決算委員会

2002-10-02 参議院 全193発言

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会議録情報#0
平成十四年十月二日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 九月二十六日
    辞任         補欠選任
     小川 敏夫君     山根 隆治君
 九月三十日
    辞任         補欠選任
     小泉 親司君     大沢 辰美君
 十月一日
    辞任         補欠選任
     山根 隆治君     藤原 正司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中原  爽君
    理 事
                岩井 國臣君
                佐々木知子君
                中島 啓雄君
                川橋 幸子君
                谷  博之君
                八田ひろ子君
    委 員
                荒井 正吾君
                加治屋義人君
                柏村 武昭君
                北岡 秀二君
                田浦  直君
                藤井 基之君
                三浦 一水君
                朝日 俊弘君
                池口 修次君
                海野  徹君
                神本美恵子君
                辻  泰弘君
                藤原 正司君
                風間  昶君
                遠山 清彦君
                山本  保君
                大沢 辰美君
                岩本 荘太君
                広野ただし君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        島原  勉君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤井 昭夫君
       内閣官房内閣審
       議官       霜鳥 一彦君
       金融庁監督局長  五味 廣文君
       郵政事業庁長官  松井  浩君
       外務省経済協力
       局長       古田  肇君
       文部科学大臣官
       房審議官     金森 越哉君
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  渡辺 泰男君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局国立病院部長  冨岡  悟君
       厚生労働省医薬
       局長       小島比登志君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   坂本由紀子君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       厚生労働省政策
       統括官      青木  功君
       社会保険庁運営
       部長       磯部 文雄君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十一年度一般会計歳入歳出決算、平成十一
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十一年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十一年度政府
 関係機関決算書(第百五十一回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成十一年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百五十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十一年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百五十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十二年度一般会計歳入歳出決算、平成十二
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十二年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十二年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十二年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十二年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)

    ─────────────
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中原爽#1
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る九月二十六日、小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として山根隆治君が選任されました。
 また、去る九月三十日、小泉親司君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君が選任されました。
 また、昨十月一日、山根隆治君が委員を辞任され、その補欠として藤原正司君が選任されました。
    ─────────────
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中原爽#2
○委員長(中原爽君) 平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、平成十一年度のうち、厚生省及び労働省並びに平成十二年度のうち、厚生労働省の決算について審査を行います。
    ─────────────
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中原爽#3
○委員長(中原爽君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中原爽#4
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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中原爽#5
○委員長(中原爽君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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田浦直#6
○田浦直君 おはようございます。自由民主党の田浦直でございます。
 今日は私はこの医療保険制度についていろいろお尋ねをさせていただきたいと思っております。
 御存じのように、この数年間、平成十一年、十二年度、もっと以前からこの医療制度は問題になっておりまして、確かに日本の医療制度というのは世界に冠たるいい医療制度でございますけれども、少子高齢化という中で、あるいは長年の制度改革が行われなかったというようなことで、非常な矛盾、行き詰まりというものを抱えてきておるわけですね。これまでもいろんな議論がなされておりますし、いろんな提案もなされてきたところでございますけれども、残念ながら実現はしておらないという状況だと思っております。
 そういった中で、先月の二十五日ですか、坂口厚生労働大臣から坂口私案というものが出されまして、私も大変関心を持ってこの私案を見させていただいたわけでございますけれども、まず初めにお尋ねしたいのは、坂口大臣が私案を作られたその意気込みというものを感じるわけですが、この私案のポイントあるいは私案を作られた動機といいますか、そういったものについてお尋ねをしたいと思います。
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坂口力#7
○国務大臣(坂口力君) 再び厚生労働大臣としてお世話になることになりました。どうぞひとつよろしくお願いを申し上げます。拍手
 ただいま田浦議員からお話もございましたように、私案なるものを発表させていただいたわけでございますが、この内閣改造もある直前でございましたし、卒業論文のつもりで作らせていただいたわけでございまして、今後、そうしたものを中心にしながら、厚生労働省の方で年末に掛けまして本格的な省としての案を作り上げていくということに、参考にしてもらえばというつもりで出したつもりでございます。
 医療の抜本改革につきましては、名前は抜本改革というふうに一言で言いましても、それぞれやはり人によりまして抜本改革なるものの中身も違いますし、様々でございます。
 しかし、今、私考えておりますのは、一つは、現在五千を超えます保険者がありますこの医療保険制度をこのままで果たしていいのか。一番小さなのは二十七人しかいないということでございまして、こういう小さな保険者をそのままにしておきますと、これはもう行き詰まることだけは間違いがございませんので、ここは統合化を進めていく、できれば一元化をしていくという、そういう方向性を明確にすることが必要ではないか。そして、期限を区切って、大体この辺のところまでにはこれだけのことをしていくという、そういうことをやはり決めて掛からなければいけないのではないかというふうに思っております。
 前国会の医療制度の改革におきまして御審議をいただきまして通過をさせていただきましたが、その中で、七十五歳以上の老人医療費、三分の一から二分の一に引き上げていく。これは五年間掛けまして、平成十九年の十月までに引き上げるというものでございますが、大体、平成十九年という、この五年間という一つの目標がございますので、大体それに合わせましてこの統合化というのもやはり進めていってはどうだろうかということを念頭に置きながら、一つは統合化の平成十九年までに、都道府県を一つの単位といたしました、それを基軸にいたしました方向性を示してはどうかというのが一つでございます。
 それからもう一つは、診療報酬体系の方につきましてももう少し基準を明確にして、医療機関の皆さん方にもよく御理解をいただけるし、そしてまた国民の皆さん方から見ましても納得をしていただけるような、基準を明確にして、そしてそれによる保険点数なるものを作り上げていくということが大事ではないか。では、その基準としてどうしていくかといったようなことから、ホスピタルフィーやドクターフィーの考え方を中心にしながら取りまとめていってはどうかという案をお示しをさせていただいたところでございます。
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田浦直#8
○田浦直君 遅きになりましたけれども、御留任おめでとうございます。実はこの項でその言葉を言おうと思って用意しておったんですが、先に言われました。と申しますのは、坂口私案というものが出たわけですけれども、大臣が替わられたらこれはどうなるのかなというふうに思っておったわけですね。だけれども、幸いなことに留任されたということで私もほっとしているところでございますけれども。
 しかし、私案という格好で出されておるわけですが、この私案というのが、これから厚生省案というのができるということになると思うんですが、それとの関係はどういうふうになっていくのか。例えば、坂口大臣が御留任されなかった場合にこの坂口私案というのがどういうふうに厚生省の中で取り扱われていったのだろうかとか、そういうことを私考えたわけでございます。そういった意味からも留任していただいたということは非常に私どもにとっては良かったことではないかというふうに思っておるところでございますけれども、今述べましたように、この私案と厚生省案というものとの関係はどういうふうになるのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
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坂口力#9
○国務大臣(坂口力君) 私案という形で出させていただきましたけれども、しかし厚生省の役人の皆さん方にも十分議論をしてもらいまして、そしてその点は理解を十分に深めているというふうに思っているところでございます。
 したがいまして、私が単独で作りまして単独で出したものという意味とは少し違いまして、やはり厚生省の中でもよくその議論を重ねてもらっているということは事実でございまして、厚生省案なるものがこれから作り上げられますけれども、それは大きくそこから離れるようなことはないだろうというふうに思っている次第でございます。
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田浦直#10
○田浦直君 私はできるだけ早く厚生省案というものも出していただきたいというふうに思っておるわけでございます。
 厚生省案がこの坂口私案を土台として作られるというふうに解釈していいんだろうと思いますけれども、いつごろ厚生省案というものができるのか。それから、健保法の改正案の中では、附則の中で今年度中にこの基本方針を策定するということが盛り込まれておるわけでございますから、もうスケジュールも出していただきたいというふうに思うわけなんですけれども、その点についてお尋ねを申し上げたいと思います。
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坂口力#11
○国務大臣(坂口力君) 厚生省案につきましては十一月半ばには出させていただきたいというふうに思っております。そして、諸先生方のいろいろの御意見を賜り、また関係いたしますいろいろの業界の皆さん方の御意見もお聞きをしなければならないというふうに思っておりますが、それらをお聞きした上におきまして、最終案というものをできればこの十二月末というふうに思いますけれども、なかなか、十二月末というのはちょっと難しいかもしれませんので、年明けました早い時期に決定をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
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田浦直#12
○田浦直君 坂口私案というものは私案ですから、細かくあるいは具体的なスケジュールまでは書かれておらないわけでございます。それはそれで当然だと思うんですが、厚生省案になりますとやはりそういうわけにはいかないので、具体的なあるいはスケジュールもきちんとある程度詳細に出していただかなければならないというふうに思うんですけれども、もう少しこの坂口私案よりも具体的なスケジュールが厚生省案では示されるということになるのかどうか、その点を、これは局長で結構でございますが、お尋ねを申し上げます。
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真野章#13
○政府参考人(真野章君) 先回の改正法の附則によりまして、先生御案内のとおり、保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の体系の在り方、それから新しい高齢者医療制度の創設、それから診療報酬の体系の見直し、この三点につきまして、その具体的内容、手順及び年次計画を明らかにした基本方針を策定するというのが政府の義務ということになっておりまして、そのための基本方針、計画を策定するために大臣の先ほどの私案を基に私ども今鋭意検討いたしているわけですが、先ほどから大臣からお話もございましたように、厚生労働省としての案をお示しをしたいというふうに思っておりまして、そういう意味では、今の申し上げました基本計画を策定するための案をお示しをいたすわけでございますので、できるだけそういう具体的な内容を盛り込んだ、どこまでできるかというのはございますけれども、私どもできる限りそういう内容を盛り込んだものにしたいというふうに思っております。
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田浦直#14
○田浦直君 この抜本案作りというのは随分、数年これまで論議をされてきたわけなんですね。政府もいろんな提案をなされてきたわけですけれども、実際には、何らと言っては言い過ぎかしれませんけれども、実現するところまでは行っていないわけなんですね。健保法の改正があるたびに論議をされる、そしてその中で実施されるのは大体国民負担の増加とか、そういったところだけが取り上げられて、抜本案作りのところは何か非常に難しい、いろんな関係団体もあってなかなか実現ができないというようなことで見送られてきたような気がするんですね。
 私も厚生労働委員会の中で随分この問題について質問をさせてもらったんですが、二〇〇〇年までには必ずやると歴代の大臣が何人もおっしゃられて、私も再三質問する中で、これだけ答弁されるなら恐らく何らかの形で実現するんじゃないかと思っておりましたら、二〇〇〇年になったら二〇〇二年に先延ばしをするという発表だけが行われた。この間、国民も我々も大きな期待をして待っていたのにもかかわらず実現をしておらないわけなんですね。
 そのときに、一体、じゃ、そういうふうな約束をしたことについての、そしてそれができなかったということについての責任は一体だれが取るのかということを見てみましたら、だれも取っていないんですよね。ただ先送りをしたということが結果として出てきただけなんですね。
 だから私は、やはり今回も坂口大臣も意欲的にこの問題に取り組んでいただいておるわけですから、私は今度は実現するんではないかという期待をしているんですけれども、その約束を実行するにはやはりだれかが責任を持ってやらぬといかぬ、あるいはできなかった場合にはだれかが責任を取るというような、そういう体制でないとまたまた先延ばしにされる可能性がある。今お話がありましたように、五年先にできるようにということでスケジュールを組まれるということですが、五年間にはいろいろなことがあると思うんですよね。大臣も何人かまた替わられる。その間、いろんな意見があってまた見送られるということはあるかもしれぬ。そういう危惧をこれまでの何年かの経過の中で私は心配をしているわけですね。
 それにはやはり、これは自分が責任を持って、あるいはここが責任を持ってやるんだ、できなかった場合には自分たちが腹切ってでもこの実現を目指すんだというふうな、そういうところも、責任の所在というものが要るんじゃないかなと思うわけなんですが、その点についてどういうふうな決意というんですか、で臨まれるのか、その点をお尋ねをしたいと思います。
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坂口力#15
○国務大臣(坂口力君) 五年も六年もやっているわけじゃございませんから、その先のことはなかなか分かりませんけれども、しかし、どういう方向で、これをどういうスケジュールでやっていくかという案は明確にしなければならないというふうに思っております。
 この診療報酬体系の問題や保険の統合一元化の問題を挙げましたけれども、それだけではなくて、やはり医療の質をどう上げていくかといった問題につきましても、これはまとめなければならないというふうに思っております。この質を上げるという問題も他の問題と同様に大変大事な問題だというふうに思っておりますから、それらを総合的な案にしなければならないというふうに考えている次第でございまして、それらはこういう方向で、そしていつまでに達成をするという案を作り上げるというところまでは、これは責任があるというふうに思っております。
 もちろん、厚生労働省の方で作らせていただいて御審議をいただくわけでございますから、厚生労働大臣にすべての責任はあると思っておりますし、できなければその責任は取らせていただきたいと思っているところでございます。
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田浦直#16
○田浦直君 坂口大臣ほどの強い指導力を持った大臣が今後出るかどうか分からないわけですので、是非しっかりと土台を固めていただいて、揺るぎのないような抜本案作りをお願いを申し上げたいと思っておるところでございます。
 それで、この私案の中身についてちょっとお尋ねをしてまいりたいと思うんですが、この医療保険の再編といいますか統合といいますか、そういったものはこの私案の中ではこれまでの、先ほど大臣も述べられましたように、市町村単位ということではなくして都道府県単位でやったらどうかというふうに書かれておるわけですね。私も大体こういったところが妥当なところではないかなというふうに思っております。
 確かに、もう数十名の保険者でこの医療保険をやるということは難しい、できないということは明らかなんですね。本当に、その村か町かで例えば人工透析をしなければならぬとか経費がたくさん掛かるような患者さんが一人でも出たら、もう医療保険制度はその町では壊れてしまうというふうなことになるわけですね。そういう実例もあるわけですので、都道府県単位ぐらいでまとめられるのはいいんではないかなと。私もそういう意味ではこの私案は評価したいというふうに思うんですね。
 ただ、その都道府県単位にするというこのスケジュールですよね、これがなかなかまた難しい。再編し直す、統合するというのは一言では易しい言葉ですが、現実に非常にやっていく中ではいろんな問題がまた生じてくるというふうに思うんですね。そこを乗り越えぬといかぬわけですけれども、その再編をどういうふうな形でやっていかれるのか。ただ再編する、統合するだけでは私どもはちょっと納得できないので、どういうふうにしてその再編をやっていかれる決意なのか、その点をお尋ねをしたいと思います。
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真野章#17
○政府参考人(真野章君) おっしゃられますように、国民健康保険におきましては産業構造の変化や過疎化の進展などによりまして小規模な保険者が増加をいたしております。例えば、被保険者数三千人未満の市町村国保というのはもう三七%と、千二百近い保険者の数になっておりますし、保険者の運営基盤の強化や保険者機能の効率的な発揮ということから考えますと、私どもも広域化や事業の共同化を進めると、そういう基盤整備をしていくことが大事だというふうに思っております。
 広域化につきましては、合併促進法や合併支援プランということで政府としても市町村合併の推進を図っていこうとしておりますけれども、国民健康保険独自におきましても、市町村合併の際に保険料の格差、どうしても、合併をいたしますと、同じ料率の保険者が一緒になればいいわけですが、高いところと低いところが出ると。そういたしますと、低いところに合わせればいいわけでしょうが、なかなか、実際問題としてはその中間を取るか高い方に合わせると。
 そうしますと、今まで低かった町村に属されていた被保険者にとっては保険料の増になるというようなことにつきまして、そういう問題についての平準化をするということで広域化等支援基金というのを創設をいたしまして、市町村国保の、言わば保険料が違うことによるなかなか広域化が進まないというようなことについてはそういう支援をして、合併の機運がある、又は広域化の機運があるところはそういう保険料の差異による難しさをできるだけ解消していこうとしておりますし、また国民健康保険では共同事業を都道府県単位でやっていただいていますが、この高額な医療費の負担を都道府県単位で調整するという高額療養費共同事業がございますが、これをその対象をレセプト一件八十万円というものから七十万円に拡大するということによって事業規模も一・八倍ぐらいになると。言わばそういうことで都道府県単位で、その高額療養費に関していいましたら、そういう意味では都道府県単位で再保険をしているみたいなものでございますので、市町村間の保険料の標準化が進められるというようなことで基盤整備をし、更に国保連における共同電算処理というようなことでできるだけ保険事業の共同化ということも進めていく、そういう市町村への支援と、それから、できるだけ都道府県単位での事業を拡大することによって都道府県単位へ向けた保険者の規模の拡大ということについて一層の努力をしていきたいというふうに考えております。
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田浦直#18
○田浦直君 都道府県単位ということでやられるということで、恐らく、国保とか政管健保とか、これはいろんなことあると思いますが、実現できる可能性はかなりあるなと私は思っております。
 ただ、健保組合の方も、恐らく、これは都道府県単位にするということになれば、健保組合というのは全国組織であるところもたくさんあるわけですよね、大きな企業というものはそういうふうになっているわけですから。健保組合の中でもまたいろんな問題が抱えておるので、私はこの健保組合の都道府県単位への移行というのが、これが一番困難ではないかな、難航するんではないかなと思うんですね。
 でも、しかしそれは是非やっていただきたいと思うんですね。健康保険の一本化、一元化という意味でですね。すべてを都道府県単位でされるというふうにやっていただきたいなというふうに思うわけですけれども、これまでのような、健保組合に対してもこれまでのようなアプローチでは再編とか統合とかいうのは非常に難しいと私は感じるんですね。だから、またそれを先送りにするということになりかねないというふうに思うんですけれども、この点についてどういうふうに進めていかれるつもりなのか、お尋ねをしたいと思います。
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坂口力#19
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のように、組合健保をどうするかということが一番難しいだろうというふうに思いますし、都道府県単位にするということを言いました、都道府県単位というのを軸として再編をしていくということにしました場合に、やはり組合健保が一番難しいと私も率直にそう思っております。
 組合健保の場合には、それぞれのやはり企業の御意見もあるんだろうと思うんですね。健保組合も御意見をお持ちでございましょうし、それから企業もお持ちでございます。企業は全国レベルで展開をしているわけでありますから、一つの県に固まりになっておやりになっているわけではありません、もう広い範囲でおやりになっている、あるいは日本を超えておやりになっているわけでありますから。その皆さん方の組合健保を都道府県単位に整理をするというのは、これはちょっとなかなか至難の業ではないかというふうに思いますが、しかし、この健保組合といえども、現在の状況のままでいいかといえば、これはもう少し統合化をしていただかなきゃならないことだけは間違いがないわけであります。
 それで、統合化は進めていただきたい。統合化を進めていただく中で、そうしますと、組合健保の中には、あるいは政管健保の中にそれじゃもう入っていこうかというところもあるかもしれませんし、あるいは大きい企業と同じにやっていこうかというところもあるかもしれません。いわゆる下請等の企業におきましては親企業と一緒にやっていこうというところもあるかもしれません。しかし、それもなかなかままならないというところもあるやにお聞きをいたしております。企業としては一つの関連企業ということになっておりますけれども、いや、しかしそこまで一緒になるのはというお気持ちのところもあるやにお聞きをいたしておりますししますから、そこはそう簡単ではないだろうと。
 そうした意味からいきまして、ひとつ別途法人なら法人格のものを作って、政管健保でもない、皆さん方がひとつ一緒にやっていただくような形のものを作り上げていくということも一つの方法ではないか。これは検討課題と思うんですけれども、そうしたことも念頭に置きながら統合化をまず進めていく。
 したがいまして、平成十九年までに組合健保も都道府県単位まで割り切るということは私は少し難しいんではないかと。しかし、統合化は進めていって、少なくとも都道府県単位ぐらいに見合うような統合化が進んでいくことを期待をしているというところでございます。
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田浦直#20
○田浦直君 今、大臣が述べられましたけれども、組合健保というのは非常に難しい。私も同感なんですね。
 今おっしゃられた政管健保とは違うような形でという話もございましたけれども、それはどういう内容なのか、教えていただければと思いますが。
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坂口力#21
○国務大臣(坂口力君) まだこれは固まった話ではございませんし、これから検討をしなければならないことでございますし、それを作るということを決定したわけでも今のところございません。そういう方法もあるのではないかというふうに思っておりますが、そうした場合には都道府県単位で、中小の小さい企業でございましたら都道府県単位で統合をして、そして一つの保険者を作り上げていくといった方向に向かないだろうかということでございまして、これはどういう形態でやるのか、公益法人でやるのかどうか、そうしたことも含めまして今後検討をしていかなければいけないことだというふうに思っております。
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田浦直#22
○田浦直君 そうしますと、国保、政管健保とはまた違った方向で再編統合を組合健保の場合は行うこともあり得るというふうな御意見だと思うんですね。
 そうすると、十九年度までにすべて都道府県単位でやる、一本化してしまうということではなくして、国保と政管健保、できるところからそういうふうに持っていきたいというふうなお考えなのか、どうでしょうか。
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坂口力#23
○国務大臣(坂口力君) そこをこれから議論をもう少し詰めさせていただきたいと思いますし、多くの皆さんの御意見を伺いたいというふうに思っておりますが。
 もう一つ、各保険者間の年齢構成というのも違うわけでありまして、高齢者がたくさんおみえになります保険者におきましては、それは財政上非常に厳しくなることは当然でありますし、お若い皆さん方の多いところでは、それは財政上非常にゆとりが出ることも事実でございます。そうした面でのいわゆる調整、年齢調整といったことも他方、統合とは別問題として、これは進めさせていただかなければならないだろうというふうに思っております。
 その年齢の調整等は行わせていただいて、そしてもう一つは財政、財政と申しますか所得ですね。所得等について調整ができるかどうかという問題がございますけれども、これはいわゆる税の捕捉の問題等もございまして、これも一本でやるということもなかなか難しいわけでございますが、可能な限り、それぞれの現在の系列の中でそうしたこともこれはできるのではないかというふうに思っているところでございます。
 結局、制度が本当に統合化もしできなかったとしても、実質的には統合したのと同じような体制を作り上げていくということになれば、それから先は保険者そのものを一つにするかしないかという問題だけが残ってくるわけでございますので、そうしたことも両にらみで行いながらやっていく。
 しかし、財政調整の話は、これは私は二の次だというふうに、大事な問題でございますけれども、二の次だというふうに思っております。ここを余り強調いたしますと、財政調整のために、財政のためにやるのかという論議になってしまいますから、私はそうではないというふうに思っておりますけれども、しかし、ここにつきましても、やはり特に年齢の調整等につきましては行わせていただかざるを得ないと、そんなふうに思っております。
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田浦直#24
○田浦直君 今、大臣がおっしゃられたのは、やはり高齢者医療制度ですね。今一番問題になっている財政の中で、この高齢者医療問題が片付かないものですから、だからいろんなことが起こっておるんだというふうに思うんですね。いろんな案もこれまで提案されてきておるわけですが、それも実際には形にはなっておらないわけで、ここを早く何とか解決しなければこの問題は解決しないということになるんだろうと思うんですね。
 これまでは老人医療拠出金というふうな形でやっておったわけですが、それが非常に矛盾が生じてきたといいますか、若年者の多い組合では大変な負担になってきているというふうな問題もありまして、今、大臣がおっしゃられましたように、この坂口大臣の今回の私案の中に年齢や所得に着目した負担の公平化を図るというふうに書かれておるのはそんなところではないかなというふうに思うんですね。その年齢や所得に着目した負担の公平化というのは、リスク構造調整方式といいますか、それのことを言われておるんではないかなと私は思っておるわけなんですが、そうしますと、今までやってきておりました老人医療拠出金ですね、の制度と、このリスク方式と一体どこがどんなに違うのか、リスク方式にした場合にどういうメリットがあるのか、その点についてお考えをお聞きしたいと思います。
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真野章#25
○政府参考人(真野章君) 現在、御指摘ありました老人保健制度は、今の被用者保険制度と国民健康保険制度の制度的な仕組みの違いといいますか、被用者保険から抜け出せば国民健康保険で受けると。したがいまして、国民健康保険がすべての受皿になっていると。したがいまして、リタイアいたしますと国保に入ると。そういう言わば国民健康保険に制度的に高齢者が集中する今の仕掛けを何とか是正をするといいますか、それぞれの保険集団に日本のお年寄り全体の比率を負担してもらう、どういうふうに支え合うかという、言わば高齢者の率を保険者で一定してできるだけ負担を公平化をしようと。それは、今、先生おっしゃられましたように、若年層を抱えている保険者からは、自分たちが使う医療費でない部分について非常に大きな負担になっているという御指摘があることも事実でございます。
 ただ、今申し上げましたように、現在の老人保健制度は対象を高齢者に限定して調整をしているわけですが、今言われております年齢や所得に着目した負担の公平化という議論になりますと、先ほどちょっと大臣からもお話がございましたように、保険者の全体を言わば日本の人口構造に合わせるといいますか、負担をされる方々も日本の人口全体と同じような仕掛けに想定すると。保険者を自ら設定できますのは健康保険のような組織でございますので、例えば政管は被用者保険での受皿、それから、先ほど申し上げましたように、国民健康保険は日本の皆保険制度全体の受皿でございますので、言わば保険集団を自ら設定することはできないと。そうしますと、その結果生じたそういう年齢構造の違いというものが保険者の負担として、財政的な負担として現れてくるわけですので、そういう部分についてできるだけ年齢構造を公平にしたら、同じようにしたらどういうことができるかと。
 したがいまして、年齢に着目いたしますと、そういう意味では、先ほど申し上げましたように、現在の老人保健制度が対象者の老人を同じように率を設定すると考えれば、今回の年齢に着目したリスク構造というのは、保険集団全体を、言わばすべての年齢層を日本の人口構造と同じような年齢層として想定して調整をしてみたらどうかということでありますし、それから所得は、先ほどちょっと大臣からもお話もございましたように、これはもうそれぞれの就業状況からそういう企業の負担能力その他も含めましてかなり相違があると。これについてもできるだけ、現在の例でありますと退職者医療保険制度が、被用者の中ではありますけれども、言わば総報酬によって、全体の標準報酬を合わせた総報酬によってその中で調整をしていると、そういうような仕掛けも負担の公平化ということで考えられるんではないかと、そういう二つの違いがあるんではないかというふうに思っております。
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田浦直#26
○田浦直君 そのリスク構造調整方式を実際に行うということになった場合、各保険者の保険料負担それから公費負担は一体どうなるのか。私は、医療費というのは、総枠はもうどういう方式を取ろうと同じことだと思うんです。老人医療費についても同じことだと思うわけなんですね。したがいまして、その中身をいろいろいろいろ改造するというか、ということの中で一番問題になるのは、保険者の保険料は一体どうなるのか、公費負担はどうなるのか、そういうことではないかなと思うんですね。このリスク構造方式と、もう一つ有力に言われているのは独立方式というのがあると思うんですけれども、どちらもそれぞれいい面もあるし悪い面もあると私は思っておるわけなんですね。
 そういう中で、このリスク構造方式を行った場合には一体どういうふうに負担がなるのかということをお尋ねをしたいと思います。
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真野章#27
○政府参考人(真野章君) なかなか医療費の計算、しかも医療費の見通しそのものもそうですし、この負担ということになりますと、拠出サイドの経済成長による所得の把握というような非常に難しい議論がございますのでなかなか難しいんですが、先日、今、先生御指摘の高齢者の独立方式、これもいろんな御主張されておられる方々がございますので非常に前提を置いたようなスタイル、それから突き抜け方式、それから今話題になっておりますリスク構造調整方式、それぞれにつきまして二通りの案、計六種類の案をかなり機械的と言うとおしかりを受けるかもしれませんが、そういう試算を公表をいたしております。
 この年齢リスク構造調整だけをやる仕掛け、全年齢につきまして年齢の違いによる医療費の格差を調整をすると。その前提といたしまして、七十五歳以上の者の公費負担は給付費の五〇%、それから現在の退職者医療制度は廃止するという前提でございますが、そういうことを行いますと、これは平成十九年度と最初の高齢化のピークを迎えます三十七年度と二つ試算をして公表させていただいていますけれども、便宜十九年だけちょっと申し上げますと、十九年度では市町村の国保は若干の減になります。ほとんど三角〇・〇万円程度という程度でございますので若干の減少、それから政管健保でいきますと一・九万円程度の減少ということでございますが、その分、その分といいますか、その代わり公費負担は現行より一・一兆円増加をするというような結果になっております。
 また、被用者保険制度内において所得格差の調整までやるということを計算をいたしますと、政管健保は更に負担が減少いたしまして、二・六万円程度保険料の負担が減少するんではないかと。その代わり健康保険組合では、先ほどの単純な年齢リスク構造調整ですと七千円程度の保険料減少ですが、反対に一万二千円程度の負担増になると。そして、公費に関して言いますと、この前提が、現在入っております政管に対する国庫負担を廃止するという前提で試算をしておりますので、一・一兆円程度の公費の増が二千億程度の公費の増という程度でとどまるというような試算をいたしておりまして、これは六種類の試算、公表をさせていただいております。
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田浦直#28
○田浦直君 ひとつよろしくお願いをしたいと思いますが、私、この私案を読んでいる中で、医療保険制度の将来像というものについてはいろんな意見があるんですよね。この私案の中では、坂口大臣は制度の一元化を図るというふうに書かれておられるんですが、大臣が描いておられる一元化というそのイメージ、それは一体どういうものなのか、お尋ねをしたいと思います。
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坂口力#29
○国務大臣(坂口力君) 一元化のことをお答えを申し上げます前に、高齢者医療制度のお話、ちょっと先ほど出ましたので一言だけ付け加えさせていただきたいというふうに思っておりますが、財政調整の話が前面に出ますと、じゃ、もう高齢者医療制度はこれはもうカットするのかというお話になるわけでございます。しかし、附則におきましても二年以内にその結論を出すことになっておりまして、これは法律の中にも書き込まれているわけでございまして、その高齢者医療制度というものを私たちも飛ばして考えるということを思っているわけではございません。これは平成十七年度にはいずれにいたしましてもどうするかということを決めなければならないというふうに思っております。
 しかし、ここは今進んでおりますこの七十五歳以上、二分の一という公費の導入が、これ十九年までずっといくわけですけれども、果たしてそれで今後の医療がそれで賄っていけるのか。それとも、そうではなくて、もう少しやはりこれは別途考えていかなきゃならないのではないかという、そうした議論がこの二年間の間に私はあるんだろうというふうに思っておりまして、そうしたところから、この高齢者医療というものをその間にもう一つ作って、そして高齢者以外のところの財政調整をするのか、あるいは高齢者も含めた財政調整をするのかという御議論をしていただきたいというふうに思っているところでございます。それが一つ。
 それから、先ほどお話がございました一元化のお話でございますが、これは結局のところは、制度を一つにするということもございますけれども、その前にやはり給付と負担の公平化というものを図っていくということが大事になる。そのことは結果として一元化と同じ意味を持ってくるというふうに思っているわけでございまして、そうした問題を進めながら、そしてこの統合化を進めさせていただく。そして、平成十九年を一つの目安にして、そこで第一段階と申しますか、第一段階のところがそこででき上がるような体制を作り上げていくというのが大事ではないかというふうに思っている次第でございます。
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