高階恵美子の発言 (憲法審査会)
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○高階委員 自由民主党の高階恵美子です。
緊急事態条項のイメージの3、オンライン国会について、これまでの本審査会における議論の経過を踏まえつつ意見を申し述べます。
新型コロナウイルス感染症の蔓延を受け、本審査会では、令和四年二月からオンライン国会について本格的に議論がなされました。法制局の論点説明や参考人質疑、集中的な討議プロセスを経て、本審査会における議論の大勢として、いわゆる緊急事態が発生した場合等においてもどうしても本会議の開催が必要と認められるときは、例外的にオンライン出席も憲法五十六条の定足数算定の基礎となる「出席」と認められる旨の議決がなされています。
これが当時の森憲法審査会長から細田衆議院議長に報告され、議院運営委員会において議論が行われることとなり、その結果、参考人のオンライン出席を可能とする衆議院規則等改正がなされました。昨年五月三十日には衆議院安全保障委員会において米国在住の参考人に対するオンライン質疑が行われるなど、委員会においては既にオンライン審議が導入されています。
こうした導入例のように、オンライン国会は、遠隔地にいる参考人が出席できるようになるなど、平時においても有益と認識しております。また、平時における利便性向上以上に、緊急事態においても国会機能を維持するためオンライン国会が有効かつ重要な手段の一つであることは、本審査会においても議論がなされてきたとおりであります。
例えば、複数の議員が同時に感染力が強く致死率の高い感染症に罹患、あるいは隔離を要する状態となったり、大規模災害等によって移動手段が途絶し、定足数を満たせなくなるなどの事態はいつでも起こり得ます。先般の新型コロナ感染症流行時、衆議院では、本会議におけるいわゆる間引き出席によって三密を回避した上で国会を機能させる工夫がなされました。より毒性の強い感染症等の蔓延時には、こうした運用では対応が困難な事態も起こり得ます。そうした場合でも国会機能を維持するためには、緊急事態条項のイメージにあるとおり、憲法五十六条一項を改正し、オンライン国会を明文上認めることが必要だと考えます。
その上で、オンライン国会を円滑に運用していくためには、幾つかの実務上の課題もあります。
例えば、停電等による通信の途絶です。今後発生する確率が高いとされる南海トラフ地震及び首都直下地震では、大規模な被害が想定されており、長期間の停電又は通信回線が断たれるなどして、オンライン国会の開催が難しくなる可能性もあります。
また、そもそもオンライン国会といっても、議員が自宅等から個人のスマートフォンやパソコンでアクセスし本会議に出席するとか採決に参加するといった性質のものであってよいものでしょうか。特に採決は、院の意思決定であり、非常に重たいものであります。オンラインで採決を行う場合には、本人確認をどのように実施するか、不正アクセスや採決結果の改ざん対策などセキュリティーをどのように確保するのか、また、遠隔地のオンライン出席議員が多数いる中で議長の議事整理の在り方をどのように考えるのかなど、今後更に議論を深めるべき問題もあります。
このように、オンライン国会については、緊急事態における国会機能維持の方策として非常に重要ではあるものの、詰めるべき課題も残っております。これらの課題への対応策を検討し、可能な限りオンライン国会ができるよう努めることは当然のこととして、オンライン国会を含めた国会機能維持に関する規定を設けてもなお国会機能が維持できない万が一の不測の事態への備えも、同時に用意していく必要があるのではないかと考えます。
以上で私の発言を終わります。