地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会

2026-05-08 衆議院 全136発言

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会議録情報#0
令和八年五月八日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 丹羽 秀樹君
   理事 安藤たかお君 理事 上川 陽子君
   理事 斉木 武志君 理事 田畑 裕明君
   理事 橋本  岳君 理事 早稲田ゆき君
   理事 阿部  司君 理事 日野紗里亜君
      畦元 将吾君    石井  拓君
      伊藤  聡君    稲葉 大輔君
      井原  巧君    岩崎 比菜君
      尾花 瑛仁君    加藤 貴弘君
      川崎ひでと君    鈴木 拓海君
      高橋 祐介君    谷川 とむ君
      田宮 寿人君    俵田 祐児君
      辻  秀樹君    古井 康介君
      穂坂  泰君    丸田康一郎君
      宮内 秀樹君    山田 基靖君
      山本  深君    犬飼 明佳君
      大森江里子君    山崎 正恭君
      原山 大亮君    横田 光弘君
      西岡 義高君    谷 浩一郎君
      高山 聡史君
    …………………………………
   国務大臣
   (デジタル大臣)
   (デジタル行財政改革担当)
   (サイバー安全保障担当) 松本  尚君
   国務大臣
   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)
   (地域未来戦略担当)   黄川田仁志君
   内閣府副大臣       津島  淳君
   内閣府副大臣       今枝宗一郎君
   デジタル大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    川崎ひでと君
   厚生労働大臣政務官    神谷 政幸君
   政府参考人
   (内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官)     前田 剛志君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 早田  豪君
   政府参考人
   (内閣府地方分権改革推進室長)          稲原  浩君
   政府参考人
   (こども家庭庁長官官房長)            藤原 朋子君
   政府参考人
   (こども家庭庁成育局長) 中村 英正君
   政府参考人
   (こども家庭庁支援局長) 齊藤  馨君
   政府参考人
   (デジタル庁総括審議官) 森田  稔君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           大隈 俊弥君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           林  俊宏君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           熊木 正人君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉田  修君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           蒔苗 浩司君
   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 山本 麻美君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月八日
 辞任         補欠選任
  繁本  護君     稲葉 大輔君
  谷川 とむ君     山田 基靖君
  西野 太亮君     岩崎 比菜君
同日
 辞任         補欠選任
  稲葉 大輔君     伊藤  聡君
  岩崎 比菜君     西野 太亮君
  山田 基靖君     俵田 祐児君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤  聡君     繁本  護君
  俵田 祐児君     谷川 とむ君
    ―――――――――――――
四月二十八日
 児童福祉としての保育制度の拡充に関する請願(加藤勝信君紹介)(第二九六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五三号)
 個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件
     ――――◇―――――
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丹羽秀樹#1
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官前田剛志君外十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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丹羽秀樹#2
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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丹羽秀樹#3
○丹羽委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井原巧君。
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井原巧#4
○井原(巧)委員 おはようございます。自由民主党で、また、特に愛媛、地方の出身の井原でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 子供政策、デジタル関係にはよく質問が出ているんですが、私はあえて地方創生について質問させていただきたいと思いますけれども、ただ、その響きのいい地方創生というよりは、最近、とにかく地元で、消滅可能性都市とかあるいは限界集落という言葉、不安の方がすごく出ていますから、むしろ私の意識としては、地方が今非常に危機があって、その脱出が何より地方創生へのスタートである、そんな認識で質問を進めていきたいと思います。
 まず、改めてでありますけれども、大臣の描く地方創生への地方のイメージについて、どのように考えているか、改めてお示しください。
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黄川田仁志#5
○黄川田国務大臣 地方創生における地方のイメージということでございますが、私は地方の活力が日本の活力であるというふうに考えております。
 地方創生、地域未来戦略については、四十七都道府県のどこに住んでいても、安全に生活することができ、必要な医療、福祉や高度な教育を受けることができ、働く場所がある、こうした日本の姿を目指していくということでございます。
 そのためには、何より重要なことは、強い地域経済を構築するということであると考えております。人口減少という厳しい現実に直面している全国の市町村が、単に人口規模に依存するのではなく、地場産業の付加価値向上や販路拡大などを通じて地域の稼ぐ力を高めていただきたいというふうに考えております。
 そのためには、ただ単に付加価値向上、販路拡大ということだけではなく、やはり、よって立つ基盤、これをつくっていくことも大切であるというふうに考えております。持続可能な地域経済の成長が実現できるよう取り組むことで、そこに暮らす住民の暮らしと安全を守り、地域が未来に希望が持てるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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井原巧#6
○井原(巧)委員 ありがとうございます。
 次に、地方創生に向けての国と地方の役割を改めて確認したいと思うんですけれども、よく地方分権というのもこれまで議論されておりました。地方創生というのは地方再生そのものを示しているんですけれども、分権というのは、これは統治機構の見直しというか、あくまでその手段にすぎないと私は思っております。分権できれば即創生につながる、そういうものではないというふうには思っているわけですけれども。
 振り返ってみると、地方創生という、少し言葉は違いますが、七〇年代、例えば、田中角栄さんの頃は地方の時代と言われましたし、竹下登内閣のときはふるさと創生という言葉もありました。ということは、五十年間同じ課題を追い求めてきているとも言えます。
 ただ、令和六年に政府が取りまとめた地方創生十年の取組と今後の推進方向の中でも、地方の人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには五十年たっても至っておらず、地方が厳しい状況にあることを重く受け止める必要がある、こう総括もされております。
 一方、地方分権については、これは私も思い出があるんですけれども、一九九九年の平成の大合併というのがございました。全国で三千二百の自治体が千七百になった。愛媛県でも七十が実は二十に再編されたんです。私、当時、初代の市長を務めさせていただいたんですけれども、よし、合併して、これから効率化を目指して自立だ、こう言っていたときに、小泉政権下で聞いたことがあると思いますが、三位一体の改革あるいは地財ショックという言葉が当時は走りました。
 理念はすごくよかったんですけれども、国税を地方税に自主財源として税源移譲する代わりに、国庫補助金を減らして、あるいは地方交付税を見直そうという、この三点セットだったんですけれども、現実は、税源移譲よりも補助金、交付税の削減の方が先行したので、地方にとっては財源不足が起こって、大変な問題になった思いがあります。
 また、その後に、民主党政権のときでも地域主権という言葉がすごくうたわれました。そのときは、全国の青年市長会の私は会長をしておりまして、現場とのちょっと制度の乖離について何度も当時申し入れた思い出があります。ひもつき補助金を一括交付金にするということで、非常に当時使い勝手いいなと言いながらも、実は総額が削減されていたり、あるいは、子ども手当というのが当時あったんですけれども、例えば保育料の滞納とかあるいは給食費の滞納をそこから天引きしたいんだと地方の声が出ましたが、それはまかりならぬというような場面もあったりして、なかなか地域主権というのも難しいものでありました。
 こういうことを振り返っていくと、総じて、地方分権については、地方に自立を求める余り、同時に国が支える力を一歩引いて弱めてしまった感もあったように感じております。本来、手段であったはずの分権が目的化して、国と地方が一体となって取り組むべき地方創生の責任が少し曖昧になってきたのではないだろうか。
 例えば、今もそういう状況が私はあると思っておりまして、自治体の裁量とされている例えば子供医療の無料化の拡充、何年生までと上げていくやつ、これなどは富める自治体が先行して拡充するんですね、東京都とか。そうなると、結果的には格差是正、人口流出抑制への逆行に、地方創生の逆行になっている、それが、感じるところがありまして、本来こういうものは一律全国で実施すべき事業じゃないのかなと痛感しております。
 医療、福祉、教育、公共交通といった、先ほど大臣がおっしゃったエッセンシャルサービスでありますけれども、これはもはや自治体のもう財政格差に委ねるべき段階ではなくて、国が全国一律で責任を持つ分野であるのではないかと考えているところであります。
 自治体消滅の危機が叫ばれている今、必要なのは、地方任せではなくて、国が主導して、守るべき地方の姿を明確に示して、総力戦で挑むべきだと考えております。人口減少に求められているのは、単なる支援の量ではなくて、確実に成果を生む仕組みへの抜本的な転換が必要であると考えております。
 そこで、お伺いいたしますが、地方創生と地方分権との関係について、どのように大臣は考え、捉え、その推進に当たり国と地方が果たすべき真の役割分担について、御所見を伺いたいと思います。
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黄川田仁志#7
○黄川田国務大臣 議員御指摘のとおり、これまでの地方創生は、人口減少や東京一極集中の是正等を目標に掲げまして、医療、雇用、生活環境など、個々の地域課題に対して各自治体が個別に対処できるように、政府が支援してまいりました。
 また、地方分権については、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるもので、地方創生における重要なテーマであり、地域の実情に応じたきめ細かな施策が実現されるよう、地方に対する規制緩和や事務、権限移譲などを進めてきたところでございます。
 そういった中で、委員が疑問に思っている点でございますけれども、知事会、また知事の皆様と、また市町村の皆様、いろいろと私も面会して話す機会がありまして、やはり、分権の在り方については見直してほしいという声も伺っているところでございます。
 そして、高市内閣におきましては、地域未来戦略というものを打ち立てて、三つの類型のクラスター計画を進めていくことにしております。
 まず、国の成長戦略における十七分野に関する検討が主導する形で企業の大規模投資を中心に形成されていくもので、インフラ整備等を一体的に実施してまいります。
 また、二番目は、知事主導で形成されるクラスターでありまして、政府の施策の戦略的活用をプッシュ型で提案していくことで、その形成、拡大を目指すものでございます。
 そして、市町村等の地場産業の更なる付加価値向上や販路拡大、開拓等を支援して地域経済の拡大を目指すクラスターもございまして、この地域クラスターを支えるまた仕組みづくり、地域構造の再設計を支援するものもございます。
 いずれにせよ、国も一歩前に出て取組を進めることや、また、市町村が人口減少社会にも対応できるような形で地域構造の再設計に挑戦する、そういうものを国として積極的に支援することも重要ではないかというふうに考えております。
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井原巧#8
○井原(巧)委員 御答弁ありがとうございました。
 次に、人口減少を乗り越える変化から進化、これは私流の言葉ですけれども、についてお伺いしたいと思います。
 多くの自治体が、現実には消滅可能性の波にのまれつつある、そんなふうな感じを、特に我々四国の方は感じるわけであります。私は、地方がこの大波に流されてやむなく、仕方なく変化するのではなくて、この変化をチャンスと捉えて、自ら魅力的な地域へつくり変える進化というものを遂げるべきだと考えております。かつてのやはり市町村合併のときと同じで、進化のときには一定のコストがどうしても必要となります。高市政権が、今大臣おっしゃられたとおり、地域未来戦略本部を設置し、人口減少を前提に、地方を守るだけでなく活性化させる、いわば攻めの地方創生を打ち出されていることには、非常に私も心強く、期待をいたしているところであります。
 ここで少し、私の一例なんですけれども、体験を申し上げますと、私の地域に、小さな過疎地域、昔、村と言われていたんですけれども、小学校二つと中学校一つがありました。教育の明かりをとにかく残そうということで統合を提案したんですけれども、当然地元は大反対で、通学距離が遠くなる、そんなのはやめてくれという、こんな話があったんですね。
 そのときに、これを単なる統合という変化に終わらせずに、進化させようということで、例えば、教育特区を利用して英語教育を小学校から入れたり、あるいは、小規模特認校というのを活用して校区外からの受入れを認めるような付加価値を住民に提案して、ようやく賛同を得てスタートできました。おかげで、今は市内で唯一、定員満杯の学校となっておりまして、全国から視察が本当に相次ぐような変化、まあ進化できたわけですね。
 ですから、仮に、市内に、十の小学校が将来仕方なく五つになったとしても、残った五つが前よりはるかにいい小学校になれば、それは地方が変化じゃなくて進化できた、こう言えると思うんです。
 ただ、今の現状を少し見ると、補助制度とか、例えば災害復旧の事業なんかは、多くは、あくまで旧に復することには非常に手厚いんですね。ただ、時代に合わせたプラスアルファの進化をしようと思ったときには、そこには財政支援が不十分だというのが制度的な問題としてあります。
 地方が進化へ踏み出す足かせにならぬように、あるいは地方自治体職員がチャレンジ精神を失わないように、以前と同じでは未来が開けないので、地方創生を加速させる意味で、先ほどの、現場の創意工夫を阻害しないような、省庁の垣根を越えた膨大な補助事業ではあるんですけれども、是非大臣の方で横串を刺していただいて、より柔軟で、進化を後押しするような補助制度への見直しを進めるべきだと考えておりますが、御所見をお願いいたします。
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前田剛志#9
○前田政府参考人 お答え申し上げます。
 例えば、内閣府の地方創生の交付金につきましては、地方公共団体の独自の取組を支援するために措置されているものでございますけれども、昨年度からは、ハード事業とソフト事業を一体的に申請できるようにすることや、限度額を拡大すること等によりまして、地域が、付加価値の向上を含め、創意工夫を一層発揮して取り組めるようになったと考えております。また、こうした交付金を十分に活用できていない自治体に対しまして、国の職員による伴走支援の強化を行っているところでございます。
 引き続き、各省庁の補助事業等を含め、地方創生、地域未来戦略に関する支援につきましては、各省庁と連携をし、地域のニーズや関係者の意見も踏まえながら、地方創生等の推進に一層資するものとなるよう、適切に対応してまいります。
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井原巧#10
○井原(巧)委員 ありがとうございます。
 本当に、大臣のところで横串を刺すような、是非事業についての点検と、今の、やはり伴走型というのは非常に必要だと思います。国にも財務省があるように県にも市にも財政課があって、そこがとにかく絞ってぎりぎりの予算をそれぞれの事業課に出してまいりますから、未来志向のプラスアルファというのはなかなか市町村でも提案しづらいというところがあります。そういうものを、やはり体制を変えていかないと変化より進化につながらない、こういうふうに思っております。
 もう時間が来ておりましたので、最後に是非、これは要望ということでありますけれども、大臣の代で、昔は三位一体改革がありましたけれども、未来志向の、地方を希望で照らす令和版の三位一体改革のようなものを是非内閣府で取りまとめていただいて、ぐいぐい推進していただきますことを要望いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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丹羽秀樹#11
○丹羽委員長 次に、大森江里子君。
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大森江里子#12
○大森委員 中道改革連合の大森江里子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 先月、私は、同僚議員とともに都内の乳児院、児童養護施設そして里親支援センターを視察し、現場の課題や御要望を直接伺ってまいりました。また、昨日は、広島県にあるファミリーホーム、また母子生活支援施設を訪問し、課題や御要望を伺ってまいりました。現場で切実な課題の数々を伺い、子供たちの未来のために政治がなすべきことがまだまだ数多く残っていることを痛感いたしました。
 乳児院や児童養護施設は、戦後の孤児救済や経済的困窮による保護が中心的な役割でしたが、現在は、虐待の深刻化と家族再統合の難しさという、より複雑な課題に直面をしています。そして、施設の役割は、単なる預かりの場から親子の関係を丁寧に結び直す場へと広がっております。また、施設を巣立った子供たちは、何年もたってから、悩みを相談するために職員の元を訪ねてくることがあると伺いました。伴走して支え続けてこられた職員の皆様の御尽力、そして、こども家庭庁を始め、政府がその努力に寄り添い、応えようと取り組んでこられたことに心からの敬意と感謝を申し上げます。
 初めに、乳児院について伺います。
 視察した乳児院では、入所の約七割が虐待を背景とし、病院から直接入所する新生児も増えていました。愛着形成が極めて重要な時期ですので、手厚い人員配置が理想ではありますが、一方で、なかなか人が集まらない、三年から五年程度で離職してしまうといった実態があります。人員を手厚くしたくても人が集まらず、かといって、基準を満たせなければ事業の継続そのものが危ぶまれるという難しい課題を抱えています。子供と年齢の近い、若い職員によるサポートも重要ですが、若い人だけでなく、むしろ子育てが終わったベテランの方々の職場復帰も切望されておりました。
 視察先では、突然死のリスクを避けるため、一歳までは十五分に一回、二歳までは三十分に一回の頻度で夜間の呼吸確認を行っています。大切な命を預かる仕事ですから、緊張感も想像を超える、過酷なお仕事だと改めて実感いたしました。もちろん、夜勤も泊まりもありますので、政府はそこにもきちんと措置をしていただいていると承知をしております。
 その上で、長く働き続ける環境整備が結果として子供の安定した愛着形成につながるものと考えますが、施設の体制強化に向けた人材確保と就労定着支援について、政府の取組をお伺いいたします。
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黄川田仁志#13
○黄川田国務大臣 大森委員におきましては、現場の声をこういう委員会でお伝えいただきまして、本当に感謝しております。委員の問題意識にある乳児院等の職員の確保や定着支援については大変重要であると認識しております。
 このため、こども家庭庁としては、業務の質の向上を図るための処遇改善に加えまして、毎年度、人事院勧告を踏まえた人件費の改善に取り組んでおります。また、夜間業務等に従事する補助者等の雇い上げに係る経費の補助やピアサポートの実施費用の補助などにより、人材確保や定着支援を図っているところでございます。
 引き続き、これらの取組を通じまして、乳児院等の職員の確保や定着支援に努めてまいりたいと考えております。
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大森江里子#14
○大森委員 ありがとうございます。
 是非とも、処遇改善を含めました人材確保のより一層の取組をお願いしたいと思います。
 続きまして、視察した乳児院では、一時保護が増え続けていて、養子縁組ではない形で保護せざるを得なくなった子供たちの家庭養護を考えると、一時保護が可能な里親さんを増やす必要があるそうです。長期での預かりを希望される里親さんは一定数いらっしゃるものの、短期、一時保護を受けていただける里親さんが圧倒的に足りない現状です。
 現在、一時保護が可能な里親の登録数と実際の委託実績を政府はどのように把握しておられるのか、伺います。
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齊藤馨#15
○齊藤政府参考人 お答えいたします。
 こども家庭庁におきましては、全国の登録里親数一万八千三十八世帯のうち、一時保護委託が可能である里親の登録数という形では把握してございません。里親への一時保護委託の実績は把握してございまして、令和六年度においては、児童虐待を理由に一時保護委託を行った件数一万五千七百三件のうち、里親への一時保護委託件数は三千六百七十八件でございます。
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大森江里子#16
○大森委員 ありがとうございました。
 一時保護が本当に増えているということでしたので、そこの対応ができるような体制を考えていただきたいと思っております。
 年齢層別の里親確保についての実態も伺いました。保護される子供たちはゼロ歳から十八歳まであらゆる年齢層にわたっていて、全ての年齢に対応できる里親の確保が必要ということです。しかし、誰もが全ての年齢層を受け入れられるわけではないそうで、緊急時に子供を受け入れられる里親が足りないだけでなく、全年齢に対応できる里親や中高生を専門に受け入れる里親など、多様な層の里親が必要との声があります。
 全年齢に対応できる里親が不足しているという現状をどのように御認識なさっているのか、それに向けた対応をどのように進めておられるのか、伺います。
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齊藤馨#17
○齊藤政府参考人 お答えいたします。
 社会的養護を必要とする子供が年齢にかかわらず家庭での養育を受けられる環境を整えることは重要であると考えておりますが、特に中高生は思春期特有の行動があるなど、中高生の行動や価値観に柔軟に対応できる里親を選定する必要があるため、委託できる里親の選定が難しいとの声があることを承知してございます。
 このため、子供の様々な状況に応じて受け入れることができる里親を確保できるよう、毎年十月の里親月間の取組等を通じて里親なり手確保に取り組んでいるほか、里親支援センターによる研修等の実施により里親のスキルアップにも取り組んでいるところでございます。
 また、里親家庭が様々な子供を受け入れられるようにするためには、里親支援センターを中心に、関係機関がチームを組みながら養育をサポートすることで、里親が安心して子供を養育できる環境を整備することも重要だと考えておりまして、引き続き、このような取組を通じて、家庭養育の推進に努めてまいりたいと考えてございます。
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大森江里子#18
○大森委員 ありがとうございました。
 里親さんが安心をして養育ができるという環境が非常に大切だと思いますので、そういった面のサポートもよろしくお願いいたします。
 乳児院は、虐待などにより保護された新生児を受け入れ、二十四時間体制で命を守りながら短期間で子供の状況把握をして、必要であれば福祉、精神的サポートの対応をしています。そして、児童相談所と相談しながら、里親との丁寧なマッチングを経て家庭養育へと橋渡しをする。専門的な知識と経験を持つ職員がそろった乳児院が大きな役割を担っていることを今回の視察を通じて改めて感じました。
 家庭養育を推進すればするほど、その入口として乳児院の存在はより重要になると思いますが、大臣の御見解を伺います。
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黄川田仁志#19
○黄川田国務大臣 乳児院は、入所施設として乳幼児の保護、養育に重要な役割を担う施設であります。一方で、家庭養育を推進するに当たっては、そうした役割の中で培ってきた専門性を生かして、里親等への支援を含む総合的な支援を行っていただくことも重要であると考えております。
 このため、こども家庭庁としては、都道府県社会的養育推進計画の策定要領において、乳児院が培ってきたアセスメントの専門性を里親等支援において積極的に活用していただくよう自治体に働きかけております。また、里親等に対する訪問を含めた相談支援やレスパイトケアの受入れ等を行う里親支援専門相談員の乳児院での配置のための支援も行っているところでございます。
 引き続き、家庭養育の推進に向け、乳児院の専門性が有効に活用されるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
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大森江里子#20
○大森委員 ありがとうございます。
 家庭養育を推進するためにも、乳児院という基盤をしっかりと守って強化していく必要があると思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、視察では、新生児期の里親委託を支える先進的な取組も伺いました。一部の自治体では、新生児を里親家庭にお願いする際、まず乳児院に短期入所してもらい、おむつ交換や夜中の授乳のコツなどを職員が丁寧にお伝えをしています。そして、およそ一週間で自宅に戻った後も、一か月ほどは長期外泊扱いとして養育のサポートを続け、措置変更後も一年ほど訪問を続けて見守るという切れ目のない支援の仕組みを整えています。
 新生児期から家庭養育は子供の愛着形成にとって極めて重要です。同時に、里親にとっても、不安を抱えたまま自分たちだけで向き合うのではなく、専門の方に支えられながら養育のスタートを切れるということは大きな意義があると思います。
 こうした取組を行っている自治体の状況を政府はどのように把握しておられるのか、また全国展開に向けた支援策を講じるお考えはあるのか、お伺いいたします。
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黄川田仁志#21
○黄川田国務大臣 家庭養育を推進する上では、乳児院等の専門性も生かしながら、里親が安心して子供を養育できる環境を整えることが重要でございます。
 御指摘のような乳児院の取組については、国と自治体の担当職員によるネットワーク会議等を通じまして、先駆的な取組や好事例の把握や共有に取り組んでいるほか、施設において里親支援専門相談員の配置を可能とすることによりまして、国として里親に対するきめ細やかな支援体制の整備を支援しているところでございます。
 今後も、こうしたネットワーク会議や全国会議の場などを通じまして、里親支援相談員の活用促進の働きかけや、把握した好事例の横展開に取り組んでまいりたいと考えております。
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大森江里子#22
○大森委員 ありがとうございます。
 先ほど御紹介した取組は本当にすばらしいと思いますので、全国展開に向けた御検討を、後押しを是非ともお願いしたいと思っております。
 次に、社会的養育を経験した子供たちの記録保存について伺います。
 施設や里親の元で育った子供が、大人になって自分の生い立ちやルーツを知りたいと思ったとき、その記録にたどり着けないという現実があります。これは、児童の権利に関する条約第七条が保障する出自を知る権利の問題です。
 児童相談所の児童記録票については、平成三十年三月三十日付の児童相談所運営指針改正で、養子縁組が成立した事例に限り永年保存とされましたが、施設入所や里親委託のケースは依然として満二十五歳までの保存であり、また、市町村が保有する記録は、指針で定める保存期間は原則五年です。いろいろな事情で施設を転々とする子供たちは、分散する記録を集められず、また記録が乏しくて悩むケースが多いと伺いました。
 この現状について政府はどのように認識しておられるか、伺います。
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齊藤馨#23
○齊藤政府参考人 お答えします。
 議員御指摘のとおり、例えば、児童福祉法第二十七条第一項第三号の措置、委託を取った子供の児童記録票の保存期間は、児童相談所運営指針においてその子供が満二十五歳になるまでの間としており、指針の内容等を踏まえて、児童相談所や児童養護施設等がそれぞれの文書管理規程等に基づき適切に保存しているものと承知をしてございます。
 これらに関する政府の認識でございますけれども、これらをめぐる現状として、例えば、令和三年度社会保障制度審議会児童部会社会的養護専門委員会報告書においては、児童相談所や施設で自らが受けた対応について成長してから知りたいと思ったとしても、既に記録が存在していないということがあるとの認識が示されているところでございます。
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大森江里子#24
○大森委員 令和七年度の実態把握のための調査研究の結果が出たものと承知をしております。この調査結果について、政府の受け止めを伺います。
 また、子供の出自を知る権利を守るためにも、セキュリティーを強化した上で、クラウド等を活用した記録の集約、一元管理の仕組みや、法的な義務化も含めて整理が必要ではないかと考えますが、大臣の見解を伺います。
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黄川田仁志#25
○黄川田国務大臣 社会的養護の下で暮らす子供が自らの生い立ちを知ることは、子供の健やかな成長や自立に向けた支援において大変重要であると考えております。
 こども家庭庁では、児童相談所における児童記録票の保存や、子供への生い立ちに関する説明の実態や課題を把握するため、昨年度、児童相談所における児童記録票の保存等に関する調査研究事業を実施したところでございます。
 児童記録票の保存については、調査研究の報告書において、社会的養護経験者から、自らの児童記録票について開示請求を行っても、関係法令の規定により、実親に関する情報等の多くの部分が実親の同意なく、不開示となること等が挙げられております。このこと等から、児童記録票を長期保存しても、必ずしも当事者の利益に十分に資することにはならないということが指摘をされております。
 また、生い立ちに関する情報については、その内容や伝え方によっては、本人に強い不安や混乱を生じさせるおそれがあります。このため、子供の最善の利益の観点から、まずは児童相談所や関係機関等が継続的に関与する中で、子供の年齢や理解の度合い、心理的状況に応じて受け止めやすい形に整理しまして段階的に説明を行うとともに、説明後のケアも含めた配慮を行いながら伝えていくことが重要とも指摘をされております。
 研究の結果として、児童相談所においては、子供が自らの生い立ちについて振り返り、整理することを支援する取組を進めていくことが望ましいという方向性が示されたものと受け止めております。
 こども家庭庁としては、この結果に基づきまして、まずは、子供が里親や施設等に措置されている間に児童相談所が里親や施設等と連携しまして、子供の年齢や理解の度合いに応じまして、心理的状況等も把握しながら、子供に生い立ちに関する説明等を行う取組を推進してまいりたい、このように考えております。
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大森江里子#26
○大森委員 ありがとうございます。
 措置中にライフストーリーワークという取組をなさっているということも伺っておりますけれども、乳児院に来る方の多くは、大人になって恋人ができたり、結婚を考えたり、また子供を授かる中で知りたいと思う人も多くいらっしゃいます。措置中だけで充足するものではなく、特に、乳幼児期に里親家庭などの社会的養護を経験した子供たちにとっては、大人になってからでないと知り得ないということも多くございますので、この記録につきましては永年保存、また、自分の記録でもございますので、いつでも知ることができるということが必要であると思いますので、そういった点も是非とも考慮していただきたいと思っております。
 続きまして、里親支援センターの普及について伺います。
 令和四年の児童福祉法改正により、里親支援センターが児童福祉施設として創設され、令和六年四月から運営が始まりました。制度開始から二年が経過した現在、全国の設置数は何か所になっているのかお示しください。
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齊藤馨#27
○齊藤政府参考人 お答えいたします。
 里親支援センターの設置状況については、現在把握している最新の状況としては、令和七年四月一日時点で、三十四自治体、五十五か所となっております。
 なお、令和八年四月一日時点での設置状況については、現在集計中でございます。
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大森江里子#28
○大森委員 里親支援センターを設置すべき自治体は、都道府県、指定都市、児童相談所設置市を合わせて約八十に上りますが、制度開始から二年が経過する中で、普及を着実に進めるために政府の皆様が尽力してくださっているということも承知しております。
 その上で、センター設置に踏み出せない要因の一つに、個人情報管理の問題が指摘されています。里親支援センターの運営を民間に委託する場合、これまで児童相談所が取り扱ってきた行政的な文書、公的に取り寄せた戸籍謄本などの個人情報を民間団体に引き渡すことになります。情報漏えいが発生した場合のリスクは非常に大きく、国として情報提供の方法や保管ルールを定めていないため、各自治体が独自にルールを策定しなければならない。新しい制度であるがゆえに、どのようなルールを構築し、民間とどう連携すべきか、多くの自治体が手探りのまま導入に踏み出せずにいます。
 自治体が安心して設置に踏み出せる環境を整えるべきだと考えますが、政府の見解を伺います。
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齊藤馨#29
○齊藤政府参考人 お答えいたします。
 里親支援センターの設置に当たっては、里親支援センターの担い手の確保や児童相談所と里親支援センターの役割分担の整理など、地域の実情に応じて個々の課題があるものと承知してございます。
 そうしたことから、こども家庭庁ではこうした課題に丁寧に対応するため、令和六年度より、里親等委託の更なる推進に向けて、国と自治体の担当職員によるネットワーク会議を実施をし、各自治体の課題等の洗い出しや取組事例の横展開を行い、都道府県等へ伴走的支援を実施しているところでございます。
 さらに、令和七年度補正予算において、里親支援センターの設置促進に向けて、未設置自治体へのアドバイザーの派遣等を行う事業を計上しているほか、令和八年度予算においては、各自治体で関係機関が連携、協働するための家庭養育推進ネットワークを構築するための必要な予算を計上するなど取組を強化してございます。
 御指摘の個人情報管理の問題も含めて、これらの取組を通じて、現場の状況をよく把握をして、その好事例の横展開を図ることで、自治体が取り組みやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えてございます。
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