の充実等を通じ、研究成果の社会実装を図ります。
博士課程学生、若手研究者、研究開発マネジメント人材など、科学技術人材に対する官民投資の充実に取り組みます。
大型放射光施設SPring8の高度化、「富岳」の次世代機の開発、整備を始め、先端大型研究施設の整備、共用、高度化を推進するとともに、論文等のオープンアクセス化や大学等における研究環境の刷新を進めます。また、先進国、ASEAN、インド等との国際頭脳循環に向けた取組を推進します。
AI・フォー・サイエンスによる科学研究の革新に向けた取組を推進するとともに、マテリアル、ライフサイエンス、量子技術、フュージョンエネルギー等、国家戦略を踏まえた重要分野の研究開発を戦略的に進めます。
宇宙・航空分野は、フロンティア研究、新産業やイノベーションの創出、安全保障の観点からも重要です。日本人初の月面着陸を目指すアルテミス計画への参画、基幹ロケットの開発、宇宙戦略基金による先端技術への支援等を進めます。海洋・極域分野では、北極域研究船みらいⅡの就航に向けた着実な建造を含む研究開発を推進します。また、地震津波火山観測網の整備、運用や、火山調査研究推進本部における調査研究など、地震・火山・防災分野の研究開発や人材育成を推進します。
さらに、革新的なGX技術に関する研究開発、ITER計画、BA活動等のフュージョンエネルギーに関する研究開発、高速実験炉「常陽」等の原子力科学技術に関する研究開発、「もんじゅ」等の安全、着実かつ計画的な廃止措置等、世界をリードする研究開発や人材育成を推進します。また、関係府省と連携し、科学技術分野における経済安全保障に資する取組を進めます。
スポーツには、国民の人生を豊かにし、社会に活力を生み出す力があります。改正スポーツ基本法、第三期スポーツ基本計画に基づく施策を推進し、スポーツ立国の実現を目指します。
ミラノ・コルティナ二〇二六大会等に向けた国際競技力の向上、スポーツインテグリティーの確保、学校体育の充実や地域におけるスポーツ環境整備を推進します。
また、東京二〇二五デフリンピック競技大会、二〇二六年アジア・アジアパラ競技大会等の開催支援や、スポーツを通じ、地域、経済の活性化、健康増進、共生社会の実現にも尽力します。
文化芸術は、人々の創造性を育み、心豊かな活力ある社会の形成に寄与します。文化芸術推進基本計画に基づき、伝統的な文化芸術を継承、発展させ、新たな文化芸術の創造を促進するとともに、文化庁の京都移転を契機とした地方創生や、文化芸術と経済の好循環を加速し、文化芸術立国を実現します。我が国が誇る豊かな文化資源は、各地域において長きにわたり受け継がれてきた国民的財産です。こうした文化資源の持続可能な保存、継承体制を構築するとともに、日本遺産等の地域の文化資源を磨き上げ、日本博の新たな展開の検討、食文化等の生活文化振興等を通じた文化観光の推進と地域文化の振興に取り組みます。コンテンツ産業について、政府目標である二〇三三年までに海外売上高を二十兆円とすることを見据えて、関係省庁と連携しつつ、クリエーターの育成支援等を推進します。
我が国の文化芸術の顔である国立劇場については、国が責任を持って早急に再整備を進めるとともに、メディア芸術ナショナルセンターの機能を有する拠点整備を推進します。また、DX時代の著作権施策の推進、方言の保存、継承や文字・活字文化の振興、子供や障害者の文化芸術体験の機会充実を進めます。
旧統一教会の解散命令請求に係る裁判の審理等に万全を期すとともに、特定不法行為等被害者特例法の円滑な執行や被害者の救済に最大限努力します。また、不活動宗教法人対策を徹底してまいります。
東日本大震災や能登半島地震などの災害の経験は、決して忘れてはなりません。文部科学省としては、被災者に寄り添い、子供たちの心のケアや学校再開、文化財の復旧、原子力損害賠償の着実な実施等に全力で取り組んでまいります。また、避難所ともなる体育館への空調整備など、学校施設の防災機能強化の推進や、被災地学び支援派遣等枠組み、D―ESTの充実を図ります。
文部科学行政を前に進める力の源泉は、現場にこそあります。様々な声に耳を傾けながら、現場主義を徹底し、未来への希望を実感できる社会となるよう、必要とされる政策を全力で実行してまいります。国会におきましても、皆様方の御理解が得られるよう、丁寧に、真摯に対応してまいります。引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。