西田薫の発言 (憲法審査会)

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○西田(薫)委員 日本維新の会の西田薫でございます。
 前回の審査会で新藤筆頭幹事も述べられましたが、私からも、ある程度テーマを絞って具体的に議論をピン留めしながら進んでいく運営が不可欠だと申し上げました。そして、今回の審査会は緊急事態条項に関する集中審議ということで開催されましたことは、少し前進したものだと思います。
 そこで、この緊急事態条項を中心に発言いたします。
 まず、現行憲法の問題点を端的に申し上げます。
 第一に申し上げたいのは、現在の憲法には、戦争や大規模災害、感染症の蔓延など国民生活と国民経済に甚大な影響が生じる事態において、どのように国会機能を維持し政治の空白を防ぐかという統治の根幹に関わるルールが十分に書き込まれていないという点であります。
 衆議院の任期が満了するタイミングと選挙の実施が極めて困難となる事態が重なった場合、現行制度のままでは、国権の最高機関である国会がまさに参議院しか存在しないという事態が起こり得ます。参議院の緊急集会という制度はありますが、それは本来、暫定的かつ限定的な制度であり、長期にわたる国政運営を担うことを予定しておりません。
 私たち日本維新の会は、二〇二三年に、国民民主党や衆議院会派有志の会とともに、緊急事態における議員任期の延長等について具体的な条文案を取りまとめてまいりました。そしてさらに、二年前の二〇二四年の通常国会末には、当時の自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会の五会派で、選挙困難事態における国会機能の維持条項についての合意にも至っております。
 そこで、私たちが重視しているポイントは三つです。
 一つ目は、対象となる緊急事態を、武力攻撃、深刻なテロ・内乱、甚大な自然災害、感染症の蔓延。この感染症の蔓延につきましては、先ほど新藤筆頭幹事も参政党の和田先生の御発言に触れられてその思いを述べられておりましたが、その新藤筆頭幹事の思いと我々も全く同じであります。そういった中、国政選挙が広範かつ長期間実施困難な事態として、国民生活と国民経済に重大な影響が生じる場合に限定し、政治の都合による濫用を厳しく防ぐことです。
 二つ目は、内閣の判断だけで白紙委任を与えるのではなく、国会の事前承認を原則とし、閉会や解散を禁止することで、議会の関与を強めるという設計にすることです。緊急事態だからこそ、行政権力の肥大化ではなく、立法府の監視とチェックを一層働かせる必要があります。
 三つ目は、議員任期の延長や選挙期日の特例は、あくまで国会機能を維持するための、時間的にも内容的にも限定された措置とし、事態が収束した後には速やかに選挙を実施し通常の状態に復帰することとして、強い歯止めを明記することです。緊急事態条項に対する懸念を払拭する観点から、その濫用を防止するための考え方になります。
 緊急事態条項というと、直ちに内閣の独裁や人権制限の一般条項を想起し、全面的に否定される御意見があることも承知をしております。しかし、私たちが目指しているのは、国民の権利や自由を包括的に制限する条項ではなく、むしろ、どのような場合に何ができ何ができないのかを明記することで権力の暴走に事前の枠をはめるという考え方です。
 だからこそ、緊急事態の要件の限定、国会の事前事後の関与、期間の明確な上限、そして司法審査の対象であることを条文上できる限り具体的に書き込むべきだと考えております。何も書かれていないがゆえに解釈でいかようにも広げられてしまう状態を放置する方が、かえって国民の権利にとって危ういのではないでしょうか。
 我が党は、時代や安全保障環境の変化に応じて、必要な改正は果断に行うべきだと以前より主張しておりました。既に、自民党との連立合意に基づき憲法改正条文起草協議会が設置をされ、具体条文の検討も始まっております。一方で、この憲法審査会では、前回でも申し上げましたが、抽象的な議論にとどまっているように思われます。
 そこで、前に進めるためにも、憲法改正に向けた具体的なスケジュールについても申し上げます。
 政府及び与党は、憲法改正を今任期中に実現したいと繰り返し表明してきましたが、国民から見れば、いつ、どの条文について、どのようなスケジュールで議論し、発議し、国民投票に付すのかが依然として不透明です。憲法審査会として、緊急事態条項の創設案を取りまとめ、いつ頃までに発議を目指すのか、年単位ではなく、例えば今年度中、来年の通常国会中と、もう少し具体的目標を示すべきだと考えます。
 さらに、条文案のたたき台を作る場として起草委員会をこの審査会の中に設けることについて、各会派は賛成なのか、若しくは反対なのか、単に時期尚早とするのではなく、いつならば設置し得るのか、その議論の結論を得る必要があると思います。
 その上で、国民の皆様にとっても分かりやすい形で、いつまでに何をどう変えるのかというロードマップを示すことが国会の責任であるというふうに考えております。
 そこで、憲法審査会においても、具体的なスケジュール協議を加速していくことを強く求めます。
 そして、先ほど新藤筆頭幹事から、今までの議論をピン留めして緊急事態条項に関する具体的なイメージを作ってはどうかという趣旨の御提案がありましたが、私たち日本維新の会も深く賛同するものであります。
 そういった中、次回は緊急事態条項に関するこれまでの議論の取りまとめを行っていただくよう切に要望し、私の発言を終わります。

発言情報

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発言者: 西田薫

日付: 2026-04-23

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会