神谷宗幣の発言 (本会議)
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○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。
会派を代表して、高市総理の所信表明に対して質問をいたします。
高市総理、第百四代内閣総理大臣就任、誠におめでとうございます。就任早々、トランプ大統領との会談を始めとする様々な外交活動に続いての国会での質疑、大変かと思いますが、よろしくお願いいたします。
本日は、党を代表して本会議場で質問に立つ初めての機会となりますので、冒頭、我々参政党のスタンスを説明してから質問に入りたいと思います。
参政党は、投票したい政党がないなら自分たちでゼロからつくろうと呼びかけ、二〇一九年からユーチューブで賛同者を募り、翌二〇二〇年に結党しました。業界団体、宗教団体の支援や企業献金を一切受けず、党員の党費と個人献金でつくってきた草の根の国民政党です。
参政党の理念は、国益を守り、世界に大調和をつくることです。国益とは国民の暮らしと誇りを守ることであり、国民には、今を生きる我々だけではなく、日本をつくってきた御先祖様とこれから生まれてくる子供たちも含まれます。世界の大調和とは、日本が真に自立をし、バランス・オブ・パワーにより世界の軍事的な衝突、戦争や争いをなくしていくことです。
この理念の実現のために我々は参政党を結党し、政治を諦めて選挙に行かなくなっていた国民の受皿をつくって、全国津々浦々で政治への参加を呼びかけ、結党から五年半で十八名の国会議員を擁するまでに成長し、こうして総理に質問する機会を得るに至りました。ここまで全国で支えてくださった党員や支持してくださった皆様に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。
我々の飛躍は今年の参議院選挙でした。スローガンは日本人ファースト。行き過ぎたグローバリズムに歯止めを掛け、反グローバリズムの政策を進めるという思いを込めたものでした。
グローバリズムとは、情報や交通の発達により多国籍企業が台頭し、富と権力が一部の大企業や富裕層、ロビイストといったグローバルエリートに集中し、彼らが国の主権を超えて市場やルールを作って世界を動かしていく行為や思想のことを指します。
彼らは、国境をなくし、人、物、金の移動を自由にし、世界を一つにすることが正義であり、そうして生まれてくる混在化社会を多様性だと評価します。しかし、その結果を見ると、経済格差の拡大、民主主義の機能不全、中産階級の貧困化が進み、各国の主権や文化が損なわれてきたという現実があります。
こうした流れへの民衆の反発こそが反グローバリズムであり、日本人ファーストの政治運動です。このうねりは、グローバルエリートが既存メディアを使って世論をコントロールしようとする動きを超えて、SNSなどを通じて欧米を中心に世界中に広がっています。我が国の理念や活動はこうした世界の潮流の中から生まれたものです。
こうしたことを前提に、高市政権の政策の方向性について伺います。
総理は所信において、何をするにも強い経済をつくることが必要と述べられましたが、経済政策のキーワードである責任ある積極財政とは一体どういったものなのかを改めて御説明ください。
それが税金を集めて使うということであれば、これまで誤りを重ねてきた三十年の延長にほかならないものと考えます。政府は、集めて使う、集めて配るを繰り返してきましたが、使い方が適切ではなく、日本国民は豊かにはなれず、むしろ貧困が拡大しました。税と社会保険料を合わせた国民負担率も、三十年前の三五%から四六%へ上昇しています。これ以上集める前に、減税によって国民の自由な選択でお金が使える環境を整えるべきです。
日本は内需中心の国であり、国民の消費が活発になれば必ず経済も拡大し、税収も増えます。こうした観点から、政府支出の拡大に先立ち、大幅な減税を優先すべきと考えますが、責任ある積極財政における減税の位置付けについて総理の御所見をお伺いします。
次に、減税の方法についてです。
ガソリン税の上乗せ廃止は評価いたしますが、代替財源を議論していては意味がありません。
物価高対策といっても、日本は長年のデフレで物価が低く、外国人が安い日本に押し寄せてきています。今後、経済が正常化すれば物価上昇は避けられず、小規模な減税や給付では国民生活の困窮は改善しないと考えます。
今必要なのは、経済の血流を良くし、物価高に負けない成長と賃上げを実現することです。その点で、日本経済の血流を最も止めていると考えられるのが消費税です。消費税は、利益の有無にかかわらず売上げの一部を国に納める第二法人税となっており、国内経済を支える中小企業を最も苦しめる税となっています。
総理のおっしゃる強い経済、特に国内経済の再生には、消費税とインボイスの廃止こそ即効性が高く、最も効果的だと考えます。廃止すれば中小企業に資金が残り、賃上げが進み、個人消費が活性化します。
それにもかかわらず、なぜ総理は消費税減税を避け、制度設計に時間を要する給付付き税額控除にかじを切ろうとされているのか。消費税の逆進性を補うどころか、更なる税率引上げを見据えているようにも見えます。その真意をお聞かせください。
減税の話をすると財源論が必ず出てきますが、税収は増えています。次年度の予算を一・二倍に増やそうとしている今、財源がないとは言えません。
政府は、消費税を廃止した場合の経済効果を試算すらしていません。なぜ消費税の廃止や減税を検討しないのか、総理の見解を伺います。
以下、反グローバリズムの観点から質問していきたいと思います。
まず、公共インフラの民営化について伺います。
公共インフラは、国民の生活を支える基盤であり、本来、公が責任を持つべき領域です。
さきの宮城県知事選挙では、我が党は、政策協定を結んだ候補とともに、水道事業の民営化や民間委託の問題を訴えました。こうした公共の機能を市場に委ねる流れが拡大すれば、国民の富の流出や安全保障上のリスクを招きます。海外では、民営化後に料金の高騰やサービスの低下のほか、外国企業による重要施設の運営をめぐる問題というものも指摘されてきました。
総理は、総務大臣に対し、郵政民営化の成果を国民に実感させよ、NTT法の廃止を検討せよと指示をされました。しかし、郵政民営化は、国民資産を市場にさらし、海外資本が関与し得る構造を生み出してきました。私たちは、国の富の流出を防ぐため、郵政の再公営化を主張しています。
総理の考える郵政民営化の成果とは何か、また、NTT法の廃止を検討される意図もお聞かせください。
また、マイナンバーカードやマイナ保険証も推進されていますが、日本のデジタル基盤は依然としてアメリカ企業のクラウドや技術に依存しています。この構造のままデジタル化が進めば、海外企業への支払が年々増え、いわゆるデジタル赤字は膨らむ一方です。既にこの赤字は年間七兆円規模に達すると試算されており、今後も拡大が見込まれます。さらに、データの運用基盤を海外企業のクラウドに依存すれば、国家としての情報主権や安全保障にも深刻なリスクを抱えることになります。
日本がデジタル植民地といった形にならぬよう、デジタルの赤字と情報インフラ依存の是正について、総理の御所見をお伺いします。
次に、エネルギー安全保障についてです。
国産エネルギー重視の方針というものには賛同できますが、依然として脱炭素政策を推進しようとしていることには疑問を感じています。
アメリカではトランプ大統領が脱炭素政策に否定的な立場を明確にし、世界の投資も脱炭素ビジネスから離れつつあります。そうした中で、日本は依然として官民合わせて十年間で百五十兆円規模の投資を掲げていますが、もはやこれは合理的とは言えません。
急進的なGX政策により自動車や住宅などのコストが上昇し、国民経済に悪影響を及ぼしています。投資は安価で安定した国産のエネルギーの開発に振り向けるべきであり、脱炭素それ自体を目的とする投資は優先順位を間違えていると考えます。特にメガソーラーや風力発電は、投資家に利益をもたらす一方、地域の自然環境や生態系に深刻な負担を与えており、各地で開発反対の声が上がっています。
脱炭素政策の見直し、そしてメガソーラーや風力発電の開発を抑制するお考えはあるのか、総理の所見をお聞かせください。
次に、健康、医療の分野について伺います。
総理は、新型インフルエンザ等対策政府行動計画に基づき、次なる感染症危機への備えを厚生労働大臣に指示されています。
アメリカでは、トランプ大統領の下、ロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が主導し、mRNAワクチンの安全性や有効性、リスクについての徹底検証が進められています。
実際、アメリカの厚生省は、今年の八月、mRNAワクチンへの新規投資を停止し、アメリカ疾病対策センター、CDCの諮問委員会は、全国民に対する年一回のコロナワクチン一律推奨をやめるように勧告し、個別判断への移行を行いました。一方、我が国では、公平な議論や検証が十分とは言えないまま、六十五歳以上などを対象とした定期接種の推奨がいまだに続いています。
総理は、mRNAワクチン、いわゆる新型コロナワクチンの政策について、今後、アメリカなど各国の動向を踏まえ、方向転換の可能性を考えておられるのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
日本では、新型コロナワクチンの接種以降、超過死亡が報告されています。二〇二二年以降の死亡者数は従来の推計を年間十万人ほど上回っており、ワクチン接種との関係について、専門家の意見は分かれていますが、十分な分析が行われていないため、不安を抱く国民も少なくありません。この不確実性を解消するには、接種者と非接種者を比較した追跡調査を行い、死亡率や健康状態に差があるのかを明らかにする必要があると考えます。mRNAワクチンは、人類に初めて広く用いられた技術によるものであり、中長期的な安全性については今後も慎重な検討が必要です。
政府は、令和八年の完成を目指して予防接種データベースの整備を進めていますが、現時点でも、九州大学などが行うLIFEStudyモデルのように、各自治体が保有する予防接種台帳や死亡届の情報にレセプトデータなどを組み合わせた分析は可能です。
被害の拡大を防ぐためには、公正で独立した立場の有識者や研究者など、幅広い専門家が検証に参加できる環境を整えることが重要です。しかし、現状では研究に必要なデータの開示が極めて限定的です。
総理が厚生労働大臣に指示された次なる感染症危機に備えるためには、過去の対応を検証し、分析することが欠かせません。国は、早急かつ積極的にデータ開示を進めるべきと考えます。総理のお考えをお聞かせください。
コロナ対策やmRNAワクチンをめぐっては、アメリカでメタ社やグーグル社がバイデン政権からコロナやワクチンに関する投稿の削除や制限を求められていたことを認めています。これは、民主主義の根幹である言論の自由に対する重大な圧力であり、メディアの政治的な利用が行われていたということを示すものです。
日本でも、ユーチューブでワクチンと発言すると動画が削除されるという事例が相次ぎ、配信者は注射などと表現を変えて発信せざるを得ない状況がありました。こうした現象は、グローバルなプラットフォームを介して我が国にも一定の言論統制が及んでいた可能性を示唆しています。
政府として、日本でも同様の実態があったのか、調査を行うお考えはありますでしょうか。コロナ期における言論統制の有無を検証しないまま、今後、SNSの規制を検討することは適切ではないと考えます。この点につき、総理の所見をお聞かせください。
次に、外国人政策についてお伺いします。
来日する外国人には、高度人材、技能実習生という名の労働者、観光客など、多様な属性があります。それぞれに応じた制度設計や対応が求められますが、政府が明確な方針も定めないまま受入れを拡大した結果、国民には不安と不満が広がっています。
今、国民が削減すべきと感じているのは、議員の定数ではなく、外国人の受入れ数だと我々は考えています。
外国人受入れでも最も大切なのは、経済合理性やポリコレではなく、元々我が国に暮らす国民の生活向上につながり、我が国の文化、慣習、治安が維持されることです。そのためには、受入れ数を適正に抑え、厳格なルールの下で受け入れ、我が国の社会に統合していける環境をつくることが必要です。
外国人を受け入れないと経済が回らないという論調はかつてのヨーロッパでもあったようですが、大量の移民の受入れによってGDPは上昇したものの、それは主に移民の増加分の所得が加わったものであり、その分、社会保障や教育、治安維持の負担も増大したため、結果として元から暮らしていた国民の所得や生活は向上しなかったというデータが出ています。こうした経験を踏まえ、欧州では今や移民で経済は良くなるということを言う人はほとんどいなくなったそうです。
もちろん、人口減少が進む中で、特定分野における外国人材の必要性は理解をしています。政府は、移民政策は取らないと繰り返し説明してきましたが、令和九年施行予定の育成就労制度や、受入れ上限を設けていない特定技能二号の運用を見ると、実質的に無制限の受入れが可能となっているのが現状です。
このような制度の下で、今後も外国人の受入れを拡大していくのか、それとも抑制的に運用していくのか、総理の見解をお聞かせください。
そして、総理も所信で述べられていたように、外国人の受入れの背景には急激な人口減少があります。止まらない少子化が外国人受入れを加速させているようにも感じます。
総理は、この少子化を何としても食い止めようとお考えですか。それとも、あらがえないものとして受け入れようと考えておられるのでしょうか。もし食い止めようとお考えであれば、その具体策をお持ちか、聞かせていただきたいと思います。
次に、所信でほぼ触れられていなかった教育政策についてお聞きします。
私たちは、学校教育には、国民性の教育、道徳・規範教育、知識・技能教育という三つの役割があると考えています。しかし、昨今の学習指導要領を見ると、知識・技能の教育に重点が置かれ過ぎているように感じます。総理の政策も、GIGAスクール構想や高校無償化など制度面にとどまり、教育に対する思いが伝わってきません。
教育は国家百年の計であり、国の将来像は教育政策に表れます。総理が日本を強く豊かにしたいとお考えであれば、その礎となる人材の育成をしなければ目標はただのキャッチコピーに終わってしまいます。
現在、次期学習指導要領の検討が進められ、来年度中には中教審の答申が出る見通しです。戦前の反省からか、政治家は教育に口を出すなという声もありますが、国のビジョンを示し、それを担う人材を育てるのは政治の責任です。教育を軽視すれば国は衰退します。経済、国防、移民、少子化、いずれの課題の解決にも教育政策が要になると考えています。
参政党は、知識や技能の習得に偏った現在の教育から、国民性や道徳規範にも軸を置いた教育に変えていくべきだと考えていますが、総理の教育政策に対する思いをお聞かせください。
安全保障、防衛費についてお伺いします。
総理は、所信で防衛費を対GDP比二%確保すると宣言され、トランプ大統領との会談でも防衛力強化に前向きな姿勢を示されたようですが、今後、欧州のように五%への増額を迫られることも想定されます。総理は、増えた防衛予算をどの分野に振り分けていくお考えでしょうか。
我々は、防衛産業に投資をし、防衛予算が内需拡大と技術革新につながるようにすることが重要だと考えています。あるいは、国防政策の中に少子化対策や食料、エネルギーの確保といった視点も組み込み、予算の一部を振り分けることも検討すべきです。
いずれにせよ、防衛費の増額が海外の軍需企業への支出に偏ることがないようにしていただきたいと要望します。
ここまでは、総理のお考えが我が党と異なるのではないかという点を中心にお聞きしてきました。一方で、先日我が党が提出した日本国国章損壊罪を新設する刑法改正は、総理も推進の意向をお持ちと理解をしています。
国旗の損壊は、さきの参議院選挙の際、我が党への妨害行為の中で目立って行われていました。そのため、選挙中から準備を進め、先日単独で法案を提出しましたが、こちらは、方向性が一致するなら是非協力して進めていきたいというふうに考えています。
そのほかにも、国家情報局の創設、インテリジェンス・スパイ防止法関連法制の整備、拉致被害者の早期帰国、皇室典範の改正、夫婦別姓ではなく旧姓、旧姓の通称使用の法制化、憲法改正の議論の推進なども方向性は共通していると考えています。この分野では、是非総理とも協力し、建設的に議論を進めていきたいと考えています。
ただ一点、憲法改正で緊急事態条項を織り込むことについては、我が党は反対です。発動要件にパンデミックが含まれているからです。
今年の四月、アメリカのホワイトハウスは公式ウェブサイトにて、新型コロナウイルスの起源について、武漢の研究所から漏えいが最も可能性が高いと、武漢の研究所からの漏えいが最も可能性が高いとする見解を公表しました。今後、もし人工でウイルスを作られ、そういったものが漏れ、PCR検査で陽性者を増やすということでパンデミックによる緊急事態というものが演出できるとなれば、人為的に国民の権利を制限するということが可能ということになってしまいます。国民の権利の制限は最小限でなければなりません。
与党側が検討している緊急事態条項に対する総理の所見をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕