玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)
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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
今国会の憲法審査会も、今日を除いてあと五回となりました。
今日は国民投票法について述べますけれども、これは三年前の六月八日に述べたこととほぼ重なっております。
また、先ほど和田委員から発言のあったケンブリッジ・アナリティカ事件については、関与したブリタニー・カイザー氏を当委員会に参考人として来ていただきたいということはもう十回以上お願いをしております。
総理のおっしゃる来春の発議を目指すのであれば、憲法改正条文案及び国民投票法の改正案の両方を今国会で速やかに取りまとめることが必要だと考えます。今のままでは間に合わないのではないかという危機感を改めて表明したいと思います。
その上で、まず、政党等による有料ネット広告をどこまで規制するかについては、広報協議会による政党等のネット広告がどこまで行われるのかということとセットで考える必要があると考えます。例えば、広報協議会による録音、録画の公営限度額を一体どこまで認めるかということを具体的に議論する必要があると思います。
一番正確で的確な情報発信ができるのは当該改正案を作った政党であるにもかかわらず、十四日間の禁止期間中は当該政党からの発信が全く禁止される一方で、偽りのプロパガンダの拡散ばかりになると、国民の正しい投票判断がゆがめられてしまうことを恐れます。政党等のネット広告の完全禁止が現実的なのかについても議論が必要だと考えます。
次に、フェイクニュース対策について申し上げます。
例えば、国民民主党の緊急事態条項はナチス時代の緊急事態条項と同じだといったフェイクニュースが大量に流布した場合、それをどのように防止したり停止したりすることができるのでしょうか。広報協議会から正しい情報を大量に広告として出すことも一案ですが、同時に、広報協議会が民間機関とも連携をしながら何らかのファクトチェック機能や是正機能を持つことも検討すべきだと考えます。
例えば、フランスにはVIGINUMという政府機関が二〇二一年七月に創設され、外国勢力によるものも含む虚偽情報の伝播を監視、検出する役割を果たしています。
また、プラットフォーム事業者への規制の在り方についても一言申し上げたいと思います。
フランスでは、投票日の三か月前に偽りの情報が拡散されている場合、検察官、候補者等、利害関係者から求めを受けた裁判官はプラットフォーム事業者に対して虚偽情報の送信停止を命ずることができ、裁判官は申立てから四十八時間以内に判断しなければならないとされています。
その一方で、EU全体としては、デジタルサービス法、DSAにおいてもその位置づけが確認された偽情報に関する行動規範、ザ・コード・オブ・プラクティス・オン・ディスインフォメーションを更新し、事業者の自主規制に委ねています。メタ、グーグル、マイクロソフト、ティックトックなどを含む三十以上の署名者がレポートを提出し、一般に公開されています。
我が国においても、自主規制と公的規制を適切に組み合わせていくことが現実的なアプローチだと考えます。規制の大枠を法律で定めつつ、詳細を事業者の自主的取組に委ねる共同規制、コー・レギュラトリー・アグリーメンツの手法を採用し、国の規制を必要最小限にすることが現実的だと考えます。これらを公選法改正と足並みをそろえて改正していくべきだと考えます。
最後に申し上げたいのは、最大のフェイクニュース対策は、この憲法審査会での議論の現実を正確に発信することではないでしょうか。
例えば、従来から申し上げています、自民党の自衛隊明記論で自衛隊の権限が大きく拡大し、自衛隊ができることが新たに増えるような説明は、これは事実に反する情報だと思います。一方で、この自衛隊明記論で新型軍国主義が台頭するかのごとき説明は明らかなフェイクニュースです。また、緊急事態条項の五会派案で内閣の権限が際限なく膨らみ、ナチスが復活するかのごとき言説もフェイクであります。
ネット上のフェイクニュースを心配する前に、私たちが極力扇動的な言動や行動を控え、冷静な憲法論、法律論を展開することが最大のフェイクニュース対策になると考えますので、議場にいらっしゃる与野党の議員の皆さんの協力、御理解を求めてまいりたいと思います。
以上です。