神保謙の発言 (国際問題に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(神保謙君) 手短にお答えいたします。
 米軍の話は、もちろんこれ中東でも上空の通過を認めるかとか、トルコの基地使用とか、いろんな問題があって、日本でも戦後、安保条約第六条の運用とか事前協議の仕組みとか、いろんなところで実は制度的には探し求めることができるということなんですけれども、現在の仕組みはいわゆる同盟協議の仕組みで、ACM、アライアンス・コーディネーション・メカニズムというところで、運用、そしてこの米軍をどういうふうに特に北東アジアにおいて機能させるかということで、日々協議をしていると。その仕組みをしっかり使っていくことが大事ですということがテクニカルには言えるのではないかというふうに思っております。
 二番目の核の問題ですけれども、これもたくさんの論点があるんですが、今、私自身が気になっているのは、中国の戦略核弾頭の数の急速な拡大傾向、今六百と言われていますが、二〇三〇年代には千のオーダー、千五百まで行くのではないかとすると、新START条約、今、既に効力は停止しておりますけれども、そこでアメリカとロシアが配備済みの核としての千五百五十に肩を並べて中国がその数に追い付くということになったら我々の取り巻く戦略環境がどうなるかということを考えなきゃいけないという問題と、もう一つは、ロシアがウクライナ戦争で示したような、戦場において通常戦力の延長として戦術核を用いることによって戦状を優位に展開することができるという考え方を北朝鮮が今コピーしようとしているということだと思うんですね。
 北朝鮮は、この戦術核の獲得と、あとイラン製のドローンみたいな、長距離ドローンみたいなものが結構大きくこの朝鮮半島の戦略環境自体を変えるということになると思いますので、そこで十分にこの新しい核の仕組みにアメリカの核の傘が対応できないと韓国が考えたら、韓国は自らの核武装に向かっていくというシナリオさえ検討されるということだと思いますので、核の問題というのは極めて複雑かつ深刻な問題を今もたらしているということだと思います。
 三番目の力の不均衡、これも概念論と実際といろいろ論点はあるんですけれども、ポイントは、やはりこの力による現状変更がその国家にとってペイするか、つまり優位になるかどうかという状況をつくらせないという関係性があれば、それは、非対称なんだけれども均衡が成り立っているという関係だというふうに思うんですね。つまり、全ての関係は不均衡なんですけれども、それが武力によって現状変更することが合理的な手段であるというときにその均衡性が崩れると、この合理的ではないという関係をあらゆる国家間関係につくれるかどうかということが安定を保つための非常に重要な考え方であるというふうに思っております。

発言情報

speech_id: 122114308X00120260304_061

発言者: 神保謙

日付: 2026-03-04

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会