船橋利実の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

船橋利実君 林大臣、是非よろしくお願いをいたします。
 最後に、公共事業評価ということについて伺いたいと思います。
 少しニッチな分野の話なので説明をさせていただきたいと思いますが、公共事業に関わるこの評価という制度が導入された背景なんですが、バブル経済崩壊後の一九九〇年代後半から二〇〇〇年代の初頭、政府の財政事情悪化を理由に始まった行革の一環で、限られた財源を分散させずに選択と集中するという方針が出され、特に重要性、効果の高い公共事業に予算を重点配分するための方法として取り入れられたものであります。
 ただ、これ、事業計画がある中で、ある日突然新しい物差し入れちゃったんですね。その結果、ふるいに掛けられてしまってできなくなった事業がたくさん出てしまいました。そうしたことから、もう公共事業予算全体もどんどん減っていって社会インフラストックが不足をし、地域が疲弊をして、大都市と地方の様々な格差を生じさせる要因になったんではないかと、こう思っています。
 また、社会インフラの適切な更新や維持管理の水準まで実は下げてしまいました。私の地元北海道では、補修が追い付かず、穴ぼこだらけの道路が広がっています。また、草が生い茂ったままの道路脇、ここからは、鹿とか熊、これが出てきちゃうんですね。それで事故もかなりの件数で起きています。また、ほかにも、判別できなくなってしまったような標識や標示、あるいは横断歩道のライン、こうしたことももう至る所で目に付きますし、全国各地で上下水道管の破裂による道路陥没や水漏れも起きております。既存のインフラの老朽化などがまさに社会問題化していると言えるのではないでしょうか。
 高市総理が掲げる強い経済を実現し、国民の皆様に豊かさをお届けするためには、社会インフラストックの充実と適切な更新、維持管理が必要だと思います。そのためには、この公共事業関係予算に係る公共事業評価の見直しというものが必要ではないかという認識で伺います。
 まず、この公共事業評価に使われるもので大切なところというかポイントが、社会的割引率です。
 この社会的割引率というのは、将来の便益や費用を現在の価値に換算するために使われる指標で、主に公共事業の費用便益分析に用いられます。現在、社会的割引率は四%ですが、これ、二〇〇四年に策定された公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針において設定されて以来、二十年以上にわたり水準が維持されています。
 御承知のとおり、社会的割引率の水準が高いと、将来の便益は過小評価されて、短期的な便益を持つ事業が有利になります。逆を言えば、社会的割引率が低ければ、将来便益の現在価値が大きくなって、長期的な効果を持つ公共事業が実施しやすくなるという仕組みになっています。
 二〇〇四年当時にこの社会的割引率が四%に設定されたのは、長期成長率、これが二%台で推移をして経済成長が一定程度見込める見通しがあったからでありますが、実際には、二〇一〇年代以降は日本経済は低成長、低金利の時代が続きました。
 資料一を御覧をいただきたいんですが、これ各国ごとの社会的割引率の適用状況なんですけれども、基本的に経済金融情勢等を踏まえて社会的割引率というものは設定されます。各国の状況というのは、アメリカが七%から三・一%に引き下げるなど、各国、基本的に引下げの方向で変更されており、感度分析を実施する国も多く、柔軟に見直されているのが分かると思います。社会的割引率を長年にわたって固定化をし、感度分析も導入していないのは、なぜか日本の国だけであります。
 そこで伺いますが、本来は、二〇一〇年代の低成長、低金利の時代に引き下げるなどの柔軟な見直しを行うべきであったはずの社会的割引率が、なぜ見直しがなされず今日も維持されているのか、お聞かせください。

発言情報

speech_id: 121915261X00520251212_329

発言者: 船橋利実

speaker_id: 5171

日付: 2025-12-12

院: 参議院

会議名: 予算委員会