井原巧の発言 (地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会)

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○井原(巧)委員 ありがとうございます。
 次に、地方創生に向けての国と地方の役割を改めて確認したいと思うんですけれども、よく地方分権というのもこれまで議論されておりました。地方創生というのは地方再生そのものを示しているんですけれども、分権というのは、これは統治機構の見直しというか、あくまでその手段にすぎないと私は思っております。分権できれば即創生につながる、そういうものではないというふうには思っているわけですけれども。
 振り返ってみると、地方創生という、少し言葉は違いますが、七〇年代、例えば、田中角栄さんの頃は地方の時代と言われましたし、竹下登内閣のときはふるさと創生という言葉もありました。ということは、五十年間同じ課題を追い求めてきているとも言えます。
 ただ、令和六年に政府が取りまとめた地方創生十年の取組と今後の推進方向の中でも、地方の人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには五十年たっても至っておらず、地方が厳しい状況にあることを重く受け止める必要がある、こう総括もされております。
 一方、地方分権については、これは私も思い出があるんですけれども、一九九九年の平成の大合併というのがございました。全国で三千二百の自治体が千七百になった。愛媛県でも七十が実は二十に再編されたんです。私、当時、初代の市長を務めさせていただいたんですけれども、よし、合併して、これから効率化を目指して自立だ、こう言っていたときに、小泉政権下で聞いたことがあると思いますが、三位一体の改革あるいは地財ショックという言葉が当時は走りました。
 理念はすごくよかったんですけれども、国税を地方税に自主財源として税源移譲する代わりに、国庫補助金を減らして、あるいは地方交付税を見直そうという、この三点セットだったんですけれども、現実は、税源移譲よりも補助金、交付税の削減の方が先行したので、地方にとっては財源不足が起こって、大変な問題になった思いがあります。
 また、その後に、民主党政権のときでも地域主権という言葉がすごくうたわれました。そのときは、全国の青年市長会の私は会長をしておりまして、現場とのちょっと制度の乖離について何度も当時申し入れた思い出があります。ひもつき補助金を一括交付金にするということで、非常に当時使い勝手いいなと言いながらも、実は総額が削減されていたり、あるいは、子ども手当というのが当時あったんですけれども、例えば保育料の滞納とかあるいは給食費の滞納をそこから天引きしたいんだと地方の声が出ましたが、それはまかりならぬというような場面もあったりして、なかなか地域主権というのも難しいものでありました。
 こういうことを振り返っていくと、総じて、地方分権については、地方に自立を求める余り、同時に国が支える力を一歩引いて弱めてしまった感もあったように感じております。本来、手段であったはずの分権が目的化して、国と地方が一体となって取り組むべき地方創生の責任が少し曖昧になってきたのではないだろうか。
 例えば、今もそういう状況が私はあると思っておりまして、自治体の裁量とされている例えば子供医療の無料化の拡充、何年生までと上げていくやつ、これなどは富める自治体が先行して拡充するんですね、東京都とか。そうなると、結果的には格差是正、人口流出抑制への逆行に、地方創生の逆行になっている、それが、感じるところがありまして、本来こういうものは一律全国で実施すべき事業じゃないのかなと痛感しております。
 医療、福祉、教育、公共交通といった、先ほど大臣がおっしゃったエッセンシャルサービスでありますけれども、これはもはや自治体のもう財政格差に委ねるべき段階ではなくて、国が全国一律で責任を持つ分野であるのではないかと考えているところであります。
 自治体消滅の危機が叫ばれている今、必要なのは、地方任せではなくて、国が主導して、守るべき地方の姿を明確に示して、総力戦で挑むべきだと考えております。人口減少に求められているのは、単なる支援の量ではなくて、確実に成果を生む仕組みへの抜本的な転換が必要であると考えております。
 そこで、お伺いいたしますが、地方創生と地方分権との関係について、どのように大臣は考え、捉え、その推進に当たり国と地方が果たすべき真の役割分担について、御所見を伺いたいと思います。

発言情報

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発言者: 井原巧

日付: 2026-05-08

院: 衆議院

会議名: 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会