古賀友一郎の発言 (本会議)

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○古賀友一郎君 自由民主党の古賀友一郎です。
 まず、大分での大規模火災における被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 他方、おととい、中国軍戦闘機の航空自衛隊機へのレーダー照射に対しては強く抗議を申し上げた上で、会派を代表して、令和七年度補正予算案に係る財政演説について質問します。
 物価高対策の要諦は、物価を上回る賃上げの実現にあります。そのためには、民間企業が活発に投資を行い、賃上げの原資となる収益を継続的に拡大できるような経済状態にしなければなりませんが、それを具体的にどう実現するかについては、まさに日本経済数十年来最大の課題です。
 その課題に対し、高市内閣におかれては危機管理投資により供給構造を強化することで対応しようとされていますが、広く民間企業が投資を行うには、それに見合った需要、それも一部の業種、一部の企業だけでなく、中小企業も地方の企業も広く日本経済全体を牽引するような大きな需要が必要であります。
 しかし、かつて旺盛な民間需要であふれていた高度経済成長のような時代ならともかく、ただでさえ高齢化、成熟化して人口も減少していく日本社会においてそのような巨大な需要が生まれるには相当な社会変革が起こることが必要であり、それを国が政策的に主導していくには、私はエネルギーの変革が最適と考えています。
 その期待を担うのが水素エネルギーです。石炭、石油、エネルギーの主役が変わるたびに経済社会は大きな発展を遂げてきました。乗り物の動力源、冷暖房の熱源から火力発電の燃料に至るまで、私たちの経済社会を動かしているエネルギーを化石燃料から水素に置き換えていくことによって、全国津々浦々で、あらゆる財やサービスの分野において長期にわたって広く民間投資を生む需要が発生をします。
 しかも、再生可能エネルギーで水を分解して生成するグリーン水素は、太陽光や風力など不安定な再生可能エネルギーを貯留する機能も持ち、その弱点を補完する安定した究極のクリーンエネルギーになります。
 そして、脱炭素化による異常気象、風水害激甚化対策はもとより、エネルギー自給率が僅か一五%程度の我が国にとっては、純粋な国産エネルギーとなりエネルギー安全保障に資するほか、エネルギーの海外依存度引下げによるコストプッシュインフレ対策、貿易収支の改善を通じた円安対策にも資することから、長期的にはまさに物価高、物価安定対策にもつながります。
 水素は、こうした様々な国家的課題の解決策になり得る期待のエネルギーですが、今はまだコスト面が玉にきずです。そのため、昨年、水素社会推進法を制定し、水素需要の創出や既存の化石燃料との価格差に着目した支援によりコスト縮減等に取り組み始めたところでありますが、今後、更に広く民間企業の参入、投資を促進していくには、国として水素社会を実現するという確固たる意思と今後の見通しを示していくことが大変重要であります。
 そこで、二〇五〇年、我が国のカーボンニュートラル目標年に向けて水素社会実現に向けた工程表を作り、集中的な投資と計画的な推進を戦略的に行っていく必要があると考えますが、高市総理のお考えをお伺いします。
 賃上げが継続する経済成長を実現できるか否かは、先月政府が立ち上げた人口戦略本部において我が国最大の課題とされた人口減少問題にも深く関わります。それは、若い世代が経済的に明るい将来展望を抱くことは、少子化を反転させる最も重要な要素の一つだからであります。とりわけ地方の人口減少は、少子化と人口流出のダブルパンチのため、特に深刻です。
 そこで、この夏の参議院選挙では、若者の地方Uターンを促進するとともに、若者に何百万円もの借金を背負わせる奨学金の返済負担が未婚、晩婚、晩産を促進し、少子化の一因になっているという認識の下、地方に就職する若者の奨学金返済負担を軽減する制度の導入を我が党の公約に掲げたところであります。
 そうした制度は既に一部の地方自治体では導入されてはいますが、全国的に実施するには財政力の弱い自治体を含めて国の財政支援が必要でありますから、少子化対策と地方活性化の一石二鳥の施策として国が取り組むべきと考えますが、高市総理の御所見をお伺いいたします。
 人口減少が地方の中でも特に著しいのが離島です。その離島に関し、平成二十九年度から施行されている有人国境離島法が来年度末に期限切れを迎えます。国境離島は我が国の安全保障上特に重要な離島であり、その地域社会の維持を通じて我が国の領海と排他的経済水域を守ることが法の目的です。同法施行以来、航路・航空運賃の引下げなどの効果が得られ、国境離島の皆様からは大変強い延長要望をいただいておりますが、その一方、人口は大きく減少し続けており、今後、地域社会を維持していけるかどうかのまさに正念場を迎えております。
 この法律が議員立法で成立した約十年前の当時と比べても、現下の安全保障環境や地政学的な情勢に鑑み、国境離島の地域社会を維持し続ける重要性はますます高まっていることを踏まえ、現在、我が党でも法律の延長や施策の充実に向けた議論を進めているところでありますが、物価高騰の中、必要な施策を拡充するにはその裏付けとなる予算の拡充も必要であります。
 そこで、この法律の意義と、あわせて、法律の延長が条件とはなりますが、国境離島の地域社会を維持していくための施策及び予算拡充の必要性について、高市総理の御所見をお伺いいたします。
 このところ深刻な社会問題となっている熊被害についても、その背景は地方の人口減少、すなわち中山間地域が荒廃し、耕作放棄地が森林化して、熊の生息域と住宅地が隣接するようになったことが一因と考えられております。
 この問題について、先月、自民党政務調査会で秋田県を視察しました。市街地にも熊が頻繁に出没し、市民生活や地域経済への被害、影響は先の見えない不安と相まってコロナ以上だとの悲痛な訴えを聞きました。
 政府は先月、クマ被害対策パッケージを策定しましたが、最終的に熊を始めとする野生動物との共存を図るには、中山間地域という緩衝地帯を設け、すみ分けを図っていくほかありません。そもそも、中山間地域を維持することは、食料自給力を保持するほか多面的な機能を発揮する上で重要な政策テーマでありますが、熊対策の観点から更に重要さを増したわけであります。
 これまで営農条件の厳しい中山間地域においては、中山間地域等直接支払交付金や多面的機能支払交付金によってその維持が図られてきましたが、現実には荒廃は進行し、今後は更に担い手自体がいなくなっていくため、交付金を交付するだけでは対応できない状況に陥っていくことが予想され、ますます熊とのすみ分けは難しくなっていくと思われます。
 こうした状況を踏まえると、今後中山間地域を維持、再生させていくためには、相当抜本的な対策が必要です。私は、農業不採算な中山間地域においては、農業従事者の生活を公的に保障してでも担い手を確保していくことを検討する状況にまで来ているのではないかと考えますが、さしずめガバメントファーマーとでもいうべきそうした対策を含め、中山間地域の維持、再生について、高市総理のお考えを伺います。
 我が国の人口が大きく減少していくのは、少子高齢化で人口ピラミッドが逆三角形になっているからであり、これは社会保障の持続性にも深刻な影響を及ぼします。二〇四〇年頃には一人の現役世代で一人のお年寄りを支えるいわゆる肩車型社会が到来し、このままでは現役世代にますます過重な負担が掛かってしまいます。超長期的には少子化対策を講じ人口ピラミッドを安定的な釣鐘型に修正していく必要がありますが、目前に迫っているこの問題には早急に対処しなければなりません。
 現在、政府は全世代型社会保障制度の構築に向けて取り組んでおられますが、基本的な対策は社会保障を支える側の割合を増やすということだと考えます。その観点から、令和五年度から公務員の定年年齢引上げを行っており、官民挙げてこの課題に取り組まねばなりません。民間の定年年齢引上げなど、支える側の割合を増やす取組について高市総理にお伺いし、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 古賀友一郎

speaker_id: 3122

日付: 2025-12-08

院: 参議院

会議名: 本会議