神谷宗幣の発言 (本会議)
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○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。
会派を代表して、補正予算について質問をいたします。
まず、補正予算とは、年度当初には予想できなかった支出に対応するための仕組みであり、災害対応や物価高対策など、本来、緊急不可避の支出に限定されるべきものです。しかし、今回の補正には、危機管理投資、成長投資、防衛力・外交力強化、GX推進、基金造成など、本来当初予算で議論すべき中長期的な政策が数多く含まれています。
今回、政府がどこに緊急性を見出し、なぜ当初予算ではなく補正に回したのか、その判断基準を明らかにしていただきたいと思います。これらを次々補正で積み増す手法は、当初予算の審議の空洞化と財政規律の形骸化を招くのではないでしょうか。この点、総理の見解をお示しください。
あわせて、補正の組み方そのものについて伺います。
今回の補正には、来年度当初予算に計上すべき事業の前倒しが多く含まれています。この傾向が今後も続けば、次年度の当初予算が実質的に細り、逆に緊縮的な予算運営につながりかねません。政府が積極財政を掲げるのであれば、時間を掛けて予算消化ができる次年度当初予算を厚く編成すべきではないでしょうか。総理の見解をお示しください。
補正予算の内容を見ると、一時金や補助金などへの支出が相当な割合を占めています。再エネ賦課金で国民から余分に電気代を取りつつ、今度は電気代を支援して配る。中小企業に消費税の負担を課しながら、補助金で補填する。こうした一旦集めて後で配る仕組みは、そろそろ改めていくべきではないでしょうか。
補助金も、補正予算のリストを見ると本当に必要なのかどうかというものがたくさんあり、数が多いので、よほどの専門知識がないと国民が十分に活用できないのではないでしょうか。
いわゆる日本版DOGEの議論もありますが、事業見直しに人間が関わると余分な忖度が働きます。補助金などを一旦AIで総点検し、本当に必要なものだけに絞り込めば、一定の財源が生まれるのではないでしょうか。そこで生まれる財源を消費税などの減税に振り向けた場合の経済効果について、政府として試算を行っていただきたいと考えます。
補助金等の見直しと減税の経済効果の試算について、財務大臣の見解をお示しください。
続いて、予算配分について伺います。
今次補正では、防衛費や成長投資が大きく積み増される一方で、少子化を食い止めるための実効策はほとんど見当たりません。財政演説でも、人口減少や家族への支援の方向性には触れられていませんでした。
日本における人口減少の速度はもはや災害レベルです。緊急性ということでは、少子化を食い止めることは防衛力の強化と同じくらい重要であると考えますが、総理の人口減少に対する認識をお聞かせいただくとともに、なぜ人口減少を食い止めるために必要な予算が十分に手当てをされていないのか、併せてお聞かせください。
少子化を止めるためには、男女が家庭を築き、子供を授かりたいと望んだとき、その希望が自然に実現できる環境がなければいけません。結婚や出産を望みながら、経済的、生活環境的理由で実現できない女性が多く存在する中、現行の女性支援政策は、働く女性だけに光を当て、職場での管理職比率など数字で表せる成果達成に偏っており、家庭を支える女性への支援がほとんどありません。
近年の日本では、家庭を支える主婦の役割が政策でほとんど評価されておらず、いわゆる専業主婦と言われる方々は肩身の狭い思いをされてきました。
参政党は、働く女性も応援すると同時に、家庭で子供を産み育てる女性も応援することで、女性の選択肢が広がり、子供の出生率も改善するのではないかと考えています。
総理は、家庭で子供を産み育て、家事、介護、家業、地域の支え合いなどで日々家庭と地域を支える女性にもスポットを当て、女性活躍を認めていくということをどう考えておられるか、所見をお聞かせください。
家庭を支える営みが政策の中で十分に評価されていないという問題は、そのまま日本の家族政策全体の弱さにもつながっていると考えています。
少子化は、もはや構造問題ではなく、国家の持続可能性を左右する危機です。世界には、この危機に正面から向き合い、国家戦略として家族への投資を大胆に強化している国があります。その一つがハンガリーです。
ハンガリーは、移民ではなく自国の出生で人口を維持するという方針を明確に掲げ、家族政策を国家戦略の柱に据えています。家族関連の支出はGDP比四%から五%と、日本の倍近い水準です。ハンガリーの特徴は、政策の方向性が極めて明確であることです。多子世帯や若い夫婦を思い切って支える税制と住宅支援などを徹底し、子供が生まれるほど家庭への負担が軽くなる制度設計によって、出生率や婚姻数が実質に上向いております。
総理にお尋ねします。日本でも、自国民の出生による人口の維持を国家方針として明確に掲げるお考えはありませんか。
現行の日本の少子化対策は、予算規模も施策内容も中途半端で、若い世代からは看板倒れと見られています。これでは結婚や出産が将来の安心につながるという実感を若者が持てるはずがなく、その結果として、少子化に歯止めが掛からない現状が続くことは明らかです。
そこで、伺います。税制、住宅支援、教育費負担の軽減を一体化し、結婚して子供を持ちたいと望む若者がそれを最も報われる選択肢として選べるよう、少子化対策に資する家族関連支出を日本の現在のGDP比一・七から二%程度から、少なくともOECD平均の約二・三から二・四%へ、さらにはハンガリーなどが示す三・五%から四%台の水準に段階的に引き上げていくことを検討できないでしょうか。総理の見解を求めます。
次に、緊急性のあるテーマとして、若者の貧困と性搾取の深刻化について取り上げたいと思います。
新宿や横浜に集まる若者が、円安の中で、訪日外国人を相手とした性的搾取に巻き込まれ生活費を得ざるを得ないという状況があるという報告があります。そうした現状を海外のメディアは、日本のストリートチルドレンと報じています。SNS上でもオーバードーズや自傷行為、性搾取に巻き込まれる若者の投稿が多く見られ、性感染症も若い世代に蔓延をしています。
こうした現状は、もはや個人の問題、家庭の問題、地域の問題として片付けられるものではなく、三十年続く我が国の経済停滞が、貧困者を増やし、家庭が崩壊し、若者の心を壊し、社会問題として顕在化しているというふうに我々は捉えています。
貧困化する若者の生活基盤を立て直し、貧困と性搾取の連鎖を断ち切るためには、一時的給付や個別の品目への軽減税率のような小手先の措置ではなく、構造的な減税による経済成長戦略と若者への長期的な投資が不可欠であると考えます。
この点、財務大臣の課題意識と改善の意気込みについてお聞かせいただきたいと思います。
次に、出産医療体制に関わる財源設計について伺います。
厚生労働省が示した分娩の保険適用案では、公定価格を全国一律で設定する方向性が示されています。しかし、地域ごとに大きく異なる家賃や人件費、スタッフ確保の負担が反映できず、約六割の医療機関が減収になるとの指摘があり、都市部を中心に分娩を取り扱えなくなるという声が相次いでいます。分娩を担う医療機関が減れば、出産難民が更に増え、出産基盤そのものが弱体化し、少子化対策とも矛盾する結果を招きます。出産医療の維持は、人口を支える国家基盤そのものであると考えます。
こうした制度変更が医療機関の経営に与える影響について、厚労省としてどのように分析を行っているか、また、医療機関の減収や分娩撤退が生じた場合、どのような財政措置を想定しているのか、厚労大臣の見解をお聞かせください。
今回は、補正予算の在り方から、成長投資以上に国家の存続に関わる緊急性の高いテーマがあるのではないかと問題提起をしたく、少子化や若者の貧困の問題を取り上げました。
予算は国家の意思であります。防衛や経済成長も重要ですが、国家を支えていくのは人です。次世代へどう命をつなぎ、どう守っていくのか、今の日本の緊急の課題のように感じています。
総理や財務大臣に次年度に向けてあるべき国家の意思の示していただくことを強く期待をして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕