西田薫の発言 (憲法審査会)

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○西田(薫)委員 日本維新の会の西田薫でございます。
 約四か月ぶりに行われた前回の実質討議を聞いておりますと、このまま言いっ放しの議論を続けていては何も決められないと率直に受け止めました。一歩前進したかと思えば、相当な空白の時間を挟むと、元に戻るどころか二歩後退する。実態は、会議は踊る、されど進まずであります。
 さきの解散・総選挙に当たり、従前、改憲勢力とされていた公明党が立憲民主党と中道改革連合で合流された政局的な事情もありましょう。ゆえに、先週の本審査会で国民民主党の玉木委員が述べられたように、そして先ほど新藤幹事も引用されながら述べられましたが、ある程度テーマを絞って具体的に議論をピン留めしながら進めていく運営が不可欠です。アクセルを踏んで議論を進めていくべきは、いずれも火急のテーマである緊急事態条項創設と九条改正にほかなりません。
 本審査会の定例日開催がほぼ定着したこの四年間の議論等を振り返れば、この二項目については、総論から各論に移行し、ゴールに向けた意見集約のレールに乗せてしかるべきときを迎えたと考えます。
 憲法審査会事務局によると、令和四年の通常国会から先週の本審査会において持たれた実質討議と参考人質疑は都合約六十回ありました。このうち、オンライン審議の在り方を含む緊急事態条項が主なテーマになったのは、集中討議を始め三十七回を数え、全体の六割を超えました。また、安全保障を含む九条が主要テーマになったのは、集中討議を始め十八回で、全体の三割を占めました。
 実質討議において、この二項目以外で複数回にわたってテーマに据えられたのは国民投票に係る課題にほぼ限られ、過去四年間の憲法の本丸をめぐる議論は緊急事態条項と九条に収れんされたことは揺るがない事実です。それは、世界で猛威を振るっていたコロナ禍やロシアのウクライナ侵略等が突きつけた教訓に本審査会が向き合い、積み上げてきた蓄積であります。
 とりわけ、緊急事態条項において、国会議員の議員任期延長を始め国会機能維持条項に関しては、二回の論点整理を経た令和五年六月、自民、維新、国民民主、公明、有志の会の五会派でおおむね方向性は一致し、昨年六月には幹事会で、五会派の幹事、オブザーバーから骨子案と更なる検討課題が示されました。
 なおも緊急政令、緊急財政処分と司法の関与が課題として残りますが、前者については自民、維新、国民の三会派でその必要性を共有しています。もちろん、緊急事態時には何としても国会機能を維持させていくことが大原則です。万が一それがかなわない事態に至った場合、内閣に一時的に権限を集め、緊急政令等で国民と憲法秩序を守らせる制度を法で整えておくことは、特定会派が唱える権力の暴走を防ぐという原則とは矛盾しません。
 この緊急権は、国連が採択した国際人権規約、いわゆるB規約も認める世界の常識です。ちなみに、西修駒沢大名誉教授によれば、成文憲法を持つ百八十九か国のうち、緊急事態条項がないのは日本など五か国のみであり、日本が世界の常識から乖離している現実を申し添えておきます。
 一方、九条に関しましても、この四年間、急激に悪化する我が国を取り巻く安全保障環境を鑑み、かつてないほどの議論の俎上にのせられたことは前進でした。時代の遺物たる九条が抱える諸課題に正面から向き合うことは当然のことです。
 しかし、中身を突き詰めれば、会派ごとによる意見発表会に終始していた感は否めません。緊急事態条項に比べ、特定会派に九条を取り上げること自体への忌避感が強い上、総論では改正に前向きな会派間でも、各論となると立場の一致点が見出し難く、更に二歩、三歩と前に進めることへの支障になったものと思料します。ゆえに、本審査会での今後の討議において、九条に関する比重を一層高め、大いに議論をし、改正を是とする会派間の溝を速やかに埋めていく作業が欠かせません。
 我が党は、自民党との間で緊急事態条項と九条改正について条文起草協議会を設置し、それぞれ条文案の策定に向けた議論を進めていますが、方向性を一にする他会派の御意見にもしっかりと耳を傾け、最終的に、可能な限り多くの会派とともに憲法改正原案を取りまとめたいと考えております。
 残念ながら、この期に及んで、憲法改正ありきは認めないであったり、憲法に一切手を触れさせないと叫び、改憲反対ありきの姿勢を貫く会派が存在するため、全会一致は永遠に望めません。
 本審査会で、我が党はこれまで、議論を重ね、機が熟したら民主的に多数決で結論を得るべきだと繰り返し主張してきましたが、自民党の高市早苗総裁は十二日の党大会での演説でこう述べられました。徹底した議論を行った後に意見の集約を図り、最後は多数決によって決断する、これが民主主義の原則であり政治の役割である、私たち政治家が国民の皆さんの負託に応えるため行うべきは決断のための議論なのです、こうおっしゃっています。全くの同感であります。この演説で高市総理はまた、来年の党大会までに憲法改正の国会発議にめどをつけたいとの強い決意を示されましたが、私たち日本維新の会はその実現のため全身全霊を傾ける所存です。
 最後に、次回以降の本審査会において、先ほど新藤先生も述べられましたが、私たちは、緊急事態条項及び九条に関する議論を共に煮詰めるべく、この二項目の集中討議を順次それぞれ行っていくことを提案させていただき、私の発言を終わります。

発言情報

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発言者: 西田薫

日付: 2026-04-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会